公開日 2013/10/03 13:50
【特別企画】野村ケンジが検証!9万円台のフルHD液晶プロジェクター「EH-TW5200」の実力
普及価格帯のお手軽ホームシアタープロジェクターも、いよいよフルHD時代が到来したようだ。エプソン「EH-TW5200」も、そんなフルHD時代を代表するひとつ。実売9万円前後、スクリーンセットの「EH-TW5200S」でも10万円前後という嬉しい価格設定ながら、フルHDの美しい映像を楽しめることはもちろん、3Dコンテンツ(※オプションの3Dメガネが必要)にも対応するという、大満足のスペックを持ち合わせているのだ。
このスペックだけでも十分魅力的な製品だが、それ以外にも「EH-TW5200」にはいくつかのアドバンテージが盛り込まれている。そこで、実際に「EH-TW5200」を視聴しつつ、その実力のほどを徹底検証してみることにした。
C2FINEパネルでフルHD対応
15,000:1の高コントラスト比も実現
まずはスペック面から。「EH-TW5200」は、フルHD(1080p)液晶パネルを搭載するホームシアタープロジェクター。しかも、赤・緑・青合計3色の液晶パネルを搭載する「3LCD方式」を採用、C2FINEパネル技術を持つ480Hz駆動D9パネルを搭載していることから、単にフルHD化しただけの安易なモデルでないことがすぐに分かる。また、このD9パネルは3Dにも対応しており、オプションで3Dメガネを用意。独自技術の「Bright 3D Drive」によって、クロストークを抑えつつ、明るく鮮明な映像を実現しているという。
そして、エプソン製プロジェクター最大の魅力である“明るさ”に関しては、2,000ルーメンという明るさを確保、同時に15000:1という高コントラスト比も実現。部屋の照明を落とさなくても存分に楽しめるユーザビリティーと、ブルーレイソフトを存分に楽しめる細やかなニュアンス表現を両立している。
映画館のような完璧な遮光対策をとれる方はそう多くなく、大部分の方は窓などから光が入る環境で使うことになるのではないだろうか。筆者は以前にエプソンの「EH-TW510S」も視聴した。その際、あえてリビングスタジオを使い、昼間の明るさで視聴を試みてみたが、ビックリするくらいの明るさが確保されており、直射日光がスクリーンに当たらない限りは昼間でも十分に楽しめることが確認できた。「EH-TW5200」はパネルがフルHDに変わったこともあり、明るい場所での見え方がどうなったか気になっていた。
そこで今回は、まず最初は視聴室を明るくしたまま、照明をすべて点灯したままでテストを行ってみた。
明るい部屋での再生能力は期待以上
もちろん暗い部屋での投影実力もバッチリ
その結果はというと、期待以上だったというのが正直な感想だ。スクリーンの明るさは眩しいほどまでに確保されており、室内照明が付いていても十分に楽しめる。これだったら、昼間でもカーテンなどで多少の遮光をすれば、十分に活用できるだろう。
それ以上に素晴らしいと感じたのが、比較的明るい環境でも、フルHDならではの細やかな階調がしっかり再現されていることだ。明るくなればなるほど、映像は暗部の階調が削られてしまうため、明暗のダイナミックレンジが狭い、メリハリの弱い映像になってしまうものだが、「EH-TW5200」は絶対的な明るさを持ち合わせているうえ、“ダイナミック”設定時のコーディネイトが巧みで、色あせのないカラフルな映像を楽しませてくれる。このあたりは、エプソンの真骨頂というべきだろう。
続いて、絶対的な実力のほどを確認すべく、今度は視聴室の照明を落として、一般的なプロジェクター視聴と同じクオリティチェックを行ってみた。まず感じたのが、色ノリの良さだ。赤、青ともに発色がしっかりしていて、なかなかに正確なカラー再現が為されている。おかげで、デフォルトのままでも清楚で締まりのある、印象的な画面が楽しめる。いっぽう、肌色など微妙なニュアンスが重要となるカラーについても、人による色合いの違いが見分けられるなど、しっかりとした描き分けができているように感じた。9万円というプライスタグが信じられない実力であることは確かだ。
3D映像も明るい部屋で十分に楽しめる
価格を大きく凌駕するコストパフォーマンスの高さ
最後に、3Dコンテンツをチェックした。「EH-TW5200」は、フレームパッキング、サイドバイサイド、トップアンドボトムフォーマットに対応、オプションで用意されるアクティブ3Dメガネによるフレームシーケンシャル方式の3D表示機能を採用している。もともと精度の高いフレームシーケンシャル方式だが、「EH-TW5200」のそれは格別。もともとの絶対的な明るさに加えて、「Bright 3D Drive」の効用もあるのだろう、3D視聴にありがちな画面の暗さは全く感じず、2Dと変わらないごく自然な映像が楽しめる。
しかも驚いたことに、試しに視聴室の照明を点けてみたところ、(階調的に)十全とはいわないまでも、十分に3D映像を楽しむことができた。これにはただただ驚くばかり。部屋を明るくしても3Dが楽しめることで、視聴スタイル自体が大きく変わりそうだ。
このように「EH-TW5200」は、価格を大きく凌駕するコストパフォーマンスの高さと、絶対的な明るさがもたらす新たな視聴スタイルを提案してくれる、魅力にあふれた製品と感じた。プロジェクターは初めてという皆さんも是非、「EH-TW5200」からシアタープロジェクターの楽しさ、大画面の楽しさを大いに満喫して欲しい。
【EH-TW5200/SPEC】
●画素数:1920×1080 ●投写レンズ:1.2倍マニュアルズームフォーカスレンズ ●明るさ:2,000lm(最大) ●ダイナミックコントラスト:15,000対1 ●騒音レベル:29dB(最小) ●消費電力:300W(明るさ:高) ●外形寸法:297W×105H×247Dmm(突起部含まず) ●質量:約2.8kg
【EH-TW5200S/SPEC】
<プロジェクター部>EH-TW5200と同じ
<ワイドスクリーン>●外形寸法:1831W×1066Hmm(幕面)、380Dmm(スタンド奥行き)、450mm(スタンド横幅) ●設置時高さ:最大1840mm(床面から)、白面下端 可変300〜800mm ●質量:約3.3kg(スクリーン部約1.9kg)
【問い合わせ先】
エプソン 液晶プロジェクター インフォメーションセンター
TEL/050-3155-7010
◆野村ケンジ プロフィール
ホームシアターやヘッドホン、音楽関連、カーAVなどの記事を中心に執筆活動を展開している。100インチスクリーン+TADスピーカーで6畳間極小ホームシアターを実践。さらに現在はステレオと7.1chの同居計画が進行中。好きなクルマはアルファ・ロメオなどのイタフラ系。
このスペックだけでも十分魅力的な製品だが、それ以外にも「EH-TW5200」にはいくつかのアドバンテージが盛り込まれている。そこで、実際に「EH-TW5200」を視聴しつつ、その実力のほどを徹底検証してみることにした。
C2FINEパネルでフルHD対応
15,000:1の高コントラスト比も実現
まずはスペック面から。「EH-TW5200」は、フルHD(1080p)液晶パネルを搭載するホームシアタープロジェクター。しかも、赤・緑・青合計3色の液晶パネルを搭載する「3LCD方式」を採用、C2FINEパネル技術を持つ480Hz駆動D9パネルを搭載していることから、単にフルHD化しただけの安易なモデルでないことがすぐに分かる。また、このD9パネルは3Dにも対応しており、オプションで3Dメガネを用意。独自技術の「Bright 3D Drive」によって、クロストークを抑えつつ、明るく鮮明な映像を実現しているという。
そして、エプソン製プロジェクター最大の魅力である“明るさ”に関しては、2,000ルーメンという明るさを確保、同時に15000:1という高コントラスト比も実現。部屋の照明を落とさなくても存分に楽しめるユーザビリティーと、ブルーレイソフトを存分に楽しめる細やかなニュアンス表現を両立している。
映画館のような完璧な遮光対策をとれる方はそう多くなく、大部分の方は窓などから光が入る環境で使うことになるのではないだろうか。筆者は以前にエプソンの「EH-TW510S」も視聴した。その際、あえてリビングスタジオを使い、昼間の明るさで視聴を試みてみたが、ビックリするくらいの明るさが確保されており、直射日光がスクリーンに当たらない限りは昼間でも十分に楽しめることが確認できた。「EH-TW5200」はパネルがフルHDに変わったこともあり、明るい場所での見え方がどうなったか気になっていた。
そこで今回は、まず最初は視聴室を明るくしたまま、照明をすべて点灯したままでテストを行ってみた。
明るい部屋での再生能力は期待以上
もちろん暗い部屋での投影実力もバッチリ
その結果はというと、期待以上だったというのが正直な感想だ。スクリーンの明るさは眩しいほどまでに確保されており、室内照明が付いていても十分に楽しめる。これだったら、昼間でもカーテンなどで多少の遮光をすれば、十分に活用できるだろう。
それ以上に素晴らしいと感じたのが、比較的明るい環境でも、フルHDならではの細やかな階調がしっかり再現されていることだ。明るくなればなるほど、映像は暗部の階調が削られてしまうため、明暗のダイナミックレンジが狭い、メリハリの弱い映像になってしまうものだが、「EH-TW5200」は絶対的な明るさを持ち合わせているうえ、“ダイナミック”設定時のコーディネイトが巧みで、色あせのないカラフルな映像を楽しませてくれる。このあたりは、エプソンの真骨頂というべきだろう。
続いて、絶対的な実力のほどを確認すべく、今度は視聴室の照明を落として、一般的なプロジェクター視聴と同じクオリティチェックを行ってみた。まず感じたのが、色ノリの良さだ。赤、青ともに発色がしっかりしていて、なかなかに正確なカラー再現が為されている。おかげで、デフォルトのままでも清楚で締まりのある、印象的な画面が楽しめる。いっぽう、肌色など微妙なニュアンスが重要となるカラーについても、人による色合いの違いが見分けられるなど、しっかりとした描き分けができているように感じた。9万円というプライスタグが信じられない実力であることは確かだ。
3D映像も明るい部屋で十分に楽しめる
価格を大きく凌駕するコストパフォーマンスの高さ
最後に、3Dコンテンツをチェックした。「EH-TW5200」は、フレームパッキング、サイドバイサイド、トップアンドボトムフォーマットに対応、オプションで用意されるアクティブ3Dメガネによるフレームシーケンシャル方式の3D表示機能を採用している。もともと精度の高いフレームシーケンシャル方式だが、「EH-TW5200」のそれは格別。もともとの絶対的な明るさに加えて、「Bright 3D Drive」の効用もあるのだろう、3D視聴にありがちな画面の暗さは全く感じず、2Dと変わらないごく自然な映像が楽しめる。
しかも驚いたことに、試しに視聴室の照明を点けてみたところ、(階調的に)十全とはいわないまでも、十分に3D映像を楽しむことができた。これにはただただ驚くばかり。部屋を明るくしても3Dが楽しめることで、視聴スタイル自体が大きく変わりそうだ。
このように「EH-TW5200」は、価格を大きく凌駕するコストパフォーマンスの高さと、絶対的な明るさがもたらす新たな視聴スタイルを提案してくれる、魅力にあふれた製品と感じた。プロジェクターは初めてという皆さんも是非、「EH-TW5200」からシアタープロジェクターの楽しさ、大画面の楽しさを大いに満喫して欲しい。
【EH-TW5200/SPEC】
●画素数:1920×1080 ●投写レンズ:1.2倍マニュアルズームフォーカスレンズ ●明るさ:2,000lm(最大) ●ダイナミックコントラスト:15,000対1 ●騒音レベル:29dB(最小) ●消費電力:300W(明るさ:高) ●外形寸法:297W×105H×247Dmm(突起部含まず) ●質量:約2.8kg
【EH-TW5200S/SPEC】
<プロジェクター部>EH-TW5200と同じ
<ワイドスクリーン>●外形寸法:1831W×1066Hmm(幕面)、380Dmm(スタンド奥行き)、450mm(スタンド横幅) ●設置時高さ:最大1840mm(床面から)、白面下端 可変300〜800mm ●質量:約3.3kg(スクリーン部約1.9kg)
【問い合わせ先】
エプソン 液晶プロジェクター インフォメーションセンター
TEL/050-3155-7010
◆野村ケンジ プロフィール
ホームシアターやヘッドホン、音楽関連、カーAVなどの記事を中心に執筆活動を展開している。100インチスクリーン+TADスピーカーで6畳間極小ホームシアターを実践。さらに現在はステレオと7.1chの同居計画が進行中。好きなクルマはアルファ・ロメオなどのイタフラ系。