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公開日 2010/12/16 15:27
【更新】ビクター、オールインワンAVシステム“RyomaX”「RY-MA1」発売 − レコーダー/ラジオ/デジタルアンプ内蔵
新ブランド「RyomaX」を立ち上げ
ビクターは、新しいライフスタイルを提案する新ブランド“RyomaX(リョーマックス)”の第一弾として、本体にHDD/BDドライブへの録画機能やデジタル放送チューナー、FM/AMラジオ、デジタルアンプを内蔵したオールインワン型のAVシステム「RY-MA1」を2011年2月上旬より発売する。価格はオープンだが16万円前後での販売が予想される。
JVC・ケンウッド・ホールディングスの前田悟氏(過去のインタビュー記事)が「カタ破りな製品を作る」と述べ、2009年9月に開発発表が行われた「RYOMA(リョーマ)」(関連ニュース)が正式に発表された格好。同社は「RyomaX」ブランドを「既存のAVメディアの概念を打ち破り、革新的なアイディアと今までにない使用シーンを提案する新カテゴリー」と説明しており、今後このブランドのもと、さまざまな製品をリリースしていく考えだという。
「RY-MA1」は、HDD/BDレコーダー機能、FM/AM チューナー、デジタルアンプを1台に統合しているのが特徴。テレビ番組の録画に加えてFM/AMラジオの録音も1台で行えるほか、デジタルアンプを内蔵することによって各種コンテンツを高音質で楽しめるよう配慮した。
HDD容量は500GBで、録画ではAVCRECにも対応。地上デジタルチューナーとBS・110度CSデジタルチューナーを2基ずつ搭載し、2番組同録画が可能。BD/DVDドライブも備え、HDDに保存したデータをディスクに保存することもできる。アンプ部の実用最大出力(JEITA)は30W + 30W (4Ω)。HDMI端子1系統のほか、SD/SDHCカードスロット、USB端子、LAN端子などを1系統ずつ備えている。
ネットワーク機能も備えており、同社が新たに用意するネットワークサービス「MELINK(エムイーリンク)」に対応。サイマル配信されるラジオ番組や付加情報などを視聴できる。なおMELINKは、開発発表時は「M-LinX」と呼ばれていたサービス。名称が変更された形だ。
MELINKのサービスは、「ラジオ サイマルチャネル(付加情報付きラジオ番組)」と「専門チャネル(プロモーションなどの独自の番組)」の2種類を用意。金沢工業大学 虎ノ門事務室が事務局となっている新メディア・プラットフォーム協議会が2011年1月下旬よりプレサービスを予定しているという。
ユーザーインターフェースでは、オーディオとビデオを一体にした独自の「A/Vスタートメニュー」を開発。オーディオ系はAキー、ビジュアル系はVキーで簡単にスタートメニューを表示可能。さまざまな映像コンテンツと音楽コンテンツの中から「観たい、聴きたい、録りたい」ものを直感的に素早く選択できるように配慮している。オーディオとビデオのGUIは基本的にほぼ同じレイアウトになっており、分かりやすく操作しやすいよう配慮されている。また、ラジオ録音やイコライザーによる音質調整をGUIで簡単に操作することも可能という。
開発にあたっては、ビクターとケンウッド両社の高精度な信号増幅技術と多彩なDSP技術を投入。信号入力からアンプの最終段までを、高精度なフルデジタル信号処理「フルデジタルプロセッシング」で行うほか、「HRS+ ( High Resolution Sound+ )」も採用。最高24ビットまでのビット拡張と最大4倍のオーバーサンプリング処理を同時に行い、音場の広がりや厚みの増加と、信号帯域のノイズを低減させる。さらに、5.1chサラウンド音声を2本のスピーカーで楽しめる「3Dフォニック」も搭載している。
そのほか機能面では、Gガイドによるテレビ2番組同時録画や、アクトビラにフル対応。x.v.Colorやディープカラー、HDMI 1080/24pダイレクト出力、HDMI-CEC機能などにも対応している。
レコーダーとしては、フルハイビジョン5.5倍録画が可能で、デジタル2番組同時録画も可能。またHDオーディオのフルデコードにも対応している。さらにヘッドホン用独立アンプや重低音を強調する「D‐BASS」回路も搭載。ラジオのHDD録音、USB書き出しも行える。
デザイン面では、奥行き約22cmとコンパクトな外形寸法を実現。オールインワン設計によって配線を大幅に削減し、すっきりと収納できるようにしたほか、Wi‐Fi機能内蔵も内蔵。Wi-FiにおいてはWPSに対応している。
なお実機は展示されていなかったが、“RyomaX”ブランドの製品として、MELINKなどに対応したチューナーボックスを開発中であることも語られた。こちらはテレビやレコーダーに接続することで、地デジやFM/AM放送などを楽しめるようになるというもの。筐体がコンパクトなのも特徴だという。発売時期や価格などは未定。
■テレビとラジオをシームレスにつなぎ、新しいスタイルを提案 − 発表会詳報
“RyomaX”の開発指揮をとったJVC・ケンウッド・ホールディングス(株)執行役員常務 新事業開発センター長の前田悟氏は「前回の発表時から随分時間が経ったが、産みの苦しみを経てやっと製品化することができた」と、開発発表時から今日までを振り返る。「現状のコンシューマーエレクトロニクス業界には独創性がないし、全世界的に同じ製品ばかり。デバイスも誰でも手に入るし、数の原理を考えたら大量生産が必要。製品の多機能化で開発コストは高まっているのに、売価で賄うことができない。結果として売り切りビジネスから脱却できず、利益率の低下につながっている」と、現況に苦言を呈する。
「私は10年来、『なぜテレビにオーディオ機能が入らないの?』と考えていた。それはビジネスブロックが分かれているから。テレビとラジオのシームレス化 − オーディオとビデオの間にある溝を埋め、ユーザーが簡単に使えるようにすれば、新しいスタイルが生まれるのではと思っている」と語った。
続いて登壇した日本ビクター(株)代表取締役社長の伊藤裕太氏は「RyomaXは、まずは日本国内で販売する予定。将来的には海外展開も行い、JVCの事業のひとつの大きな柱にしていきたいと考えている。オーディオとビデオが融合した今までにないコミュニケーションを創造する製品を送り出すことで、RyomaXワールドを推進していきたい。次はモバイルシーンに特化した製品を投入する予定だ」とコメントした。
以下、会場で行われた質疑応答の主なものを掲載する。
Q.開発発表から製品化までかなり時間が空いたのは何故か。
A.社内・社外含めた多数のメンバーが、ひとつのチームとなって進めたプロジェクトであったし、新しい技術も開発する必要などがあったためだ。
Q.「RYOMA」という名前が「RyomaX」に変わった理由はどんなものなのか。
A.昨年の発表時は1製品しかなかったが、これからいろいろなタイプの製品を出していきたいという考えの表れとして「X」をつけた。
Q.発売後何台くらいの販売台数を目指しているか。
A.今までにない挑戦的な製品のため、いままでの経験から「このくらい売れるだろう」という想定はせず、市場の状況に柔軟に対応していきたい。
Q.JVC、ケンウッドはそれぞれどんな技術を分担したのか。
A.ビデオ系ソフトはビクターメイン、オーディオ系ハードウェアはケンウッドが中心。通信系はケンウッドのエンジニアが行っている。コンテンツやサービスに対する対応などは両社で行っている。
Q.MELINKは、IPサイマルラジオ聴取アプリ「radiko」とサービス内容がバッティングするのでは?
A.radikoは敵だとは全く思っていない。MELINKは映像と一緒に楽しむことができるし、ホームプロジェクター、あるいはテレビで楽しんだりできることをメインにしているもの。サービスとしては全く違うと考える。
【問い合わせ先】
ビクターお客様ご相談センター
TEL/0120-2828-17
JVC・ケンウッド・ホールディングスの前田悟氏(過去のインタビュー記事)が「カタ破りな製品を作る」と述べ、2009年9月に開発発表が行われた「RYOMA(リョーマ)」(関連ニュース)が正式に発表された格好。同社は「RyomaX」ブランドを「既存のAVメディアの概念を打ち破り、革新的なアイディアと今までにない使用シーンを提案する新カテゴリー」と説明しており、今後このブランドのもと、さまざまな製品をリリースしていく考えだという。
「RY-MA1」は、HDD/BDレコーダー機能、FM/AM チューナー、デジタルアンプを1台に統合しているのが特徴。テレビ番組の録画に加えてFM/AMラジオの録音も1台で行えるほか、デジタルアンプを内蔵することによって各種コンテンツを高音質で楽しめるよう配慮した。
HDD容量は500GBで、録画ではAVCRECにも対応。地上デジタルチューナーとBS・110度CSデジタルチューナーを2基ずつ搭載し、2番組同録画が可能。BD/DVDドライブも備え、HDDに保存したデータをディスクに保存することもできる。アンプ部の実用最大出力(JEITA)は30W + 30W (4Ω)。HDMI端子1系統のほか、SD/SDHCカードスロット、USB端子、LAN端子などを1系統ずつ備えている。
ネットワーク機能も備えており、同社が新たに用意するネットワークサービス「MELINK(エムイーリンク)」に対応。サイマル配信されるラジオ番組や付加情報などを視聴できる。なおMELINKは、開発発表時は「M-LinX」と呼ばれていたサービス。名称が変更された形だ。
MELINKのサービスは、「ラジオ サイマルチャネル(付加情報付きラジオ番組)」と「専門チャネル(プロモーションなどの独自の番組)」の2種類を用意。金沢工業大学 虎ノ門事務室が事務局となっている新メディア・プラットフォーム協議会が2011年1月下旬よりプレサービスを予定しているという。
ユーザーインターフェースでは、オーディオとビデオを一体にした独自の「A/Vスタートメニュー」を開発。オーディオ系はAキー、ビジュアル系はVキーで簡単にスタートメニューを表示可能。さまざまな映像コンテンツと音楽コンテンツの中から「観たい、聴きたい、録りたい」ものを直感的に素早く選択できるように配慮している。オーディオとビデオのGUIは基本的にほぼ同じレイアウトになっており、分かりやすく操作しやすいよう配慮されている。また、ラジオ録音やイコライザーによる音質調整をGUIで簡単に操作することも可能という。
開発にあたっては、ビクターとケンウッド両社の高精度な信号増幅技術と多彩なDSP技術を投入。信号入力からアンプの最終段までを、高精度なフルデジタル信号処理「フルデジタルプロセッシング」で行うほか、「HRS+ ( High Resolution Sound+ )」も採用。最高24ビットまでのビット拡張と最大4倍のオーバーサンプリング処理を同時に行い、音場の広がりや厚みの増加と、信号帯域のノイズを低減させる。さらに、5.1chサラウンド音声を2本のスピーカーで楽しめる「3Dフォニック」も搭載している。
そのほか機能面では、Gガイドによるテレビ2番組同時録画や、アクトビラにフル対応。x.v.Colorやディープカラー、HDMI 1080/24pダイレクト出力、HDMI-CEC機能などにも対応している。
レコーダーとしては、フルハイビジョン5.5倍録画が可能で、デジタル2番組同時録画も可能。またHDオーディオのフルデコードにも対応している。さらにヘッドホン用独立アンプや重低音を強調する「D‐BASS」回路も搭載。ラジオのHDD録音、USB書き出しも行える。
デザイン面では、奥行き約22cmとコンパクトな外形寸法を実現。オールインワン設計によって配線を大幅に削減し、すっきりと収納できるようにしたほか、Wi‐Fi機能内蔵も内蔵。Wi-FiにおいてはWPSに対応している。
なお実機は展示されていなかったが、“RyomaX”ブランドの製品として、MELINKなどに対応したチューナーボックスを開発中であることも語られた。こちらはテレビやレコーダーに接続することで、地デジやFM/AM放送などを楽しめるようになるというもの。筐体がコンパクトなのも特徴だという。発売時期や価格などは未定。
■テレビとラジオをシームレスにつなぎ、新しいスタイルを提案 − 発表会詳報
“RyomaX”の開発指揮をとったJVC・ケンウッド・ホールディングス(株)執行役員常務 新事業開発センター長の前田悟氏は「前回の発表時から随分時間が経ったが、産みの苦しみを経てやっと製品化することができた」と、開発発表時から今日までを振り返る。「現状のコンシューマーエレクトロニクス業界には独創性がないし、全世界的に同じ製品ばかり。デバイスも誰でも手に入るし、数の原理を考えたら大量生産が必要。製品の多機能化で開発コストは高まっているのに、売価で賄うことができない。結果として売り切りビジネスから脱却できず、利益率の低下につながっている」と、現況に苦言を呈する。
「私は10年来、『なぜテレビにオーディオ機能が入らないの?』と考えていた。それはビジネスブロックが分かれているから。テレビとラジオのシームレス化 − オーディオとビデオの間にある溝を埋め、ユーザーが簡単に使えるようにすれば、新しいスタイルが生まれるのではと思っている」と語った。
続いて登壇した日本ビクター(株)代表取締役社長の伊藤裕太氏は「RyomaXは、まずは日本国内で販売する予定。将来的には海外展開も行い、JVCの事業のひとつの大きな柱にしていきたいと考えている。オーディオとビデオが融合した今までにないコミュニケーションを創造する製品を送り出すことで、RyomaXワールドを推進していきたい。次はモバイルシーンに特化した製品を投入する予定だ」とコメントした。
以下、会場で行われた質疑応答の主なものを掲載する。
Q.開発発表から製品化までかなり時間が空いたのは何故か。
A.社内・社外含めた多数のメンバーが、ひとつのチームとなって進めたプロジェクトであったし、新しい技術も開発する必要などがあったためだ。
Q.「RYOMA」という名前が「RyomaX」に変わった理由はどんなものなのか。
A.昨年の発表時は1製品しかなかったが、これからいろいろなタイプの製品を出していきたいという考えの表れとして「X」をつけた。
Q.発売後何台くらいの販売台数を目指しているか。
A.今までにない挑戦的な製品のため、いままでの経験から「このくらい売れるだろう」という想定はせず、市場の状況に柔軟に対応していきたい。
Q.JVC、ケンウッドはそれぞれどんな技術を分担したのか。
A.ビデオ系ソフトはビクターメイン、オーディオ系ハードウェアはケンウッドが中心。通信系はケンウッドのエンジニアが行っている。コンテンツやサービスに対する対応などは両社で行っている。
Q.MELINKは、IPサイマルラジオ聴取アプリ「radiko」とサービス内容がバッティングするのでは?
A.radikoは敵だとは全く思っていない。MELINKは映像と一緒に楽しむことができるし、ホームプロジェクター、あるいはテレビで楽しんだりできることをメインにしているもの。サービスとしては全く違うと考える。
【問い合わせ先】
ビクターお客様ご相談センター
TEL/0120-2828-17
関連リンク
- ジャンルその他
- ブランドVICTOR
- 型番RY-MA1
- 発売日2011年2月上旬
- 価格¥OPEN(予想実売価格160,000円前後)
【SPEC】●HDD容量:500GB ●チューナー:地上デジタル×2(CATVパススルー対応)、BS・110度CSデジタル×2 ●アンプ部実用最大出力(JEITA):30W + 30W (4Ω) ●出力端子:HDMI×1、D映像(D1/D2/D3/D4)×1、S1映像×1、ビデオ映像×1、音声端子(LR)×1、光デジタル音声×1 ●入力端子:S1映像×1、ビデオ映像×1、音声端子(LR)×1 ●マルチメディア
端子:SD/SDHCカードスロット×1、USB×1 ●ネットワーク端子:LAN×1 ●外形寸法:440W×85H×222Dmm(突起物含まず) ●質量:約5.3 kg
端子:SD/SDHCカードスロット×1、USB×1 ●ネットワーク端子:LAN×1 ●外形寸法:440W×85H×222Dmm(突起物含まず) ●質量:約5.3 kg