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公開日 2012/10/01 19:56

提携合意を発表したソニー、オリンパスが共同会見

平井・笹 両社長が出席
Senka21編集部
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9月28日に業務・資本提携の合意を発表したソニーとオリンパス(関連ニュース)は10月1日、両社社長による共同会見を行い、今回の提携に対する両社の意義について説明を行った。

がっちり手を取るソニー・平井一夫社長とオリンパス・笹宏行社長

先に説明を行ったソニー(株)代表執行役 社長 兼 CEO・平井一夫氏は、「最大の狙いは、メディカル事業の成長を加速し、拡大していくこと」と明言した。

デジタルイメージング、ゲーム、モバイルをコア事業として強化を図る同社では、同時に、次の成長分野と位置付ける「メディカル事業」に注力する。カメラ、レコーダー、モニター、プリンターといった従来からの医療用周辺機器事業に加え、2010年に細胞分析機器メーカー「iCyt社」、2011年に医療検査・診断機器開発メーカー「Micronics社」を相次ぎ買収してライフサイエンス事業に参入。さらに「事業を飛躍させるためには医療機器本体への参入が不可欠」との見解の中で、同社独自での展開ではなく、医療分野の技術やノウハウ、顧客インフラを持つ「オリンパスとの提携が最も効果的」と判断した。「医療用周辺機器事業とは異なり、大きく踏み込んだ新しい挑戦」(平井社長)だ。

医療とデジタルカメラの事業提携を発表。両社の強みを活かし、企業価値の向上を目指す

医療事業に関する合弁会社が本年12月中に設立される。新会社の利益計画の見通しとして平井社長は「参入する外科内視鏡機器及び関連事業の市場は、2020年に3300億円超の規模が予想される。そこで20%のシェアを獲得したい」と意欲を示すと共に、新会社は、2020年に売上高2000億円以上を掲げ、中核事業として強化を図る、ソニー医療事業のロードマップの一部として位置付けられる。2020年に2000億円以上という売上高の3分の1をこの新会社が担い、残りを、ライフサイエンス事業で3分の1、既存の医療周辺機器事業で3分の1を見込む。

医療事業の合弁会社を年内12月に設立。出資比率はオリンパス49%、ソニー51%。同会社の事業内容となる外科内視鏡は高い成長が見込まれている

続いて説明を行ったオリンパス(株)代表取締役社長執行役員・笹宏行氏は、今回の提携を「中期ビジョンとして発表した4つの基本戦略の内、“事業ポートフォリオの再構築・経営資源の最適配分”“財務の健全化”の2つにおいて大きな意味を持つ」と位置付けた。

医療事業での提携では、外科イメージング事業の強化・拡大を確信。「ソニーのデジタルイメージング技術を活かし、3D、4Kというこれまでにない画像描出能力を持った製品の開発により、プラスαの新しい可能性が拡がってきた」と効果を強調した。

また、当初6月に予定されていた提携の結論がここまで遅れたことに対し、「多くの会社からオファーをいただき、一つ一つ精査するのに時間がかかった。また、ソニーとはかなり突っ込んだ内容の話を行った」と説明。提携先をソニーに決定した理由については「医療やデジタルカメラなど幅広い分野で、具体的な技術に支えられた提携ができると判断した」と語った。

もうひとつの提携のテーマであるデジタルカメラ事業について、平井社長は「両社の強いところを持ちあい、お互いのカメラ事業を強くすることが軸足」と狙いを説明。「両社のシリーズの統合やマウントの共通化は、お客様の利益に反するカタチとなり、統合するのは実際にむずかしい」と語り、笹社長も「レンズ交換式での協業は考えていない」と明言した。

今回の資本提携により懸案だった自己資本比率を安定水準まで回復させるオリンパス。さらに、業務提携によるデジタルカメラ事業の再建、医療事業の拡大を図る

また、今後の出資比率増の考えについて平井社長は「20年以上にわたり様々なメディカル分野でお付き合いがある。このリレーションを合弁事業でどのように深く、大きくしていけるか。外科用内視鏡だけではない」と語り、一方、笹社長も「結果を出すことが今回の提携のポイント。4K、3Dは今後、消化器の内視鏡にも必要になってくる。そのときに協力をお願いすることもあり、技術ベースで検討していきたい」と語り、提携分野の拡大に前向きな姿勢を示した。

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