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公開日 2008/07/10 23:30
“ヤマダ電機最大”LABI1高崎店が11日オープン − 「ヘルパーは不要」と山田会長
(株)ヤマダ電機はあす11日午前10時、群馬県高崎市のJR高崎駅前に、都市型店舗「LABI1高崎」をオープンする。本日、記者向けの事前説明会が行われた。
同社は昨年度の売上高が1兆7,600億円以上の、国内最大の家電販売会社。従来、郊外型店舗の大量出店で急成長を遂げてきたが、ここ数年、都市型店舗「LABI」の出店を強化する戦略を進めている。高崎店は、池袋店やなんば店、品川大井町店、秋葉原店などに続き、全国11店舗目の「LABI」形態での出店となる。
LABI1高崎が入居するビルは地下2階、地上12階で、高崎駅東口前のペデストリアンデッキに直結している。売り場面積は20,800m2(約6,000坪)。売り場は地下1階から4階までの5フロア。ほかにレストランが5階に、駐車場が6階から9階に設けられている。なお、同社はこのビルの完成を機に、本社機能を従来の前橋から高崎に移転。本社は同ビルの10階から12階に入っている。
事前説明会には、同社代表取締役会長兼代表執行役員 CEOの山田昇氏、代表取締役社長兼代表執行役員 COOの一宮忠男氏、執行役員 LABI1高崎店長の豊田峰夫氏が出席した。
山田会長はLABI1高崎の商圏について、「群馬県全域だけでなく、長野、埼玉、新潟の一部までを想定しており、商圏人口は400万人を想定している」と説明。年商については200億円を予定していると述べた。
店舗のコンセプトについて山田会長は「大都市におけるLABIではなく、地方で成立するLABIを目指した」とし、具体的には「地域密着型の店舗づくりを行った。ファミリー層を開拓するため、生活雑貨を導入して来店頻度を高める工夫をしたほか、キッズコーナー、アートギャラリーなどを設けることで、“見て体験して楽しめる”よう開発した。また、約1,000台が停められる駐車場も用意した」と説明。商品の品ぞろえについても、「約100万点の商品をそろえた。電気製品が何でもそろうフルタイプだ」と自信を見せた。
開店に先立ち、店舗の内覧も行われた。地下1階は書籍・ブランド品コーナーで、ワインや高級時計、ドラッグストアなども用意。食器や生活雑貨なども置かれ、周辺住民の来店回数を高める工夫がなされている。なお、書籍を購入すると同店のポイント5%が付与されるほか、ポイントで書籍を購入することもできる。
1階はエアコンや冷蔵機、洗濯機などの生活家電を中心に展開。ゴルフグッズのコーナーも設けられている。また、外にはイベントスペース「LABIガーデン」も用意。著名人が来店するイベントなどを計画しているという。
AV機器やオーディオ機器、携帯電話などは2階で販売。中心はやはり薄型テレビで、BRAVIAやVIERA、AQUOSなどブランドごとに最新の薄型テレビが数多く展示されている。パナソニックの103V型プラズマテレビも置かれていた。オーディオ機器も充実しており、各種コンポネントやスピーカーのほか、電源タップやケーブル類、接点復活剤などのオーディオアクセサリー、オーディオボード、さらにはフォステクスのスピーカーユニットやスタックスのヘッドホンに至るまで、マニアックな製品が整然と陳列されていた。
なお、2階にはアートギャラリーや広い休憩スペースも設けられ、長時間の来店にも耐えられる店舗構成となっている。
そのほか、3階はパソコンやデジカメ、電子文具など、4階にはおもちゃやゲーム、DVD/CDなどを展示。4階には遊具が置かれたキッズスペースも設けられている。また、5階のレストランコーナーは間接照明を中心にした落ち着いた雰囲気で、17店が出店。外周をぐるりと回ると全店舗が見られるよう工夫されている。
全体的に什器や陳列物の高さが抑えられ、フロア全体が見渡せるよう工夫されているという印象を受けた。また通路の幅も広く、ゆったりと買い物が楽しめるよう配慮した努力がうかがえた。
以下、事前説明会での質疑応答をご紹介する。
Q:公正取引委員会から排除命令を受けたことついて、意見を教えてほしい。
A:この件については、ホームページにもアップしている通りで、真摯に受け止めている。今後、コンプライアンスにさらに注力していく。
Q:11店舗目のLABIだが、一部うわさされている、九州、特に福岡への出店についての考えを聞かせてほしい。
A:まだ噂の段階で、発表する段階には至っていない。
Q:(一宮社長に)新社長になって最初のLABIだが、どういう思いで店舗づくりを行ったのか。
A:なんばに続いての、実質2店舗目のLABI1店舗だ。ただ単に商品を増やし、品数を充実させればよいと考えたのではなく、LABIの「ライフアビリティサプライ」という、生活自体をエンジョイしてもらうというコンセプトのもと、お客様に来店していただき、一日中楽しんでいただける店舗を作った。地域社会に密接した店舗づくりも目指したつもりだ。
Q:豊田店長の抱負を聞かせてほしい。
A:小さいお子さんに楽しんでもらう店舗が目標だ。子供の頃、デパートに連れて行ってもらって、とても楽しかったという記憶がある。そんな店づくりを目指したい。
Q:ビルに大型ビジョンが備えられているが、これを付ける店舗と付けない店舗の基準はあるか。また今後、大型ビジョンを備えた店舗数が増えれば、ネットワークによる映像配信などもできるのではないか。
A:それはご指摘の通りで、大型ビジョンの数が多くなってきたので、運用もいろいろと工夫していきたい。単なる商業ベースでなく、地域に密着した情報の送出も考えていかなければならない。
Q:今回の出店にあたり、メーカーからどのくらいの人数がヘルパーとして来るのか。また、日当が5,000円台という報道があり、これが少ないという指摘もある。これについての意見を教えてほしい。
A:公正取引委員会から改善命令を受けて、金額等を調整しているところだ。
ヘルパーは新店舗を応援する行為であり、メーカーにも販路拡大というメリットがある。
ヘルパーへの謝礼金額だけが騒がれているが、他業種でも同じような金額でやっているところがある。取引先の規模も混在している。大規模な取引先では、逆に日当は不要と言われることもある。また、新店舗の商品の搬入はだいたい1日から1日半程度で終わる。1週間もかかるとかいうことはない。
ヘルパーについては、こちらからの要望ではなく、先方からの要望を受けて行ってもらっている。公正取引委員会の立ち入り検査を受け、昨年からそういうふうに改めた。公正取引委員会は、ヘルパーの「強要」が問題だと言っているのであって、ヘルパーによる応援自体が問題だと言っているのではない。そこは混同しないでほしい。
Q:今後3年間でLABIをどの程度増やすのか。そのうち地方型はどの程度になるのか。
A:LABIは場所にこだわって出店する。どこでもいいというわけではない。年間3店舗くらいは出したい、という希望は当初から持っている。このペースは現状、順調に進んでいる。
Q:ガソリン高で車離れが進んでいるが、郊外型店舗での売上の影響はあるか。
A:たしかに客数減の影響を受けている。そのために単価を上げたり、お客様の満足向上を目指したりといった努力を行っている。直近では、今期の第1四半期は計画通りに進んでいる。業界のトレンドは非常に厳しいが、目標到達はできるのではないかと考えている。
Q:本社機能を同じビルに移したが、そのねらいは。
A:前橋で生まれ育って35年間やってきたが、交通の便を中心として、取引先のみなさまにご迷惑をかけてきた。高崎は東京駅から新幹線で50分で来れ、山手線の延長のようなものだ。一時は都内や横浜という噂もあったが、総合的に判断し、高崎でも十分ではないかと思った。
Q:ヤマダ電機の全国の従業員数は?
A:シルバー人材の活用など、少子高齢化に合わせた雇用を行っている。社員、パート、アルバイトなどをすべて合わせて25,000人以上だと思う。
Q:本社部門の従業員数は?
A:社員換算で200名。おそらくすべて合わせれば350名程度になると思う。
Q:地域経済に与える影響は。
A:これまで出店したところは、ほとんど喜んでいただいていると認識している。同業他社以外は。一例を挙げると、なんば店の周辺は、それまで陰のある街だったが、出店以降、街づくりが進んで明るい街になったと喜ばれている。
Q:ヘルパー問題がヤマダ電機の成長戦略、また利益にどの程度の影響を与えるか。
A:ヘルパー派遣は弱小メーカーが熱心で、強いメーカーはそれほどでもない。我々としては、ヘルパーはいなくても良い。なぜ我々だけが問題視されるのかわからない。郊外型店舗のみのときは何も言われなかった。カメラ屋さんの市場に進出した結果、こういうことを言われるようになったのかな、と考えている。郊外型店舗が中心だったので、ヘルパーについてはもともとあてにしておらず、それを加味したコスト計算を行っていない。そのため、利益については影響はない。
Q:池袋、新橋など、首都圏に出店したLABIと、近隣の競合店との関係は。
A:郊外型店舗はもともと群雄割拠で、周辺店と競合するのは日常茶飯事。だけどカメラ屋さんにとってははじめての経験ということ。騒いでいるのは相手だけ。こういうことは相手に聞いてほしい。
Q:中古車事業をはじめた理由は。
A:郊外型店舗は車での来店が多い。このためカー用品なども販売してきたが、我々の持っているインフラを使って中古車の売買ができたら、消費者利益にもかなうと考えた。家電業界は商品による差別化が難しいということも背景にある。
(Phile-web編集部)
同社は昨年度の売上高が1兆7,600億円以上の、国内最大の家電販売会社。従来、郊外型店舗の大量出店で急成長を遂げてきたが、ここ数年、都市型店舗「LABI」の出店を強化する戦略を進めている。高崎店は、池袋店やなんば店、品川大井町店、秋葉原店などに続き、全国11店舗目の「LABI」形態での出店となる。
LABI1高崎が入居するビルは地下2階、地上12階で、高崎駅東口前のペデストリアンデッキに直結している。売り場面積は20,800m2(約6,000坪)。売り場は地下1階から4階までの5フロア。ほかにレストランが5階に、駐車場が6階から9階に設けられている。なお、同社はこのビルの完成を機に、本社機能を従来の前橋から高崎に移転。本社は同ビルの10階から12階に入っている。
事前説明会には、同社代表取締役会長兼代表執行役員 CEOの山田昇氏、代表取締役社長兼代表執行役員 COOの一宮忠男氏、執行役員 LABI1高崎店長の豊田峰夫氏が出席した。
山田会長はLABI1高崎の商圏について、「群馬県全域だけでなく、長野、埼玉、新潟の一部までを想定しており、商圏人口は400万人を想定している」と説明。年商については200億円を予定していると述べた。
店舗のコンセプトについて山田会長は「大都市におけるLABIではなく、地方で成立するLABIを目指した」とし、具体的には「地域密着型の店舗づくりを行った。ファミリー層を開拓するため、生活雑貨を導入して来店頻度を高める工夫をしたほか、キッズコーナー、アートギャラリーなどを設けることで、“見て体験して楽しめる”よう開発した。また、約1,000台が停められる駐車場も用意した」と説明。商品の品ぞろえについても、「約100万点の商品をそろえた。電気製品が何でもそろうフルタイプだ」と自信を見せた。
開店に先立ち、店舗の内覧も行われた。地下1階は書籍・ブランド品コーナーで、ワインや高級時計、ドラッグストアなども用意。食器や生活雑貨なども置かれ、周辺住民の来店回数を高める工夫がなされている。なお、書籍を購入すると同店のポイント5%が付与されるほか、ポイントで書籍を購入することもできる。
1階はエアコンや冷蔵機、洗濯機などの生活家電を中心に展開。ゴルフグッズのコーナーも設けられている。また、外にはイベントスペース「LABIガーデン」も用意。著名人が来店するイベントなどを計画しているという。
AV機器やオーディオ機器、携帯電話などは2階で販売。中心はやはり薄型テレビで、BRAVIAやVIERA、AQUOSなどブランドごとに最新の薄型テレビが数多く展示されている。パナソニックの103V型プラズマテレビも置かれていた。オーディオ機器も充実しており、各種コンポネントやスピーカーのほか、電源タップやケーブル類、接点復活剤などのオーディオアクセサリー、オーディオボード、さらにはフォステクスのスピーカーユニットやスタックスのヘッドホンに至るまで、マニアックな製品が整然と陳列されていた。
なお、2階にはアートギャラリーや広い休憩スペースも設けられ、長時間の来店にも耐えられる店舗構成となっている。
そのほか、3階はパソコンやデジカメ、電子文具など、4階にはおもちゃやゲーム、DVD/CDなどを展示。4階には遊具が置かれたキッズスペースも設けられている。また、5階のレストランコーナーは間接照明を中心にした落ち着いた雰囲気で、17店が出店。外周をぐるりと回ると全店舗が見られるよう工夫されている。
全体的に什器や陳列物の高さが抑えられ、フロア全体が見渡せるよう工夫されているという印象を受けた。また通路の幅も広く、ゆったりと買い物が楽しめるよう配慮した努力がうかがえた。
以下、事前説明会での質疑応答をご紹介する。
Q:公正取引委員会から排除命令を受けたことついて、意見を教えてほしい。
A:この件については、ホームページにもアップしている通りで、真摯に受け止めている。今後、コンプライアンスにさらに注力していく。
Q:11店舗目のLABIだが、一部うわさされている、九州、特に福岡への出店についての考えを聞かせてほしい。
A:まだ噂の段階で、発表する段階には至っていない。
Q:(一宮社長に)新社長になって最初のLABIだが、どういう思いで店舗づくりを行ったのか。
A:なんばに続いての、実質2店舗目のLABI1店舗だ。ただ単に商品を増やし、品数を充実させればよいと考えたのではなく、LABIの「ライフアビリティサプライ」という、生活自体をエンジョイしてもらうというコンセプトのもと、お客様に来店していただき、一日中楽しんでいただける店舗を作った。地域社会に密接した店舗づくりも目指したつもりだ。
Q:豊田店長の抱負を聞かせてほしい。
A:小さいお子さんに楽しんでもらう店舗が目標だ。子供の頃、デパートに連れて行ってもらって、とても楽しかったという記憶がある。そんな店づくりを目指したい。
Q:ビルに大型ビジョンが備えられているが、これを付ける店舗と付けない店舗の基準はあるか。また今後、大型ビジョンを備えた店舗数が増えれば、ネットワークによる映像配信などもできるのではないか。
A:それはご指摘の通りで、大型ビジョンの数が多くなってきたので、運用もいろいろと工夫していきたい。単なる商業ベースでなく、地域に密着した情報の送出も考えていかなければならない。
Q:今回の出店にあたり、メーカーからどのくらいの人数がヘルパーとして来るのか。また、日当が5,000円台という報道があり、これが少ないという指摘もある。これについての意見を教えてほしい。
A:公正取引委員会から改善命令を受けて、金額等を調整しているところだ。
ヘルパーは新店舗を応援する行為であり、メーカーにも販路拡大というメリットがある。
ヘルパーへの謝礼金額だけが騒がれているが、他業種でも同じような金額でやっているところがある。取引先の規模も混在している。大規模な取引先では、逆に日当は不要と言われることもある。また、新店舗の商品の搬入はだいたい1日から1日半程度で終わる。1週間もかかるとかいうことはない。
ヘルパーについては、こちらからの要望ではなく、先方からの要望を受けて行ってもらっている。公正取引委員会の立ち入り検査を受け、昨年からそういうふうに改めた。公正取引委員会は、ヘルパーの「強要」が問題だと言っているのであって、ヘルパーによる応援自体が問題だと言っているのではない。そこは混同しないでほしい。
Q:今後3年間でLABIをどの程度増やすのか。そのうち地方型はどの程度になるのか。
A:LABIは場所にこだわって出店する。どこでもいいというわけではない。年間3店舗くらいは出したい、という希望は当初から持っている。このペースは現状、順調に進んでいる。
Q:ガソリン高で車離れが進んでいるが、郊外型店舗での売上の影響はあるか。
A:たしかに客数減の影響を受けている。そのために単価を上げたり、お客様の満足向上を目指したりといった努力を行っている。直近では、今期の第1四半期は計画通りに進んでいる。業界のトレンドは非常に厳しいが、目標到達はできるのではないかと考えている。
Q:本社機能を同じビルに移したが、そのねらいは。
A:前橋で生まれ育って35年間やってきたが、交通の便を中心として、取引先のみなさまにご迷惑をかけてきた。高崎は東京駅から新幹線で50分で来れ、山手線の延長のようなものだ。一時は都内や横浜という噂もあったが、総合的に判断し、高崎でも十分ではないかと思った。
Q:ヤマダ電機の全国の従業員数は?
A:シルバー人材の活用など、少子高齢化に合わせた雇用を行っている。社員、パート、アルバイトなどをすべて合わせて25,000人以上だと思う。
Q:本社部門の従業員数は?
A:社員換算で200名。おそらくすべて合わせれば350名程度になると思う。
Q:地域経済に与える影響は。
A:これまで出店したところは、ほとんど喜んでいただいていると認識している。同業他社以外は。一例を挙げると、なんば店の周辺は、それまで陰のある街だったが、出店以降、街づくりが進んで明るい街になったと喜ばれている。
Q:ヘルパー問題がヤマダ電機の成長戦略、また利益にどの程度の影響を与えるか。
A:ヘルパー派遣は弱小メーカーが熱心で、強いメーカーはそれほどでもない。我々としては、ヘルパーはいなくても良い。なぜ我々だけが問題視されるのかわからない。郊外型店舗のみのときは何も言われなかった。カメラ屋さんの市場に進出した結果、こういうことを言われるようになったのかな、と考えている。郊外型店舗が中心だったので、ヘルパーについてはもともとあてにしておらず、それを加味したコスト計算を行っていない。そのため、利益については影響はない。
Q:池袋、新橋など、首都圏に出店したLABIと、近隣の競合店との関係は。
A:郊外型店舗はもともと群雄割拠で、周辺店と競合するのは日常茶飯事。だけどカメラ屋さんにとってははじめての経験ということ。騒いでいるのは相手だけ。こういうことは相手に聞いてほしい。
Q:中古車事業をはじめた理由は。
A:郊外型店舗は車での来店が多い。このためカー用品なども販売してきたが、我々の持っているインフラを使って中古車の売買ができたら、消費者利益にもかなうと考えた。家電業界は商品による差別化が難しいということも背景にある。
(Phile-web編集部)