• ブランド
    特設サイト
公開日 2008/10/01 12:33

<CEATEC2008>“コンシューマー重視”に大きく舵を切ったマイクロソフト

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
CEATEC JAPAN 2008が開幕した9月30日、マイクロソフトは「マジカルウィンドウズ〜マイクロソフトの次世代コンシューマービジョン」と題してキーノートスピーチを行った。

まず、壇上にあらわれたのはマイクロソフト社コーポレートバイスプレスプレジデントWindowsコンシューマープロダクトマーケティングのブラッド・ブルックス氏。ブラッド氏は「現在のデジタル世界にはPCとモバイルとWebの3大プラットフォームがあるが、それがあらゆる場所でシームレスに使える、壁のない世界を実現するのがマイクロソフトの使命」と語った。

マイクロソフト社コーポレートバイスプレスプレジデントWindowsコンシューマープロダクトマーケティングのブラッド・ブルックス氏

マイクロソフト社のPC、モバイル、Webの3つのWindowsプラットフォーム

ここで言うPCがWindowsOS、モバイルがWindowsMobile、WebがWindowsLiveを指すことは言うまでもない。そして、マイクロソフトはMS-DOSの時代からフライトシミュレータのようなゲームをリリースするなど、もともとコンシューマーを重視した企業であると述べ、コンシューマー重視の姿勢をアピールした。

現在、XPからの移行がやや進んでいない印象のあるVistaについては、世界中のXPユーザーにVistaを使ってもらったところ、好印象を得ているという主旨のビデオを上映。そして、セキュリティ面などVistaの優位性をアピールした後、プラットフォームをシームレスにつなぐというテーマを実現する一例として、Windows Mobile 6.1 Professionalを搭載したスマートフォン「Touch Diamond」で撮影した映像を、WindowsLiveのフォトサービスにアップロードし、その画像をWindows PCで見るというデモを行った。

Touch Diamondで写真を撮って転送

WindowsLiveのフォトサービスに転送された撮影画像

さらにソニーのデジタルフォートフレーム(「CP1」と思われる)でPC内の映像を表示して見せ、プラットフォームのシームレスな連携がすでに様々な領域で実用化されていることをアピールした。この連携はDLNA機能を使っていたと思われる。

最後に、Windowsの今後の展開として、IE8、Windows Live Wave3、Windows 7などの展開が用意されていることに触れ、また「エンターテイメントとしてテレビの重要性を無視できない」と語った。

今後のWindows関連プラットフォームの展開予定図


イクロソフト株式会社 代表執行役副社長コンシューマー&オンライン事業部担当 堂山晶司氏
この後、マイクはマイクロソフト(株)代表執行役副社長コンシューマー&オンライン事業部担当 堂山晶司氏に渡された。堂山氏は、「マイクロソフトはもともとコンシューマー向け企業として始まった会社であり、今後はコンシューマー重視の原点に立ち戻って、PC、モバイル、Webの3つのセグメントでソフトウェア+サービスを提供していく」とアピールした。

そして、「現在は独立して進化し、混迷しているPC、モバイル、Webを『Windows』という1つの統一プラットフォームで結んでいきたい。いろいろなパートナーのサービスがこれら3つをつなげていく」と話した。

次に話題は日本国内の地上デジタルテレビに移り、今年6月にWindows Media Centerが地デジに対応し、すでに対応したPCがメーカーから発売され、ハードメーカーからテレビ局まで、多くのメーカーがWMCのテレビサービスに参入していることを紹介した。

テレビ放送とインターネットを連携させるのは家電では難しく、PCならではの機能として、WMCでの地デジTV視聴デモを見せ、2つのTV局の提供するガジェットを紹介した。

一つはTBSの提供する「ショッピンポン」というTVショッピング番組と連携したもので、ガジェットから商品販売のページを呼び出し、そのまま購入できるというもの。もう1つはフジTVの「ガジェットちゃんねる」で、こちらは番組の放映予定情報を提供する。

テレビ局の提供する2つのガジェット

Windows Media Centerで地デジ視聴ができることをマイクロソフトブースで強くアピール

次に話題はスカパーに移り、スカパーのWMC対応の新サービス「スカパー!Netてれび」が紹介され、スカパー代表取締役執行役員社長の仁藤雅夫氏が登場し、当日、開始される新サービスについて自身で紹介した。

スカパー代表取締役執行役員社長の仁藤雅夫氏

WMC上でスカパーの番組を視聴できる「スカパー!Netてれび」

このサービスは、WMC対応PCを使って、一部のスカパー番組を有料で視聴できるというもので、プログラムをダウンロードしてインストールすれば視聴できるが、NEC、富士通、東芝などの春モデルへの搭載を協議中であるという。なお、対応OSはVistaに限られる。年内に5チャンネルが提供され、その後も続々と拡大していく予定だという。

マイクロソフトブースでは実際に「スカパー!Netてれび」を体験できる

話し手は再び堂山氏に戻り、話題はインターフェースに移った。「現在、注目されるのはマルチタッチインターフェース」と述べ、開発中のSurfaceのデモを披露した。このデバイスは30インチのタッチパネルを搭載したテーブル状のもので、タッチ操作で写真を見たり、音楽再生などをコントロールしたり、デジタルマップを見たりすることができる。デバイスとして興味深いが、製品化の予定などは未定だという。

WMC上でスカパーの番組を視聴できる「スカパー!Netてれび」

そして、最後にPCdeTV、PCde旅などコンシューマー市場向けにPCに使い方を提案する「WDLC(WindowsDigitalLifeStyleConsortium)」の活動が紹介され、幕は閉じた。

マイクロソフトブースのWDLC紹介コーナーは黒山の人だかり

今回は「PC de 旅」をキーワードに、デジカメやプリンター、デジタルフォトフレームなどの周辺機器活用を提案していた

全体をまとめると、一時はエンタープライズ、ビジネスユーザー重視と感じられたマイクロソフトの方向性を、初心に戻ってエンドユーザー、コンシューマー重視に戻すことを強くアピールしたキーノートスピーチだったと言えそうだ。

(一条真人)

執筆者プロフィール
デジタルAV関連、コンピュータ関連などをおもに執筆するライター。PC開発を経て、パソコン雑誌「ハッカー」編集長、「PCプラスワン」編集長を経てフリーランスに。All Aboutの「DVD ・HDDレコーダー」ガイドも務める。趣味はジョギング、水泳、自転車、映画鑑賞など。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 ソニー、第2世代フラグシップ・ミラーレス一眼「α1 II」。画質、操作性を着実に強化
2 オーディオファイル待望の物量投入型プリメインアンプ!デノン「PMA-3000NE」をクオリティチェック
3 目黒蓮を“もっとそばに”感じられる特別イベント。「レグザミュージアム〜The 6 STORIES〜」11/21から原宿で開催
4 ボーズ、McIntosh Groupを買収。マッキントッシュ、ソナス・ファベールが傘下に
5 ビックカメラ.com、「2025年新春福箱」の抽選申し込み開始。全66種類、iPadやPS5も登場
6 覚えておくと絶対便利!iPhoneの「計測」アプリでできる、あんなことこんなこと
7 ビクター「HA-A6T」レビュー!5000円切り完全ワイヤレスイヤホンは「価格を上回るクオリティ」
8 高音質と機能性を両立する新たなスタンダード機!AVIOTのANC完全ワイヤレス「TE-V1R」レビュー
9 Meze Audioが打ち出す待望の入門モデル。開放型ヘッドホン「105 AER」&イヤホン「ALBA」の音質に迫る
10 新開発ユニットを巧みに操る懐深いサウンド。ELAC「Debut 3.0」フロア型/ブックシェルフ型を聴く
11/21 10:37 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.194
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX