HOME > ニュース > AV&ホームシアターニュース
公開日 2007/05/21 13:42
【山之内 正の独HIGH ENDショーレポート】デノン、HDMI 1.3搭載セパレートAVアンプ「AVP-A1HD」「POA-A1HD」など公開
デノンの高級AVアンプのラインナップがこの秋に一新されることは、すでに今年1月のインターナショナルCESなどで明らかになっていたが(関連ニュース)、ミュンヘンのハイエンドショーではその詳細が初めて公開された。主要機種については次世代音声の再生も含むデモンストレーションが行われたので、その様子を含めて概要を紹介することにしよう。
今回は次世代オーディオ対応モデルとして、セパレートアンプ(AVP-A1HD、POA-A1HD)と一体型モデル(AVR-4308)がそれぞれ1機種ずつ公開された。セパレートアンプはほぼ同じ仕様と仕上げで日本でも発売される見込みだが、AVR-4308は欧州仕様で仕上げもブラックのみ。おそらくほぼ同じ内容で日本にはシルバー仕上げの製品が導入されることになるだろう。
まずセパレートアンプだが、これまでモックアップで公開されていたのに対し、今回は実機に限りなく近い状態で展示し、パワーアンプについては内部も公開された。コントロールアンプAVP-A1HDは32bit浮動小数点DSPを3個搭載し、THXウルトラ2に準拠した大型の筐体を採用。4系統のHDMI(1.3a)入力をそなえ、HDMI出力は同時出力可能な2系統を装備する。これまでAVアンプのHDMIは出力が1系統に限られていたため、プロジェクターと薄型テレビを併用しているケースなど、不便なことが多かったが、デノンのAVアンプを導入すればその問題は一気に解決する。歓迎すべき装備である。
HDMI 1.3aの関連機能としてはDolby True HDとDTS-HDのデコードに加え、ディープカラーとxvYCCをサポートし、自動リップシンク機能も搭載。そのほか、ワイヤレスLANに対応したネットワーク機能の充実も特徴的なフィーチャーに数えていいだろう。RC-7000CI/RC-7000CRIなど新開発の双方向リモコンに対応している点は使い勝手向上に大いに貢献しそうだ。
POA-A1HDはチャンネル当たり150W(8Ω)の出力を実現する10chのマルチチャンネルパワーアンプである。多チャンネルアンプはもちろんアサイン機能を使って多様な駆動方法に利用でき、500W(4Ω)×5chの動作も可能。写真からわかる通り、大型のアナログVUメーターを3個積んでおり、切り替え操作によって各チャンネルの出力をリアルタイムで表示することが可能だ。一体型では真似のできないセパレート型ならではの機能といえる。パワーアンプはモノブロック構成で全チャンネル同一仕様を実現し、高水準のセパレーションとS/Nを確保。大型の筐体にパワーアンプモジュールが整然と並ぶ構成は相当な迫力がある。
ブラック仕上げのAVR-4308は、セパレートアンプに準じるHDMI 1.3a関連装備と新しいGUIを搭載した一体型のフラグシップ機である。筐体の高さは現行モデルに比べて若干抑えられているが、設置の自由度が上がるので、これはむしろ歓迎すべき改善ポイントに数えたい。新GUIのわかりやすさは既存モデルとは一線を画し、予備知識がなくても直感的な操作ができそうだ。新機能は数え切れないほど盛り込まれているが、ここでは再生音のインプレッションを紹介することにしよう。
今回のHIGH ENDショーでは、デノンは2階のピュアオーディオ/AVアンプの展示ブースに加えて1FにAVR-4308を中心にした専用試聴ブースを用意し、連日デモンストレーションを行った。BDをメインソースに用意した同ブースは立ち見が出るほどの盛況が続き、ドイツのAVファンの関心の高さがうかがわれた。ソース機器はPS3とHD DVDプレーヤーを用意し、現時点での最上位フォーマットで試聴を行う。一番の聴きどころは「U-571」の爆雷の炸裂と潜水艦内部の緊迫した空気の再現力。見慣れたシーンを、まるで別の作品のように驚くべき迫力で再現し、度肝を抜かされた。発売が待ち遠しい製品の筆頭に挙げられる力作だ。
(山之内 正)
今回は次世代オーディオ対応モデルとして、セパレートアンプ(AVP-A1HD、POA-A1HD)と一体型モデル(AVR-4308)がそれぞれ1機種ずつ公開された。セパレートアンプはほぼ同じ仕様と仕上げで日本でも発売される見込みだが、AVR-4308は欧州仕様で仕上げもブラックのみ。おそらくほぼ同じ内容で日本にはシルバー仕上げの製品が導入されることになるだろう。
まずセパレートアンプだが、これまでモックアップで公開されていたのに対し、今回は実機に限りなく近い状態で展示し、パワーアンプについては内部も公開された。コントロールアンプAVP-A1HDは32bit浮動小数点DSPを3個搭載し、THXウルトラ2に準拠した大型の筐体を採用。4系統のHDMI(1.3a)入力をそなえ、HDMI出力は同時出力可能な2系統を装備する。これまでAVアンプのHDMIは出力が1系統に限られていたため、プロジェクターと薄型テレビを併用しているケースなど、不便なことが多かったが、デノンのAVアンプを導入すればその問題は一気に解決する。歓迎すべき装備である。
HDMI 1.3aの関連機能としてはDolby True HDとDTS-HDのデコードに加え、ディープカラーとxvYCCをサポートし、自動リップシンク機能も搭載。そのほか、ワイヤレスLANに対応したネットワーク機能の充実も特徴的なフィーチャーに数えていいだろう。RC-7000CI/RC-7000CRIなど新開発の双方向リモコンに対応している点は使い勝手向上に大いに貢献しそうだ。
POA-A1HDはチャンネル当たり150W(8Ω)の出力を実現する10chのマルチチャンネルパワーアンプである。多チャンネルアンプはもちろんアサイン機能を使って多様な駆動方法に利用でき、500W(4Ω)×5chの動作も可能。写真からわかる通り、大型のアナログVUメーターを3個積んでおり、切り替え操作によって各チャンネルの出力をリアルタイムで表示することが可能だ。一体型では真似のできないセパレート型ならではの機能といえる。パワーアンプはモノブロック構成で全チャンネル同一仕様を実現し、高水準のセパレーションとS/Nを確保。大型の筐体にパワーアンプモジュールが整然と並ぶ構成は相当な迫力がある。
ブラック仕上げのAVR-4308は、セパレートアンプに準じるHDMI 1.3a関連装備と新しいGUIを搭載した一体型のフラグシップ機である。筐体の高さは現行モデルに比べて若干抑えられているが、設置の自由度が上がるので、これはむしろ歓迎すべき改善ポイントに数えたい。新GUIのわかりやすさは既存モデルとは一線を画し、予備知識がなくても直感的な操作ができそうだ。新機能は数え切れないほど盛り込まれているが、ここでは再生音のインプレッションを紹介することにしよう。
今回のHIGH ENDショーでは、デノンは2階のピュアオーディオ/AVアンプの展示ブースに加えて1FにAVR-4308を中心にした専用試聴ブースを用意し、連日デモンストレーションを行った。BDをメインソースに用意した同ブースは立ち見が出るほどの盛況が続き、ドイツのAVファンの関心の高さがうかがわれた。ソース機器はPS3とHD DVDプレーヤーを用意し、現時点での最上位フォーマットで試聴を行う。一番の聴きどころは「U-571」の爆雷の炸裂と潜水艦内部の緊迫した空気の再現力。見慣れたシーンを、まるで別の作品のように驚くべき迫力で再現し、度肝を抜かされた。発売が待ち遠しい製品の筆頭に挙げられる力作だ。
(山之内 正)