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公開日 2020/09/28 13:15

パナソニック、新フラグシップ4K有機ELテレビ「ビエラ HZ2000」

第二世代「Dot ContrastパネルコントローラーPro」など搭載で画質強化
編集部:小野佳希
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パナソニックは、新フラグシップ4K有機ELテレビ“有機ELビエラ”「HZ2000シリーズ」を10月16日に発売する。65型と55型での展開で、65型機「TH-65HZ2000」は税抜49万円前後、55型機「TH-55HZ2000」は税抜35万円前後での実売が予想される。

有機ELビエラ「HZ2000シリーズ」

2019年モデル「GZ2000シリーズ」の後継機で、自社設計の「Dynamicハイコントラスト有機ELディスプレイ」やTuned by Technicsスピーカーといった独自技術を引き継ぎつつ、パネル制御技術「Dot ContrastパネルコントローラーPro」を第二世代にするなどで機能を強化。さらに、転倒防止スタンドの採用やスイーベル対応などで使い勝手も向上させた。

65型と55型の2サイズ展開

なお、2020年モデルでは先行して「HZ1800」「HZ1000」を展開中だが、こちらの両モデルはDynamicハイコントラスト有機ELディスプレイを採用していなかったり、パネル制御技術が“Pro”のつかない第二世代Dot Contrastパネルコントローラーであるなどの違いがある。スピーカーもTuned by Technicsではなく、スピーカー出力もHZ1800が80W、HZ1000は30Wと今回のHZ2000より低い。

新4K衛星放送(BS4K・110度CS4K)チューナーを2基、地デジ/BS/110度CSチューナーを3基搭載。USB-HDD録画にも対応し、4K放送を見ながら4K放送を裏番組録画したり、4K放送を見ながら4K放送と地デジの2番組同時裏録などが行える。

本機のリモコン

Dynamicハイコントラスト有機ELディスプレイは、「漆黒から眩い光の輝きまでをリニアに再現する」という理想のもと、かつてのプラズマディスプレイで培った技術を研鑽し、同社独自に設計、自社の工場で高精度に組み立てたもの。特別素材の放熱プレートと貼付けシートなどを独自の構造で構成することで一般的な有機ELディスプレイよりも放熱性能を高めている。これにより、有機ELパネルの発光性能を最大限に引き出し、高輝度化と 安定した発光を可能にすることで、より豊かなコントラスト表現を実現したという。

Dynamicハイコントラスト有機ELディスプレイの構造イメージ

また、有機ELビエラは製造ラインで1台1台にホワイトバランス調整・階調表現調整などを高精度に実施していると説明。それに加えて本シリーズでは、より緻密な暗部表現を実現するために、独自のパネルチューニングシステムを開発し、調整工程に加えている。これにより、「暗部階調表現のわずかな乱れも低減し、業務用モニターに求められるようなプロフェッショナルクオリティの黒の階調表現を実現した」とアピールしている。

Dynamicハイコントラスト有機ELディスプレイと通常の有機ELディスプレイとの違いのイメージ

明部のコントラストや色表現を追求したパネル制御技術「Dot Contrast パネルコントローラー Pro」は第二世代に進化。明るさの分布まで解析し制御するアルゴリズムを新たに追加し、暗いシーンでのコントラスト表現をより強化した。さらに、明部についても高輝度域の階調表現を強化し、明部階調をより滑らかに表現できるようにしたという。

Dot Contrast パネルコントローラー Proの効果イメージ

独自の色再現技術「ヘキサクロマドライブ プラス」も引き続き搭載。業務用マスターモニターにも採用されている色補正技術3次元カラーマネジメント回路「ダイナミック 3D-LUT」を有機ELパネルの特性にあわせてチューニング。画面の明るさに合わせて、動的に補正量を変化させ、暗部だけでなく明部でも階調と色彩を忠実に再現できるよう配慮している。また、「ヘキサクロマドライブ プラス」の色のチューニングには独自開発の測定ツールを活用。全輝度域で測定誤差を低減することで、業務用のマスターモニターの精度に近い色再現力を実現したとしている。

映像の高コントラスト化技術「AI HDRリマスター」も進化。地デジ番組のようなSDRコンテンツの高精度なHDR化だけでなく、新4K衛星放送に採用されているHLG方式の画質を大幅に向上させるため、新たな画質処理アルゴリズムを採用し、4K番組を明るく高コントラストに表示することが可能になったとする。

HDR規格は従来のHDR10/HDR10+/HLG/Dolby Visionに加えて、HZ1800やHZ1000同様にDolby Vision IQにも新たに対応。テレビ本体に内蔵した光センサーから取得した周囲の明るさ情報をHDR画質処理に反映させることで、室内の明るさに合わせてDolby Visionの画質を自動で最適化させる。

なお、1月に開催されたCESでの海外発表時には「Filmmaker Mode」対応であるともしていたが、国内版では同モード対応であるとは謳われておらず、リモコンも海外版と一部異なっている。ただし、画質モード「フィルムシネマ」がフィルムメーカーモードに相当するという。

各種画質モードのうち「フィルムシネマ」がFilmmaker Modeに相当

また、「ダイナミックメタデータクリエーション」機能も装備。ダイナミックメタデータを持たないHDRコンテンツに対して、シーンごとに輝度情報を解析することで、ダイナミックメタデータを持つHDRコンテンツ同様にパネルの性能を最大限に引き出し、高いコントラスト表現を実現する。

加えて、地上デジタル放送やネット動画といった映像を4K高精細化する「4Kファインリマスターエンジン」、動く物体の境界線を認識して倍速補間を行なう「オブジェクト検出 倍速表示」も搭載。パネルの発光制御によりくっきりとした動きを実現する「クリアモーション」も搭載している。

音質面では立体音響技術Dolby Atmosに対応し、垂直方向の移動感を再現するイネーブルドスピーカをテレビ背面上部に搭載。スピーカーを上向きに配置し、音を天井に反射させることで立体的な臨場感を生み出せるようにした。

上向きのイネーブルドスピーカーを搭載

なお、イネーブルドスピーカーのほかに、テレビ正面にはトゥイーターと2つのミッドレンジスピーカーで構成される前向きスピーカーをセンターと左右に配置。さらに、2つのウーファーと対向配置のパッシブラジエーターで構成されるウーファーユニットを左右に配置。3ウェイ3.2ch+2chの音声実用最大出力140Wのシステム構成を採用している。

合計出力140Wのスピーカーシステムを搭載

センタースピーカーを搭載するこのシステムによって、映画やドラマのセリフ、音楽のボーカルなどをクリアに再生できるよう配慮。上部のイネーブルドスピーカーと下部のセンタースピーカーにより 画面中央に音像を定位させる。そしてウーファーと低音を増幅させるパッシブラジエーターで歪みの少ない重低音を実現するとし、「4K映像にふさわしい臨場感のあるサウンドをテレビのスピーカーだけで楽しめる」とアピールしている。

リモコンのマイクで音響環境を計測する「Space Tune Auto」機能も搭載。テレビでテストトーンを再生し、視聴位置でリモコンのマイクで計測。天井や壁からの距離や反射の影響などを解析することで、視聴環境に合わせた最適な音質補正が行える。

Space Tune Autoの設定画面

さらに、スピーカーはテクニクスならではの音響思想を反映させた「Tuned by Technics」。テクニクスのフルデジタルアンプ「JENO Engine」をはじめとするオーディオグレードのパーツを採用し、テクニクス製品開発陣の官能評価と独自の音響解析システムを基にしたチューニングで、ノイズを抑えたクリアで上質なサウンドを実現したとしている。

スピーカーは「Tuned by Technics」

ネット配信サービスはNetflix、Amazon Prime Video、YouTube、TVer、Hulu、U-NEXT、ABEMA、dTV、Paravi、DAZN、TSUTAYA TV、スカパー!オンデマンド、TELASA、DMM.com、ひかりTV 4K、Rakuten TVなどに対応。これらサービスにダイレクトにアクセスできる「かんたんホーム」のUIも進化。各アイコンにサムネイルが表示され、アプリを起動しなくてもオススメの番組などを知ることができるようになった。

ネット動画機能のUIも進化

Netflixに関しては、起動時間や操作性などの審査基準をクリアしたNetflix推奨テレビの認証も取得。また、製作者の意図通りの映像表現を実現するNetflix画質モードも搭載している。

地震に強く倒れにくい吸着機能付きの「転倒防止スタンド」を採用した点も前モデルからの進化点。スタンドはスイーベル(首振り)にも対応し、前後15度(計30度)の調整が行える。

転倒防止スタンドも採用

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