HOME > ニュース > AV&ホームシアターニュース
公開日 2011/07/22 15:47
ビクター、ブラッシュアップし高音質化した“プレミアム”ウッドコーンコンポを直販限定販売
記念キャンペーンや試聴会も開催
ビクター・JVCは、ウッドコーンスピーカー採用コンポ「EX-AR9」を、同社直販サイト「ビクターダイレクト」限定商品として8月下旬に発売する。価格はオープンだが、直販価格は129,800円を予定している。
本日、ビクタースタジオで新製品の発表会が開催された。
同社が2009年9月に発売したDVD/CD搭載ウッドコーンシステム「EX-AR7」をベースに、様々な改善を加えた製品。また、ビクタースタジオと連携して音質チューニングを行ったことも特徴だ。
DVDビデオ・オーディオやCDの再生に対応し、USB端子やD端子出力も備えたセンターユニットと、シングルユニットのウッドコーンスピーカーのセットモデル。
■コンパクトなウッドコーンシステム「EX-AR7」がベース
EX-AR9の特徴の多くはEX-AR7から引き継いでいる。同社 営業企画グループ長の安富稔氏は「ベースモデルのEX-AR7が高音質だったからこそ実現した、高品位なフルレンジサウンドが特徴」と説明する。
最大の特徴はウッドコーン振動板を採用したスピーカー。開発を指揮した開発グループ シニアエンジニアリングスペシャリストの今村智氏は、ウッドコーンの魅力を改めて解説。「木製楽器のような澄んだ音色が得られるほか、素材自体が理想に近い物性値を持っている。また異方性の伝搬速度を持っているのもスピーカーの振動板としては非常に有利」とコメントした。
ウッドコーンの開発は20数年前にスタートしたが、技術的な課題が多く、一度はお蔵入りになった。その後開発を再開してから課題を一つ一つ解決し、製品化されたのは再開から5年後、2003年のことだった。その後様々な製品を登場させ、「EX-S1」など比較的手頃な製品から上位モデル「EX-A250」まで、幅広いラインナップを揃えるに至っている。
9cm径フルレンジスピーカーの振動板には、音の伝わり方が速いウッドコーンの特性を活かしつつ、指向性を広げる「異方性振動板」を採用。垂直だけでなく水平方向にも羽根状の異方性振動板を貼ることで水平指向特性を広げている。
またボイスコイルボビンにも木を採用。木を80μm±10μmという極薄のシート状に削り出し、これを加工することでボビンを形成。これによりボビンの強度を倍程度に高めることができ、振動板に力をフルに伝達することが可能になるという。さらにOFCボイスコイル線材の拡大や、ユニットへのアルミショートリングやネオジウムマグネットの採用などもEX-AR7の特徴を継承している。
スピーカーのエンクロージャーでは底板部に5枚2段構成の竹響板を装着。扇状の繊維方向に音が広がるように配置した。またチェリーの響棒を組み込むことで、キャビネットからの音圧レベルを向上させた。吸音効率の高いメイプル材の木製チップを吸音材に採用し、重厚な低音と解像度を実現したという。
アンプ部では、トッププレートとアークベースを採用した点がポイント。底部には3点支持の真鍮無垢インシュレーターも配置した。デジタルアンプは同社独自の「DEUS」で、デジタルフィードバックとアナログフィードバック、2つのフィードバックを掛けるハイブリッド・フィードバック構成を採用しているのが特徴だ。また、これも同社独自のK2テクノロジーも搭載されている。出力は40W+40W。
■AR9はプレミアムモデルならではの改善点が多数
EX-AR9で改良された点は数多い。スピーカーユニット部では、センターキャップの内側、ボールピースの上部にメイプルの木片吸音材を装着。繊維方向を縦方向に合わせることで、吸音性を高めるとともに、上下への音の広がりも増したという。
また不均一コルゲーションダンパーも採用。内側から外側に向かった山谷の高さを大きくすることで、低域のリニアリティを高め、歪みを抑えた。
センターキャップの形状も変更。R23からR15に変更して凸量を増やすことで、抜けの良い高域を実現したと説明している。エッジもブチルゴムの素材配合比率を見直し、音質向上につなげたという。
ユニットに装着した木材の素材も変更し、従来のチェリーからメイプルに変えた上で、形状や取り付け位置も最適化した。これにより不要振動を抑制し、解像度向上と低音の重心を下げることにつなげたと説明している。
スピーカーキャビネットでは、バッフル上部に縦目のスプルース響棒を追加設置。これによってスピーカーの上側の音場を広げた。
アンプ部の振動対策も徹底。アルミワッシャー、銅ワッシャー、真鍮ニッケルメッキワッシャーの異種金属を組み合わせることで共振を分散させた、また天井の取り付け部も銅メッキネジと銅ワッシャーに変更し、さらに振動の影響を抑えたという。
回路部品にも変更が加えられ、K2回路の定数・音質コンデンサーを変更したほか、シャーシGNDの変更などを行っている。デザイン面では、アンプ前面下部に「Premium」の文字がプリントされている。
■ビクタースタジオ長「妙な音をそのまま再現する能力を備えている」
プレゼンには、チューニングに参加したビクタースタジオ長の高田英男氏も登壇。高田氏はEX-AR9について「エンジニアが普段使っているニアフィールドスピーカーに匹敵するくらい音色の再現力が高い。楽器の音色感を素直に表現する。スタジオの現場では、妙な音が入っていた場合、下手にキレイにするのではなく、そのまま表現できる能力がすごく大事だが、EX-AR9のスピーカーはその条件を満たしている」と、エンジニアの立場からもその実力に自信を見せた。
■特別キャンペーンや試聴会も開催
なお同社では、7月23日から8月11日まで、本機の予約キャンペーンを開催。期間中に予約した方に、ソフト「原音探求」とかんたんリモコン(ともに非売品)をプレゼントするほか、インシュレータが直付けされた専用スタンド「LS-EXA3」を実質半額でセット購入することも可能。さらにビクターダイレクト初の試みとして、10回分割クレジットの無金利キャンペーンも行う。
さらに、7月30日に本機の特別試聴会をビクタースタジオで開催する。この試聴会に参加し、購入したユーザーを対象に、ビクタースタジオロゴ入りの特製シリアルナンバープレートをプレゼントする特典も用意される。ナンバープレートは100台限定で、ナンバーの指定は行えない。
【問い合わせ】
ビクターダイレクト
TEL/0120-002-281
本日、ビクタースタジオで新製品の発表会が開催された。
同社が2009年9月に発売したDVD/CD搭載ウッドコーンシステム「EX-AR7」をベースに、様々な改善を加えた製品。また、ビクタースタジオと連携して音質チューニングを行ったことも特徴だ。
DVDビデオ・オーディオやCDの再生に対応し、USB端子やD端子出力も備えたセンターユニットと、シングルユニットのウッドコーンスピーカーのセットモデル。
■コンパクトなウッドコーンシステム「EX-AR7」がベース
EX-AR9の特徴の多くはEX-AR7から引き継いでいる。同社 営業企画グループ長の安富稔氏は「ベースモデルのEX-AR7が高音質だったからこそ実現した、高品位なフルレンジサウンドが特徴」と説明する。
最大の特徴はウッドコーン振動板を採用したスピーカー。開発を指揮した開発グループ シニアエンジニアリングスペシャリストの今村智氏は、ウッドコーンの魅力を改めて解説。「木製楽器のような澄んだ音色が得られるほか、素材自体が理想に近い物性値を持っている。また異方性の伝搬速度を持っているのもスピーカーの振動板としては非常に有利」とコメントした。
ウッドコーンの開発は20数年前にスタートしたが、技術的な課題が多く、一度はお蔵入りになった。その後開発を再開してから課題を一つ一つ解決し、製品化されたのは再開から5年後、2003年のことだった。その後様々な製品を登場させ、「EX-S1」など比較的手頃な製品から上位モデル「EX-A250」まで、幅広いラインナップを揃えるに至っている。
9cm径フルレンジスピーカーの振動板には、音の伝わり方が速いウッドコーンの特性を活かしつつ、指向性を広げる「異方性振動板」を採用。垂直だけでなく水平方向にも羽根状の異方性振動板を貼ることで水平指向特性を広げている。
またボイスコイルボビンにも木を採用。木を80μm±10μmという極薄のシート状に削り出し、これを加工することでボビンを形成。これによりボビンの強度を倍程度に高めることができ、振動板に力をフルに伝達することが可能になるという。さらにOFCボイスコイル線材の拡大や、ユニットへのアルミショートリングやネオジウムマグネットの採用などもEX-AR7の特徴を継承している。
スピーカーのエンクロージャーでは底板部に5枚2段構成の竹響板を装着。扇状の繊維方向に音が広がるように配置した。またチェリーの響棒を組み込むことで、キャビネットからの音圧レベルを向上させた。吸音効率の高いメイプル材の木製チップを吸音材に採用し、重厚な低音と解像度を実現したという。
アンプ部では、トッププレートとアークベースを採用した点がポイント。底部には3点支持の真鍮無垢インシュレーターも配置した。デジタルアンプは同社独自の「DEUS」で、デジタルフィードバックとアナログフィードバック、2つのフィードバックを掛けるハイブリッド・フィードバック構成を採用しているのが特徴だ。また、これも同社独自のK2テクノロジーも搭載されている。出力は40W+40W。
■AR9はプレミアムモデルならではの改善点が多数
EX-AR9で改良された点は数多い。スピーカーユニット部では、センターキャップの内側、ボールピースの上部にメイプルの木片吸音材を装着。繊維方向を縦方向に合わせることで、吸音性を高めるとともに、上下への音の広がりも増したという。
また不均一コルゲーションダンパーも採用。内側から外側に向かった山谷の高さを大きくすることで、低域のリニアリティを高め、歪みを抑えた。
センターキャップの形状も変更。R23からR15に変更して凸量を増やすことで、抜けの良い高域を実現したと説明している。エッジもブチルゴムの素材配合比率を見直し、音質向上につなげたという。
ユニットに装着した木材の素材も変更し、従来のチェリーからメイプルに変えた上で、形状や取り付け位置も最適化した。これにより不要振動を抑制し、解像度向上と低音の重心を下げることにつなげたと説明している。
スピーカーキャビネットでは、バッフル上部に縦目のスプルース響棒を追加設置。これによってスピーカーの上側の音場を広げた。
アンプ部の振動対策も徹底。アルミワッシャー、銅ワッシャー、真鍮ニッケルメッキワッシャーの異種金属を組み合わせることで共振を分散させた、また天井の取り付け部も銅メッキネジと銅ワッシャーに変更し、さらに振動の影響を抑えたという。
回路部品にも変更が加えられ、K2回路の定数・音質コンデンサーを変更したほか、シャーシGNDの変更などを行っている。デザイン面では、アンプ前面下部に「Premium」の文字がプリントされている。
■ビクタースタジオ長「妙な音をそのまま再現する能力を備えている」
プレゼンには、チューニングに参加したビクタースタジオ長の高田英男氏も登壇。高田氏はEX-AR9について「エンジニアが普段使っているニアフィールドスピーカーに匹敵するくらい音色の再現力が高い。楽器の音色感を素直に表現する。スタジオの現場では、妙な音が入っていた場合、下手にキレイにするのではなく、そのまま表現できる能力がすごく大事だが、EX-AR9のスピーカーはその条件を満たしている」と、エンジニアの立場からもその実力に自信を見せた。
■特別キャンペーンや試聴会も開催
なお同社では、7月23日から8月11日まで、本機の予約キャンペーンを開催。期間中に予約した方に、ソフト「原音探求」とかんたんリモコン(ともに非売品)をプレゼントするほか、インシュレータが直付けされた専用スタンド「LS-EXA3」を実質半額でセット購入することも可能。さらにビクターダイレクト初の試みとして、10回分割クレジットの無金利キャンペーンも行う。
さらに、7月30日に本機の特別試聴会をビクタースタジオで開催する。この試聴会に参加し、購入したユーザーを対象に、ビクタースタジオロゴ入りの特製シリアルナンバープレートをプレゼントする特典も用意される。ナンバープレートは100台限定で、ナンバーの指定は行えない。
【問い合わせ】
ビクターダイレクト
TEL/0120-002-281
関連リンク
- ジャンルハイコンポ
- ブランドVICTOR
- 型番EX-AR9
- 発売日2011年8月下旬
- 価格¥OPEN(直販サイト価格129,800円)
【SPEC】●実用最大出力:40W+40W ●入出力端子:アナログ入力×2、光デジタル入力、アナログ出力×2、光デジタル出力、ヘッドホン出力、サブウーファー出力、USB、D2出力、S1/S2出力、コンポジット、AVコンピュリンク ●再生可能メディア:DVDオーディオ、DVDビデオ、ビデオCD、スーパービデオCD、音楽CD、DVD-R/-RW ●再生可能フォーマット(USB接続):MP3、WMA、WAV( リニアPCM)、JPEG ●外形寸法:<センター部>246W×114H×283Dmm <スピーカー部>120W×161H×246Dmm ●質量:<センター部>4.4kg、<スピーカー部>2.0kg