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先週金曜に公開されて話題になっていた、人気ラッパーのドレイクと、歌手ザ・ウィークエンドの声をAIに学習させて制作したディープフェイク曲『Heart On My Sleeve』が、ストリーミング各社のサービスから削除された。ドレイクの楽曲を配給しているユニヴァーサルミュージックグループ(UMG)が著作権侵害であるとして各社に削除を求めていた。
Ghostwriter977と名乗る人物によって作成されたこの楽曲は、削除されるまでにYouTubeで27.5万回、Spotifyで65.5万回以上は再生された。ほかにもApple Music、Amazon Music、SoundCloud、Tidal、Deezer、TikTokといったサービスで公開され、Axiosによるとそれらすべての合計再生数が1,500万回にのぼったとされている。また楽曲のクリップを添付したツイートは、削除されるまでの間に2,000万回以上もクリックされたという。ここまで来ると、これはもう立派なヒット曲と言っても差し支えなさそうだ。
ストリーミング各社に削除要請を行ったUMGは「アーティストの音楽を使ってジェネレーティブAIを強化すること」が、「契約違反と著作権法違反の両方」にあたると述べている。ただ、問題の曲『Heart On My Sleeve』は、ドレイク、ザ・ウィークエンドのいずれも、作詞・作曲、レコーディングなど楽曲制作に関わっておらず、パフォーマンスもしていない、AI合成音声によるオリジナル曲だ。そう考えると、この楽曲が著作権侵害をしているのかははっきりしない。ただし、音楽レーベルとしては、プラットフォームには「アーティストに害を及ぼす方法でのサービスの使用を防止する、法的および倫理的責任」があると述べている。
米国では先月、ジェネレーティブAIモデルにテキストプロンプトを与えて制作した音楽を含む芸術作品は、著作権で保護されないとの判断が官報に掲載した新しいガイダンス文書で示されている。ただし、将来的にもAIが生成した作品に一切著作権保護を認めないわけではなく、さらに詳しい調査や議論が必要だとしていた。
一方、自分の声を間接的に盗用された格好のドレイクは、アイス・スパイスの楽曲をAIに学習させた自身の声で再現した、いわば“AIカバー”バージョンが無断で作成・公開されていることに対しInstagramで苛立ちの反応を返していた。しかし、『Heart On My Sleeve』には反応していない。
ちなみに、歌声を学習したAIで勝手に楽曲カバーが作られたアーティストは、ドレイクだけでなく、カニエ・ウェストやリアーナ、ジャスティン・ビーバーなど、増える一方だ。
DJのデヴィッド・ゲッタは、uberduck.ai というサイトを利用して作ったエミネムを模倣するAI音声をDJ機材に取り込み、ライブで使用する様子を公開した。そして「AI が新しい音楽スタイルを定義するかもしれない。新しい音楽スタイルはすべて新しいテクノロジーから生まれる」と述べた。ただ、彼はエミネムのAI音声に関してはあくまで「ジョークとして」作成したものであり、ドラムマシンやサンプラーのようなツールとしてしか役に立たたないと主張している。
Source: Music Business Worldwide
via: Axios, Variety
Ghostwriter977と名乗る人物によって作成されたこの楽曲は、削除されるまでにYouTubeで27.5万回、Spotifyで65.5万回以上は再生された。ほかにもApple Music、Amazon Music、SoundCloud、Tidal、Deezer、TikTokといったサービスで公開され、Axiosによるとそれらすべての合計再生数が1,500万回にのぼったとされている。また楽曲のクリップを添付したツイートは、削除されるまでの間に2,000万回以上もクリックされたという。ここまで来ると、これはもう立派なヒット曲と言っても差し支えなさそうだ。
ストリーミング各社に削除要請を行ったUMGは「アーティストの音楽を使ってジェネレーティブAIを強化すること」が、「契約違反と著作権法違反の両方」にあたると述べている。ただ、問題の曲『Heart On My Sleeve』は、ドレイク、ザ・ウィークエンドのいずれも、作詞・作曲、レコーディングなど楽曲制作に関わっておらず、パフォーマンスもしていない、AI合成音声によるオリジナル曲だ。そう考えると、この楽曲が著作権侵害をしているのかははっきりしない。ただし、音楽レーベルとしては、プラットフォームには「アーティストに害を及ぼす方法でのサービスの使用を防止する、法的および倫理的責任」があると述べている。
米国では先月、ジェネレーティブAIモデルにテキストプロンプトを与えて制作した音楽を含む芸術作品は、著作権で保護されないとの判断が官報に掲載した新しいガイダンス文書で示されている。ただし、将来的にもAIが生成した作品に一切著作権保護を認めないわけではなく、さらに詳しい調査や議論が必要だとしていた。
一方、自分の声を間接的に盗用された格好のドレイクは、アイス・スパイスの楽曲をAIに学習させた自身の声で再現した、いわば“AIカバー”バージョンが無断で作成・公開されていることに対しInstagramで苛立ちの反応を返していた。しかし、『Heart On My Sleeve』には反応していない。
ちなみに、歌声を学習したAIで勝手に楽曲カバーが作られたアーティストは、ドレイクだけでなく、カニエ・ウェストやリアーナ、ジャスティン・ビーバーなど、増える一方だ。
DJのデヴィッド・ゲッタは、uberduck.ai というサイトを利用して作ったエミネムを模倣するAI音声をDJ機材に取り込み、ライブで使用する様子を公開した。そして「AI が新しい音楽スタイルを定義するかもしれない。新しい音楽スタイルはすべて新しいテクノロジーから生まれる」と述べた。ただ、彼はエミネムのAI音声に関してはあくまで「ジョークとして」作成したものであり、ドラムマシンやサンプラーのようなツールとしてしか役に立たたないと主張している。
Source: Music Business Worldwide
via: Axios, Variety