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公開日 2007/11/27 18:02
活況を呈する中国映像制作ー東京フィルメックスで上映監督のトークショー
11月17日から25日にかけて開催された東京フィルメックス映画祭コンペティションで、中国のドキュメンタリー作品「最後の木こりたち」がノミネートされて上映された。
この上映にともない、「中国ドキュメンタリー映画の現在」と題するトークイベントが11月24日、有楽町朝日ホールスクエアで開催された。
出席したのは「最後の木こりたち」のユー・グァン・イー監督と、同作品プロデューサーのズュー・リキム氏。山形ドキュメンタリー映画祭のコーディネーターで中国ドキュメンタリーに詳しい藤岡朝子氏と共に、中国ドキュメンタリー映画の現在について話し合った。
世界の映画祭で注目される中国インディペンデント映画
中国では、北京電影学院などでハリウッド式の大規模な映画製作について学べる制度が整っている。一方インディペンデントの映画製作は、中国ではこの15年ほどの歴史しかないが、隔年開催される山形国際ドキュメンタリー映画祭で中国作品が3回連続でグランプリを受賞しているなど、優秀な作品は世界の映画祭で注目され、日本でも紹介されるようになってきている。
この現状について、プロデューサーのズュー氏は、デジタル映像機器の出現により個人の映像制作が可能になったことや、90年代末にVCDが登場し安価に映像作品が購入できることになったことなどが大きく影響していると述べ、これらが変化する社会を記録しようと映像制作を志す人の刺激になったと説明。また開放政策により社会も以前より自由になり、その結果、各地に作家が現れたという。また映画専門学校以外の、様々な領域から映像制作に参入する例が非常に増えており、これらの作家の多くはドキュメンタリー映像制作を試みるという。
インターネットサイトやDVD発売も
藤岡氏の「海外の作品をどうやって知るか」という質問には、監督のイー氏が苦笑しつつ、海外の優秀な作品は海賊版でほとんど見ることができると述べる場面もあり、客席からも思わず笑いがもれた。ズュー氏によると、ウェブサイトを利用した作家どうしの批評や交流の場も立ち上がっているという。
インディペンデント映像の海外映画祭での上映、映像のDVD化や、国内での映画サイトなどを手がけている氏が立ち上げた映画サイトは、中国で最も人気の高い映画サイトとなっている。「中国の現代アートは世界的にも高い評価を得てマーケットも大きくなっています。1980年代、中国では現代芸術分野が非常に開放的で活況を呈した一時期がありましたが、現在の状況はその80年代に似ています」。
(取材・文 山之内優子)
この上映にともない、「中国ドキュメンタリー映画の現在」と題するトークイベントが11月24日、有楽町朝日ホールスクエアで開催された。
出席したのは「最後の木こりたち」のユー・グァン・イー監督と、同作品プロデューサーのズュー・リキム氏。山形ドキュメンタリー映画祭のコーディネーターで中国ドキュメンタリーに詳しい藤岡朝子氏と共に、中国ドキュメンタリー映画の現在について話し合った。
世界の映画祭で注目される中国インディペンデント映画
中国では、北京電影学院などでハリウッド式の大規模な映画製作について学べる制度が整っている。一方インディペンデントの映画製作は、中国ではこの15年ほどの歴史しかないが、隔年開催される山形国際ドキュメンタリー映画祭で中国作品が3回連続でグランプリを受賞しているなど、優秀な作品は世界の映画祭で注目され、日本でも紹介されるようになってきている。
この現状について、プロデューサーのズュー氏は、デジタル映像機器の出現により個人の映像制作が可能になったことや、90年代末にVCDが登場し安価に映像作品が購入できることになったことなどが大きく影響していると述べ、これらが変化する社会を記録しようと映像制作を志す人の刺激になったと説明。また開放政策により社会も以前より自由になり、その結果、各地に作家が現れたという。また映画専門学校以外の、様々な領域から映像制作に参入する例が非常に増えており、これらの作家の多くはドキュメンタリー映像制作を試みるという。
インターネットサイトやDVD発売も
藤岡氏の「海外の作品をどうやって知るか」という質問には、監督のイー氏が苦笑しつつ、海外の優秀な作品は海賊版でほとんど見ることができると述べる場面もあり、客席からも思わず笑いがもれた。ズュー氏によると、ウェブサイトを利用した作家どうしの批評や交流の場も立ち上がっているという。
インディペンデント映像の海外映画祭での上映、映像のDVD化や、国内での映画サイトなどを手がけている氏が立ち上げた映画サイトは、中国で最も人気の高い映画サイトとなっている。「中国の現代アートは世界的にも高い評価を得てマーケットも大きくなっています。1980年代、中国では現代芸術分野が非常に開放的で活況を呈した一時期がありましたが、現在の状況はその80年代に似ています」。
(取材・文 山之内優子)