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公開日 2018/05/15 19:57

「転送レート2倍の次世代DisplayPortを開発中」。VESAが現況と展望を報告

USB Type-CでDisplayPort対応製品も普及
編集部:成藤正宣
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VESA(ビデオエレクトロニクス規格協会)は本日、映像端子「DisplayPort」規格の現状を報告する説明会を開催。VESAコンプライアンスプログラムマネージャーのジム・チョート氏と、DisplayPort機器の認証に携わるアリオン(株)代表取締役社長 中山英明氏が登壇し、DisplayPort規格の進展や、VESAが行っている取り組みについて発表した。

ジム・チョート氏

中山英明氏

DisplayPortは、VESAに加盟する企業であればライセンス料なしで使用できることが特徴の映像端子規格。最新バージョンは4月18日に発表された「1.4a」で、最大8.1Gbpsのビットレートによる8K×4K 4:2:0映像、5K×3K 4:4:4映像の伝送に対応し、HDR信号も伝送可能となっている。

様々な機器で採用されるDisplayPort

VESAの加盟企業であればライセンス料なしでDisplayPortを使用できる

また「DisplayPort Alt Mode」という仕様に対応したUSB Type-C端子と互換性を持ち、映像、音声、データの通信と電力供給が同時に可能。携帯端末においても採用しやすいという特徴を備えている。

1.4aへのバージョンアップに伴い、劣化の少ないとされる映像圧縮機能「DSC(Display Stream Compression)」、転送エラー訂正機能「FEC(Forward Error Correction)」、マルチディスプレイ出力機能の「MST(Multi-Stream Transport)」が改善された他、認証要件にHDCP2.2のテストも盛り込まれた。認証を受けた製品は「DP8K Cable」のロゴが付与され、消費者が正規の製品を判別しやすくなる。

正規に認証を受けた製品であることを示すロゴマークも設定された

チョート氏は、VESAの加盟企業数は275社を越え、DisplayPort採用製品の出荷数も順調に増加していることを説明。米国の市場分析企業STRATEGY ANALYTICSのデータでも、DisplayPort採用製品の出荷数は2021年まで引き続き高い成長率が見込まれているとアピールした。その理由としてはDisplayPort Alt Modeによる連携が容易な、USB Type-C端子の普及もあげられた。

VESA加盟企業、DisplayPort採用製品出荷数ともに成長し続けているという

チョート氏は、「次世代のDisplayPortも既に開発段階にある」と発言。通信にかかる余分な負荷を削減することで、転送レートを2倍に引き上げることを予告した。また、AR/VR機器やオートモーティブの分野でもDisplayPortを普及させることを目的として、それぞれに専門チームを設置。研究や規格策定を進めているとした。

次期DisplayPortでは、転送レート2倍が予告された

またチョート氏は、DisplayPort以外のVESAの取り組みとして、ディスプレイ機器のためのHDR規格「DisplayHDR」制定にも言及した。DisplayHDRは「1000」「600」「400」の3つのグレードに分けられる規格で、認証テストの方法は完全にオープンとされている。HDR対応製品に明確な指標を設けることで、HDR普及を促進することが狙いだとした。

会場に展示されたDisplayPortの試験機器。試験を通過した製品の例として、DisplayPort→HDMI2.0への変換チップも展示された

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