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公開日 2003/10/23 18:37
ソニー、2003年度第二四半期におけるグループ全体の連結業績を発表
ソニー(株)執行役常務兼グループCFO 湯原隆男氏 |
同期間の連結売上高は3四半期ぶりに前年の同期と比べ微増となる1兆7,970億円となった。前年同期の為替レートを適用した場合はほぼ横ばいの数値となる。営業利益は173億円減の332億円となった。
売上高については、エレクトロニクス分野ではブラウン管テレビや携帯型オーディオプレーヤーなどの売上げが減少したが、携帯電話端末やデジタルカメラ、パーソナルコンピューター「VAIO」、DVDドライブやフラットパネルテレビの増収により、同分野全体は海外を中心に売上げが増加した。一方、ゲーム分野ではハードウェア、ソフトウェアともに国内・海外で減収となり、前年同期比35.6%のダウンとなった。金融分野は運用損益の改善や保険料収入の増加による増収を記録した。
営業利益については前年同期比で34.3%の減収を記録。ゲーム分野では半導体をはじめとする新規研究開発費の増加に加え、売上げ減少による大幅減益となった。映画分野では一部作品の興業不振による営業損失を記録。エレクトロニクス、金融の両分野は売上げ・収入の増加による増益を記録。音楽分野は構造改革と原価率改善の効果により、前年同期の営業損失に対し、この四半期では営業利益を計上した。
原価率は若干の悪化を記録。販売費・一般管理費は退職関連費用が増加したが、特許契約に関わる交渉の帰結にともない過去に計上した特許関連費用の引き当てを一部取り崩したことや、アフターサービス費が減少したことにより、売上高に対する比率が前年同期並となった。当四半期に計上された構造改革費用は97億円となり、分野別ではエレクトロニクス分野で54億円、音楽分野では41億円を計上した。
同期間純利益は前年同期比25.3%の減少となった。法人税はアイワ(株)の吸収合併決定による繰り越し税金資産の計上にともなう税金費用の戻し入れがあった前年同期に比べ増加を記録。持分法による投資損益(純額)は主にソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズが利益を計上したことにより当期は利益を計上した。
また、当年度の通期の業績見通しについては、営業利益と税引前利益の下方修正が明らかにされた。
2003年度第二四半期における業績に関して、同社代表執行役員会長兼グループCEOである出井伸之氏よりコメントが寄せられた。同氏は本期間においては、ゲーム分野が減収減益となったものの、商品力の強化を押し進めるエレクトロニクス分野に回復基調が見えた、と評価を示した。また、下半期については年末商戦に向けて新製品のラインナップも揃え、さらに積極的なビジネス展開を押し進め、一方で人員削減を含む固定費の削減に取り組みながら、事業の重点領域へ経営資源を集中させ、さらなる成長を図っていくと豊富を語った。
同社では今後、PC「VAIO」、フラットパネルテレビ、DVカメラ、DVDレコーダー、PSXを中心としたゲーム機、デジタルスチルカメラを特に採算性の高い「6つの重要商品」と位置付け、売上げの向上につなげていく考えだ。
(Phile-web編集部)