• ブランド
    特設サイト
公開日 2001/04/30 16:07

アキュフェーズ杉浦社長インタビュー3「オーディオをベースにマルチの文化を考える」

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
アキュフェーズ(株)取締役技術部長 高松重治氏
●アキュフェーズ(株)代表取締役社長 杉浦浩司氏、代表取締役副社長 齋藤重正氏、取締役技術部長 高松重治氏に聞く、その第3回。インタビュアーは音元出版AVC&ネットワークディビジョンCOO大橋伸太郎である。

 ―― ホームシアターをやっていらっしゃる方が映像ばかり見ているわけでもないと思いますし、映像が大画面・高品位になればなるほど、映像なしで音だけにひたりたいという時間というのも増えるだろうと思います。ところで、DVDオーディオ/SACDのマルチについてはどうお考えですか。ホームシアターのインフラとの共有は、DVDの大衆への急速な普及を背景に考えれば、非常にわかりやすいビジョンであると思いますが、一方でたとえばDVDオーディオでは、5本同じスピーカーを使った円周配置を旨とするなど、教条主義的なところに陥っている面もあります。インフラの共通化を言うのなら、マルチチャンネルオーディオはもう少し「楽な聴き方」を提案すべきではないかと思うのですが、いかがですか。
 齋藤 私どもは現時点で音声のみのサラウンドについては重視していません。フロント2チャンネルがしっかりしていれば、アンビエンスなどの面についても現実に過不足ないと思います。それともう1つはソフトの問題です。オーディオのサラウンドの録音の手法が確立していない状況にあって、我々が再生する機器をすぐに出せると思っていません。今後を見守っていく考えです。現時点では映像サラウンド、ホームシアターのサラウンドがテーマであると明確にお話ししたいと思っています。
 DVDオーディオが本当にDVDグループの中で必要かどうかという疑問もあります。DVDビデオでも96kサンプリング、24ビットのフォーマットがあるわけですし、そちらを追及していけば必然的にいい音はできてくる。192kHzの2チャンネルはないかもしれませんけれども。我々がSACDを選んだのはDVDオーディオとのそのあたりの原点の違いがあるわけです。SACDは2チャンネルがベースにあり、マルチチャンネルを志向はしていても、「そちらもできる」というスタンスだと思うのです。
 ―― アキュフェーズがこうしていま、映像という広義でのホームエンターテインメントの世界に入っていこうとしている。エンターテインメントという言葉は、ちょっとアキュフェーズには似合わない言葉のような気がするので(笑)、アキュフェーズさんなりに「我々がこれから入っていこうとしている文化というのは、ひとことで言えばこれなんだ」という的確な言葉はありますか。
 齋藤 アキュフェーズはやっぱりオーディオです。オーディオの現象が広がってきていて、その広がりに我々が蓄積したオーディオの技術を今後どれだけ生かせるかということなんです。家庭を舞台に音と映像が融合し、表現の可能性が多様に広がっていく中でオーディオをベースに文化を考えていくということが務めだと思います。アキュフェーズがそこから離れて、それこそエンターテインメントの世界で何かを始めてしまったらとんでもないことになるんじゃないですか(笑)。(つづく)

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 ソニー、第2世代フラグシップ・ミラーレス一眼「α1 II」。画質、操作性を着実に強化
2 オーディオファイル待望の物量投入型プリメインアンプ!デノン「PMA-3000NE」をクオリティチェック
3 目黒蓮を“もっとそばに”感じられる特別イベント。「レグザミュージアム〜The 6 STORIES〜」11/21から原宿で開催
4 ボーズ、McIntosh Groupを買収。マッキントッシュ、ソナス・ファベールが傘下に
5 ビックカメラ.com、「2025年新春福箱」の抽選申し込み開始。全66種類、iPadやPS5も登場
6 覚えておくと絶対便利!iPhoneの「計測」アプリでできる、あんなことこんなこと
7 ビクター「HA-A6T」レビュー!5000円切り完全ワイヤレスイヤホンは「価格を上回るクオリティ」
8 高音質と機能性を両立する新たなスタンダード機!AVIOTのANC完全ワイヤレス「TE-V1R」レビュー
9 Meze Audioが打ち出す待望の入門モデル。開放型ヘッドホン「105 AER」&イヤホン「ALBA」の音質に迫る
10 新開発ユニットを巧みに操る懐深いサウンド。ELAC「Debut 3.0」フロア型/ブックシェルフ型を聴く
11/21 10:37 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.194
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX