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公開日 2007/11/20 18:53
「DSテレビ」速攻インプレッション − ついに発売されたDS用ワンセグチューナーの実力とは
携帯ゲーム機のニンテンドーDS/DS LiteをワンセグTVとして使えるワンセグ受信アダプター「DSテレビ」(関連ニュース)が本日発売された。早速実機を入手できたので速報インプレッションをお届けしよう。
製品のパッケージはニンテンドーDSの周辺機器らしく小さい。パッケージを開けると本体を取り出して使用できる。
本体はアンテナ収納時で45.3W×110.5H×16.5Dmm、質量は約40gでやや細長い。これは内部にアンテナを収納していて2本のアンテナを延ばして使えるためで、DS Liteにセットすると背中からDSテレビの本体が顔を覗かせるような外観になる。
実際に使う際には、さらに収納してある2本のアンテナを立てて開く「縦V字」ポジションを推奨している。手に持って使用していると、アンテナが長いこともあり、DSテレビでワンセグを視聴していることが一目でわかるインパクトがある。
DSテレビの使用を開始する際には、電源を入れてDSテレビを起動すると、チャンネル設定の画面が自動で表示される。あとはタッチペンで地域を選んで進めるだけと、取り扱い説明書なしでも簡単に進められるはずだ。なお、地域を選ばずに、現在いる地点で選局可能なチャンネルをスキャンすることもできる。
●タッチペン操作で直感的に使える
DSテレビを使って実際にワンセグを視聴する際には、上画面にテレビ表示、下画面にチャンネルや各種ツールが表示され、2画面を活かした操作が行える。特にチャンネルや受信感度表示、設定などの画面が下画面に常時表示されているため、迷わず操作ができ、分かりやすい。
各種設定も、ほとんどの操作をタッチペン操作だけで行える。十時ボタンでのチャンネル変更、STARTボタンでの画面サイズ(アスペクト比)の切り替え、SELECTボタンでの横持ち/縦持ちの切り替えといった各種のボタン操作は、ショートカットとして活用すると便利だ。
持ち歩きながら使う際の操作スタイルは、標準の横持ちのほか、縦持ちに切り替えることもできる。持ちやすさという点では縦持ちもなかなかだが、縦長の液晶に横長のテレビ画面を表示することになるため、ワンセグ放送の表示領域は小さくなる。また、アンテナを延ばしていると画面を見る際に視界に入ることになるため、状況に応じて使い分けたい。
ちなみに、DSテレビを使ったワンセグ視聴中にDS本体を閉じるとテレビ放送の音声のみが流れる「聴くテレビモード」になる。ニュースや歌番組などで活用しよう。
●ワンセグ放送を活用する各種機能を試してみる
DSテレビには、ワンセグ放送を活用する様々な機能がある。
ワンセグ放送の字幕表示では、ワンセグ放送標準の画面に重ねて表示する字幕機能(拡大表示も可能)のほか、「enjoyツール集」には、サムネイル映像と字幕だけで放送内容をざっと遡って確認する「読むTV」も搭載している。EPG表示の機能はないものの、下画面の「INFO」を押すと、現在視聴中の番組の簡単な情報と、次の放送番組を確認できる。
受信感度の表示は下画面にある電波計で常時表示されているため、移動中でも分かりやすい。電波計をタップすると「電波チェッカー」画面に切り替わり、より細かなアナログ表示で感度を確認できる。特に電波計で最大感度(5本)の表示であっても、電波チェッカーで確認すると半分以下の場合もあるなど、電波チェッカーではさらに細かな感度の表示が可能なようで、受信感度の良い位置を探す際に重宝するだろう。
「enjoyツール集」には先に挙げた「読むTV」のほか、5つの機能を備える。
「メモ」では画面を見ながら最大4ぺージの手書きメモを記録できる。これは画面をキャプチャーする訳ではないが、現在視聴中の番組をポーズ状態にできる「映像停止」機能があるため、電話番号やレシピなどをメモする際に活用したい。
「TVの旅」は実際に受信に成功したエリアで日本地図を埋めて「旅率」を表示するエリアマップ。出張族が使うと俄然やる気が出てくるかもしれない。
「ツボTV」は体のツボを教えてくれるミニガイド。「疲れ目」「頭痛」など症状別に気軽にツボを調べられ、上画面でワンセグ放送を見ながら使えるのは便利。
「TVヤン」では、テレビを一緒に観る仲間を集められるとのことだが、今回はくわしいテストは行わなかった。「G&W」は往年のゲームウォッチを遊ぶことができ、テスト機では「FIRE」がインストールされていた。DSらしいお約束だろう。
●DS Lite+DSテレビの画質・音質をチェック
DS Liteでテストしたワンセグ映像の画質は、携帯電話のワンセグ機能などと比較すると、見た目はやや解像感の甘い映像だ。ワンセグ放送特有のノイズはさほど目立たないため、滑らかで見やすい映像とも言える。コントラスト感が強く、色合いのメリハリを大きくつけているのも特徴。原画に忠実な映像というより、屋外など映像を判別しにくいシチェーションでの視認性を重視しているように感じた。
画質は「各種設定」の「映像」から「画質」「明るさ」をそれぞれ3段階で調整できる。視認性という点では出荷時の状態が良好で、原画に近づけるなら明るさを落とした方が良い。
なお、画面比16:9のワンセグ放送をそのまま表示する「標準モード」でニュースなどを見ていると、テロップなどの文字表示が読みづらいこともあった。こうったケースではサイドをカットしてズーム表示する「拡大モード」で視聴すれば判別しやすくなるため、活用したい。
音質はDS Lite内蔵のスピーカーの性能がそのまま表れている印象で、ワンセグ機器としてはさほど良いと感じなかった。もっとも屋外視聴でメインとなるヘッドホン端子を通して視聴した音質は良好なので、ポータブルTVとして使用する上では十分満足できるだろう。
●屋外に持ち出して受信感度をテスト
DSテレビのワンセグ受信感度を試してみた。DSテレビでは2本のアンテナを用いることで感度向上を図っており、縦に90度開く「縦V字」ポジションを推奨している。
例えば編集部の窓際の席では、アンテナをすべて収納した状態では電波計表示が1〜2本立つ程度で、快適な受信ができないが、アンテナを伸ばして「縦V字」ポジションを取ると、電波計が4〜5本程度になり、安定した受信が可能になった。
屋外でのテストでは、アンテナを延ばした状態ではほぼ安定した受信を行える。電車で移動している際には時々電波計表示で4本まで下がることもあったが、ワンセグ映像の表示は安定している。
使用頻度の高そうな場所として、東京駅構内でもテストを行ってみた。ホームや、在来線の乗り換えに使うコンコースでは、電波計4〜5本程度と問題ない水準だ。ただし、地下の待ち合わせ広場に降りようと階段へ向かうと途端に感度が下がり、地下では完全に電波を拾えなくなってしまった。
テストに同時に持ち出した、「PSP-2000」+専用ワンセグチューナー、AQUOSケータイ「911SH」と比較すると、屋外での受信の安定性はDSテレビがもっとも高かった。ただし、前述の東京駅構内の地下入り口ではAQUOSケータイが健闘し、AQUOSケータイ、DSテレビ、PSPの順に感度が良い結果となった。なお、PSPとの比較は改めて詳しくレポートする予定だ。
●バッテリーの持ちも良好
外出先でワンセグを楽しむユーザーにとっては、バッテリーの持ち具合も気になるポイントだ。DSテレビのバッテリー持続時間は、DSの省エネモード時で使用した場合、公称値で約3時間30分。DS Liteの省エネモード時で使用した場合は、最低輝度の場合で約5時間、最高輝度の場合で約3時間30分となっている。
今回は時間の都合でバッテリー駆動時間のテストはできなかったが、数時間のテストのあいだ使い続けても問題なく使用できたため、特にバッテリーの持ちが問題となることはなさそうだ。また、ワンセグ視聴をDSテレビで行うことで、ワンセグケータイのバッテリー消費を押さえられることも隠れたメリットだ。ケータイのバッテリー残量を気にせずにワンセグを視聴することができ、結果として思う存分ワンセグ放送を楽しむことができるだろう。
●DSテレビ vs. PSPワンセグの対決を予定!
以上、DSテレビの機能を一通り使ってみた。好印象だったのは、DSならではの操作の分かりやすさ。タッチペンでの操作は予想以上に快適で、手軽にワンセグを楽しめる機器を探していたDSユーザーにとって十分に目的を果たしてくれるはずだ。
また、後日、ライバルゲーム機にあたる「PSP-2000」+ワンセグチューナーとの比較対決を予定している。お楽しみに!
(折原一也)
折原一也 プロフィール
埼玉県出身。コンピューター系出版社編集職を経た後、フリーライターとして雑誌・ムック等に寄稿し、現在はデジタル家電をはじめとするAVに活動フィールドを移す。PCテクノロジーをベースとしたデジタル機器に精通し、AV/PCを問わず実用性を追求しながら両者を使い分ける実践派。
製品のパッケージはニンテンドーDSの周辺機器らしく小さい。パッケージを開けると本体を取り出して使用できる。
本体はアンテナ収納時で45.3W×110.5H×16.5Dmm、質量は約40gでやや細長い。これは内部にアンテナを収納していて2本のアンテナを延ばして使えるためで、DS Liteにセットすると背中からDSテレビの本体が顔を覗かせるような外観になる。
実際に使う際には、さらに収納してある2本のアンテナを立てて開く「縦V字」ポジションを推奨している。手に持って使用していると、アンテナが長いこともあり、DSテレビでワンセグを視聴していることが一目でわかるインパクトがある。
DSテレビの使用を開始する際には、電源を入れてDSテレビを起動すると、チャンネル設定の画面が自動で表示される。あとはタッチペンで地域を選んで進めるだけと、取り扱い説明書なしでも簡単に進められるはずだ。なお、地域を選ばずに、現在いる地点で選局可能なチャンネルをスキャンすることもできる。
●タッチペン操作で直感的に使える
DSテレビを使って実際にワンセグを視聴する際には、上画面にテレビ表示、下画面にチャンネルや各種ツールが表示され、2画面を活かした操作が行える。特にチャンネルや受信感度表示、設定などの画面が下画面に常時表示されているため、迷わず操作ができ、分かりやすい。
各種設定も、ほとんどの操作をタッチペン操作だけで行える。十時ボタンでのチャンネル変更、STARTボタンでの画面サイズ(アスペクト比)の切り替え、SELECTボタンでの横持ち/縦持ちの切り替えといった各種のボタン操作は、ショートカットとして活用すると便利だ。
持ち歩きながら使う際の操作スタイルは、標準の横持ちのほか、縦持ちに切り替えることもできる。持ちやすさという点では縦持ちもなかなかだが、縦長の液晶に横長のテレビ画面を表示することになるため、ワンセグ放送の表示領域は小さくなる。また、アンテナを延ばしていると画面を見る際に視界に入ることになるため、状況に応じて使い分けたい。
ちなみに、DSテレビを使ったワンセグ視聴中にDS本体を閉じるとテレビ放送の音声のみが流れる「聴くテレビモード」になる。ニュースや歌番組などで活用しよう。
●ワンセグ放送を活用する各種機能を試してみる
DSテレビには、ワンセグ放送を活用する様々な機能がある。
ワンセグ放送の字幕表示では、ワンセグ放送標準の画面に重ねて表示する字幕機能(拡大表示も可能)のほか、「enjoyツール集」には、サムネイル映像と字幕だけで放送内容をざっと遡って確認する「読むTV」も搭載している。EPG表示の機能はないものの、下画面の「INFO」を押すと、現在視聴中の番組の簡単な情報と、次の放送番組を確認できる。
受信感度の表示は下画面にある電波計で常時表示されているため、移動中でも分かりやすい。電波計をタップすると「電波チェッカー」画面に切り替わり、より細かなアナログ表示で感度を確認できる。特に電波計で最大感度(5本)の表示であっても、電波チェッカーで確認すると半分以下の場合もあるなど、電波チェッカーではさらに細かな感度の表示が可能なようで、受信感度の良い位置を探す際に重宝するだろう。
「enjoyツール集」には先に挙げた「読むTV」のほか、5つの機能を備える。
「メモ」では画面を見ながら最大4ぺージの手書きメモを記録できる。これは画面をキャプチャーする訳ではないが、現在視聴中の番組をポーズ状態にできる「映像停止」機能があるため、電話番号やレシピなどをメモする際に活用したい。
「TVの旅」は実際に受信に成功したエリアで日本地図を埋めて「旅率」を表示するエリアマップ。出張族が使うと俄然やる気が出てくるかもしれない。
「ツボTV」は体のツボを教えてくれるミニガイド。「疲れ目」「頭痛」など症状別に気軽にツボを調べられ、上画面でワンセグ放送を見ながら使えるのは便利。
「TVヤン」では、テレビを一緒に観る仲間を集められるとのことだが、今回はくわしいテストは行わなかった。「G&W」は往年のゲームウォッチを遊ぶことができ、テスト機では「FIRE」がインストールされていた。DSらしいお約束だろう。
●DS Lite+DSテレビの画質・音質をチェック
DS Liteでテストしたワンセグ映像の画質は、携帯電話のワンセグ機能などと比較すると、見た目はやや解像感の甘い映像だ。ワンセグ放送特有のノイズはさほど目立たないため、滑らかで見やすい映像とも言える。コントラスト感が強く、色合いのメリハリを大きくつけているのも特徴。原画に忠実な映像というより、屋外など映像を判別しにくいシチェーションでの視認性を重視しているように感じた。
画質は「各種設定」の「映像」から「画質」「明るさ」をそれぞれ3段階で調整できる。視認性という点では出荷時の状態が良好で、原画に近づけるなら明るさを落とした方が良い。
なお、画面比16:9のワンセグ放送をそのまま表示する「標準モード」でニュースなどを見ていると、テロップなどの文字表示が読みづらいこともあった。こうったケースではサイドをカットしてズーム表示する「拡大モード」で視聴すれば判別しやすくなるため、活用したい。
音質はDS Lite内蔵のスピーカーの性能がそのまま表れている印象で、ワンセグ機器としてはさほど良いと感じなかった。もっとも屋外視聴でメインとなるヘッドホン端子を通して視聴した音質は良好なので、ポータブルTVとして使用する上では十分満足できるだろう。
●屋外に持ち出して受信感度をテスト
DSテレビのワンセグ受信感度を試してみた。DSテレビでは2本のアンテナを用いることで感度向上を図っており、縦に90度開く「縦V字」ポジションを推奨している。
例えば編集部の窓際の席では、アンテナをすべて収納した状態では電波計表示が1〜2本立つ程度で、快適な受信ができないが、アンテナを伸ばして「縦V字」ポジションを取ると、電波計が4〜5本程度になり、安定した受信が可能になった。
屋外でのテストでは、アンテナを延ばした状態ではほぼ安定した受信を行える。電車で移動している際には時々電波計表示で4本まで下がることもあったが、ワンセグ映像の表示は安定している。
使用頻度の高そうな場所として、東京駅構内でもテストを行ってみた。ホームや、在来線の乗り換えに使うコンコースでは、電波計4〜5本程度と問題ない水準だ。ただし、地下の待ち合わせ広場に降りようと階段へ向かうと途端に感度が下がり、地下では完全に電波を拾えなくなってしまった。
テストに同時に持ち出した、「PSP-2000」+専用ワンセグチューナー、AQUOSケータイ「911SH」と比較すると、屋外での受信の安定性はDSテレビがもっとも高かった。ただし、前述の東京駅構内の地下入り口ではAQUOSケータイが健闘し、AQUOSケータイ、DSテレビ、PSPの順に感度が良い結果となった。なお、PSPとの比較は改めて詳しくレポートする予定だ。
●バッテリーの持ちも良好
外出先でワンセグを楽しむユーザーにとっては、バッテリーの持ち具合も気になるポイントだ。DSテレビのバッテリー持続時間は、DSの省エネモード時で使用した場合、公称値で約3時間30分。DS Liteの省エネモード時で使用した場合は、最低輝度の場合で約5時間、最高輝度の場合で約3時間30分となっている。
今回は時間の都合でバッテリー駆動時間のテストはできなかったが、数時間のテストのあいだ使い続けても問題なく使用できたため、特にバッテリーの持ちが問題となることはなさそうだ。また、ワンセグ視聴をDSテレビで行うことで、ワンセグケータイのバッテリー消費を押さえられることも隠れたメリットだ。ケータイのバッテリー残量を気にせずにワンセグを視聴することができ、結果として思う存分ワンセグ放送を楽しむことができるだろう。
●DSテレビ vs. PSPワンセグの対決を予定!
以上、DSテレビの機能を一通り使ってみた。好印象だったのは、DSならではの操作の分かりやすさ。タッチペンでの操作は予想以上に快適で、手軽にワンセグを楽しめる機器を探していたDSユーザーにとって十分に目的を果たしてくれるはずだ。
また、後日、ライバルゲーム機にあたる「PSP-2000」+ワンセグチューナーとの比較対決を予定している。お楽しみに!
(折原一也)
折原一也 プロフィール
埼玉県出身。コンピューター系出版社編集職を経た後、フリーライターとして雑誌・ムック等に寄稿し、現在はデジタル家電をはじめとするAVに活動フィールドを移す。PCテクノロジーをベースとしたデジタル機器に精通し、AV/PCを問わず実用性を追求しながら両者を使い分ける実践派。