公開日 2013/07/29 13:47
【レビュー】ラックスマンのバナナプラグ「JPB-10」とYラグ「JPY-10」の音に触れる
炭山アキラが音質をレビュー
前回、スピーカーケーブル「JPS-100」のレビュー(関連記事)をお届けしたラックスマンからは、同時にバナナプラグとYラグも新たに発売されている。
バナナプラグ「JPB-10」は真鍮の本体ポールにベリリウム銅のスプリングを装備し、スピーカー端子にしっかりと固定されるように考え抜かれた作りである。
Yラグ「JPY-10」は厚手の真鍮ムク導体を持ち、8mmと10.5mmのポスト径に対応する2段構造のラグとなっている。
以上、バナナプラグもYラグも導体はすべて24金メッキだ。スリーブ部は両者共通でサンドブラスト仕上げのアルミ製、ケーブルの芯線取り付けは沈頭式のビスをレンチで締めて行う方式で、スリーブは5mm2と太いJPS-100を楽に受け入れる大きさを持ち、細い芯線も締められるよう2種類の長さのビスが付属している。もちろんレンチも付属だ。
芯線をそのままアンプとスピーカーにつないでいた「JPS-100」のアンプ側にそれぞれの端子を挿入して、音を聴き比べた。まず「JPB-10」からだ。
バナナを取り付けて再びレファレンスの音源を聴いていくと、バラ線でつないでいた時よりもいくらか音がクリアになったような印象を受けた。バナナプラグという端子は昔から存在しているせいもあるのだろう、本当に玉石混交の極みというべき端子で、クオリティの低い端子に当たってしまうと一気に音場が狭まって声がくすみ、あるいは何となくガシャガシャした音になってしまう、といったことが珍しくない。特に、バナナプラグの原理モデルというべき製品は導体を板バネそのもので構成しており、鳴きは大きいし導体としての性能が低いしで、本当に不自然な音であったことを記憶している。それに近い製品は今なお売られているから、皆さんも気をつけられた方がよい。
一方、優れたバナナプラグはバラ線接続よりも音の見通しが良くなったり、音場の濃厚さが増したりすることがあるものだ。これは、芯線をビスなどでがっちりと導体へ留めることができることから、芯線の導通が安定し、鳴きも少なくなることが大きな原因ではないかと考えている。「JPB-10」は明らかに「良きバナナ」へ属する製品であることが一聴して分かった。これは逸品だ。
続いて端子を「JPY-10」に取り替え、再びレファレンス音源を聴いていく。
「JPB-10」も「JPY-10」もビス2本で芯線を留める方式だが、ネジの精度が高くしっかりと留められるし、交換にさしたる時間もかからなかった。こちらは音が全体にかっちりと安定し、音楽の“角”をきっちりと表現してくる感じだ。
音像は周辺の空気をきれいにしたようなクリアさでどっしりと定位し、音場もホールの広さ、天井の高さが分かるのではないかという響きを聴かせる。バナナよりこちらの方がアンプ側の端子で強く締め上げられる分、一段と鳴きが小さくなったのではないかと推測されるが、この両者は方式の違いほど音の違いは大きくない。お使いの機器に装着しやすい方を選ばれても問題はないことだろう。
バナナプラグ「JPB-10」は真鍮の本体ポールにベリリウム銅のスプリングを装備し、スピーカー端子にしっかりと固定されるように考え抜かれた作りである。
Yラグ「JPY-10」は厚手の真鍮ムク導体を持ち、8mmと10.5mmのポスト径に対応する2段構造のラグとなっている。
以上、バナナプラグもYラグも導体はすべて24金メッキだ。スリーブ部は両者共通でサンドブラスト仕上げのアルミ製、ケーブルの芯線取り付けは沈頭式のビスをレンチで締めて行う方式で、スリーブは5mm2と太いJPS-100を楽に受け入れる大きさを持ち、細い芯線も締められるよう2種類の長さのビスが付属している。もちろんレンチも付属だ。
芯線をそのままアンプとスピーカーにつないでいた「JPS-100」のアンプ側にそれぞれの端子を挿入して、音を聴き比べた。まず「JPB-10」からだ。
バナナを取り付けて再びレファレンスの音源を聴いていくと、バラ線でつないでいた時よりもいくらか音がクリアになったような印象を受けた。バナナプラグという端子は昔から存在しているせいもあるのだろう、本当に玉石混交の極みというべき端子で、クオリティの低い端子に当たってしまうと一気に音場が狭まって声がくすみ、あるいは何となくガシャガシャした音になってしまう、といったことが珍しくない。特に、バナナプラグの原理モデルというべき製品は導体を板バネそのもので構成しており、鳴きは大きいし導体としての性能が低いしで、本当に不自然な音であったことを記憶している。それに近い製品は今なお売られているから、皆さんも気をつけられた方がよい。
一方、優れたバナナプラグはバラ線接続よりも音の見通しが良くなったり、音場の濃厚さが増したりすることがあるものだ。これは、芯線をビスなどでがっちりと導体へ留めることができることから、芯線の導通が安定し、鳴きも少なくなることが大きな原因ではないかと考えている。「JPB-10」は明らかに「良きバナナ」へ属する製品であることが一聴して分かった。これは逸品だ。
続いて端子を「JPY-10」に取り替え、再びレファレンス音源を聴いていく。
「JPB-10」も「JPY-10」もビス2本で芯線を留める方式だが、ネジの精度が高くしっかりと留められるし、交換にさしたる時間もかからなかった。こちらは音が全体にかっちりと安定し、音楽の“角”をきっちりと表現してくる感じだ。
音像は周辺の空気をきれいにしたようなクリアさでどっしりと定位し、音場もホールの広さ、天井の高さが分かるのではないかという響きを聴かせる。バナナよりこちらの方がアンプ側の端子で強く締め上げられる分、一段と鳴きが小さくなったのではないかと推測されるが、この両者は方式の違いほど音の違いは大きくない。お使いの機器に装着しやすい方を選ばれても問題はないことだろう。