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公開日 2011/01/24 22:28
地デジ完全移行まであと半年 − 「完全デジタル化最終行動計画」発表会を実施
総務副大臣らが残り半年の課題などを語る
(社)デジタル放送推進協会(Dpa)は、アナログ放送停波まであと半年と迫った本日、「完全デジタル化最終行動計画」の報道発表イベントを開催した。
■関係各団体による残り半年の取り組み予定「完全デジタル化最終行動計画」を発表
「完全デジタル化最終行動計画」は、その名の通りに放送の完全デジタル化へ向けての最終段階での取り組みについてのもの。政府や放送事業者、機器メーカーなどがそれぞれで行っていく今後の取り組みについて策定した。
イベントではまず、計画の発表に先立って2010年9月時点で地デジ対応受信機器の世帯普及率が90パーセントを超え、出荷台数も同年末時点で1億台を超えたことを紹介。その上で、今後は「地デジが視聴できない世帯」の状況を把握し、当該世帯を減らすための各種対策を講じていくとし「残り半年、関係者が一丸となって本行動計画に掲げた取り組みを着実に進めることにより、国民に混乱を生じさせることなく円滑に完全デジタル化を達成させる」と宣言した。
今後の取り組み計画については、まず政府の行動に言及。前述のように「地デジが視聴できない世帯」の状況に関する実態把握、および当該世帯を減らすための各種対策を実施するとして、低所得世帯への簡易チューナー支援や、ビル陰対策などを推し進めるとした。そして、高齢者などに対する最終サポート体制の整備も進めていくとした。
続いて地上デジタルテレビ放送事業者は、「アナログ放送における常時告知スーパーの訴求力強化」「アナログ放送画面を通じた徹底周知の実施」「アナログ放送終了直前期(7月)において、全放送局でアナログ放送画面を通じた特別周知を検討」という3点を実施。
また、同じく放送業者ではケーブルテレビ事業者の取り組みにも言及。「廉価な地デジのみ再送信サービスの提供」「デジアナ変換サービスの確実な実施と視聴者への適切な周知・説明」を行っていくとした。
さらに、受信機器/アンテナメーカーの取り組みを紹介。「エコポイント終了およびアナログ放送終了に向けた駆け込み需要に対し、受信機供給面で的確に対応」「デジタル受信機器への買い替え促進に伴うアナログ受信機の排出増に対し、的確に対応」していくという。
そして最後にDpaの今後の取り組みと、全関係団体共通での取り組みへ言及。Dpaは「周知・広報の実施」「デジサポ事業の推進」を行っていき、共通の活動として後述する「完全デジタル化最終国民運動」を推進していくとした。
■20万人規模での声かけ運動なども新たに実施
「最終国民運動」では、これまで行ってきた「周知・広報活動」「『地デジ化応援隊』による活動」「日本全全国地デジで元気!キャンペーン」を強化・拡充するとともに、「地デジボランティア全国声かけ・念押し運動」と「地デジ詐欺ご用心!運動」を新たに実施。これら5点を柱に活動していく。
新規活動のひとつである「地デジボランティア全国声かけ・念押し運動」は、全国の諸団体に協力を仰ぎ、高齢者などの地デジ未対応世帯に対して対応を促す声かけや資料配布などの草の根運動を展開していくというもの。すでにボーイスカウト日本連盟をはじめとした20万人からの協力準備が整いつつあるという。
そして「地デジ詐欺ご用心!運動」では、地デジ完全移行が迫るにつれて悪質な商法が増えることが予想されるとして、「地デジ悪質商法KO宣言!」を打ち出すとともに、注意喚起のための対策を集中的に実施する。
■総務副大臣らが残り半年への意欲を語る ― 北島三郎さんら“応援隊”も登場
イベントには、平岡秀夫総務副大臣や(社)日本民間放送連盟の広瀬道貞会長ら関係各団体の首脳陣も参加。平岡氏が「デジタル化は、電波の有効利用による便利で安全な社会の実現など国民目線から見てメリットを有するもの。この観点から世界各国でもデジタル化が進んでいるし、また、デジタル放送の日本方式も様々な国で採用されている大変優れたものだ。日本も世界のデジタル化に遅れを取らないようにしていかねばならない」と述べるなど、それぞれの立場から地デジ化について語った。
なお、平岡氏には報道陣から地デジ移行について「7月24日という期日は延長などはなく、決定ということか」などの質問も飛んだ。これに対し平岡氏は「今の状況でいけば予定通りで対応できると考えている」とし、エコポイントの終了期限も含めて当初の予定通りだと回答した。
また、残り半年での最も大きな課題について問われると「高齢者などサイレントな方々の問題がある」とコメント。デジタル化についてどう対応していいのか理解できていない人々も残っているとし、「こうした方に対してできるだけ多くの人が接触して対応していくことが大切。20万人のボランティアを確保して対応していく計画も立てた」と語った。
そして地上デジタル推進全国会議議長の岡村正氏は「いよいよ最終計画が発表されて感慨深いが、関係者一同、これからの半年をしっかりと取り組んで、約10年に渡るデジタル移行の集大成を無事成功させないといけない」とコメント。残りわずかな期間に対する心構えを改めて示した。
また、ちょうど本日で任期満了を迎えるNHKの福地茂雄会長は「この会見がNHK会長としての私の最後の仕事だ」と語ったのちに「NHKではこれまでデジタル化を真摯に推進してきたが、この姿勢は新会長となっても変わらない」と言葉を続ける。そして「NHKとしても組織を上げて半年後のゴールへ向け邁進していく」と述べた。
続いては民放連の広瀬会長が発言。本イベントに先立って行われた会議において「ビル陰や集合住宅、山間僻地など非常に難しい問題に対して、ほぼクリアーする90数パーセントという数字が発表された。これで7月24日に間違いなく切替ができると保証された」と語る。しかしその一方で「放送事業者である我々は最後の1世帯まで支援していく」とし、ボランティアなども活用しながら完全な地デジ移行を目指していくとした。
メーカー側の代表としては、(社)電子情報技術産業協会(JEITA)の代表代理を務める三菱電機(株)副社長の中村一幸氏が出席。「受信機器の普及台数は目標に達した。我々メーカーも今後、7月の完全移行まで多用なニーズに対応した受信機器の円滑な供給、周知活動の協力などに全力を挙げて取り組んでいく」と語った。
さらに、イベントの最後には「地デジ応援隊」を務める北島三郎さんや萩本欽一さんらも登場。萩本さんが「先日、街で一般の人に地デジへ変えてくれるよう話しかけたら『映らなくなった後の砂嵐が見たいから変えないんんだ』という人がいた(笑)」と変わったエピソードも交えるなどしながら、地デジ移行についてコメントした。
また、イベントの全体の司会進行も務めたSMAPの草なぎ剛さんは「5年間にこの役を引き受けた時点では普及率15%だったが今は90%を超えた。少しでも力になれているのではないかと思っている」とコメント。一方で「しかしすべての人が移行したわけでない」と言葉を続け、「地デジが見られない人がひとりもいなくなるようにあと半年全力でがんばっていきたい」と語った。
■関係各団体による残り半年の取り組み予定「完全デジタル化最終行動計画」を発表
「完全デジタル化最終行動計画」は、その名の通りに放送の完全デジタル化へ向けての最終段階での取り組みについてのもの。政府や放送事業者、機器メーカーなどがそれぞれで行っていく今後の取り組みについて策定した。
イベントではまず、計画の発表に先立って2010年9月時点で地デジ対応受信機器の世帯普及率が90パーセントを超え、出荷台数も同年末時点で1億台を超えたことを紹介。その上で、今後は「地デジが視聴できない世帯」の状況を把握し、当該世帯を減らすための各種対策を講じていくとし「残り半年、関係者が一丸となって本行動計画に掲げた取り組みを着実に進めることにより、国民に混乱を生じさせることなく円滑に完全デジタル化を達成させる」と宣言した。
今後の取り組み計画については、まず政府の行動に言及。前述のように「地デジが視聴できない世帯」の状況に関する実態把握、および当該世帯を減らすための各種対策を実施するとして、低所得世帯への簡易チューナー支援や、ビル陰対策などを推し進めるとした。そして、高齢者などに対する最終サポート体制の整備も進めていくとした。
続いて地上デジタルテレビ放送事業者は、「アナログ放送における常時告知スーパーの訴求力強化」「アナログ放送画面を通じた徹底周知の実施」「アナログ放送終了直前期(7月)において、全放送局でアナログ放送画面を通じた特別周知を検討」という3点を実施。
また、同じく放送業者ではケーブルテレビ事業者の取り組みにも言及。「廉価な地デジのみ再送信サービスの提供」「デジアナ変換サービスの確実な実施と視聴者への適切な周知・説明」を行っていくとした。
さらに、受信機器/アンテナメーカーの取り組みを紹介。「エコポイント終了およびアナログ放送終了に向けた駆け込み需要に対し、受信機供給面で的確に対応」「デジタル受信機器への買い替え促進に伴うアナログ受信機の排出増に対し、的確に対応」していくという。
そして最後にDpaの今後の取り組みと、全関係団体共通での取り組みへ言及。Dpaは「周知・広報の実施」「デジサポ事業の推進」を行っていき、共通の活動として後述する「完全デジタル化最終国民運動」を推進していくとした。
■20万人規模での声かけ運動なども新たに実施
「最終国民運動」では、これまで行ってきた「周知・広報活動」「『地デジ化応援隊』による活動」「日本全全国地デジで元気!キャンペーン」を強化・拡充するとともに、「地デジボランティア全国声かけ・念押し運動」と「地デジ詐欺ご用心!運動」を新たに実施。これら5点を柱に活動していく。
新規活動のひとつである「地デジボランティア全国声かけ・念押し運動」は、全国の諸団体に協力を仰ぎ、高齢者などの地デジ未対応世帯に対して対応を促す声かけや資料配布などの草の根運動を展開していくというもの。すでにボーイスカウト日本連盟をはじめとした20万人からの協力準備が整いつつあるという。
そして「地デジ詐欺ご用心!運動」では、地デジ完全移行が迫るにつれて悪質な商法が増えることが予想されるとして、「地デジ悪質商法KO宣言!」を打ち出すとともに、注意喚起のための対策を集中的に実施する。
■総務副大臣らが残り半年への意欲を語る ― 北島三郎さんら“応援隊”も登場
イベントには、平岡秀夫総務副大臣や(社)日本民間放送連盟の広瀬道貞会長ら関係各団体の首脳陣も参加。平岡氏が「デジタル化は、電波の有効利用による便利で安全な社会の実現など国民目線から見てメリットを有するもの。この観点から世界各国でもデジタル化が進んでいるし、また、デジタル放送の日本方式も様々な国で採用されている大変優れたものだ。日本も世界のデジタル化に遅れを取らないようにしていかねばならない」と述べるなど、それぞれの立場から地デジ化について語った。
なお、平岡氏には報道陣から地デジ移行について「7月24日という期日は延長などはなく、決定ということか」などの質問も飛んだ。これに対し平岡氏は「今の状況でいけば予定通りで対応できると考えている」とし、エコポイントの終了期限も含めて当初の予定通りだと回答した。
また、残り半年での最も大きな課題について問われると「高齢者などサイレントな方々の問題がある」とコメント。デジタル化についてどう対応していいのか理解できていない人々も残っているとし、「こうした方に対してできるだけ多くの人が接触して対応していくことが大切。20万人のボランティアを確保して対応していく計画も立てた」と語った。
そして地上デジタル推進全国会議議長の岡村正氏は「いよいよ最終計画が発表されて感慨深いが、関係者一同、これからの半年をしっかりと取り組んで、約10年に渡るデジタル移行の集大成を無事成功させないといけない」とコメント。残りわずかな期間に対する心構えを改めて示した。
また、ちょうど本日で任期満了を迎えるNHKの福地茂雄会長は「この会見がNHK会長としての私の最後の仕事だ」と語ったのちに「NHKではこれまでデジタル化を真摯に推進してきたが、この姿勢は新会長となっても変わらない」と言葉を続ける。そして「NHKとしても組織を上げて半年後のゴールへ向け邁進していく」と述べた。
続いては民放連の広瀬会長が発言。本イベントに先立って行われた会議において「ビル陰や集合住宅、山間僻地など非常に難しい問題に対して、ほぼクリアーする90数パーセントという数字が発表された。これで7月24日に間違いなく切替ができると保証された」と語る。しかしその一方で「放送事業者である我々は最後の1世帯まで支援していく」とし、ボランティアなども活用しながら完全な地デジ移行を目指していくとした。
メーカー側の代表としては、(社)電子情報技術産業協会(JEITA)の代表代理を務める三菱電機(株)副社長の中村一幸氏が出席。「受信機器の普及台数は目標に達した。我々メーカーも今後、7月の完全移行まで多用なニーズに対応した受信機器の円滑な供給、周知活動の協力などに全力を挙げて取り組んでいく」と語った。
さらに、イベントの最後には「地デジ応援隊」を務める北島三郎さんや萩本欽一さんらも登場。萩本さんが「先日、街で一般の人に地デジへ変えてくれるよう話しかけたら『映らなくなった後の砂嵐が見たいから変えないんんだ』という人がいた(笑)」と変わったエピソードも交えるなどしながら、地デジ移行についてコメントした。
また、イベントの全体の司会進行も務めたSMAPの草なぎ剛さんは「5年間にこの役を引き受けた時点では普及率15%だったが今は90%を超えた。少しでも力になれているのではないかと思っている」とコメント。一方で「しかしすべての人が移行したわけでない」と言葉を続け、「地デジが見られない人がひとりもいなくなるようにあと半年全力でがんばっていきたい」と語った。