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公開日 2006/12/29 11:55

編集部・山本が選ぶ2006年10大ニュース − フルHDの標準化はじまりの年

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今年もPhile-webでは1年間、オーディオ・ビジュアル&ホームシアターに関連する大小様々な約4,000件のニュースをご紹介してきました。今回はPhile-webの年末年始特別企画として、当編集部の4名がセレクトした「2006年10大ニュース」をお送りします。

初回は編集部・山本が気になった10大ニュースを発表します。ランキングをご紹介する前に2006年の出来事を振り返ってみると、やはり一番注目を浴びた商品はフルHD対応の薄型大画面テレビと、BDやHD DVDの最新録画再生機だったように思います。映像ソフトがビデオからDVDに変わって「スゴイ」と感じていたのも束の間、今度は次世代フォーマットのROMディスクが登場したことによって「もっとスゴイ」映像までもが身近に楽しめるようになってしまいました。実は我が家はまだ薄型テレビ革命を迎えていなかったのですが、地デジも広まってきたことだし2007年はいよいよ買い換えようかと計画しています。

第10位:ビクター、リアプロの薄型化&壁掛けを実現する新光学技術を開発
液晶、プラズマに続く大画面テレビとして期待されているリアプロジェクションテレビですが、これまで薄型化が課題とされてきました。9月に日本ビクターが発表した「スリムファンクション光学エンジン」は、プロジェクションテレビの奥行きサイズを小さくすることが可能な新技術として注目を浴びています。同社独自の映像デバイスであるD-ILAの高画質を活かした、薄型リアプロジェクションテレビへの搭載が待ち遠しい所です。

第9位:ソニーと松下、フルHDを8cmDVD/SDカードに記録するビデオカメラ用規格「AVCHD」を開発
松下電器産業とソニーが開発した「AVCHD」は、映像圧縮方式にMPEG-4 AVC/H.264を採用し、8cmDVDディスク、またはSDカードにHD映像を記録する規格として世に送りし、本規格を採用したデジタルビデオカメラを商品化しました。行く行くは本規格がDVDレコーダーにも採用されることはあるのでしょうか?既存のDVDディスクがBDレコーダー、HD DVDレコーダーの進化と共存しながら発展していけば、ハイビジョンの楽しみ方やユーザーの裾野が広がるのではないでしょうか。

第8位:NET JUKEがMD→HDDへの倍速ダビングに対応
2006年秋に発表されたソニー「NET JUKE」は、本体に大容量HDDを内蔵し、充実した機能の搭載と、同時発表のウォークマンNW-S700F/S600シリーズとの連携機能も備えるなど、前機種に比べて大きな進化を遂げました。私が本製品で一番注目しているのがMD→HDDへ、ATRAC/MP3/PCMへフォーマットを変換した上で高速ダビングできる機能です。私は今でもMDをある用途に活用しているので、新たに蓄積されていく素材をスペースを使わずにアーカイブ化するのに頭を痛めています。この充実した機能なら当然の価格設定ということは承知していますが、購入まであと一歩の所で踏みとどまっています。

第7位:ノイズキャンセリングヘッドホンが様々なブランドから登場
今年はノイズキャンセリング機能を搭載したヘッドホンの新製品がボーズやJBLを始め、多数のメーカーから発売されました。また、パナソニックの“D-snap”やソニーの“Walkman”は、付属のヘッドホンがノイズキャンセリング機能を搭載し、多くのユーザーがその消音効果を実感できる機会も増えました。iPodを始めとしたDAPが本格的な普及を果たし、2007年はノイズキャンセリングヘッドホンのみならず、ポータブルプレーヤーで音楽を高音質に楽しむためのアクセサリーや、ユーザーの個別のライフスタイルにマッチした製品がさらに増えてくるのではないでしょうか。

第6位:4月から「PSEマーク」のないオーディオ/AV電気製品の販売が禁止に
4月1日から本格施行された電気用品安全法を巡る「PSE問題」は、今春、オーディオ業界やオーディオファンが最も注目した話題ではないでしょうか。結局は経済産業省により、「ビンテージ機器はPSEマーク不要」「絶縁耐力試験検査機器の無料貸出し」等、オーディオ製品に関するメーカーや輸入代理店、販売店などの負担を軽減するための措置が取られることになりましたが、輸入業務に携わる方々の話を訊いていると、やはり本法の施行が特に海外から魅力的な製品を国内に紹介する際の妨げに、引き続きなっているようです。

第5位:シャープ、業界初の32V型フルHD液晶テレビを発売
32V型のフルHDパネルを搭載した薄型テレビが、いよいよ2006年年末にシャープから商品化されました。我が家の話で恐縮ですが、うちの狭いリビングでは置けるテレビの最大画面サイズが32インチといったところです。2007年以降に市場での盛り上がりが期待されているインチサイズは「40インチ以上」と言われていますが、一方で32インチ台の高画質テレビを求めるユーザー層も多くいるはずです。シャープの展開に他のメーカーもどのように反応してくるのかが楽しみです。

第4位:<A&Vフェスタ 2006レポート:TAD>新フラグシップ「TAD Reference One」の試作機をデモ展示
パイオニアが開発中のフラグシップスピーカー「TAD Reference One」をAVフェスタ2006の会場で一足先に試聴しました。取材にうかがった際には「7〜8割方の完成度」という説明を受けましたが、その時点でも実に素晴らしいサウンドを堪能させてもらいました。オーディオファンにとって間違いなく、2007年一番の目玉製品の一つになることでしょう。

第3位:ボーズ博士の夢が現実に:拳サイズのパワードスピーカー「M3」誕生
今年私が取材した製品の中で、最も衝撃を受けたのがボーズの「Micro Music Monitor(M3)」でした。スピーカーとしての完成度がとても高く、小柄ながらパワフルで芯のしっかりとした音楽再生能力を備えています。我が家のキーボードにつないで、モニタースピーカーとして使ってみたときも、非常に快適な使い心地でした。

第2位:世界最大のCEショウ「IFA2006」開幕 − 欧州でも薄型大画面テレビが大人気
世界最大のコンシューマー・エレクトロニクスショーである「IFAベルリンショー」が9月に開催されました。これまで隔年で開催されていたイベントが、2006年から毎年開催に周期を変え、どれ程の出展社と来場者が集まるのかが心配されましたが、結果としてはとても盛り上がり、成功を収めたようです。本イベントの取材を担当する3度目の機会でしたが、どちらかと言えばデジタル家電について“新しいもの嫌い”なヨーロッパの人々が、最近は急速に先端技術に馴染んできているように感じました。その牽引車となっているのが、薄型大画面テレビと極小DAPのようです。

第1位:パナソニックが103V型を含むフルHDプラズマ“VIERA”を発売 − VIERA Linkがつなぐホームエンターテインメント
松下電器産業は2006年、プラズマテレビの新製品として、PZ600シリーズ、PX600シリーズ、PX60シリーズを発表しました。中でも受注生産により9月から発売を開始した103V型の「TH-103PZ600」がオーディオ・ビジュアル業界に与えたインパクトはやはり大きかったように思います。一つには、本機がいわゆる“大画面”の価値観を変え、プラズマでは特に50インチ台を薄型大画面テレビの標準サイズに引き上げてしまったことです。また、これまでに100インチ以上のプラズマをコンセプトモデルとして開発したメーカーはありましたが、ワールドワイドに供給できるかたちでの商品化を実現したパナソニックの技術力と商品力には、改めて世界が注目したように感じます。同社の新社長に就任された大坪文雄氏(関連ニュース)が掲げる「モノづくり立社」の経営理念から、2007年にはどんな商品が同社から発表されるのか楽しみです。

(Phile-web編集部・山本)

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