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公開日 2004/01/09 19:17

[2004年度 松下電器経営方針] 中村邦夫社長が会見「『創業』から『躍進』のステージへ」

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松下電器産業(株)代表取締役社長 中村邦夫氏
●松下電器産業(株)は1月9日、同社の「2004年度経営方針」に関する会見を行った。会見では大阪と東京の3会場を衛星回線で結び、同社社長の中村邦夫氏ならびに常務の川上徹也氏が出席し、2004年度から2006年度までの中期計画となる「躍進21計画」の概要を明らかにした。

同社では「破壊と創造」を旗印に、2001年から世界規模で数多くの改革を進めてきた。会見の冒頭で中村氏は、「今後2004年度からは創生から躍進へ改革のステージを移し、成長戦略の実践を行っていく」と語った。同社では「ユビキタスネットワーク社会の実現」と「地球環境との共存」を目標に、21世紀における「お客様価値創造企業」として成長するための経営ビジョンを、2010年の姿を予測しながら「躍進21計画」を策定したという。計画では、2006年度における「営業利益率5%以上」、「CCM(Capital Cost Management)ゼロ以上」、「成長軌道確保」を達成することを大きな目標としている。2006年度の経営数値目標としては、売上高8兆2,000億円、営業利益4,100億円を発表した。

「次の時代においては、ネットビジネスの普及拡大と異業種との新たな競争が予測される」とする中村氏は、同社の成長戦略として以下のような目標を示した。
1.次期V商品に71品目を設定し、2004年度売上げ1兆5千億円をめざす。商品には次の3つのポイントを設定
・独自技術によるブラックボックス技術
・ユニバーサルデザイン
・省エネ・省資源など環境への配慮
2.システムLSIを中心とするセットデバイスのバリューチェーン強化
3.Tナビ、電子書籍、白ものネット家電など新たなサービスとライフスタイルの提案
4.10年先を見据えた技術力の強化

同社では今後「デジタルスチルカメラをデジタルAV事業の新しい軸に10%シェアを狙い、また新工場を軌道に乗せPDPの生産拡大にも力を注いでいく」と中村氏は語った。その中でも特に半導体事業のさらなる強化による、同社のオリジナリティ溢れる付加価値商品の創出に大きな期待を寄せていることも明らかにした。また海外市場における成功も、同社飛躍のための大きな鍵と位置付けた。

経営体制の強化戦略としては、今後もそのロードマップの見直しを繰り返し図り、戦略を洗練させ「選択と集中」の基本思想に基づく改革を徹底していくとした。グループトータルでのコスト削減活動もよりいっそう強化しながらおよそ1,000億円のコスト削減を目指していく。企業構造の改革に関しては、先頃子会社化を発表した松下電工(株)との協業による、グループ総合力の強化を宣言。「両社が持てる力を結集し、新たな枠組みを構築して行く」と語った。また、本日より松下電器産業(株)、松下電工(株)両社の共通の経営戦略をつくることを目的に、互いの経営首脳陣による「21世紀コラボレーション委員会」が設立されることが明らかにされた。「お客様に新しいライフスタイルを提案する」ことを目標とし、委員長に選ばれた、松下電器産業副社長・戸田一雄氏を先頭に、経営体制の強化が押し進められていくという。

最後に「社会の公器として、事業を通じて社会に貢献する企業」としての目標が中村氏より掲げられ、「全員経営」「実力主義」「人間尊重」を軸に「若々しい松下」を実現し、会社と従業員の関係をより充実したものとして行くとした。また同社の今年度の社内向け経営スローガンとして「次代を拓く」という言葉を掲げ、2010年にはグローバルNo.1レベルを達成することも同社の目標として宣言された。

別項で、本会見のあとに行われた質疑応答の全問・全答をご紹介する。

(Phile-web編集部)

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