• ブランド
    特設サイト
公開日 2020/07/31 18:42

エプソン、'20年1Q決算発表。新型コロナウィルスがマイナス影響も在宅需要でプリンター健闘

費用抑制図りつつ今後を見据えた準備も整える
PHILEWEBビジネス 徳田ゆかり
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
セイコーエプソン(株)は2020年度第一四半期の決算説明会をオンラインにて開催。代表取締役社長の小川恭範氏が説明を行った。

セイコーエプソン(株)代表取締役社長の小川恭範氏

2020年度1Qの決算内容は以下のとおり。売上収益は新型コロナウィルス影響の拡大による世界各地の経済活動後退、プリンター、プロジェクターなどの工場で稼働停止した影響もあり前年同期比564億円減収の1,932億円。一方事業利益は対前年同期1億円減益となる 43億円。プリンター事業で在宅学習・勤務の印刷需要拡大でインク売上収益増加が継続した。さらに事業活動の低下で徹底した費用の抑制や削減を実施。プロジェクターや商業産業IJP、ウォッチでは需要が急激に低下し在庫増加があった。

2020年度1Q決算概要

新型コロナウィルスの影響は1Qで拡大、各地で経済活動停滞、大部分の事業や商品で需要が大きく落ち込んだ。生産への制約も発生し、供給が滞る局面も発生。一方では、SOHO ホーム向けプリンターなどで在宅需要が継続拡大、インクの売上収益は前年度から大きく増加した。売上収益合計では530億円程度の大きなマイナス影響を受けた。

1Qの新型コロナウィルスの影響

事業セグメント別、プリンティングソリューションズでは減収減益。売上収益はSIDMプリンターが大幅減収、インクジェットプリンターは前年同期並み。インクジェットプリンター市場はエマージング地域でコロナウィルス拡大により大きく落ち込み、中国、北米、欧州、日本では在宅の印刷需要拡大が継続。エマージング地域で大容量インクタンクモデルの販売減少したが、先進国では大容量インクモデル増加。生産制約を受けたカートリッジ本体は減少した。

プリンティングソリューションズ1Q実績

オフィス・ホームIJPはインク販売が落ち込み、前年同期を下回ったが、日本で昨年度から取り組んでいた文教向け販売が拡大、本体の販売は前年同期並みの売上収益を確保した。セグメント利益は増益に。

ビジュアルコミュニケーションは、厳しい結果に。プロジェクターは各地のコロナウィルス拡大で企業休業、学校の休校、イベント中止で市場が大きく落ち込み、売上収益は半減。セグメント利益も減益に。ウェアラブルも減収。コロナウィルス拡大でウォッチ市場が大きく縮小、国内外で販売減少した。

ビジュアルコミュニケーション、ウェアラブル・産業プロダクツの1Q実績

2020年度通期業績予想としては、前年同期を少し下回る前提。コロナウィルスの影響は下期にかけ収束に向かいつつも、回復に遅れのある地域も存在する。1Qの生産の滞りは回復、6月末には平常化したが、2Q以降も一部供給不足が継続する。2Qは販売の100%回復は見込めず、事業利益は大きく落ち込み50億円超程度の損出を見込む。コロナ影響は売上収益で1400億円程度のマイナスを見込む。

2020年度通期業績予想

2020年度取り組みにも言及。「厳しい環境を認識して運営する」とした上で、徹底した費用抑制、一方でコロナウィルスの鎮静化をみきわめ一気に投入できる準備も整える。中期的には社会変化を見据え、強化領域の商業産業IJPやオフィス共有IJP、ロボティクスなどは拡大のスピードを上げるとする。経営資源のアロケーションを進め、外部環境の変化に備える。財務環境強化として、5月にコミットメントライン契約締結、環境面の取り組み強化で同社初のグリーンボンド発行を実施した。

2020年度取り組み

NewNormalを見据え戦略の再確認を進める。社会変化がスピードを増す状況を踏まえ、Epson25、第二期中期計画の方向性に変更はないが、イノベーション実現にさらなる加速の必要性を認識する。新たな商品やサービスの提供、ビジネスモデル変革の機会と捉え、複数拠点、分散化を拡大、取り組みを加速する。業務プロセス、仕事の進め方への変化の必要性も強調。制度面の充実、社会環境への対応も進めるとした。

セグメント別の需要動向と取り組みでは、プリンティングソリューションズは先進国中心に在宅学習・勤務の需要が落ち着きを見せつつ、一定程度継続すると見る。本体一部商品は、供給先のコントロールを実施し、需要に最大限対応する。在宅需要の発生はエプソンに追い風、長期的に環境性能、印刷コスト、メンテナンスコストを訴求するチャンスと捉え、販売拡大を継続する。

プリンティングソリューションズの通期取り組み

ビジュアルコミュニケーションでは、企業や学校、イベントの需要は下期には回復するとみて、プロジェクターは高い市場プレゼンスを生かし、案件を受注にむすびつけ、市場シェア拡大につとめる。フラットパネルディスプレイの価格低下が今後も続くことから、2021年度以降もプロジェクター市場は縮小すると見て、事業戦略の際検討を実施する。フラットパネルディスプレイに追随できない大画面を実現する高光束領域へ注力し、事業オペレーションの効率化を進める。プロジェクター市場は前年度比マイナス35%程度の市場縮小が進むと見るが、シェアを一層拡大させ、効率的な費用執行を実施する。

ビジュアルコミュニケーションの通期取り組み

中長期的な企業価値向上に向けては、「企業価値の向上こそ防衛策」として買収防衛策を廃止。さらに7月にエプソン初のグリーンボンド発行を実施し、75社より投資表明があり、一般事業法人のSDGs債市場、過去最大の件数とした。

企業価値向上に向けて

小川氏は「人々がもっと豊かで幸せを感じられる持続可能な社会をつくるには、各事業領域でイノベーションを起こす必要がある。厳しい環境下だが実現に向けしっかり経営の舵をとる」と締めくくった。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 「オーディオのオンキヨー」復活へ。新スピーカーとセパレートシステムを年明けのCESで発表
2 【完全ワイヤレスイヤホン特集 PART.10】音のプロが選ぶベストバイは?
3 CD再生とファイル再生の架け橋に!Shanlingからリッピング機能付きトランスポート「CR60」が登場
4 今こそ「ミニコンポ」が面白い! デノン/マランツ/B&Wの令和ライフにマッチする厳選5モデルレビュー
5 水月雨、『崩壊:スターレイル』とのコラボ完全ワイヤレス。ダイナミック+環状平面駆動の同軸ドライバー搭載
6 【ミニレビュー】空き電源コンセントに挿入するだけ。オーディオみじんこ「SILVER HARMONIZER AC-ADVANCE」
7 モニターオーディオ「GOLDシリーズ」レビュー。ユニット大幅刷新の第6世代機は「ハイスピードで焦点の明確な音調」
8 AVIOT、『らんま1/2』コラボ完全ワイヤレスイヤホン。完全新録ボイス240種類以上搭載
9 Nothing、スマホ/イヤホンが最大30%オフ価格になるウィンターキャンペーン。先着順で靴下もらえる
10 要注目の新興ブランド、ラトビア「アレタイ」スピーカー試聴レビュー!広大な空間描写力が魅力
12/20 10:05 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.195
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX