HOME > ニュース > AV&ホームシアターニュース
公開日 2010/06/10 17:21
DTS、プロオーディオ用プラグインソフト「Neural UpMix」の説明会を開催
サラウンドコンテンツ制作における優位性をアピール
dts Japan(株)は、プロオーディオ用ソフトウェア新製品発表会を本日、D&M恵比寿ショールームで開催した。会場で紹介されたのは2chや5.1ch素材を最大7.1chまでアップミックスして出力できるポストプロダクション、ミキシング業界向けのプラグインソフト「Neural UpMix」とスタジオ向けのエンコーディングソフト「DTS-HD Master Audio Suite」の最新バージョンの2つ。
■作業効率化を図った「DTS-HD Master Audio Suite」Ver2.5
DTS-HD Master Audio Suiteはエンコード、ビットストリーム編集、ベリファイ、QCツールをオールインワンにまとめたソフトウェア。BD/DVDビデオ/DVDオーディオ/音楽CDまで各フォーマットに対応し、DTS ExpressからDTS-HD Master Audioまでの全DTS音声ストリームを作成することができる。対応OSはWindowsおよびMac。
dts Japan(株)プロダクト マーケティング マネージャーの近田まり子氏によると本ソフトは「シンプルなワークフローでユーザーフレンドリーを実現した」という使い勝手の良さが特長で、これまで4年間で6回ものアップデートを重ね効率性、操作性の向上を図ってきた。今年4月にリリースしたVer2.5では、新たに日本語を含む英語以外の多言語へ対応し、従来のファイル名が日本語だとうまくエンコーディングできなかった問題を解消した。
さらにフォルダーでまとめて複数素材をエンコード、ベリファイできる機能も追加。何話にもおよぶテレビシリーズやボックスセットをエンコードする場合などに「Folder Based Encoding」のモードを選択すると複数素材をワンクリックで同一の音声ストリームへとエンコードできるようになり、作業の効率化に貢献する。「5.1ch素材の2分のトレーラー100本をDTS Digital Surround(768kbps)で作成するのに要する時間は13分。実時間よりもはるかに早く作業が行える」という。
■オリジナルコンテンツの制作意図の保持を目指す「Neural UpMix」
Neural UpMixはステレオ2chや5.1chの素材を7.1chにアップミックスできるオーディオソフトウェアプラグイン。Pro ToolsのRTASプラグイン、Nuendo VSTプラグインに対応している。
近田氏はまず同社が推奨する7.1chが順調に拡大していることを説明。DTS-HD Master Audio 7.1chのBDタイトルは2010年2月末時点で175作品以上がリリースされているという。またホームAVやPC製品で7.1chのデコードが可能な製品は、2009年では5,500万台だったのが、AVアンプやBD対応機器の拡大に伴い2012年には全世界で1億7,500万を超えるとの見込みを示す。「映像が3Dで立体感のある場合に7.1chサラウンドはステレオや5chでは再生できない奥行き感を再現することができる」と、3Dコンテンツにおける7.1chの優位性も訴求する。
BDソフト向けに7.1chサラウンド音声を制作する場合、本来であればオリジナルの音源を制作したサウンドエンジニアがミックス前のオリジナルの音源からリミックスして7.1chを作り上げるのが理想的だが、予算の関係や2chや5.1chの素材しか残っていないなどの問題により現実ではなかなか難しいという。このようなオリジナル素材にさかのぼってアップミックスを行うことが不可能な場合を想定して開発されたのが「Neural UpMix by DTS」だ。
オリジナルミックスの音を保持するため、コンテンツの周波数領域のバランスは変更しない。またアップミックスした7.1chがコンシューマー環境下で5.1chにダウンミックスして再生されるときも、オリジナルの5.1ch同様にバランスの良いサラウンドを再現できるとしている。
発表会ではNeural UpMixのデモも行われた。会場がD&MのショールームということもありB&Wのスピーカー「CM7シリーズ」を使用して7.1ch環境を構築し、パワーアンプにはマランツの8chフラグシップパワーアンプ「MM8003」を使用。再生したコンテンツは7月23日に発売するBD「宇宙戦艦ヤマト 復活篇」(バンダイビジュアル)と「ダイ・ハード 4.0」(20世紀フォックス)。
BD「宇宙戦艦ヤマト 復活篇」はDTS-HD Master Audio 5.1chとリニアPCMの2種類の音声を収録しているが、今回のデモではリニアPCMのステレオ音声をNeural UpMixで5.1chにアップミックスした音声を視聴することができた。
本国DTS,Inc.から来日したSr.Product Specialist Pro AudioのBrandon Gass氏は「LRの2chから5.1chにアップミックスするとき、セリフをLRから抽出していかにセンターchへ定位させるかが課題となる」とし、Neural UpMixがオリジナルの音のバランスを損なわずに明瞭なサウンドを5.1chで実現できることをデモを通してアピールした。近田氏も「従来はリアからなんとなくセリフの音がする、といった印象を受けることがあったが、Neural UpMixではきちんと分離されるようになっている」と説明する。
またGass氏は5.1ch素材を7.1chへアップミックスする場合に、アンビエンスを広げるのではなく「元々の5.1ch素材のフロントとサイドの情報から、存在しないリアの情報を新しく作り出してディスクリートで配置させているのも特長だ」と語る。
独自のアルゴリズムでどの成分を抽出するかをソフトウェアが自動で判断するようになっており、特定の音をマニュアルで振り分けるといった操作はできないが、縦の広がりを調整する「Depth」、横の広がりを調整する「Width」というコントロールボタンでサウンドフィールドの調整をすることができるようになっている。
会場では「ダイ・ハード 4.0」のBDに収録されているDTS-HD Master Audio 5.1ch音声と、5.1chを7.1chにアップミックスした音声を比較するデモも行われた。
■作業効率化を図った「DTS-HD Master Audio Suite」Ver2.5
DTS-HD Master Audio Suiteはエンコード、ビットストリーム編集、ベリファイ、QCツールをオールインワンにまとめたソフトウェア。BD/DVDビデオ/DVDオーディオ/音楽CDまで各フォーマットに対応し、DTS ExpressからDTS-HD Master Audioまでの全DTS音声ストリームを作成することができる。対応OSはWindowsおよびMac。
dts Japan(株)プロダクト マーケティング マネージャーの近田まり子氏によると本ソフトは「シンプルなワークフローでユーザーフレンドリーを実現した」という使い勝手の良さが特長で、これまで4年間で6回ものアップデートを重ね効率性、操作性の向上を図ってきた。今年4月にリリースしたVer2.5では、新たに日本語を含む英語以外の多言語へ対応し、従来のファイル名が日本語だとうまくエンコーディングできなかった問題を解消した。
さらにフォルダーでまとめて複数素材をエンコード、ベリファイできる機能も追加。何話にもおよぶテレビシリーズやボックスセットをエンコードする場合などに「Folder Based Encoding」のモードを選択すると複数素材をワンクリックで同一の音声ストリームへとエンコードできるようになり、作業の効率化に貢献する。「5.1ch素材の2分のトレーラー100本をDTS Digital Surround(768kbps)で作成するのに要する時間は13分。実時間よりもはるかに早く作業が行える」という。
■オリジナルコンテンツの制作意図の保持を目指す「Neural UpMix」
Neural UpMixはステレオ2chや5.1chの素材を7.1chにアップミックスできるオーディオソフトウェアプラグイン。Pro ToolsのRTASプラグイン、Nuendo VSTプラグインに対応している。
近田氏はまず同社が推奨する7.1chが順調に拡大していることを説明。DTS-HD Master Audio 7.1chのBDタイトルは2010年2月末時点で175作品以上がリリースされているという。またホームAVやPC製品で7.1chのデコードが可能な製品は、2009年では5,500万台だったのが、AVアンプやBD対応機器の拡大に伴い2012年には全世界で1億7,500万を超えるとの見込みを示す。「映像が3Dで立体感のある場合に7.1chサラウンドはステレオや5chでは再生できない奥行き感を再現することができる」と、3Dコンテンツにおける7.1chの優位性も訴求する。
BDソフト向けに7.1chサラウンド音声を制作する場合、本来であればオリジナルの音源を制作したサウンドエンジニアがミックス前のオリジナルの音源からリミックスして7.1chを作り上げるのが理想的だが、予算の関係や2chや5.1chの素材しか残っていないなどの問題により現実ではなかなか難しいという。このようなオリジナル素材にさかのぼってアップミックスを行うことが不可能な場合を想定して開発されたのが「Neural UpMix by DTS」だ。
オリジナルミックスの音を保持するため、コンテンツの周波数領域のバランスは変更しない。またアップミックスした7.1chがコンシューマー環境下で5.1chにダウンミックスして再生されるときも、オリジナルの5.1ch同様にバランスの良いサラウンドを再現できるとしている。
発表会ではNeural UpMixのデモも行われた。会場がD&MのショールームということもありB&Wのスピーカー「CM7シリーズ」を使用して7.1ch環境を構築し、パワーアンプにはマランツの8chフラグシップパワーアンプ「MM8003」を使用。再生したコンテンツは7月23日に発売するBD「宇宙戦艦ヤマト 復活篇」(バンダイビジュアル)と「ダイ・ハード 4.0」(20世紀フォックス)。
BD「宇宙戦艦ヤマト 復活篇」はDTS-HD Master Audio 5.1chとリニアPCMの2種類の音声を収録しているが、今回のデモではリニアPCMのステレオ音声をNeural UpMixで5.1chにアップミックスした音声を視聴することができた。
またGass氏は5.1ch素材を7.1chへアップミックスする場合に、アンビエンスを広げるのではなく「元々の5.1ch素材のフロントとサイドの情報から、存在しないリアの情報を新しく作り出してディスクリートで配置させているのも特長だ」と語る。
独自のアルゴリズムでどの成分を抽出するかをソフトウェアが自動で判断するようになっており、特定の音をマニュアルで振り分けるといった操作はできないが、縦の広がりを調整する「Depth」、横の広がりを調整する「Width」というコントロールボタンでサウンドフィールドの調整をすることができるようになっている。
会場では「ダイ・ハード 4.0」のBDに収録されているDTS-HD Master Audio 5.1ch音声と、5.1chを7.1chにアップミックスした音声を比較するデモも行われた。