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公開日 2006/04/27 20:11

ソニー、05年度業績を発表 − 下期のBRAVIA好調で予想上回る

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ソニーは本日、記者発表会を開催し2005年度(FY05)の連結業績を発表。営業利益は、1月に上方修正を行った数字を上回り、前年度比+67.9%を達成した。


大根田執行役

FY05連結業績

FY06連結業績見通し
FY05業績の大まかな概要、FY06の見通しを説明したのは執行役 EVP兼CFOの大根田伸行氏。まず同氏は、FY05後半にBRAVIA、HDVカメラ、VAIOなどが好調となったことから「エレクトロニクス事業は回復の見通しが立った」と現状を語った。

同社が本年1月に行ったFY05連結業績見直しでは、営業利益を1,000億円としていたが、本日発表したFY05連結業績の営業利益は1,913億円。約900億円の改善を実現している。売上高および営業収入は、前年比+4.4%の7兆4,754億円。こちらはほぼ業績見直し通りの結果となった。また純利益は、前年比-24.5%の1,236億円となった。

FY06の見通しについて、エレクトロニクス/映画事業は「売り上げおよび営業収入はプラスとなり改善の見込みだが減益の見通し」、ゲーム事業については「PS3への投資の時期。マイナスとなる見通しだがPS2の時と同様、その後の立ち上がりを見込んでる」と説明した。

また、製造拠点統廃合や人員削減などの構造改革について大根田氏は「予定を上回る進捗を見せている」と説明した。


湯原SVP

各事業における業績を説明したのはコーポレートエグゼクティブSVPの湯原隆男氏。エレクトロニクス事業は、売り上げが5兆1,505億円で営業損失は309億円(33億円の改善)。その内のAV&ITは売り上げ3兆3,479億円で営業損益は375億円だった。

さらにその内、テレビ事業は9,314億円の売り上げを計上。営業利益は-898億円となったが、昨年秋以降のBRAVIA投入により、第3、4四半期はプラスに転じていたと説明した。

FY05エレクトロニクス

FY05エレクトロニクス地域別売上

FY05エレクトロニクス(製品カテゴリー別)

PS3の発売が待たれるゲーム事業だが、FY05はPS2の売り上げが欧米を中心に引き続き堅調を維持したほか、PSPは日米欧で順調に普及。売上高は9,586億円、営業利益は87億円を計上した。PSPに関してはソフトの売れ行きの好調さも利益につながったと説明した。

FY05 ゲーム

PlayStation ハードの生産出荷台数

PlayStation ソフトの生産出荷本数

映画事業の売り上げは円高の影響で1.7%増の7,459億円となったが、米ドルベースでは減収。劇場興行収入やDVD/VHSソフト売り上げの世界的な現象に加え、同社映画作品の不振などにより営業利益は-57.1%の274億円にとどまった。

FY05 映画

FY05 金融

FY05 その他


ソニー・エリクソンの業績

ソニーBMGの業績

発表会で行われた質疑応答の内容は以下の通り。

Q.FY06半導体設備投資の見通しのうち「CELL」はいくらになるか? また、FY05までの投資額は?
A.FY06の投資額の中にCELLの金額は入っていない。FY05までの累計投資額は2,000億円。

Q.中国でデジカメが不合格とされた問題で買い戻しを行ったと思うが、その損失の額は? その処理はどう行ったか?
A.対象となった機種は6機種。3月末まで回収に応じてきた。金額の公表は差し控える。これらの損失はFY05の会計で処理を行った。

Q.人民元高の影響はあったか?
A.あまり影響がないと見ている。対策として、中国にファイナンスのホールディングのようなものをつくり中国国内で処理していく。

Q.半導体事業で、CMOSセンサーなどイメージセンサーの業績は?
A.FY06は05に比べて投資を増加する。その多くは熊本工場を対象としており、300億円くらい増えると予想している。CMOSは、従来のCCDより利益率が悪いが改善に向かっている。

Q.半導体事業で、売り上げ3,000億円という見込みだが、具体的にはどういった製品か?
A.基本的にインターカンパニーの取引で、半導体部門からゲーム部門へのCELLやRSXの売り上げが伸びていることに起因する見込みだ。

Q.海外でのテレビ事業の戦略は?
A.今まで韓国のS-LCDからパネルを日本に持ってきて生産していたが、今後は韓国から海外拠点に直接送る方法も行っていく。LCD以外では、プロジェクターは米を中心に拡大する計画。CRTは、縮小すると考えており、560万台くらいと見ている。生産拠点を集中し、ターゲットの地域も絞っていく。

Q.PS3は本年度600万台の出荷を見込んでいるというが、具体的な利益目標は?
A.プラットフォームごとの金額は開示していない。

Q.テレビの価格下落についてどう考えているか?
A.地域やサイズで違ってくると思うが、32インチについてはこの1年で25%くらい下落している。ここ2〜3ヶ月は落ち方がゆるやかになっているが、下落が止まるとは思っていない。

Q.リアプロ製品はどうしていく?
A.アメリカではSXRDを搭載したハイエンドのグランドベガに力を入れていく。

Q.FY06、液晶テレビは600万台の見込みだが、S-LCDのパネルの使用がメイン? 外部調達が増えるのか?
A.今の第7世代のS-LCD製は、大量生産が可能。これにより半分くらいはS-LCDから調達ができるだろう。外部調達も増えると思う。

Q.FY05はテレビ事業が赤字だったが、FY06の見通しは?
A.FY06の下期で黒字化できると考えている。FY05でも、薄型テレビでブレークイーブンに近い結果をのこしたクオーターもあった。

Q.デジカメの見通しに関して、一眼タイプ新製品の比率は?
A.この数字には入っていない。新モデル発表時にそれらの数字も公表する。

Q.「WALKMAN」の動向は? iPodにどう追撃するのか?
A.昨年来、Aシリーズは日欧でそれなりのシェアを獲得してきたが、まだiPodには及ばない状況だ。まだ米で展開できておらず、差が開いてしまっているのが現実だ。デジタルオーディオに関しては新たな組織をつくり、日米欧で展開していく予定だ。

Q.W杯商戦におけるテレビ事業の期待や手応えはあるか?
A.日欧での大きなチャンスだと考えている。日本ではV/Sシリーズの新モデルを展開する。年末も大きな商戦期なので、商品企画を進めていきたいと考えている。

Q.構造改革において人員削減を1年前倒しで行ったというが、生産拠点の統廃合に関しては前倒しの予定はないのか?
A.統廃合は発表したもの以外で考えているものもある。決定したら発表する予定だ。

Q.第4四半期の純利益がマイナスとなった要因は?
A.営業利益、計上利益が赤字になったのが原因だ。営業利益に関してはシーズンナリティが要因。また、ゲーム部門で500億円近い期末の引き当てがあったほか、構造改革が期末に集中し、早期退職の引き当ても期末に行ったためだ。

(Phile-web編集部)

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