• ブランド
    特設サイト
ガジェット 公開日 2024/01/24 08:23

「AIは思ったより人の仕事を奪わない」。採算が合うのは約23%との報告

「視覚的タスクにおいては」
Gadget Gate
Munenori Taniguchi
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
ここ最近のAIの進歩は、それによって人々の雇用が失われるのではないか、という不安を静かにわき起こらせている。しかし、MIT CSAIL(コンピュータ科学・人工知能研究所)、MIT Sloan、The Productivity InstituteそしてIBM Institute for Business Valueによる研究では、特にAIとコンピュータービジョンに重点をおき職場のタスクを自動化する場合の経済的実用性に、批判的な調査結果が報告された。

この研究によると、視覚に関係するタスクに支払われる賃金のうち、AI 自動化に経済的に採算が合うのはわずか約23%にすぎないという。

調査結果によると、視覚が重要な要素となる仕事の場合、その約1/4はAIに置き換えるほうが経済的に合理的と言える。逆に言えば、残りの約3/4は経済的に有益ではないということだ。重要なポイントは、AIによる人々の仕事への進出は、一部の評論家が示唆しているよりもゆっくりで、それほど劇的ではない可能性があるということだ。

MIT CSAIL およびデジタル エコノミー イニシアチブの主任研究員で、今回の研究の共著者でもあるニール・トンプソン氏は「これは、さまざまな分野へのAIのより緩やかな統合を示しており、AIによる急速な雇用喪失が発生するのではという、よくある予測とは対照的だ」と述べている。

ただ、この調査結果は「視覚が重要な要素となる仕事」の場合についての話だというところに注意が必要だ。具体的に、製造ラインの出口のところで製品の品質を検査するようなタスクを含む仕事に関しては、と付け加えるとわかりやすいかもしれない。

今回の調査では、 特定のタスクに合わせてAIを微調整するだけでよく、ゼロから強化する必要がないAIサービスが考慮されている。 しかし研究者らによると、システムのコストがほんの1000ドルだったとしても、たとえ低賃金でマルチタスクに依存しているとしても、企業が自動化するのは経済的に意味のない仕事がたくさんあるのだという。

この研究には限界があることも研究者らは認めている。たとえば、AIが人間の労働を肩代わりするのではなく拡張する場合や、以前には存在しなかった新しいタスクや仕事が作られることは考慮されていない。

また最近のAIに関する話題のほとんどは、コンピュータービジョンシステムではなく、GPTのような事前トレーニングされた大規模言語モデルから得られる可能性のあるコスト削減についても想定されていない。

研究者らは、これらの大規模言語モデルは特定の仕事に合わせて強化および微調整する必要があるため、ある程度の費用がかかるとして、経済性は同等程度だろうと期待しているとのことだ。

結局のところ予測が正しいかどうかは、現時点で判断するのは難しそうだ。ただ、人々が最悪の事態に備えると同時に、AIがわれわれの助けにも、またライバルにもなるテクノロジーの本当の影響がどのようなものになるかを、今後もより注意深く見守っていくのが大切であることは言うまでもない。

Source: MIT CSAIL
via: TechCrunch, Time

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 楽天ブラックフライデーでJBLの超人気サウンドバー「BAR 1000/800」が激安!プロも驚く革新的モデルはどんな音を鳴らす?
2 評論家が厳選!マランツ「MODEL M1」でPolk Audio/KEF/TAD/Harbethのスピーカーを鳴らす
3 ビクター新ワイヤレスヘッドホン「HA-S99N」速攻レビュー! 評論家が「もう驚きでしかない」と高評価した魅力とは?
4 ボーズ、McIntosh Groupを買収。マッキントッシュ、ソナス・ファベールが傘下に
5 レグザが100型クラス大画面4Kテレビを拡充する理由とは? 目黒蓮の特別コメントも
6 パナソニック「2023年度 優秀ご販売店様謝恩会」を開催。21店が栄誉に輝く
7 山之内 正氏によるエソテリック×アキュフェーズ×マランツ比較試聴会、「ハイエンドオーディオ&アクセサリーショウ2024」で開催
8 オーディオファイル待望の物量投入型プリメインアンプ!デノン「PMA-3000NE」をクオリティチェック
9 B&Wの音は “信頼に値する重要な指標”。音元出版の新試聴室に「802 D4」が導入されたワケ
10 新開発ユニットを巧みに操る懐深いサウンド。ELAC「Debut 3.0」フロア型/ブックシェルフ型を聴く
11/22 10:41 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.194
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX