公開日 2020/07/21 13:05
ニコンの新フルサイズミラーレス「Z 5」速攻インプレッション。既存モデルとどこが違う?
持ち歩きたくなるフルサイズカメラ
ニコンから新フルサイズミラーレス一眼カメラ「Z 5」が発表された。8月下旬に発売予定だ。本稿では既存機との比較を交えながら、外観のディテールを中心にファーストインプレッションをお伝えしていく。スペック面の詳細については、ニュース記事をご参照されたい。
まずZ 5の外観で印象的なのは、フルサイズ機としてはコンパクトであること。本体の外形寸法は、先行して販売されていたZ 6とほぼ同じだが、キットレンズ「NIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3」が小型ということもあってか、印象としてはZ 6より小さく感じる。
本体の素材はマグネシウム合金で質感が高い。上位モデルのZ 6とは異なり背面は樹脂製だが、指にあたるトップパネルがマグネシウムなので、全体的な質感は遜色ないレベルだ。また基本的なボタン配置はZ 6と同様だが、Z 6の上面にあった肩液晶が削除され、Z 50のようにモードダイヤルが配置されている。
この配置変更により、まるで“フルサイズ版Z 50”というような印象を受ける。Z 6の上部にはボタンや文字などが少ないので、デザイン的にシンプルだ。なおサンプル機のため今後変更される可能性もあるが、モードダイヤルはZ 50よりも固くクリック感のある仕様で、誤回転がしにくいように配慮されていた。
Z 5はフルサイズ機なので、大きさ重さをAPS-C機と比べるのは条件的に不利だが、小型さで定評のあるZ 50と比較してみたい。個人的に、持ち運ぶ際に気になるのが、本体から飛び出るレンズの長さ。マウント面からレンズ先端までの長さを比較してみると、実測でZ 50は約35mm、Z 5は約45mmとコンパクト。フルサイズ機は対応レンズが大きくなりがちだが、薄型といわれるZ 50のキットレンズと比べても10mmほどの差にとどまっている。
このようにキットレンズが小型で薄いため、フルサイズ機であっても、Z 5はバッグに入れて持ち運びしやすい。なお本レンズは、使わないときに収納する沈胴式を採用しており、使用時には上記数字よりも若干レンズが伸びる。注意して欲しい。
バッテリーとメモリーカード込みの重さについても、Z 5が約675g、Z50が約450g。キットレンズを装着した状態ではZ 5では約850g、Z 50では約585gと、わずか265gの差となる。しかも、Z 5はグリップが大きいためホールドしやすく、数値ほどの差は感じない。フルサイズカメラは、レンズと合わせると1kg超えが大半のなか、この軽量さは嬉しい。
Z 6のレンズキットと比べても約300gほど軽いので、フルサイズ機としてはトップレベルに持ち歩きやすいだろう。試しに編集部の女性記者に持ってもらったところ、「私でも持ちやすい!」という反応だった。もちろんAPS-C機と比べると重く大きいものの、フルサイズ機の中では、性別問わず普段の散歩にも気軽に持ち出しやすいモデルと言えるのではないだろうか。
個人的にZ 5の仕様で嬉しいのは、メディアスロットにSD×2のデュアルスロットが採用されたことだ。Z 6で採用されているXQDカードは高速ながら、価格がやや高い。より安価なSDカードを使えることで、Z 5から写真を始める方でも、初期投資が安く抑えられるのは嬉しい。
使用した感想についても、軽く触れておこう。短時間ではあるが、本機を手に都内を散策してみたら、ファインダーが大きく快適。記者はZ 6も持っているが、こちらと比較しても同水準の見やすさだと思う。もちろんZ 50もミラーレスの中では上質な方だが、やはりフルサイズ機だけあって、ファインダーのクオリティは別格だ。
少し使用して気がついた点として、レンズの長さが控えめのため、首からストラップをかけた状態でカメラが “お辞儀” しないのも良かった。常に首から下げておいても邪魔になりにくく、とっさのシャッターチャンスに対応できるのも嬉しい。
画質については、Zマウントはクリアでヌケの良い写りのレンズが多い印象だが、本レンズでもその傾向を受け継いでいると感じる。またAFはミラーレス専用設計らしく、静かで高速。動画用途でも活躍できそうだ。
またキットレンズの焦点距離が24-50mmというのも秀逸。一般的には70mm前後のレンズが多いため、使い始めるまでは少し不安だったが、今回の試写では特に不便は感じられず、コンパクトさのメリットが勝る印象だ。近ごろのスマホカメラは複数のレンズを搭載するものが増えているが、広角は24mm前後、望遠は50mm前後が多いことを考えると、24-50mmは気軽に使うのにちょうどよい焦点域なのかもしれない。
下記、今回試写してみた作例を列挙しておく。フルサイズながらレンズとセットで税抜20万円切りという価格、そしてレンズと合わせてもコンパクトで持ち出しやすい本機は、一眼レフからミラーレスへの乗り換え、思い切ってフルサイズを購入したい初心者など、多くのユーザーの選択肢となりそうだ。
※本記事に掲載している作例はすべて試作機で撮影したものです
まずZ 5の外観で印象的なのは、フルサイズ機としてはコンパクトであること。本体の外形寸法は、先行して販売されていたZ 6とほぼ同じだが、キットレンズ「NIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3」が小型ということもあってか、印象としてはZ 6より小さく感じる。
本体の素材はマグネシウム合金で質感が高い。上位モデルのZ 6とは異なり背面は樹脂製だが、指にあたるトップパネルがマグネシウムなので、全体的な質感は遜色ないレベルだ。また基本的なボタン配置はZ 6と同様だが、Z 6の上面にあった肩液晶が削除され、Z 50のようにモードダイヤルが配置されている。
この配置変更により、まるで“フルサイズ版Z 50”というような印象を受ける。Z 6の上部にはボタンや文字などが少ないので、デザイン的にシンプルだ。なおサンプル機のため今後変更される可能性もあるが、モードダイヤルはZ 50よりも固くクリック感のある仕様で、誤回転がしにくいように配慮されていた。
Z 5はフルサイズ機なので、大きさ重さをAPS-C機と比べるのは条件的に不利だが、小型さで定評のあるZ 50と比較してみたい。個人的に、持ち運ぶ際に気になるのが、本体から飛び出るレンズの長さ。マウント面からレンズ先端までの長さを比較してみると、実測でZ 50は約35mm、Z 5は約45mmとコンパクト。フルサイズ機は対応レンズが大きくなりがちだが、薄型といわれるZ 50のキットレンズと比べても10mmほどの差にとどまっている。
このようにキットレンズが小型で薄いため、フルサイズ機であっても、Z 5はバッグに入れて持ち運びしやすい。なお本レンズは、使わないときに収納する沈胴式を採用しており、使用時には上記数字よりも若干レンズが伸びる。注意して欲しい。
バッテリーとメモリーカード込みの重さについても、Z 5が約675g、Z50が約450g。キットレンズを装着した状態ではZ 5では約850g、Z 50では約585gと、わずか265gの差となる。しかも、Z 5はグリップが大きいためホールドしやすく、数値ほどの差は感じない。フルサイズカメラは、レンズと合わせると1kg超えが大半のなか、この軽量さは嬉しい。
Z 6のレンズキットと比べても約300gほど軽いので、フルサイズ機としてはトップレベルに持ち歩きやすいだろう。試しに編集部の女性記者に持ってもらったところ、「私でも持ちやすい!」という反応だった。もちろんAPS-C機と比べると重く大きいものの、フルサイズ機の中では、性別問わず普段の散歩にも気軽に持ち出しやすいモデルと言えるのではないだろうか。
個人的にZ 5の仕様で嬉しいのは、メディアスロットにSD×2のデュアルスロットが採用されたことだ。Z 6で採用されているXQDカードは高速ながら、価格がやや高い。より安価なSDカードを使えることで、Z 5から写真を始める方でも、初期投資が安く抑えられるのは嬉しい。
使用した感想についても、軽く触れておこう。短時間ではあるが、本機を手に都内を散策してみたら、ファインダーが大きく快適。記者はZ 6も持っているが、こちらと比較しても同水準の見やすさだと思う。もちろんZ 50もミラーレスの中では上質な方だが、やはりフルサイズ機だけあって、ファインダーのクオリティは別格だ。
少し使用して気がついた点として、レンズの長さが控えめのため、首からストラップをかけた状態でカメラが “お辞儀” しないのも良かった。常に首から下げておいても邪魔になりにくく、とっさのシャッターチャンスに対応できるのも嬉しい。
画質については、Zマウントはクリアでヌケの良い写りのレンズが多い印象だが、本レンズでもその傾向を受け継いでいると感じる。またAFはミラーレス専用設計らしく、静かで高速。動画用途でも活躍できそうだ。
またキットレンズの焦点距離が24-50mmというのも秀逸。一般的には70mm前後のレンズが多いため、使い始めるまでは少し不安だったが、今回の試写では特に不便は感じられず、コンパクトさのメリットが勝る印象だ。近ごろのスマホカメラは複数のレンズを搭載するものが増えているが、広角は24mm前後、望遠は50mm前後が多いことを考えると、24-50mmは気軽に使うのにちょうどよい焦点域なのかもしれない。
下記、今回試写してみた作例を列挙しておく。フルサイズながらレンズとセットで税抜20万円切りという価格、そしてレンズと合わせてもコンパクトで持ち出しやすい本機は、一眼レフからミラーレスへの乗り換え、思い切ってフルサイズを購入したい初心者など、多くのユーザーの選択肢となりそうだ。
※本記事に掲載している作例はすべて試作機で撮影したものです