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公開日 2011/01/06 16:00
【飯塚克味のコレクター魂2011:vol.4】大人向けのDVDソフトが次々と大ヒット
DVDソフトの売り上げ減少に歯止めが利かない。ソフトメーカーやショップは“3枚購入で3000円“など、低価格を売りにしているが、BDとDVDの過渡期ということも影響し、なかなか数字が上向きになることはない。もちろん長く続く不景気も大きな要因となっているだろう。しかし、そんな中、ファンのニーズを的確に把握し、着実に売り上げを伸ばしているのが、今まで見ることができなかった名作群のリリースだ。このヒットにつながったのは、今年、全国の映画館で多くの映画ファンを引き付け、連日満員となった『午前十時の映画祭』であることは間違いないだろう。
最近ではスクリーンでお目にかかれなくなった名画をセレクトし、全国のシネコンで、午前十時というシニア層をターゲットした時間帯での上映は、予想を上回る大ヒットとなった。観客層は当初の目論みに留まらず、土日には若い映画ファンも劇場に詰め掛け、今年は第2回目の開催も決定している。この映画祭で、もっとも注目を集めたのが『第三の男』のキャロル・リード監督の遺作となった『フォロー・ミー』だった。今までVHSにもLDにもならず、公開以降は地上波の洋画劇場と、BSなどでの放送に限られていたこの名画が見られるとあって、チケットは各回とも完売。ネットでは映画を見た感激があちこちで語られていた。内容は、若い妻の浮気を疑う富豪の男から、調査を依頼された私立探偵が、妻の後を追う内に、彼女にほのかな恋心を抱いてしまうというもの。美しい音楽と、ロンドンのロケーションも内容にマッチし、見る者に幸福感を与えてくれるキュートな一作となっている。この『フォロー・ミー』が11月末にDVD化され、好調なセールスを続けているのだ。DVDの仕様はスクィーズの高画質に加え、「水曜ロードショー」放送時の日本語吹替えを収録。本作の熱狂的なファンである周防正行監督の文章も掲載した解説書、公開時のパンフレット、映画のシーンを収めたポストカード3枚も同梱し、これ以上は考えられない中身だ。価格は4935円と、やや高めだが、初回限定生産ということも手伝って、注文が止まらないと言う。発売したメーカーはキングレコード。ファンが本当に望むタイトルを探し出す姿勢は他の作品にも感じられ、昨年没後30年を迎えたスティーヴ・マックィーンの代表作である『パピヨン』の特別愛蔵版と、バイク好きのマックィーンがその思いを込めたドキュメンタリー『栄光のライダー』もリリースしている。実はNHKなど放送ではマックィーン特集は組まれたものの、DVDはすでにほとんどのタイトルがリリース済みであることから、マックィーンファンへの贈り物はこの2枚しかなかったというのが実情だ。それだけに貴重なリリースと言えるだろう。『パピヨン』は、キングレコード自身が以前、特別仕様のDVDを出しているが、今回はさらに磨きをかけたマスターを入手し、「想い出のマックィーン」などを収録した特典ディスク、解説書、そして現存する日本語吹替えを2種類収録するという徹底した作りで、マニアを納得させた。この他にもキングレコードはダリオ・アルジェント監督の魔女三部作を世界で初めてブルーレイでBOX化、更には2月9日にミロス・フォアマン監督の初期作『パパ、ずれてるゥ!』、バート・レイノルズ&ハル・ニーダム監督の『ストローカーエース』、ジョン・ウェインが火災に挑む『ヘルファイター』など、これまで未DVD&BD化だった作品を続々リリースするので、映画ファンは是非楽しみにして、お待ちいただきたい。
昨年、映画ファンの話題を集めた映画祭は、これだけではない。IMAGICA TVが主催し、フランス映画の黄金期を代表する女優、ブリジット・バルドーの主演作5本を一挙上映した『ブリジット・バルドー生誕祭』もオールドファンを中心に熱狂的な盛り上がりを見せた。フランス語で赤ん坊を意味するBB(ベベ)の愛称で親しまれたブルジット・バルドーは56年の『素直な悪女』で観客をたちまち魅了し、73年の引退まで約50本の作品を残した。映画祭で上映された5作品(『素直な悪女』『裸で御免なさい』『殿方ご免遊ばせ』『月夜の宝石』『わたしのお医者さま』)はいずれもデジタルリマスターされ、公開時の美しいプリントをイメージさせた。これらの上映作品はいずれもDVD化されているが、どの作品もハイクオリティなもので、期待を裏切らないのもうれしいところ。こちらも『フォロー・ミー』同様、映画祭に押しかけたファンが、DVD購入に踏み切り、好調なセールスを記録している。
売れないと言われているDVDソフトだが、映画ファンの希望に耳を傾け、要望に応えたタイトルをリリースしているメーカーはきちんとした結果を出している。こうした金脈はまだまだ眠っているはずなので、是非とも各メーカーには頑張ってリリースを続けてもらいたいと思う。
最近ではスクリーンでお目にかかれなくなった名画をセレクトし、全国のシネコンで、午前十時というシニア層をターゲットした時間帯での上映は、予想を上回る大ヒットとなった。観客層は当初の目論みに留まらず、土日には若い映画ファンも劇場に詰め掛け、今年は第2回目の開催も決定している。この映画祭で、もっとも注目を集めたのが『第三の男』のキャロル・リード監督の遺作となった『フォロー・ミー』だった。今までVHSにもLDにもならず、公開以降は地上波の洋画劇場と、BSなどでの放送に限られていたこの名画が見られるとあって、チケットは各回とも完売。ネットでは映画を見た感激があちこちで語られていた。内容は、若い妻の浮気を疑う富豪の男から、調査を依頼された私立探偵が、妻の後を追う内に、彼女にほのかな恋心を抱いてしまうというもの。美しい音楽と、ロンドンのロケーションも内容にマッチし、見る者に幸福感を与えてくれるキュートな一作となっている。この『フォロー・ミー』が11月末にDVD化され、好調なセールスを続けているのだ。DVDの仕様はスクィーズの高画質に加え、「水曜ロードショー」放送時の日本語吹替えを収録。本作の熱狂的なファンである周防正行監督の文章も掲載した解説書、公開時のパンフレット、映画のシーンを収めたポストカード3枚も同梱し、これ以上は考えられない中身だ。価格は4935円と、やや高めだが、初回限定生産ということも手伝って、注文が止まらないと言う。発売したメーカーはキングレコード。ファンが本当に望むタイトルを探し出す姿勢は他の作品にも感じられ、昨年没後30年を迎えたスティーヴ・マックィーンの代表作である『パピヨン』の特別愛蔵版と、バイク好きのマックィーンがその思いを込めたドキュメンタリー『栄光のライダー』もリリースしている。実はNHKなど放送ではマックィーン特集は組まれたものの、DVDはすでにほとんどのタイトルがリリース済みであることから、マックィーンファンへの贈り物はこの2枚しかなかったというのが実情だ。それだけに貴重なリリースと言えるだろう。『パピヨン』は、キングレコード自身が以前、特別仕様のDVDを出しているが、今回はさらに磨きをかけたマスターを入手し、「想い出のマックィーン」などを収録した特典ディスク、解説書、そして現存する日本語吹替えを2種類収録するという徹底した作りで、マニアを納得させた。この他にもキングレコードはダリオ・アルジェント監督の魔女三部作を世界で初めてブルーレイでBOX化、更には2月9日にミロス・フォアマン監督の初期作『パパ、ずれてるゥ!』、バート・レイノルズ&ハル・ニーダム監督の『ストローカーエース』、ジョン・ウェインが火災に挑む『ヘルファイター』など、これまで未DVD&BD化だった作品を続々リリースするので、映画ファンは是非楽しみにして、お待ちいただきたい。
昨年、映画ファンの話題を集めた映画祭は、これだけではない。IMAGICA TVが主催し、フランス映画の黄金期を代表する女優、ブリジット・バルドーの主演作5本を一挙上映した『ブリジット・バルドー生誕祭』もオールドファンを中心に熱狂的な盛り上がりを見せた。フランス語で赤ん坊を意味するBB(ベベ)の愛称で親しまれたブルジット・バルドーは56年の『素直な悪女』で観客をたちまち魅了し、73年の引退まで約50本の作品を残した。映画祭で上映された5作品(『素直な悪女』『裸で御免なさい』『殿方ご免遊ばせ』『月夜の宝石』『わたしのお医者さま』)はいずれもデジタルリマスターされ、公開時の美しいプリントをイメージさせた。これらの上映作品はいずれもDVD化されているが、どの作品もハイクオリティなもので、期待を裏切らないのもうれしいところ。こちらも『フォロー・ミー』同様、映画祭に押しかけたファンが、DVD購入に踏み切り、好調なセールスを記録している。
売れないと言われているDVDソフトだが、映画ファンの希望に耳を傾け、要望に応えたタイトルをリリースしているメーカーはきちんとした結果を出している。こうした金脈はまだまだ眠っているはずなので、是非とも各メーカーには頑張ってリリースを続けてもらいたいと思う。