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公開日 2015/05/13 18:22
ソニーマーケティング河野社長が語る“4K時代到来”。新BRAVIAは「テレビの概念を越えるテレビ」
Android OS搭載/HDR対応予定/ハイレゾ再生
既報の通り、ソニーは4K液晶テレビ“BRAVIA”の新モデル3シリーズの国内発売を正式発表した(関連ニュース:1/2)。国内初のAndroid OS搭載テレビで、HDRにも対応予定であるこの新BRAVIAについて、本日ソニーはプレス向け体験会を開催。ソニーマーケティング(株)代表取締役 社長 河野弘氏が、その魅力を語った。
プレゼンの冒頭で河野氏は、新BRAVIAを「人々の好奇心に応える新しいテレビ」と力強くアピールした。
■2015年は“4K時代”。新BRAVIAは「テレビの概念を越えるテレビ」に
新BRAVIAの特徴詳細は既報(関連ニュース:1/2)の通りだが、改めて河野氏の言葉を紹介すると、画質と音質の両方にこだわりつつ、Android OS採用によって視聴可能コンテンツを拡張した「今までのテレビの概念を越えるテレビである」という。
大きくは、新開発高画質プロセッサー「X1」による「精細感」「色彩」「コントラスト」の向上、さらに“業界初”というハイレゾ対応仕様による高音質性能、そしてAndroid OS採用による視聴可能コンテンツの拡張と操作性の高さが挙げられる。
ソニーでは、東京五輪が開催される2020年に向け、国内テレビ市場がより活性化していくと予測。2014年度の4Kテレビ市場にて、ソニーは販売台数および金額ともトップシェアを獲得しており、同社ではテレビの大型化需要が進んでいく中で、買い替えを含めた4K化トレンドは加速すると見ている。2015年には大型テレビ購入者の2分の1が4Kテレビを購入すると考えており、河野氏は「2015年は、家庭で手軽に4Kを楽しめる“4K時代”に突入する」と語った。
新BRAVIAの大きな特徴である高画質プロセッサー「X1」については、開発自体は2011年頃から進行していたという。河野氏によれば「“4K時代”の2015年が訪れたタイミングで、満を持して製品に実装した」とのことだ。
また音質面についても、オーディオメーカーでもある同社の音声技術を投入していることをアピール。河野氏は「4Kテレビの場合、普通は画質を中心に訴求を行うが、ソニーとしては高音質があることでより高画質映像が楽しめると考えている。画と音、両方のクオリティにこだわった」と述べた。
■ピエール瀧さんと一緒にAndroid OS機能を楽しむ
Android OSを採用したことに関しては、多様化する映像ニーズへの対応を一番大きな理由として挙げた。2014年度モデルまで、ソニーも含め国内メーカーのスマートテレビは自社開発OSを搭載しているものが主だったが、「インターネット映像サービスの進歩に、メーカーが垂直型で対応していくのは難しい。そこで他社OSを採用したわけだが、Androidはスマートフォンの世界シェア8割を占めているし、サードパーティが集まるプラットフォームとして安定しているので提供できるサービスやアプリも広がる。ユーザーが求める最新のサービスを提供できると思ったので採用した」と河野氏は語った。
なお、テレビで視聴できるコンテンツが大きく拡大することで、同時に、ユーザーが膨大なコンテンツの中から観たいものをすぐに視聴するための操作性が必要にもなってくる。今回の体験会では、このAndroid OSによるスマートテレビ機能の操作性について、ミュージシャンのピエール瀧さんをゲストに迎えて音声検索やGoogle Castなどのデモを行った。
リモコンから「ジェイミー・フォックス」で音声検索したり、クックパッドのアプリからレシピを探して視聴したり、デモでその精度の高さを体験したピエールさんは「これからは“ちょっとテレビにきいてみよう”ってことになるわけですね。ただ観るだけのものではなくて、使うもの。テレビが情報基地みたいになりますね」と満足げにコメントした。
また、スマホで視聴していた映像の続きをBRAVIAで視聴できるGoogle Cast機能にもピエール氏は驚いた様子で、「あの…僕iPhone使ってるんですけど、iPhoneじゃ連携できないですよね?」と河野氏に向かってやや大胆な質問。それに対して河野氏が「iPhoneでも使えますよ。多くの方のスマホ環境に応えることが重要ですから、Xperiaだけ・Androidだけに絞るのではなくて、スマホ連携はちゃんとiPhoneにも対応しています」と答える一幕もあった。
なお、今後Android OSのアップデートが行われるかどうかに関しては、「検討していくが現時点で具体的な予定は決まっていない」とのこと。
■アニメ『攻殻機動隊』で、新BRAVIAの画質を“深堀”
Android OSの使い勝手を体験したあとは、さらに新しいゲストを迎え、新BRAVIAの画質を“深堀”。アニメ『攻殻機動隊』の劇場版シリーズを手掛ける(株)プロダクション・アイジー 代表取締役社長 石川光久氏が登場した。
さらに新BRAVIAの画質設計を担当したソニービジュアルプロダクツ(株)商品設計1部 高橋慎一郎氏も同席し、コンテンツの作り手として映像美にこだわりを持つ石川氏と、それを再生するテレビの画質を追求する高橋氏によるトークセッション形式で進行した。なお高橋氏は、元々テレビシリーズも含めた『攻殻機動隊』シリーズのファン。
石川氏が作品づくりについて「リアリティを追求し、とにかく映像の美しさにはこだわっています」とコメントすると、高橋氏が「攻殻機動隊シリーズは色のコントラストや解像度などにこだわった作品ですよね。まさに私たちもその部分にこだわってテレビを画質追求しています。新BRAVIAで攻殻機動隊を視聴すれば、まさに映像へのこだわりが見えてくると思います」と返答。なお高橋氏によれば、まさに『攻殻機動隊』の映像も、新BRAVIAの画質評価素材の1つとして使用されていたという。
今回のデモでは、新BRAVIAで『攻殻機動隊ARISE』の2K映像を4Kアップコンバートした映像を視聴した。
石川氏は「空から降ってくる雪の奥行きがすごいですね。桜の花びらも1つ1つ手で描いているのですが、ここまで再現してもらえると作り手としても嬉しいです」とコメント。「コントラストが良く、壁の汚れがディティールを含めて見えてくるのも凄いですね。また、潰れやすい“黒”の表現もちゃんと明度が分かれています。これはぜひ表現してほしかった部分なので嬉しいです。制作側としては、映像へのこだわりをしっかり表現してもらえてとてもありがたいです」。
高橋氏は「今仰った雪や桜などは、画素レベルで1つ1つをリアルタイムにアップコンバートしているんです」と説明。「コントラストも単に明るさだけではなくて、明るさのピーク、色ごとの濃さ・薄さなどの譲歩を瞬時に判別して画質処理しています。映像の中に描き込まれたわずかな差を表現できるようにしました。また、“黒”の表現もずっと取り組んできた部分です。細かい色の情報が残っているものを、損なわないように、忠実に、豊かに表現できるように画質を作りました」とし、「クリエイターの方も私たちも、良い映像と画質を目指す想いは同じですね。映像クリエイターの方が興奮できるような画質を追求していきたいです」と語った。
■女優・北川景子を起用し店頭でも4K高精細を訴求
新BRAVIAは、明日5月14日から銀座のソニーショールーム、大阪・名古屋のソニーストアで先行展示される予定。また、ソニーでは6月から女優・北川景子を起用した4K映像の店頭訴求プロジェクトをスタートする。4Kで撮影した北川景子の映像を使用し、ユーザーに4Kの美しさを伝えていく。
河野氏は最後に、「4Kの発展に注力してマーケティング活動を行っていく。4Kが業界を活性化して、ソニーがその中で大きな仕事ができるように取り組んでいきたい」とコメント。また「2015年度も、国内4Kテレビ市場で引き続き台数・金額ともソニーがトップシェアを維持したい」と締めくくった。
プレゼンの冒頭で河野氏は、新BRAVIAを「人々の好奇心に応える新しいテレビ」と力強くアピールした。
■2015年は“4K時代”。新BRAVIAは「テレビの概念を越えるテレビ」に
新BRAVIAの特徴詳細は既報(関連ニュース:1/2)の通りだが、改めて河野氏の言葉を紹介すると、画質と音質の両方にこだわりつつ、Android OS採用によって視聴可能コンテンツを拡張した「今までのテレビの概念を越えるテレビである」という。
大きくは、新開発高画質プロセッサー「X1」による「精細感」「色彩」「コントラスト」の向上、さらに“業界初”というハイレゾ対応仕様による高音質性能、そしてAndroid OS採用による視聴可能コンテンツの拡張と操作性の高さが挙げられる。
ソニーでは、東京五輪が開催される2020年に向け、国内テレビ市場がより活性化していくと予測。2014年度の4Kテレビ市場にて、ソニーは販売台数および金額ともトップシェアを獲得しており、同社ではテレビの大型化需要が進んでいく中で、買い替えを含めた4K化トレンドは加速すると見ている。2015年には大型テレビ購入者の2分の1が4Kテレビを購入すると考えており、河野氏は「2015年は、家庭で手軽に4Kを楽しめる“4K時代”に突入する」と語った。
新BRAVIAの大きな特徴である高画質プロセッサー「X1」については、開発自体は2011年頃から進行していたという。河野氏によれば「“4K時代”の2015年が訪れたタイミングで、満を持して製品に実装した」とのことだ。
また音質面についても、オーディオメーカーでもある同社の音声技術を投入していることをアピール。河野氏は「4Kテレビの場合、普通は画質を中心に訴求を行うが、ソニーとしては高音質があることでより高画質映像が楽しめると考えている。画と音、両方のクオリティにこだわった」と述べた。
■ピエール瀧さんと一緒にAndroid OS機能を楽しむ
Android OSを採用したことに関しては、多様化する映像ニーズへの対応を一番大きな理由として挙げた。2014年度モデルまで、ソニーも含め国内メーカーのスマートテレビは自社開発OSを搭載しているものが主だったが、「インターネット映像サービスの進歩に、メーカーが垂直型で対応していくのは難しい。そこで他社OSを採用したわけだが、Androidはスマートフォンの世界シェア8割を占めているし、サードパーティが集まるプラットフォームとして安定しているので提供できるサービスやアプリも広がる。ユーザーが求める最新のサービスを提供できると思ったので採用した」と河野氏は語った。
なお、テレビで視聴できるコンテンツが大きく拡大することで、同時に、ユーザーが膨大なコンテンツの中から観たいものをすぐに視聴するための操作性が必要にもなってくる。今回の体験会では、このAndroid OSによるスマートテレビ機能の操作性について、ミュージシャンのピエール瀧さんをゲストに迎えて音声検索やGoogle Castなどのデモを行った。
リモコンから「ジェイミー・フォックス」で音声検索したり、クックパッドのアプリからレシピを探して視聴したり、デモでその精度の高さを体験したピエールさんは「これからは“ちょっとテレビにきいてみよう”ってことになるわけですね。ただ観るだけのものではなくて、使うもの。テレビが情報基地みたいになりますね」と満足げにコメントした。
また、スマホで視聴していた映像の続きをBRAVIAで視聴できるGoogle Cast機能にもピエール氏は驚いた様子で、「あの…僕iPhone使ってるんですけど、iPhoneじゃ連携できないですよね?」と河野氏に向かってやや大胆な質問。それに対して河野氏が「iPhoneでも使えますよ。多くの方のスマホ環境に応えることが重要ですから、Xperiaだけ・Androidだけに絞るのではなくて、スマホ連携はちゃんとiPhoneにも対応しています」と答える一幕もあった。
なお、今後Android OSのアップデートが行われるかどうかに関しては、「検討していくが現時点で具体的な予定は決まっていない」とのこと。
■アニメ『攻殻機動隊』で、新BRAVIAの画質を“深堀”
Android OSの使い勝手を体験したあとは、さらに新しいゲストを迎え、新BRAVIAの画質を“深堀”。アニメ『攻殻機動隊』の劇場版シリーズを手掛ける(株)プロダクション・アイジー 代表取締役社長 石川光久氏が登場した。
さらに新BRAVIAの画質設計を担当したソニービジュアルプロダクツ(株)商品設計1部 高橋慎一郎氏も同席し、コンテンツの作り手として映像美にこだわりを持つ石川氏と、それを再生するテレビの画質を追求する高橋氏によるトークセッション形式で進行した。なお高橋氏は、元々テレビシリーズも含めた『攻殻機動隊』シリーズのファン。
石川氏が作品づくりについて「リアリティを追求し、とにかく映像の美しさにはこだわっています」とコメントすると、高橋氏が「攻殻機動隊シリーズは色のコントラストや解像度などにこだわった作品ですよね。まさに私たちもその部分にこだわってテレビを画質追求しています。新BRAVIAで攻殻機動隊を視聴すれば、まさに映像へのこだわりが見えてくると思います」と返答。なお高橋氏によれば、まさに『攻殻機動隊』の映像も、新BRAVIAの画質評価素材の1つとして使用されていたという。
今回のデモでは、新BRAVIAで『攻殻機動隊ARISE』の2K映像を4Kアップコンバートした映像を視聴した。
石川氏は「空から降ってくる雪の奥行きがすごいですね。桜の花びらも1つ1つ手で描いているのですが、ここまで再現してもらえると作り手としても嬉しいです」とコメント。「コントラストが良く、壁の汚れがディティールを含めて見えてくるのも凄いですね。また、潰れやすい“黒”の表現もちゃんと明度が分かれています。これはぜひ表現してほしかった部分なので嬉しいです。制作側としては、映像へのこだわりをしっかり表現してもらえてとてもありがたいです」。
高橋氏は「今仰った雪や桜などは、画素レベルで1つ1つをリアルタイムにアップコンバートしているんです」と説明。「コントラストも単に明るさだけではなくて、明るさのピーク、色ごとの濃さ・薄さなどの譲歩を瞬時に判別して画質処理しています。映像の中に描き込まれたわずかな差を表現できるようにしました。また、“黒”の表現もずっと取り組んできた部分です。細かい色の情報が残っているものを、損なわないように、忠実に、豊かに表現できるように画質を作りました」とし、「クリエイターの方も私たちも、良い映像と画質を目指す想いは同じですね。映像クリエイターの方が興奮できるような画質を追求していきたいです」と語った。
■女優・北川景子を起用し店頭でも4K高精細を訴求
新BRAVIAは、明日5月14日から銀座のソニーショールーム、大阪・名古屋のソニーストアで先行展示される予定。また、ソニーでは6月から女優・北川景子を起用した4K映像の店頭訴求プロジェクトをスタートする。4Kで撮影した北川景子の映像を使用し、ユーザーに4Kの美しさを伝えていく。
河野氏は最後に、「4Kの発展に注力してマーケティング活動を行っていく。4Kが業界を活性化して、ソニーがその中で大きな仕事ができるように取り組んでいきたい」とコメント。また「2015年度も、国内4Kテレビ市場で引き続き台数・金額ともソニーがトップシェアを維持したい」と締めくくった。