HOME > ニュース > AV&ホームシアターニュース
公開日 2012/06/22 18:54
ソニーファン創造のため原点に帰る − ソニーグループ新社長2氏が語る今後の展開
「やっぱりソニーが好き」を増やす
去る6月15日、ソニーマーケティング(SMOJ)の代表取締役執行役員社長に新たに就任した河野弘氏、および新会社ソニーコンスーマーセールスの代表取締役社長に就任した辻和利氏の会見が行われた。
河野氏は85年にソニーへ入社した際、秋葉原で同年に発売された8ミリビデオの営業活動に従事。「少しでも多くの人に体験していただけるよう毎週末にイベント活動をしていましたが、この秋葉原の営業の経験が私の原点です」。
そして国内営業本部に移り、東ヨーロッパに駐在する。「ベルリンの壁が崩壊した時期であり、当時の社長の大賀が東欧での展開を決意、90年に私を単身で送り込みました。大混乱の中でしたが、事務所もない状態で地道な市場調査をしながら4年半ほど活動し、販売会社を各国で立ち上げることができました」。
ソニー本社に戻り、上層部のもとでの仕事に従事した後、2003年にアメリカへ。バージニア州のリッチモンドで当時米国2位の販売店サーキットシティのサポートビジネスを行い、カリフォルニアのサンディエゴでショウルームや直販などを担当した。
2010年には、SCEのプレジデントに。さらに本年4月にSMOJの社長となった。SMOJでは、経営方針「エレキ、ゲームの枠を超えた、日本のソニーの強みを最大限に活かしたマーケティング活動の展開」を掲げる。ソニーならではの存在感を示す「エレキとゲームの融合」を現実にするべく、河野氏はすでに動き出している。さっそく、今年4月にSCEから発表されたネットワークレコーダー&メディアストレージ「nasne」を手がけている。
「この商品は従来ならSCEの担当でしたが、これはSMOJがAVやITの売り場で販売させていただくのです。SMOJではエレキとゲームのクロスマーケティングを標榜することになりましたが、そこにうってつけの商品が出てきました。さっそく枠を超えた販売の実績を作っていきたいと思っています。
故障や保守、サービスの受付や、使い勝手の提案をさせていただくこと、お客様の目線からエレキとゲームを融合させていきたい。それこそが平井社長の言う“OneSony"ではないかと思います」。
コミュニケーション戦略としては、商品の本質的な価値、技術をしっかりと語っていきたいと語る河野氏。「他社とは違う“技術"を語りたい。それも難しい言葉ではなく、お客様にわかる言葉で語り掛けたいですし、直感的にわかる実演やデモをやっていきたい。ゲーム業界でこれを本能に訴えかけて実践しているように、エレキでも、使い方提案としてのユーザーエクスペリエンスが本当に出来ているかという観点で、しっかり展開していきたいと考えます」。
「セルアウト」も重視する。「そのためにソニーコンスーマーセールスという会社も作りました。お客様(ユーザー)を知るため、ソニー商品を使っている人がどのくらいの満足度を持っているかリサーチしたい」。さらに中期的取り組みでは、他メーカーと同質の商品でなく、ソニーらしい商品を提供し、“ソニーファンの創造"を目指す。
最後に就任にあたっての意気込みを、熱く語った河野氏。「売り上げやコストの数字の管理は当然ですが、それだけでなく、マーケット創造や使い方提案、お客様を喜ばせる面白さやワクワク感を共有していきたい。ソニーの社員として、やっぱりソニーが好きだ、というゴールを目指したいのです。社内にも、本当はそういうことがしたいのだ、という反応があり、手応えを感じます。ソニーファン創造のため、原点に返ります。現場がソニーを支えて立て直していきたい。業界が元気になるようなことをやっていきたいと思います」。
「海外で仕事をしながら、いつも日本代表という気概をもってきました。ソニーの中には優秀なエンジニアがたくさんおり、そういう人材を活かせるのも我々の取り組み次第だと考えています。ソニーファン創造のため、原点に返ります。現場がソニーを支えて立て直していきたい。業界が元気になるようなことをやっていきたいと思います」(河野氏)。
続いて辻氏が挨拶した。3月まではソニーマーケティングの常務として店頭営業に携わってきた同氏は、店頭の営業・販売促進を専門的に推し進める新会社を預かることとなった。
「地デジセールスが終わって次をどうするか、ネットワーク時代における店頭セールスはどうやっていくか、といったフィールドを動かしていきます。この10年間はテレビが一番大きなポーションを占めてきました。その山が終わって、テレビ以外の商品をどう強くしていくか、ネットワーク的なAV商品をどうやってプレゼンテーションしていくのかが大きな2つの軸となります。
ソニーマーケティングは商品ごとに縦軸で構成されていますが、それをどうやって横軸でつないでいくかが、コンスーマーセールスの仕事です。ここで強い横軸を構成していきたいと思います」。
具体的には、社員の専門性を高めていくこと。「ソニーでは、カメラはコンパクトデジカメ、一眼と展開、ビデオカメラを合わせると、日本で一番の会社になっています。しかしそれをお客様に提案していくにはまだまだ足りない。社内的には『プロのユーザーになる』といっておりますが、店頭を啓発して、お客様へ提案していくか。いろいろなお客様へ提案するには翻訳が必要です。
もう一方で、ネットワーク商品は弊社だけの商品がつながるわけではありません。こちらもネットワークに馴染んでいかなければ。まずは全営業にソニータブレット、VAIOを持たせました。タブレットは店頭相手に画面デモができます。まだ中身を作ったわけではありませんが、まず器を渡して、デモの方策へ展開していきます」(辻氏)。
ネットワークのデモができる場所として「ネットワークラボ」も準備する。「根本からベースアップして、提案性を高めていきたい」と辻氏は語る。
河野氏は85年にソニーへ入社した際、秋葉原で同年に発売された8ミリビデオの営業活動に従事。「少しでも多くの人に体験していただけるよう毎週末にイベント活動をしていましたが、この秋葉原の営業の経験が私の原点です」。
そして国内営業本部に移り、東ヨーロッパに駐在する。「ベルリンの壁が崩壊した時期であり、当時の社長の大賀が東欧での展開を決意、90年に私を単身で送り込みました。大混乱の中でしたが、事務所もない状態で地道な市場調査をしながら4年半ほど活動し、販売会社を各国で立ち上げることができました」。
ソニー本社に戻り、上層部のもとでの仕事に従事した後、2003年にアメリカへ。バージニア州のリッチモンドで当時米国2位の販売店サーキットシティのサポートビジネスを行い、カリフォルニアのサンディエゴでショウルームや直販などを担当した。
2010年には、SCEのプレジデントに。さらに本年4月にSMOJの社長となった。SMOJでは、経営方針「エレキ、ゲームの枠を超えた、日本のソニーの強みを最大限に活かしたマーケティング活動の展開」を掲げる。ソニーならではの存在感を示す「エレキとゲームの融合」を現実にするべく、河野氏はすでに動き出している。さっそく、今年4月にSCEから発表されたネットワークレコーダー&メディアストレージ「nasne」を手がけている。
「この商品は従来ならSCEの担当でしたが、これはSMOJがAVやITの売り場で販売させていただくのです。SMOJではエレキとゲームのクロスマーケティングを標榜することになりましたが、そこにうってつけの商品が出てきました。さっそく枠を超えた販売の実績を作っていきたいと思っています。
故障や保守、サービスの受付や、使い勝手の提案をさせていただくこと、お客様の目線からエレキとゲームを融合させていきたい。それこそが平井社長の言う“OneSony"ではないかと思います」。
コミュニケーション戦略としては、商品の本質的な価値、技術をしっかりと語っていきたいと語る河野氏。「他社とは違う“技術"を語りたい。それも難しい言葉ではなく、お客様にわかる言葉で語り掛けたいですし、直感的にわかる実演やデモをやっていきたい。ゲーム業界でこれを本能に訴えかけて実践しているように、エレキでも、使い方提案としてのユーザーエクスペリエンスが本当に出来ているかという観点で、しっかり展開していきたいと考えます」。
「セルアウト」も重視する。「そのためにソニーコンスーマーセールスという会社も作りました。お客様(ユーザー)を知るため、ソニー商品を使っている人がどのくらいの満足度を持っているかリサーチしたい」。さらに中期的取り組みでは、他メーカーと同質の商品でなく、ソニーらしい商品を提供し、“ソニーファンの創造"を目指す。
最後に就任にあたっての意気込みを、熱く語った河野氏。「売り上げやコストの数字の管理は当然ですが、それだけでなく、マーケット創造や使い方提案、お客様を喜ばせる面白さやワクワク感を共有していきたい。ソニーの社員として、やっぱりソニーが好きだ、というゴールを目指したいのです。社内にも、本当はそういうことがしたいのだ、という反応があり、手応えを感じます。ソニーファン創造のため、原点に返ります。現場がソニーを支えて立て直していきたい。業界が元気になるようなことをやっていきたいと思います」。
「海外で仕事をしながら、いつも日本代表という気概をもってきました。ソニーの中には優秀なエンジニアがたくさんおり、そういう人材を活かせるのも我々の取り組み次第だと考えています。ソニーファン創造のため、原点に返ります。現場がソニーを支えて立て直していきたい。業界が元気になるようなことをやっていきたいと思います」(河野氏)。
続いて辻氏が挨拶した。3月まではソニーマーケティングの常務として店頭営業に携わってきた同氏は、店頭の営業・販売促進を専門的に推し進める新会社を預かることとなった。
「地デジセールスが終わって次をどうするか、ネットワーク時代における店頭セールスはどうやっていくか、といったフィールドを動かしていきます。この10年間はテレビが一番大きなポーションを占めてきました。その山が終わって、テレビ以外の商品をどう強くしていくか、ネットワーク的なAV商品をどうやってプレゼンテーションしていくのかが大きな2つの軸となります。
ソニーマーケティングは商品ごとに縦軸で構成されていますが、それをどうやって横軸でつないでいくかが、コンスーマーセールスの仕事です。ここで強い横軸を構成していきたいと思います」。
具体的には、社員の専門性を高めていくこと。「ソニーでは、カメラはコンパクトデジカメ、一眼と展開、ビデオカメラを合わせると、日本で一番の会社になっています。しかしそれをお客様に提案していくにはまだまだ足りない。社内的には『プロのユーザーになる』といっておりますが、店頭を啓発して、お客様へ提案していくか。いろいろなお客様へ提案するには翻訳が必要です。
もう一方で、ネットワーク商品は弊社だけの商品がつながるわけではありません。こちらもネットワークに馴染んでいかなければ。まずは全営業にソニータブレット、VAIOを持たせました。タブレットは店頭相手に画面デモができます。まだ中身を作ったわけではありませんが、まず器を渡して、デモの方策へ展開していきます」(辻氏)。
ネットワークのデモができる場所として「ネットワークラボ」も準備する。「根本からベースアップして、提案性を高めていきたい」と辻氏は語る。