• ブランド
    特設サイト
公開日 2016/11/18 10:07

海上 忍が聴くオーディオテクニカ「ATH-DSR9BT」。有線をも凌ぐ描写力!Bluetoothヘッドホンの概念が変わる

【特別企画】Sound Reality Sereiesの新モデルを聴く
海上 忍
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
2016年、Bluetoothヘッドホンを取り巻く環境は一変した。iPhone 7が3.5mmイヤホン端子を廃止。これを引き金に今後トレンドとして定着しそうだからだ。機動性と防水・防塵性が重要なスマートフォンにとってワイヤレスは好相性、Bluetoothヘッドホンの勢いは止まりそうにない。

これまでBluetoothヘッドホンは、本流・本命視されにくい存在だった。しかし、最初にワイヤード版を開発し、そのバリエーションとしてBluetooth版を用意するという従来の開発プロセスに沿っていては、オリジナルたるワイヤード版の音質を超えることは難しい。限られた帯域を使い情報を伝送するというハンディをいかにして克服するか、それはBluetoothの特性を生かした製品開発以外ありえない。

ATH-DSR9BT

ここに紹介するオーディオテクニカ「ATH-DSR9BT」は、Bluetoothヘッドホンとしての基礎部分にメスを入れた画期的な製品だ。新技術「ピュア・デジタル・ドライブ」と「φ45mm“トゥルー・モーション"D/Aドライバー」、新コーデック「aptX HD」を中心に、その特長について解説してみよう。

Bluetoothを最終段までフルデジタル伝送

ATH-DSR9BTにおける信号伝送方式は、従来のBluetoothヘッドホンと大きく異なる。Bluetooth経由で入力した信号は、一度もアナログ信号に変換されることなく振動板の直前までデジタルのまま保たれるのだ。それが新技術「ピュア・デジタル・ドライブ」であり、DSR9BTがBluetoothありきで設計された製品だからこそ実現できたといえる。


一般的にBluetoothオーディオ機器では、PC/スマートフォンといった機器で符合化(エンコード)された音声信号はヘッドホンなどの機器に受信されると復号化(デコード)され、アナログ変換を経てアンプで増幅、その後最終段たるスピーカー/ドライバユニットに伝えられ「音」になる。

しかし、ATH-DSR9BTではデジタル信号はそのままデジタルオーディオプロセッサ(Dnote)へと伝えられ、ボイスコイルが振動板を駆動する。デジタルオーディオの肝であり、信号の変質ひいては音質低下の原因となりうるDA変換は一度も行われない。空気を動かす直前までデジタルのまま、それがピュア・デジタル・ドライブという技術の骨幹だ。

音の決め手となる部分が、ピュア・デジタル・ドライブ最終段に位置する「φ45mm“トゥルー・モーション"D/Aドライバー」だ。デジタル信号の疎密をもとにDnoteが生み出した波形データは、新開発の4芯撚り線構造の高純度7N-OFCボビン巻ショートボイスコイルにより忠実に振動板へと伝えられる。一方、効率よく磁気エネルギーを伝え駆動力を最大限引き出す純鉄一体型ヨークと、振動板に剛性を高め高域特性を確保するDLCコーティングは、ART MONITORシリーズ最高峰のATH-A2000Zにも採用されたもの。新技術とともに、蓄積されたノウハウを生かしていることがポイントだ。



最新オーディオコーデック「aptX HD」にいち早く対応


最新オーディオコーデック「aptX HD」の採用も見逃せない。サンプリング周波数48kHz/量子化ビット数24bitが扱える情報量は、AACやaptXといった既存コーデックの48kHz/16bitを大幅に上回り、音質向上に大きく貢献する。特に量子化ビット数が24bitということは、2の8乗倍すなわち16bit比256倍もの細かさで音を表現できることを意味し、既存コーデックに対し大きなアドバンテージとなる。


付属のUSBケーブルでPCとも接続可能。96kHz/24bit音声を楽しめる
PCとのUSB接続もサポートされる。USB Audio規格準拠によりPCにはUSB-DACとして認識されるため、foobar2000やAudirvana Plusといった定番ハイレゾ再生ソフトでも利用可能だ。アナログ入力には対応しないものの、「ピュア・デジタル・ドライブ」と「φ45mm“トゥルー・モーション"D/Aドライバー」の実力をPCM 96kHz/24bitで堪能できる点はうれしい。


これがBluetooth? という音場感・分離感

ATH-DSR9BTというヘッドホンを理解するには、敢えて「Bluetooth」という言葉を外したほうがいい。確かに接続方式はBluetoothだが、聴こえてくる音は従来のBluetoothヘッドホンと明らかに次元が異なる。鮮烈にして明瞭、ともすればワイヤード機をも凌駕する描写力があるのだ。

次ページATH-DSR9BTのサウンドを詳しくチェック!

1 2 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 ソニー、第2世代フラグシップ・ミラーレス一眼「α1 II」。画質、操作性を着実に強化
2 オーディオファイル待望の物量投入型プリメインアンプ!デノン「PMA-3000NE」をクオリティチェック
3 目黒蓮を“もっとそばに”感じられる特別イベント。「レグザミュージアム〜The 6 STORIES〜」11/21から原宿で開催
4 ボーズ、McIntosh Groupを買収。マッキントッシュ、ソナス・ファベールが傘下に
5 ビックカメラ.com、「2025年新春福箱」の抽選申し込み開始。全66種類、iPadやPS5も登場
6 覚えておくと絶対便利!iPhoneの「計測」アプリでできる、あんなことこんなこと
7 ビクター「HA-A6T」レビュー!5000円切り完全ワイヤレスイヤホンは「価格を上回るクオリティ」
8 高音質と機能性を両立する新たなスタンダード機!AVIOTのANC完全ワイヤレス「TE-V1R」レビュー
9 Meze Audioが打ち出す待望の入門モデル。開放型ヘッドホン「105 AER」&イヤホン「ALBA」の音質に迫る
10 新開発ユニットを巧みに操る懐深いサウンド。ELAC「Debut 3.0」フロア型/ブックシェルフ型を聴く
11/21 10:37 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.194
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX