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公開日 2010/12/07 11:00

ビクターのカナル型ヘッドホン「HA-FXC71」を鴻池賢三氏が聴く − 「トップマウント構造」が導く新たな原音再生の世界

注目ヘッドホン SPECIAL REVIEW
レビュー/鴻池賢三
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ビクターが独自の「トップマウント構造」を採用し、高音質化を図ったカナル型ヘッドホンが「HA-FXC71」だ。原音再生へのあくなき追求から生み出された新発想のテクノロジーが盛り込まれた本機の魅力に鴻池賢三氏が迫る。


耳の奥深くで鳴らす革新的ピュアサウンド


「HA-FXC71」
◆蓄積されたノウハウと新技術の融合による革新のサウンド

ヘッドホンで長年の実績を持つビクター。同社は一貫して原音再生を目指す一方、歴史や蓄積したノウハウに縛られることなく、新しい発想でユニークな製品を送り出すメーカーとしても知られています。

その一例として、ビクターが独自に製品化した、木を振動板として利用する「ウッドドームユニット」搭載ヘッドホン「HA-FX700」は、専門家やユーザーから高い支持を得ています。世界初の新発想をより次元の高い原音再生に結びつけられるのは、ビクターにおけるヘッドホンの歴史と、蓄積してきたノウハウの強みと言えるでしょう。

そしてまた、ビクターは、独自の新発想「トップマウント構造」で、新たな原音再生を提案しています。そのサウンドは、革新的でありながら完成度が高く、市場でも高い人気を得ています。今回は、ビジュアルグランプリを連続受賞し、店頭でベストセラーとなっている人気モデル「HA-FXC71」の技術的特徴と、その音の魅力をご紹介します。

◆「トップマウント構造」ならより鼓膜の近くで鳴らせるから、色つきのない原音が再生できる

本機最大の特徴は「トップマウント構造」です。これはヘッドホンから発される音色を「耳の奥で鳴らす」ため、ヘッドホンの心臓部ともいえるドライバーユニットを先端に配置させる構造。通常のヘッドホンはドライバーユニットで音を発生させ、振動した空気がヘッドホン内部や内耳を経て鼓膜に到達しますが、この過程で音色の変化は避けられません。耳の奥深く、つまり、より鼓膜の近くで「鳴らす」構造は、色付きのない原音再生を目指す上で、利にかなった発想です。


【POINT】トップマウント構造とは?
耳の穴のより深い位置に、音を生み出すドライバーユニットを配したビクター独創の音響構造。ピュアサウンドが耳の奥にダイレクトに届く



この「トップマウント構造」を実現できた背景には、ビクターが独自に開発した、耳の穴奥深くに収まる超小型化と音質の良さを両立した「マイクロHDユニット」の存在が欠かせません。また、耳の奥で鳴らす事で、外部からの騒音を軽減し易く、アウトドアでも静寂なリスニング環境が得られる点で、ポータブルオーディオプレーヤーとの親和性も高いと言えます。

◆原音に忠実で、洗練された高品位サウンド

音質傾向はやはり原音追求型。低音から高音を強調し、印象に強く残る味付けをする製品とは異なり、ジャンルを問わずアーティストの意図を忠実に受け取る事ができます。

「HA-FXC71」を試聴するVGP審査委員の鴻池賢三氏。「鮮度の高い、新しいタイプの音」と絶賛

音質は、一言で表すと「クリア」。iPhoneを利用し、付属のヘッドホンと比較試聴しましたが、低域音は重厚感がありつつキレが良く、ベースの繊細な音階も聴き分ける事ができます。ヴォーカルの厚みと抜けの良さ、高域音の透明感と伸びは心地よく、長時間のリスニングも快適です。これは、「トップマウント構造」がもたらした、新しい原音の功績と言えるでしょう。HA-FXC71にはミドルクラスの枠を超える魅力があり、ハイエンド指向のオーディオファンにも試聴をおすすめします。

【問い合わせ先】
日本ビクター
TEL/0120-2828-17

【HA-FXC71 SPECIFICATIONS】
●形式:ダイナミック型 ●再生周波数帯域:8Hz〜25,000 Hz ●出力音圧レベル:102dB/1mW ●最大許容入力:150mW ●インピーダンス:16Ω ●質量:6.2g



高解像度サウンドが耳の奥深くでダイレクトに響く“トップマウント”シリーズ

VICTOR
HA-FXC71
¥OPEN
高剛性ステンレス素材のメタルハウジングなど、制振性を高めて原音再生を徹底追求した上位機

HA-FXC71(ブラック)

HA-FXC71(ホワイト)



VICTOR
HA-FXC51
¥OPEN
トップマウント構造ならではの解像感高いサウンドが手軽に味わえるスタンダードモデル

HA-FXC51(ブラック)


HA-FXC51(レッド)

HA-FXC51(ホワイト)


鴻池賢三 プロフィール
THX ISF認定ホームシアターデザイナー。ISF認定映像エンジニア。AV機器メーカー勤務を経て独立。現在、AV機器メーカーおよび関連サービスの企画コンサルタント業を軸に、AV専門誌、WEB、テレビ、新聞などのメディアを通じてアドバイザーして活躍中。2009年より(社)日本オーディオ協会「デジタルホームシアター普及委員会」委員/映像環境WG主査。

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