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公開日 2016/04/29 22:24
<ヘッドホン祭>デノン「PMA-50」をI2S入力対応に改造して“究極ラズパイ・オーディオ”
海上忍氏の「無茶」がデノンブースでまさかの実現
本日29日と30日の2日間、東京・中野で「春のヘッドホン祭 2016」が開催されている。ディーアンドエムホールディングスのブースでは、Phile-webにて「ラズパイ・オーディオ通信」を連載している海上忍氏が、デノン「PMA-50」を改造したラズパイ・オーディオシステムの展示・デモを行う特別企画が実施された。
今回の企画で披露された「PMA-50改」は、Raspberry PiからI2S入力ができるように、デノンのDDFA搭載プリメインアンプ「PMA-50」を改造したもの。具体的には、I2S信号をPMA-50に搭載されたデジタルアンプ「DDFA」へ直接入力できるように改造されている。なお、DDFAへ直接入力しているため、Advanced AL32 Processingはバイパスされている。
また、ラズパイの最新モデル「Raspberry Pi3」を用いた“ラズパイオーディオ リファレンス機”と、デノンのポータブルヘッドホンアンプ/USB-DAC「DA-10」と接続して再生するデモも行われた。リファレンス機では、Raspberry Pi3は電磁波ノイズ対策を施したクリプトン製の専用ケース(試作品)に納められ、同じくクリプトンの特許技術を用いたUSBケーブルでDA-10と接続。再生の操作にはオーディオ仕様OSの最新バージョン「Volumio 2(RC1)」が用いられていた。
ブースでは今回の企画を行った海上忍氏に、PMA-50改によるラズパイ・オーディオシステムが実現した背景や聴きどころを伺うことができた。
今回の企画の背景には、連載「ラズパイ・オーディオ通信」で、DDFAを搭載したクアルコムのリファレンスアンプに、I2S方式でRaspberry Piを直結するという試みが成功したことがあった(関連記事)。これを受けて、DDFAを積む「PMA-50」でも同じことができないか? と思いついたのだという。そしてノウハウのある外部協力者に話を持ちかけ、試行錯誤の末、改造に成功したと海上氏は語る。
PMA-50とRaspberry PiをI2Sで接続する改造はどのように行ったのだろうか。海上氏は以前にPMA-50を取材した際、基板上のDDFAの近くにI2Sらしき端子があることを確認していた。そこで「結線すればイケるんじゃないか?」と単純に考えていたのだが、実際はそう簡単にはいかなかった。
なぜならばDDFAは、Advanced AL32 Processingを行う基板とI2Sで常に通信しているが、基板の取り外しを想定していない構造のため、その信号線にリーチすることが非常に困難なのだという。この信号線を排除しないかぎり、外部からのI2S入力は不可能。そこで今回、信号線を切断し、小さな変換基板を使って外部入力用ケーブルに分岐させるという荒技を繰り出した。分岐ケーブルを使うかどうかのスイッチも、内部に設けている。
Raspberry PiとDDFAとのI2S接続については、SDとWS、SCLKという3つの信号をRaspberry Piの汎用入出力ポート(GPIO)から送信している。それぞれにGNDがあるため、計6本の信号線が使用された。DDFAは内部に108MHzの高精度マスタークロックを持っているため、マスタークロックを持たないDACと比べれば接続しやすいと言えるとのこと。
また、海上氏は今回のシステムの聴きどころは「“素のDDFA”の音を聴けるということだ」と語る。I2S接続による「PCMの生音」をぜひ楽しんでいただきたいとのことだ。
なお海上氏は、今回の改造が「かなり無茶だった」と強調。その理由も最後に語ってくれた。
「外部の人間の思い付きで既製品を改造し、それをメーカーのブースに展示するわけですからね。内部基板の配線を切断し、分岐させるという強引なところも“無茶”以外の何物でもないかと思います。正直、設計者に叱られるのではとビクビクしています。今回の改造を快く(?)許可していただき、かつブースにまで出展させていただいたデノンさんには心から感謝しています」(海上氏)
今回の企画で披露された「PMA-50改」は、Raspberry PiからI2S入力ができるように、デノンのDDFA搭載プリメインアンプ「PMA-50」を改造したもの。具体的には、I2S信号をPMA-50に搭載されたデジタルアンプ「DDFA」へ直接入力できるように改造されている。なお、DDFAへ直接入力しているため、Advanced AL32 Processingはバイパスされている。
また、ラズパイの最新モデル「Raspberry Pi3」を用いた“ラズパイオーディオ リファレンス機”と、デノンのポータブルヘッドホンアンプ/USB-DAC「DA-10」と接続して再生するデモも行われた。リファレンス機では、Raspberry Pi3は電磁波ノイズ対策を施したクリプトン製の専用ケース(試作品)に納められ、同じくクリプトンの特許技術を用いたUSBケーブルでDA-10と接続。再生の操作にはオーディオ仕様OSの最新バージョン「Volumio 2(RC1)」が用いられていた。
ブースでは今回の企画を行った海上忍氏に、PMA-50改によるラズパイ・オーディオシステムが実現した背景や聴きどころを伺うことができた。
今回の企画の背景には、連載「ラズパイ・オーディオ通信」で、DDFAを搭載したクアルコムのリファレンスアンプに、I2S方式でRaspberry Piを直結するという試みが成功したことがあった(関連記事)。これを受けて、DDFAを積む「PMA-50」でも同じことができないか? と思いついたのだという。そしてノウハウのある外部協力者に話を持ちかけ、試行錯誤の末、改造に成功したと海上氏は語る。
PMA-50とRaspberry PiをI2Sで接続する改造はどのように行ったのだろうか。海上氏は以前にPMA-50を取材した際、基板上のDDFAの近くにI2Sらしき端子があることを確認していた。そこで「結線すればイケるんじゃないか?」と単純に考えていたのだが、実際はそう簡単にはいかなかった。
なぜならばDDFAは、Advanced AL32 Processingを行う基板とI2Sで常に通信しているが、基板の取り外しを想定していない構造のため、その信号線にリーチすることが非常に困難なのだという。この信号線を排除しないかぎり、外部からのI2S入力は不可能。そこで今回、信号線を切断し、小さな変換基板を使って外部入力用ケーブルに分岐させるという荒技を繰り出した。分岐ケーブルを使うかどうかのスイッチも、内部に設けている。
Raspberry PiとDDFAとのI2S接続については、SDとWS、SCLKという3つの信号をRaspberry Piの汎用入出力ポート(GPIO)から送信している。それぞれにGNDがあるため、計6本の信号線が使用された。DDFAは内部に108MHzの高精度マスタークロックを持っているため、マスタークロックを持たないDACと比べれば接続しやすいと言えるとのこと。
また、海上氏は今回のシステムの聴きどころは「“素のDDFA”の音を聴けるということだ」と語る。I2S接続による「PCMの生音」をぜひ楽しんでいただきたいとのことだ。
なお海上氏は、今回の改造が「かなり無茶だった」と強調。その理由も最後に語ってくれた。
「外部の人間の思い付きで既製品を改造し、それをメーカーのブースに展示するわけですからね。内部基板の配線を切断し、分岐させるという強引なところも“無茶”以外の何物でもないかと思います。正直、設計者に叱られるのではとビクビクしています。今回の改造を快く(?)許可していただき、かつブースにまで出展させていただいたデノンさんには心から感謝しています」(海上氏)