公開日 2012/06/27 11:43
音質・デザイン・機能性の3拍子が揃ったヘッドホン ー 「beats mixr」速報レビュー
ポータブルリスニングがもっと楽しくなる
今回新たに発売されるヘッドホン「beats mixr」は、グラミー受賞の世界的なプロデューサー&DJであるデヴィッド・ゲッタ氏とのパートナーシップによるモデルだ。「beats by dr.dre」の高品位なサウンドをそのままに、デザインとポータビリティもさらに高めたという本機の実力をチェックした。
デザインはスタイリッシュなだけでなく、ユーザーの使い勝手にも気を配った
全体は艶消しの黒で仕上げられており、beatsシリーズであることを表す「b」のロゴとケーブル周りの赤が映える。デザインはとても精悍な印象だ。
イヤーカップとそれを固定するアームは金属製で、その質感も良い。それらは本機の耐久性を高める役割も担っている。
そのアームとヘッドバンドの接合部に仕込まれた折り畳み機構は独特だ。イヤーカップがスイベル可動してヘッドバンドの内側に畳み込まれる。かなりコンパクトに折り畳めるので、その耐久性と合わせて、鞄に放り込むようなラフな使い方にも対応できるだろう(専用ケースも付属する)。
もうひとつ面白いのは、脱着式になっているケーブルが左右どちらのイヤーカップにも接続できることだ。本機にはiPhone対応のリモコン&マイク付きケーブルも付属するが、そのリモコンを好みの側の耳元に配置できる。このように細やかな気配りが嬉しい。
引き締まった強靱な低音/高域の描き込みも好印象
音であるが、まずは低音の充実が目覚ましい。エレクトリックベースの音色は図太く、そして腰が強い。緩いボリューム感ではなく、引き締められた強靭な低音だ。それがアンサンブル全体をぐいぐいと牽引してくれる。ロック系のアップテンポで音数の多いバンドサウンドの中でもベースは音抜けがよく、実に良くドライブしている。
そのバンドサウンドにおいては、ホーンの明るい音色での抜けっぷり、ギターの細かなフレーズの解像度なども印象的。特にギターはカッチリとやや硬質な音色でその存在感を明確にする。迫力の低音に負けず、高音側の描き込みも十分だ。
女性ボーカルを何人か聴くと、こちらもやや硬質でシャープ。声の柔らかな広がりは控えられるが、芯の通ったクリアな立ち姿は、これはこれで好印象だ。
総じて、強靭な低音と明確な描写を好む方にフィットしそうな音調だ。デザイン、ポータビリティ、音。どれも妥協したくない方はチェックしてみて損はない一品である。
高橋 敦:プロフィール
埼玉県浦和市(現さいたま市)出身。東洋大学哲学科中退後、パーソナルコンピュータ系の記事を中心にライターとしての活動を開始。現在はデジタルオーディオ及びビジュアル機器、Apple Macintosh、それらの周辺状況などに関する記事執筆を中心に活動する。また、ロック・ポップスを中心に、年代や国境を問わず様々な音楽を愛聴。その興味は演奏や録音の技術などにまで及び、オーディオ評に独自の視点を与えている。
デザインはスタイリッシュなだけでなく、ユーザーの使い勝手にも気を配った
全体は艶消しの黒で仕上げられており、beatsシリーズであることを表す「b」のロゴとケーブル周りの赤が映える。デザインはとても精悍な印象だ。
イヤーカップとそれを固定するアームは金属製で、その質感も良い。それらは本機の耐久性を高める役割も担っている。
そのアームとヘッドバンドの接合部に仕込まれた折り畳み機構は独特だ。イヤーカップがスイベル可動してヘッドバンドの内側に畳み込まれる。かなりコンパクトに折り畳めるので、その耐久性と合わせて、鞄に放り込むようなラフな使い方にも対応できるだろう(専用ケースも付属する)。
もうひとつ面白いのは、脱着式になっているケーブルが左右どちらのイヤーカップにも接続できることだ。本機にはiPhone対応のリモコン&マイク付きケーブルも付属するが、そのリモコンを好みの側の耳元に配置できる。このように細やかな気配りが嬉しい。
引き締まった強靱な低音/高域の描き込みも好印象
音であるが、まずは低音の充実が目覚ましい。エレクトリックベースの音色は図太く、そして腰が強い。緩いボリューム感ではなく、引き締められた強靭な低音だ。それがアンサンブル全体をぐいぐいと牽引してくれる。ロック系のアップテンポで音数の多いバンドサウンドの中でもベースは音抜けがよく、実に良くドライブしている。
そのバンドサウンドにおいては、ホーンの明るい音色での抜けっぷり、ギターの細かなフレーズの解像度なども印象的。特にギターはカッチリとやや硬質な音色でその存在感を明確にする。迫力の低音に負けず、高音側の描き込みも十分だ。
女性ボーカルを何人か聴くと、こちらもやや硬質でシャープ。声の柔らかな広がりは控えられるが、芯の通ったクリアな立ち姿は、これはこれで好印象だ。
総じて、強靭な低音と明確な描写を好む方にフィットしそうな音調だ。デザイン、ポータビリティ、音。どれも妥協したくない方はチェックしてみて損はない一品である。
高橋 敦:プロフィール
埼玉県浦和市(現さいたま市)出身。東洋大学哲学科中退後、パーソナルコンピュータ系の記事を中心にライターとしての活動を開始。現在はデジタルオーディオ及びビジュアル機器、Apple Macintosh、それらの周辺状況などに関する記事執筆を中心に活動する。また、ロック・ポップスを中心に、年代や国境を問わず様々な音楽を愛聴。その興味は演奏や録音の技術などにまで及び、オーディオ評に独自の視点を与えている。