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公開日 2010/09/08 11:49

<IFA2010>GoogleシュミットCEOが基調講演に登壇 − GoogleTVも対応予定の音声操作UIを発表

Google TVは秋に米国でスタート後に世界へ
ファイル・ウェブ編集部・山本敦
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IFA2010開催期間の9月7日に開催されたキーノートスピーチの壇上に、米Google社 CEOのエリック・シュミット氏が登壇し、同社の新しいスマートフォン向けのボイスコマンドUIサービスを発表した。

Google,Inc CEO、Dr.Eric Schmidt氏

シュミット氏は冒頭「これまではパソコンが私たちの夢を実現し、生活を変えてきた。そしてこれからはモバイルデバイスが、とりわけスマートフォンが私たちの生活を急速に変えていくだろう」と述べ、モバイルのデータ送信環境など、インフラの進化が近年、PCのそれと比較して約8倍の短期間で進化を遂げつつあると語った。

シュミット氏は昨今、約200,000以上のAndroid OSを搭載したスマートフォンのユーザーがいると説明。「現在の情報革命は、一部のエリートにだけではなく、スマートフォンなどモバイルデバイスを所有するすべてのユーザーへ分け隔てなくもたらされる」と語るシュミット氏は、幅広いユーザーにGoogleの画期的なサービスを届けられる土壌が整いつつあることを強調した。そのうえで、Googleが今年の秋以降にスタートする新サービスの内容を紹介した。

同社の新技術の開発経緯について、シュミット氏は「クラウドコンピューティングの技術が、スーパーコンピューター並みに優れたパフォーマンスをコンパクトなスマートフォンなどモバイル機器で楽しめる使い勝手を実現するだろう。今回発表する技術は、クラウドコンピューティングのメリットと、Googleが提供する操作性の高いインターフェースの組み合わせにより実現したものだ」と説明する。

始めに紹介されたのは、ボイスコマンドによりAndroid OS搭載のスマートフォンを動かす技術。スマートフォンをボイスコマンドで操作し、Webクラウド上にある情報を、より快適に手に入れるためのサービスだ。

テキストの音声入力を実演

キーノートの会場では、スマートフォンのボイスコマンドによりクラウド上の情報を検索できるサービスのイメージが紹介された。例えば展示説明員が「エジプトのものをたくさん展示している博物館を知りたい」とボイスコマンドで支持を送ると、Web上のデータベースをスマートフォンが検索して、「ペルガモン博物館」をはじめとする検索結果を呼び出して提示するデモが行われた。ユーザーがいまベルリンにいることをスマートフォンが内蔵GPS等で検知して、ペルガモン/エジプトといったキーワードの音声入力を確認したのちに、Webからキーワードにまつわる情報を一覧で表示、検索結果の詳細もユーザーに報告するという使い勝手が実現される。

またボイスコマンドのUIでスマートフォンを動かしながら、ヨーロッパで人気の音楽ストリーミングサービス「Spotify」で配信されているレディ・ガガの楽曲を呼び出してストリーミング再生するデモも行われた。

同社のAndroid搭載スマートフォン向けボイスコマンドインターフェースは、アメリカで英語をベースに、今日からサービスがスタートする。

スマートフォン向けの翻訳サービスにも新しく「カンバセーションノート」という機能が加わる。当機能は多言語で話した内容をライブで自動認識・翻訳し、即座に音声付きの“通訳ツール”を提供するというものだ。同社は多言語時代の画期的なコミュニケーションツールとして、本サービスを数カ月以内に完成させ、順次世界各地域へ展開する予定であるという。

英語、ドイツ語同士の自動翻訳も、スマートフォンと音声コマンド機能を介して迅速かつ正確に行うことができる点をアピールした

さらにAndroid搭載スマートフォン向け「ストリートビュー」のサービスもアップデートされ、画面上に表示される人型のミニアイコンをユーザーの目線に見立てて、マルチタッチ操作で動かしながら地図の任意の箇所へ移動したり、任意のポイントをズーム表示できる操作が実現される。

シュミット氏の基調講演では、モバイル向け新サービスの他に、テレビを対象にした「Google TV」(関連ニュース)に関連するトピックスも紹介された。

「Google TV」は、テレビとインターネットの使い勝手をシームレスに融合させ、新たなサービスを提供すべく、Google、Intel、ロジテック、ソニーの4社が開発を進めるテレビ用のオープンプラットフォーム。既に北米で今年の秋にサービスの提供が開始されることが同社からも発表されているが、その後順次世界各地へ展開してく方針が本日の基調講演で明らかにされた。ただ、この日はヨーロッパ市場への具体的な導入時期については明言されることはなかった。

開発中のGoogle TVの検索インターフェースを紹介

Webと動画の同時視聴など、PinP機能を備えている

なお「Google TV」の機能を搭載するデバイスは、現時点で“3タイプの商品”が開発されていることが明らかにされ、ソニーからHDTVとBDプレーヤーが、ロジテックから様々なテレビとつないでサービスが利用できるセットトップボックスが発売される予定であるという。

会場では開発中の「Google TV」のプロトタイプを使った、検索エンジンの機能紹介や動画視聴のデモなども行われた。ハイビジョン動画の再生デモでは、動画再生時に映像コンテンツに関連するトピックスをWebで調べたくなった時に、動画の画面を縮小し、Webブラウザの画面上にP in P表示できる機能も紹介された。

この日のデモでは実演されなかったが、ユーザーは「Google TV」の機能の操作をAndroid OS搭載のスマートフォン、またはiPhoneで動かせるようになるという。また、先に紹介されたボイスコマンド機能にも対応予定だ。

シュミット氏は「現在“Google TV”のプラットフォーム上で、スマートフォンと同様の便利なアプリケーションがテレビで利用できるように準備を進めている」と語り、「私たちが夢見ていた“未来”は、もうここにやってきた。そして進化がもたらす豊かなライフスタイルは、限られた一部の人たちにだけでなく、もはやすべての人々が享受できるものになっていくだろう。情報の改革、コミュニケーション手段の改革は人々に時間の有効利用というメリットをもたらし、クリエイティブなライフスタイルを実現していくはずだ」と語り、講演を結んだ。

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