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公開日 2019/11/19 18:48
エプソン、プリンティング視点で教育現場の困りごと解決目指す「アカデミックプラン」発表
「スマートチャージ」対応モデル拡充
プリンターやコピー機の展開において、使用状況に合わせて最適なプランや機器を選べる「エプソンのスマートチャージ」を推進しているエプソンは、現在展開している関連機器であるA3複合機/プリンターのLXシリーズおよびPXシリーズにおける新製品を発表。さらに、「エプソンのスマートチャージ」の学校向けに特化した新サービス「アカデミックプラン」の開始を発表した。
■ラインナップ拡充でビジネスをより円滑に
新商品について説明したのは、セイコーエプソン(株)代表取締役 専務執行役員 プリンティングソリューションズ事業部長の久保田孝一氏。冒頭に、SDGsなど持続可能な社会の実現に向けた取り組みに触れ、「インクジェットによるイノベーションを通じて、エプソンは持続可能な社会実現に貢献する。インクジェット技術は大きなビジネスチャンスとして、最大限に生かし今後も取り組んでいく」と語った。
「エプソンのスマートチャージ」の核となるのは、熱を使わずにインクを吐出する独自技術「Heat Free Technology」を採用し、シンプルなプロセスでプリントするピエゾ方式のインクジェットプリンター。従来のレーザー方式のプリンターと比較し環境性能や消費電力面で優位、かつ生産性を両立させると強調する。
Heat Free Technologyのメリットとして、「安定的な高速印刷で業務効率をアップさせる」「低消費電力でエネルギーとコストを削減する」「省資源で環境負荷を低減する」「低メンテナンスによる生産性の向上」の4つを掲げる。
そのコアテクノロジーである「マイクロTFPプリントチップ」を採用したプリントヘッドは、3つの革新的技術として、プリントノズルの高密度化を実現し解像度も上げる薄膜ピエゾテクノロジー、加工精度の高いMEMS技術、そして超高精度な組み立て技術を有すると説明した。
新商品は、オフィスのセンターマシンとして提案するA3高速ラインインクジェット複合機/プリンターのWorkForce EnterpriseであるLXシリーズから3モデル(2020年2月上旬販売予定)、A3複合機/プリンターPXシリーズから3モデル(2020年1月下旬販売予定)が登場。LXシリーズは従来の毎分100枚プリント、毎分75枚プリントに加え、毎分60枚プリントのモデルを新たに追加した。高速・高画質印刷と高い環境性能、安心で快適な機能とシンプルな構造という従来の価値に加え、さらなる高い生産性を提案する。
文字品質を向上し、にじみを極力排除。スキャン画質も向上させ、蛍光ペン原稿の再現性も高まった。顔料インクテクノロジーで高い耐水性、優れた耐擦過(さっか)性も実現させた。インクジェット専用インラインフィニッシャーも進化し、業務の効率化に貢献する。
また環境性能も向上、低消費電力を進化させ、インクカートリッジの大容量化で容積効率を向上させた上、1セットのカートリッジでのカラー印刷可能枚数を高めた。セキュリティ機能の強化など安心・快適な機能も高め、部品点数が少なく耐久性が高いシンプルな構造とした。
A3複合機/プリンターPXシリーズには従来機種の後継機と、さらに上位機種が加わった。インクパックを本体下部に納め、排紙トレイを収納式としてコンパクト化を実現した。
さらに、LX、PXシリーズ共通の内容として、教育プラットフォームに親和性の高い「Google Chromebook」に対応した。
久保田氏は、「エプソンでは、プリンターをレーザーからインクジェットに替えていくという目標をもつ。新商品のフルラインナップであらゆるお客様のニーズに応える」と意気込みを高める。またさらなる高速化への挑戦とともに、コストダウンを実現させボリュームゾーンである中速機帯の商品ラインナップを拡充するなど、今後もインクジェットプリンターの可能性を広げていくとし、「オフィスプリントの変革は始まったばかり、将来に向け開発活動を行なっていく」と締め括った。
■印刷にかかる負担を解決し「学びの質」向上へ
エプソン販売(株)代表取締役社長 鈴村文徳氏が、「エプソンのスマートチャージ」の学校向けに特化した新サービス「アカデミックプラン」について説明した。
まず「エプソンのスマートチャージ」の歩みに触れた鈴村氏。「オフィスプリンター、複合機への最後発での参入で、環境性能と高速高画質印刷を武器に活動してきた。フィニッシャーの性能や、中低速機のボリュームゾーン展開に課題もあったが、今回の製品で解決を果たした」と自負する。
強みであるインクジェット技術によって環境にやさしく、カラーを我慢せずに印刷できる環境を構築して世の中に貢献する取り組みを進める中、今から5年前にスタートしたスマートチャージビジネスは、複合機、高速プリンター、印刷機+複合機の市場をターゲットに、3つの販売プランを展開している。
「エプソンのスマートチャージ」を採用する業種は、教育系が全体の1/4を占め、小売卸業、医療福祉をあわせて1/2になるという。そうした中、今後の成長シナリオとして、困りごとの解決というアプローチをもって文教の取り組みに特化したものが今回の新サービス「アカデミックプラン」である。「価値を届けるにあたってビジネスモデルを多数用意するのも重要なポイント。お客様にあわせた最適な提案をしていく」と強調した。
文教向けにプロジェクターなど広く展開するエプソンでは、日頃から学校の現場につぶさに触れ「学校環境では印刷の機会が多いが、そこには課題が多いと認識。LXシリーズでこれを大きく改善することができると確信した」という。
学校教育の現場が過重労働と言われる中、印刷にかかる負担は非常に大きく、1ヶ月平均で8.4時間にのぼるといい、消耗品の管理などの手間もかかる。一方で予算は充実せず、カラー印刷禁止の場合が多く、プリント物はほとんどモノクロで、学びの質が向上しないという課題があるという。
これらの解決を図るアカデミックプランのサービス内容は、高速ラインインクジェット複合機(LX-10050MFシリーズ、LX-10000Fシリーズ)を中心とした適切な機種・台数・プランの提案となる。現状の印刷関連費用をベースに、月額定額制で新たに機器購入予算を確保する必要なく、機器使用料、保守サービス、規定枚数までのインクやメンテナンスボックス費用を含む。契約期間は5年間。
このプランについてのメリットは、100枚/分の高速プリンターの導入で “印刷渋滞” をなくし、教員の業務時間を削減できること。規定枚数までカラープリントも気兼ねなくできること。消耗品も自動配送し置き場の確保や管理が不要となり、かつ予算の管理が容易になること。そして規定枚数については年間トータルの清算、さらに教育委員会を軸とした複数校契約で学校間でのトータルの清算も実現するとして「携帯電話の家族割のイメージ」と説明する。
アカデミックプランの適応範囲は、学校教育法第一条に規定されている小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、高等専門学校、大学、幼稚園、学校教育法第一条以外の専修学校、児童福祉法第七条に規定されている保育所、認定こども園法第二条に規定されている認定こども園、その他エプソンが別に定める学校とする。
「職員室でカラープリントし放題の環境を提供する。実証実験を通じ、喜んでいただけると確信した。学校それぞれの現場に合わせて個別提案、最適提案を営業部隊で行う」と力を込めた。
さらに、7月1日にスタートしたエプソンの環境配慮型オフィスプロジェクトの現状についても報告された。水をほとんど使わずに新たな紙を再生する乾式オフィス製紙機「PaperLab」と低消費電力を特徴とし、環境性能に強みを持つ高速ラインインクジェット複合機/プリンターを組み合わせ、紙を有効活用しながら資源サイクルを活性化、さらなる環境負荷の低減に貢献するもので、同社の新宿オフィスに環境配慮型オフィスセンターが設置されており、今後1年間でコピー用紙30%(130万枚)の削減が目標とされている。
セイコーエプソングループ全体ではレーザープリンターの90%がインクジェットに替わっているという。これにより、印刷コストが30%ダウン、消費電力が75%ダウン、消耗品排気量が65%ダウンといった効果が出ている。
また同社が展開するLXシリーズの2年半の出荷台数から換算し、削減されたと想定される電力は11万キロワットアワーにのぼるといい、これは「3.5ヶ月分東京タワーを灯すことができるもの」と同等だと説明された。エプソンではこうした取り組みによってさらなる環境貢献を進めていくとし、「賛同くださる皆様とともに、ビル全体、街全体に広げたい」との意気込みを示した。
■ラインナップ拡充でビジネスをより円滑に
新商品について説明したのは、セイコーエプソン(株)代表取締役 専務執行役員 プリンティングソリューションズ事業部長の久保田孝一氏。冒頭に、SDGsなど持続可能な社会の実現に向けた取り組みに触れ、「インクジェットによるイノベーションを通じて、エプソンは持続可能な社会実現に貢献する。インクジェット技術は大きなビジネスチャンスとして、最大限に生かし今後も取り組んでいく」と語った。
「エプソンのスマートチャージ」の核となるのは、熱を使わずにインクを吐出する独自技術「Heat Free Technology」を採用し、シンプルなプロセスでプリントするピエゾ方式のインクジェットプリンター。従来のレーザー方式のプリンターと比較し環境性能や消費電力面で優位、かつ生産性を両立させると強調する。
Heat Free Technologyのメリットとして、「安定的な高速印刷で業務効率をアップさせる」「低消費電力でエネルギーとコストを削減する」「省資源で環境負荷を低減する」「低メンテナンスによる生産性の向上」の4つを掲げる。
そのコアテクノロジーである「マイクロTFPプリントチップ」を採用したプリントヘッドは、3つの革新的技術として、プリントノズルの高密度化を実現し解像度も上げる薄膜ピエゾテクノロジー、加工精度の高いMEMS技術、そして超高精度な組み立て技術を有すると説明した。
新商品は、オフィスのセンターマシンとして提案するA3高速ラインインクジェット複合機/プリンターのWorkForce EnterpriseであるLXシリーズから3モデル(2020年2月上旬販売予定)、A3複合機/プリンターPXシリーズから3モデル(2020年1月下旬販売予定)が登場。LXシリーズは従来の毎分100枚プリント、毎分75枚プリントに加え、毎分60枚プリントのモデルを新たに追加した。高速・高画質印刷と高い環境性能、安心で快適な機能とシンプルな構造という従来の価値に加え、さらなる高い生産性を提案する。
文字品質を向上し、にじみを極力排除。スキャン画質も向上させ、蛍光ペン原稿の再現性も高まった。顔料インクテクノロジーで高い耐水性、優れた耐擦過(さっか)性も実現させた。インクジェット専用インラインフィニッシャーも進化し、業務の効率化に貢献する。
また環境性能も向上、低消費電力を進化させ、インクカートリッジの大容量化で容積効率を向上させた上、1セットのカートリッジでのカラー印刷可能枚数を高めた。セキュリティ機能の強化など安心・快適な機能も高め、部品点数が少なく耐久性が高いシンプルな構造とした。
A3複合機/プリンターPXシリーズには従来機種の後継機と、さらに上位機種が加わった。インクパックを本体下部に納め、排紙トレイを収納式としてコンパクト化を実現した。
さらに、LX、PXシリーズ共通の内容として、教育プラットフォームに親和性の高い「Google Chromebook」に対応した。
久保田氏は、「エプソンでは、プリンターをレーザーからインクジェットに替えていくという目標をもつ。新商品のフルラインナップであらゆるお客様のニーズに応える」と意気込みを高める。またさらなる高速化への挑戦とともに、コストダウンを実現させボリュームゾーンである中速機帯の商品ラインナップを拡充するなど、今後もインクジェットプリンターの可能性を広げていくとし、「オフィスプリントの変革は始まったばかり、将来に向け開発活動を行なっていく」と締め括った。
■印刷にかかる負担を解決し「学びの質」向上へ
エプソン販売(株)代表取締役社長 鈴村文徳氏が、「エプソンのスマートチャージ」の学校向けに特化した新サービス「アカデミックプラン」について説明した。
まず「エプソンのスマートチャージ」の歩みに触れた鈴村氏。「オフィスプリンター、複合機への最後発での参入で、環境性能と高速高画質印刷を武器に活動してきた。フィニッシャーの性能や、中低速機のボリュームゾーン展開に課題もあったが、今回の製品で解決を果たした」と自負する。
強みであるインクジェット技術によって環境にやさしく、カラーを我慢せずに印刷できる環境を構築して世の中に貢献する取り組みを進める中、今から5年前にスタートしたスマートチャージビジネスは、複合機、高速プリンター、印刷機+複合機の市場をターゲットに、3つの販売プランを展開している。
「エプソンのスマートチャージ」を採用する業種は、教育系が全体の1/4を占め、小売卸業、医療福祉をあわせて1/2になるという。そうした中、今後の成長シナリオとして、困りごとの解決というアプローチをもって文教の取り組みに特化したものが今回の新サービス「アカデミックプラン」である。「価値を届けるにあたってビジネスモデルを多数用意するのも重要なポイント。お客様にあわせた最適な提案をしていく」と強調した。
文教向けにプロジェクターなど広く展開するエプソンでは、日頃から学校の現場につぶさに触れ「学校環境では印刷の機会が多いが、そこには課題が多いと認識。LXシリーズでこれを大きく改善することができると確信した」という。
学校教育の現場が過重労働と言われる中、印刷にかかる負担は非常に大きく、1ヶ月平均で8.4時間にのぼるといい、消耗品の管理などの手間もかかる。一方で予算は充実せず、カラー印刷禁止の場合が多く、プリント物はほとんどモノクロで、学びの質が向上しないという課題があるという。
これらの解決を図るアカデミックプランのサービス内容は、高速ラインインクジェット複合機(LX-10050MFシリーズ、LX-10000Fシリーズ)を中心とした適切な機種・台数・プランの提案となる。現状の印刷関連費用をベースに、月額定額制で新たに機器購入予算を確保する必要なく、機器使用料、保守サービス、規定枚数までのインクやメンテナンスボックス費用を含む。契約期間は5年間。
このプランについてのメリットは、100枚/分の高速プリンターの導入で “印刷渋滞” をなくし、教員の業務時間を削減できること。規定枚数までカラープリントも気兼ねなくできること。消耗品も自動配送し置き場の確保や管理が不要となり、かつ予算の管理が容易になること。そして規定枚数については年間トータルの清算、さらに教育委員会を軸とした複数校契約で学校間でのトータルの清算も実現するとして「携帯電話の家族割のイメージ」と説明する。
アカデミックプランの適応範囲は、学校教育法第一条に規定されている小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、高等専門学校、大学、幼稚園、学校教育法第一条以外の専修学校、児童福祉法第七条に規定されている保育所、認定こども園法第二条に規定されている認定こども園、その他エプソンが別に定める学校とする。
「職員室でカラープリントし放題の環境を提供する。実証実験を通じ、喜んでいただけると確信した。学校それぞれの現場に合わせて個別提案、最適提案を営業部隊で行う」と力を込めた。
さらに、7月1日にスタートしたエプソンの環境配慮型オフィスプロジェクトの現状についても報告された。水をほとんど使わずに新たな紙を再生する乾式オフィス製紙機「PaperLab」と低消費電力を特徴とし、環境性能に強みを持つ高速ラインインクジェット複合機/プリンターを組み合わせ、紙を有効活用しながら資源サイクルを活性化、さらなる環境負荷の低減に貢献するもので、同社の新宿オフィスに環境配慮型オフィスセンターが設置されており、今後1年間でコピー用紙30%(130万枚)の削減が目標とされている。
セイコーエプソングループ全体ではレーザープリンターの90%がインクジェットに替わっているという。これにより、印刷コストが30%ダウン、消費電力が75%ダウン、消耗品排気量が65%ダウンといった効果が出ている。
また同社が展開するLXシリーズの2年半の出荷台数から換算し、削減されたと想定される電力は11万キロワットアワーにのぼるといい、これは「3.5ヶ月分東京タワーを灯すことができるもの」と同等だと説明された。エプソンではこうした取り組みによってさらなる環境貢献を進めていくとし、「賛同くださる皆様とともに、ビル全体、街全体に広げたい」との意気込みを示した。