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公開日 2010/05/24 22:29
iVDRコンソーシアムセミナー開催 − アイ・オーが多機能レコーダーを年内発売、名作映画のパッケージ化も
iVDRの活用方法を各社が提案
iVDRコンソーシアムは、「2010年度iVDRコンソーシアムセミナー」を本日都内で開催し、iVDRに関する最新動向を発表した。
■iVDRは“自己進化型のメディア”
iVDRコンソーシアム代表の日置敏昭氏は、iVDRの歩みと新しいビジネス展開について説明した。
2007年に、日立製作所がiVDR-Sを挿入してテレビ番組を録画できるiVポケットを搭載した薄型テレビ“Wooo”を発売。その後もiVDRレコーダーなど関連製品が三洋電機、日立マクセル、アイ・オー・データ機器から発売されており「iVDRの環境も整備されてきたと思う」と日置氏は語る。また薄型テレビにBDドライブやHDDが搭載されるようになってきた現状を「今後ますます録画テレビが当たり前になる時代になる。そんな中で、大容量メディアであるiVDRが注目されてくると信じている」と述べた。
iVDR-Sは大容量化を図り、2007に160GBだったHDDの最大容量は現在500GBまで拡大したが、「500GBはBD20枚相当、DVDで107枚相当の容量になる。それでも足りず1TBの製品を出してほしいという要望もある。2011年には1TB容量で通信速度が1Gbps程度の製品が出てくると予測している」と述べ、「iVDRは“自己進化型のメディア”。HDDだと容量や速度が上がっても規格を変更せず、そのまま使用していただける」とiVDRのメリットを説明した。また「将来的にはiVDRステーションといったホームサーバーもでてくるのではないか」ともコメントした。
「次世代メディアとはどうあるべきかを考え、我々はiVDRをつくってきた。いずれネットワークとブロードキャスティングは融合するだろうと考えていたが、ついにそれが当たり前の時代がやってきた」とし、次世代メディアにおける大容量と転送のしやすさ、マルチチャンネル記録とプレイバックの対応、マルチメディアに対するストレージ、AVとPCで共通して使用できるプラットフォームの重要性を指摘した。
また、著作権保護技術SAFIAに対応したiVDR-S(iVDR-Secure)規格の開発により、iVDRスロットを搭載したテレビ、iVDRレコーダーやプレーヤー、「アクトビラ」などのVODサービス、PCアダプターを介したPC、カーナビゲーションシステムなどiVDRが様々な機器間で互換性を持つことも大きなメリットであるとアピールした。
■アイ・オー、HDD内蔵iVDRハイビジョンレコーダーを年内発売
iVDR-SのカセットHDD「IVSシリーズ」をはじめ、iVDR-S用のPCアダプター「RHDM-US/EX」、東芝の液晶テレビ“REGZA”のUSB-HDD録画対応モデルに接続できる「REC-iN」などの製品ラインナップを展開し、iVDRビジネスを牽引してきた(株)アイ・オー・データ機器。
同社代表取締役社長の細野昭雄氏は、薄型テレビ市場が好調であることを挙げ、「iVDRのリムーバルな形状のカートリッジはユーザーの要望に答えることができるのに加え、録画対応テレビがメンテナンスなく10年後に正常に動いているだろうというメーカーの不安を解消するものとしてチャンスがあるのでは」と期待する。
一方で、「一般ユーザーはiVDRといえばWooo用のカートリッジというイメージが強いと思う。そうではなくiVDRが多様な製品に対応するメディアであることを認知させるには、iVDR/iVDR-SがPCでも使用でき、なおかつUSB接続の状態であってもセキュアでありながら再生できるといったことを示す必要がある」とも語り、テレビ、PCとの双方での利用方法を追求していくことが重要という立場を示した。
具体的に、iVDR-Sを利用し、テレビなどの家電とPCの間で双方向に情報をやりとりできるソフトウェアを準備中であることを発表。現在バンドルしている管理ソフト「Quick:FLO」Ver.1.5アップデートを6月に実施し、PC内のコンテンツをiVDRに書き出す機能を追加する。
さらにDLNA 1.5、DTCP-IP 1.2に対応した1TBのHDDを内蔵したiVDRハイビジョンレコーダー“LANDISK AV”「HVL-AVR」を年内に発売することも発表された。スカパー!HDのSTBに本機を接続することで、録画したコンテンツをiVDRにアーカイブできるようになる。
さらに同氏は、会場にいるコンソーシアム会員に向けて、SSD搭載のiVDRの開発を提案。「iVDRのメリットは、大容量化とローコストメディアを目指せるという点だと強く思っている。SSD搭載iVDRは、SSDドライブを入れるだけででき、ノンセキュアであれば明日にでも出来る状態。容量は2〜3時間程度のコンテンツを保存できるUSBフラッシュ相当の8GB、12GB程度で十分で、これを売価50ドル、生産コスト50ドルくらいの製品として販売したい。さらにこのメディアの中にいろんなコンテンツを入れることで、十分にビジネスができるのではないか」と、HDDでは難しく、iVDRならではの実現可能なビジネス展開として訴求していた。
■ビジュアルジャパン、映画コンテンツを300タイトル収録したiVDRを発売
(株)ビジュアルジャパン 代表取締役 山田篤廣氏は、PCではなく家電の中で誰もが簡単に様々なデジタルコンテンツを整理できるようにする「パーソナルデジタルメディアアーカイブ」という新しいライフスタイルの創出を目指す。
山田氏は、「パーソナルデジタルメディアアーカイブ」にはハードウェア、ソフトウェア、コンテンツの3要素から成り立つが、ハードウェアには、自動的にタグがついて振り分けられるようなコンテンツを「選別する機能」、高速なデータ送信が可能なファンクションを備えるといった「保存する機能」、見たいときに見ることができるための「整理整頓の機能」が必要だと説明する。
またソフトウェアではわかりやすいGUIが重要であるとし、「これまで操作画面はハードウェアとひも付いていて、ビデオコンテンツだと使いやすいが写真だと使いづらいといったことがあった。我々はハードウェアではなくコンテンツとひも付けて、コンテンツによってそれぞれ操作画面が切り替わる仕様を考えていて、現在製品開発しているところ」という。
このような考えに基づき、同社では1930年〜50年代のハリウッド名作映画300タイトルを収録したiVDRソフトを発売する。また年内にこの300タイトルを購入できる通販サイトも立ち上げることも明かした。本サイトでは、300タイトルの中から購入したいコンテンツを選択すると、タイトル数によってiVDRカセットの容量が自動で算出され、購入者の選択したコンテンツを記録したiVDRカセットを自宅に届けるというサービスになるという。
映像製作販売などを行う(株)ジェー・ピー代表取締役 中西 俊作氏は、同社が創業以来30年間に渡って経験してきたメディアの変革とその対応について振り返ることでiVDRのセルパッケージとしての可能性が見いだせるのではないかとし、同社のこれまでの沿革について説明した。また「HDコンテンツのマスターはHDCAMで行うが、サラウンドはSDCAMの最上位モデルのものでしか対応していないことが多い。1,000万くらいする高価なHDCAM-SRを、大容量が特長のiVDRに代用できないか検討している」と映像製作現場での可能性についてもコメントした。
今回のセミナーでは、海外でのiVDRの普及動向についても覗い知ることができた。中国の放送用機器メーカーである国際精華(株)代表取締役の呉 会森氏は、ビデオカメラから編集、サーバー管理に至るまでの全行程をiVDRを利用して行う同社の放送局用システムを紹介。これらのシステムは中国の国営テレビ局、中央電視台(CCTV)でも採用されており、バンクーバーオリンピックでも、ビデオカメラ以外の全工程で同社のシステムが使用され、南アフリカのW杯でも使用されることになっているという。「W杯での記録時間は2,000時間程度になる予定で、500本のiVDRを現地に用意している」と明かしていた。
また国内外の業界および公共企業向けに委託研究を行う独FRAUNHOFERから、Fraunhofer IIS Japan代表のFahim Nawabi氏は、同社が開発したiVDR採用のデジタルシネマ用カメラ&ビデオレコーダー「FLASHBOX」を紹介した。iVDRの存在を知った開発担当者の一人がその利便性に惚れ込み採用に至ったといい「iVDRを搭載する前はノートPCのHDDを16個つけて運んでおり、現場は大変だった」とiVDRの小型でリムーバブルな形状を評価していた。
■iVDRは“自己進化型のメディア”
iVDRコンソーシアム代表の日置敏昭氏は、iVDRの歩みと新しいビジネス展開について説明した。
2007年に、日立製作所がiVDR-Sを挿入してテレビ番組を録画できるiVポケットを搭載した薄型テレビ“Wooo”を発売。その後もiVDRレコーダーなど関連製品が三洋電機、日立マクセル、アイ・オー・データ機器から発売されており「iVDRの環境も整備されてきたと思う」と日置氏は語る。また薄型テレビにBDドライブやHDDが搭載されるようになってきた現状を「今後ますます録画テレビが当たり前になる時代になる。そんな中で、大容量メディアであるiVDRが注目されてくると信じている」と述べた。
iVDR-Sは大容量化を図り、2007に160GBだったHDDの最大容量は現在500GBまで拡大したが、「500GBはBD20枚相当、DVDで107枚相当の容量になる。それでも足りず1TBの製品を出してほしいという要望もある。2011年には1TB容量で通信速度が1Gbps程度の製品が出てくると予測している」と述べ、「iVDRは“自己進化型のメディア”。HDDだと容量や速度が上がっても規格を変更せず、そのまま使用していただける」とiVDRのメリットを説明した。また「将来的にはiVDRステーションといったホームサーバーもでてくるのではないか」ともコメントした。
「次世代メディアとはどうあるべきかを考え、我々はiVDRをつくってきた。いずれネットワークとブロードキャスティングは融合するだろうと考えていたが、ついにそれが当たり前の時代がやってきた」とし、次世代メディアにおける大容量と転送のしやすさ、マルチチャンネル記録とプレイバックの対応、マルチメディアに対するストレージ、AVとPCで共通して使用できるプラットフォームの重要性を指摘した。
また、著作権保護技術SAFIAに対応したiVDR-S(iVDR-Secure)規格の開発により、iVDRスロットを搭載したテレビ、iVDRレコーダーやプレーヤー、「アクトビラ」などのVODサービス、PCアダプターを介したPC、カーナビゲーションシステムなどiVDRが様々な機器間で互換性を持つことも大きなメリットであるとアピールした。
■アイ・オー、HDD内蔵iVDRハイビジョンレコーダーを年内発売
iVDR-SのカセットHDD「IVSシリーズ」をはじめ、iVDR-S用のPCアダプター「RHDM-US/EX」、東芝の液晶テレビ“REGZA”のUSB-HDD録画対応モデルに接続できる「REC-iN」などの製品ラインナップを展開し、iVDRビジネスを牽引してきた(株)アイ・オー・データ機器。
一方で、「一般ユーザーはiVDRといえばWooo用のカートリッジというイメージが強いと思う。そうではなくiVDRが多様な製品に対応するメディアであることを認知させるには、iVDR/iVDR-SがPCでも使用でき、なおかつUSB接続の状態であってもセキュアでありながら再生できるといったことを示す必要がある」とも語り、テレビ、PCとの双方での利用方法を追求していくことが重要という立場を示した。
具体的に、iVDR-Sを利用し、テレビなどの家電とPCの間で双方向に情報をやりとりできるソフトウェアを準備中であることを発表。現在バンドルしている管理ソフト「Quick:FLO」Ver.1.5アップデートを6月に実施し、PC内のコンテンツをiVDRに書き出す機能を追加する。
さらにDLNA 1.5、DTCP-IP 1.2に対応した1TBのHDDを内蔵したiVDRハイビジョンレコーダー“LANDISK AV”「HVL-AVR」を年内に発売することも発表された。スカパー!HDのSTBに本機を接続することで、録画したコンテンツをiVDRにアーカイブできるようになる。
さらに同氏は、会場にいるコンソーシアム会員に向けて、SSD搭載のiVDRの開発を提案。「iVDRのメリットは、大容量化とローコストメディアを目指せるという点だと強く思っている。SSD搭載iVDRは、SSDドライブを入れるだけででき、ノンセキュアであれば明日にでも出来る状態。容量は2〜3時間程度のコンテンツを保存できるUSBフラッシュ相当の8GB、12GB程度で十分で、これを売価50ドル、生産コスト50ドルくらいの製品として販売したい。さらにこのメディアの中にいろんなコンテンツを入れることで、十分にビジネスができるのではないか」と、HDDでは難しく、iVDRならではの実現可能なビジネス展開として訴求していた。
■ビジュアルジャパン、映画コンテンツを300タイトル収録したiVDRを発売
(株)ビジュアルジャパン 代表取締役 山田篤廣氏は、PCではなく家電の中で誰もが簡単に様々なデジタルコンテンツを整理できるようにする「パーソナルデジタルメディアアーカイブ」という新しいライフスタイルの創出を目指す。
山田氏は、「パーソナルデジタルメディアアーカイブ」にはハードウェア、ソフトウェア、コンテンツの3要素から成り立つが、ハードウェアには、自動的にタグがついて振り分けられるようなコンテンツを「選別する機能」、高速なデータ送信が可能なファンクションを備えるといった「保存する機能」、見たいときに見ることができるための「整理整頓の機能」が必要だと説明する。
またソフトウェアではわかりやすいGUIが重要であるとし、「これまで操作画面はハードウェアとひも付いていて、ビデオコンテンツだと使いやすいが写真だと使いづらいといったことがあった。我々はハードウェアではなくコンテンツとひも付けて、コンテンツによってそれぞれ操作画面が切り替わる仕様を考えていて、現在製品開発しているところ」という。
このような考えに基づき、同社では1930年〜50年代のハリウッド名作映画300タイトルを収録したiVDRソフトを発売する。また年内にこの300タイトルを購入できる通販サイトも立ち上げることも明かした。本サイトでは、300タイトルの中から購入したいコンテンツを選択すると、タイトル数によってiVDRカセットの容量が自動で算出され、購入者の選択したコンテンツを記録したiVDRカセットを自宅に届けるというサービスになるという。
映像製作販売などを行う(株)ジェー・ピー代表取締役 中西 俊作氏は、同社が創業以来30年間に渡って経験してきたメディアの変革とその対応について振り返ることでiVDRのセルパッケージとしての可能性が見いだせるのではないかとし、同社のこれまでの沿革について説明した。また「HDコンテンツのマスターはHDCAMで行うが、サラウンドはSDCAMの最上位モデルのものでしか対応していないことが多い。1,000万くらいする高価なHDCAM-SRを、大容量が特長のiVDRに代用できないか検討している」と映像製作現場での可能性についてもコメントした。
今回のセミナーでは、海外でのiVDRの普及動向についても覗い知ることができた。中国の放送用機器メーカーである国際精華(株)代表取締役の呉 会森氏は、ビデオカメラから編集、サーバー管理に至るまでの全行程をiVDRを利用して行う同社の放送局用システムを紹介。これらのシステムは中国の国営テレビ局、中央電視台(CCTV)でも採用されており、バンクーバーオリンピックでも、ビデオカメラ以外の全工程で同社のシステムが使用され、南アフリカのW杯でも使用されることになっているという。「W杯での記録時間は2,000時間程度になる予定で、500本のiVDRを現地に用意している」と明かしていた。