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公開日 2007/02/15 10:54
ラウンドロビンテスト「Stage-6」の成果報告を実施 − RWPPI第41回定例会議レポート
RWプロダクツ・プロモーション・イニシアティブ(略称:RWPPI)は、第41回定例会議をパイオニア(株)の目黒本社にて開催した。
はじめに挨拶したRWPPI代表のパイオニア(株)相澤氏は、マイクロソフトが発売した最新OSのWindows Vistaを話題に取り上げ、「VistaからDVD-RW/Rを含む記録型DVDフォーマットの標準サポートが実現されたことを大変うれしく思う」と語った。これにともない、「今後パソコンの買い替え需要の拡大が予想されるが、記録型DVDメディアのセールスもさらに伸びることが期待される。ユーザーにとって、DVDメディアの手頃な価格、使い勝手の良さが改めて認識されていくだろうし、普及がさらに広まるだろう。私たちが推進するDVD-RW/R関連製品のラウンドロビンテストでも、さらなる成果を実現していきたい」とし、VistaのリリースによるDVDメディア市場の活性化に期待を示した。
相沢氏に続いて、ラウンドロビンテストのヘッドチェア(全体会議チェア)である、パイオニア(株)石井氏が登壇し、先にテストが終了した「Stage-6(6回目の互換性検証活動)」の成果報告を行った。
2002年にスタートしたラウンドロビンテストでは、「フィジカル・フォーマットWG」「ロジカルフォーマット(ライター)WG」「ロジカルフォーマット(レコーダー)WG」「プレイバックコンパチビリティWG」の4つのワーキンググループに別れ、直近の「Stage-6」では、海外企業も含む全51社による互換性検証活動が行われてきた。この参加企業数については、全世界のDVD-RW/R関連製品市場をほぼカバーする規模である。改めてラウンドロビンテストの意義について触れる石井氏は「世界市場におけるDVD-RW/R関連製品の互換性を確認するのには非常に有効な活動となっている」と評価する。
「Stage-6」では新しく8倍速対応のDVD-R DLディスクがテスト項目に加わるとともに、今後デジタル放送の普及等同時にユーザーの拡大が予想されるCPRM対応ディスクや、成長著しいDVDビデオカメラ用8cmディスク、さらに大容量記録が行えるDLフォーマットのディスクなど、市場で有望視されるアイテムが互換性検証の対象とされた。また、DVD-RW/Rに関する旧来製品と新製品間の互換性検証にもスポットが当たった。このほど全体の成果が取りまとめられた、トータルの通過率として平均98%の通過率という高い互換性が確認されたと石井氏は語った。これらの成果を踏まえ、本年の第2四半期からは新たな検証アイテムを含む「Stage-7」の始動が予定されている。また、「Stage-6」の成果については、2月23日開催予定の「JRT東京セミナー」や、3月8日からRWPPIとTRIA(台湾記録メディア工業会)が共同で開催する「台湾セミナー」においても発表される計画となっている。
石井氏の登壇を受けて、今回の会議には各ワーキンググループの代表者が出席し、それぞれの細かなテストの実施内容と結果の報告、並びに次ステージの検証課題項目の発表が行われた。また、2月23日にRWPPIとRDVDCが共同で開催する「JRT東京セミナー」、並びに3月8日・9日の連日に渡って開催される「台湾セミナー」の詳しい計画内容も、RWPPI事務局の斉藤氏が詳しい説明を行った。ラウンドロビンテスト「Stage-6」の結果については、両方のセミナーでも公式に発表される予定だ。
続いて現在DVDフォーラムで審議されている、Web上のダウンロードコンテンツをDVD-Rへ、CSS(Content Scramble System)のコンテンツ保護技術を使って書き込むサービスの概要を、パイオニア(株)の吉田氏が説明した。
CSS記録対応のDVD-Rで実現するサービスは、インターネット回線を通してダウンロードした動画等のコンテンツを、DVDビデオと同じCSSによるコンテンツ保護技術を用いることによって、DVDプレーヤーでも再生することができるようになるというものだ。現在規格の策定がDVDフォーラムを中心に進められており、年内の早い段階で規格の最新のバージョンがスタートする予定だ。また、サービスを活用したビジネスモデルについても、キオスク端末等でCSS対応DVD-Rディスクに記録するMOD(Manufacturing On Demand)と、個人がパソコンでダウンロードしたものを専用ディスクに記録して楽しめるEST(Electronic Sell-Through)の2種類が検討されている。このようなCSS記録対応のDVD-Rによるビジネスモデルが確立することのメリットについて触れた吉田氏は、「電子配信による無在庫販売の実現と、それによるビジネスリスクの軽減」「多種多様なコンテンツの少量配布のビジネス化」などを例に挙げながら、「コンテンツプロバイダーとユーザー、さらにはディストリビューターの全体に良い効果がもたらされるだろう」とコメントした。
全体会議の最後には、独立行政法人理化学研究所 河田ナノフォトニクス研究室 工学博士の田中拓男氏による特別講演が行われた。顕微鏡研究のスペシャリストである田中氏は、専門の分野から見た光ディスクの大容量化をテーマに、研究者の立場から光ディスクの可能性と自身の期待について語った。
田中氏はVHSをはじめとする磁気テープ型の記録メディアを「1次元」、DVDを始めとする光ディスク型の記録メディアを「2次元」の光メモリーとして位置づけ、3次元蛍光記録材料等を活用した多層型100TBクラスの次世代大容量光メモリーに関する研究内容を紹介した。田中氏は「現代社会ではものすごいスピードで様々なデータが日々生成されているが、それらを全て保存する装置を人類はまだ手にしていない。例えば人の一生を全て動画で記録できる大容量メモリーが登場すれば、人類の生活に革新を起こすことができるかもしれない。光技術を使った記録メディアは、最も有効な手段の一つとして考えられる。今後もその画期的な進化に期待をしたい」と語り、今回の会議を締め括るエールを贈った。
(Phile-web編集部)
はじめに挨拶したRWPPI代表のパイオニア(株)相澤氏は、マイクロソフトが発売した最新OSのWindows Vistaを話題に取り上げ、「VistaからDVD-RW/Rを含む記録型DVDフォーマットの標準サポートが実現されたことを大変うれしく思う」と語った。これにともない、「今後パソコンの買い替え需要の拡大が予想されるが、記録型DVDメディアのセールスもさらに伸びることが期待される。ユーザーにとって、DVDメディアの手頃な価格、使い勝手の良さが改めて認識されていくだろうし、普及がさらに広まるだろう。私たちが推進するDVD-RW/R関連製品のラウンドロビンテストでも、さらなる成果を実現していきたい」とし、VistaのリリースによるDVDメディア市場の活性化に期待を示した。
相沢氏に続いて、ラウンドロビンテストのヘッドチェア(全体会議チェア)である、パイオニア(株)石井氏が登壇し、先にテストが終了した「Stage-6(6回目の互換性検証活動)」の成果報告を行った。
2002年にスタートしたラウンドロビンテストでは、「フィジカル・フォーマットWG」「ロジカルフォーマット(ライター)WG」「ロジカルフォーマット(レコーダー)WG」「プレイバックコンパチビリティWG」の4つのワーキンググループに別れ、直近の「Stage-6」では、海外企業も含む全51社による互換性検証活動が行われてきた。この参加企業数については、全世界のDVD-RW/R関連製品市場をほぼカバーする規模である。改めてラウンドロビンテストの意義について触れる石井氏は「世界市場におけるDVD-RW/R関連製品の互換性を確認するのには非常に有効な活動となっている」と評価する。
「Stage-6」では新しく8倍速対応のDVD-R DLディスクがテスト項目に加わるとともに、今後デジタル放送の普及等同時にユーザーの拡大が予想されるCPRM対応ディスクや、成長著しいDVDビデオカメラ用8cmディスク、さらに大容量記録が行えるDLフォーマットのディスクなど、市場で有望視されるアイテムが互換性検証の対象とされた。また、DVD-RW/Rに関する旧来製品と新製品間の互換性検証にもスポットが当たった。このほど全体の成果が取りまとめられた、トータルの通過率として平均98%の通過率という高い互換性が確認されたと石井氏は語った。これらの成果を踏まえ、本年の第2四半期からは新たな検証アイテムを含む「Stage-7」の始動が予定されている。また、「Stage-6」の成果については、2月23日開催予定の「JRT東京セミナー」や、3月8日からRWPPIとTRIA(台湾記録メディア工業会)が共同で開催する「台湾セミナー」においても発表される計画となっている。
石井氏の登壇を受けて、今回の会議には各ワーキンググループの代表者が出席し、それぞれの細かなテストの実施内容と結果の報告、並びに次ステージの検証課題項目の発表が行われた。また、2月23日にRWPPIとRDVDCが共同で開催する「JRT東京セミナー」、並びに3月8日・9日の連日に渡って開催される「台湾セミナー」の詳しい計画内容も、RWPPI事務局の斉藤氏が詳しい説明を行った。ラウンドロビンテスト「Stage-6」の結果については、両方のセミナーでも公式に発表される予定だ。
続いて現在DVDフォーラムで審議されている、Web上のダウンロードコンテンツをDVD-Rへ、CSS(Content Scramble System)のコンテンツ保護技術を使って書き込むサービスの概要を、パイオニア(株)の吉田氏が説明した。
CSS記録対応のDVD-Rで実現するサービスは、インターネット回線を通してダウンロードした動画等のコンテンツを、DVDビデオと同じCSSによるコンテンツ保護技術を用いることによって、DVDプレーヤーでも再生することができるようになるというものだ。現在規格の策定がDVDフォーラムを中心に進められており、年内の早い段階で規格の最新のバージョンがスタートする予定だ。また、サービスを活用したビジネスモデルについても、キオスク端末等でCSS対応DVD-Rディスクに記録するMOD(Manufacturing On Demand)と、個人がパソコンでダウンロードしたものを専用ディスクに記録して楽しめるEST(Electronic Sell-Through)の2種類が検討されている。このようなCSS記録対応のDVD-Rによるビジネスモデルが確立することのメリットについて触れた吉田氏は、「電子配信による無在庫販売の実現と、それによるビジネスリスクの軽減」「多種多様なコンテンツの少量配布のビジネス化」などを例に挙げながら、「コンテンツプロバイダーとユーザー、さらにはディストリビューターの全体に良い効果がもたらされるだろう」とコメントした。
全体会議の最後には、独立行政法人理化学研究所 河田ナノフォトニクス研究室 工学博士の田中拓男氏による特別講演が行われた。顕微鏡研究のスペシャリストである田中氏は、専門の分野から見た光ディスクの大容量化をテーマに、研究者の立場から光ディスクの可能性と自身の期待について語った。
田中氏はVHSをはじめとする磁気テープ型の記録メディアを「1次元」、DVDを始めとする光ディスク型の記録メディアを「2次元」の光メモリーとして位置づけ、3次元蛍光記録材料等を活用した多層型100TBクラスの次世代大容量光メモリーに関する研究内容を紹介した。田中氏は「現代社会ではものすごいスピードで様々なデータが日々生成されているが、それらを全て保存する装置を人類はまだ手にしていない。例えば人の一生を全て動画で記録できる大容量メモリーが登場すれば、人類の生活に革新を起こすことができるかもしれない。光技術を使った記録メディアは、最も有効な手段の一つとして考えられる。今後もその画期的な進化に期待をしたい」と語り、今回の会議を締め括るエールを贈った。
(Phile-web編集部)