• ブランド
    特設サイト
公開日 2016/12/22 11:32

JVC “SOLIDEGE”「HA-SD7」レビュー。「高解像かつキレのある」ヘッドホン

新レーベル「N_W」の第三弾モデル
高橋 敦
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
■SOLIDEGEシリーズのコンセプトの中でも特に「高解像かつキレのある」の面が際立つ

本機「HA-SD7」は、JVCが新たに提案する新レーベル「N_W」の第三弾として登場したヘッドホンで、「SOLIDEGE」シリーズとしてもカテゴライズされる。

HA-SD7

ポジションとしては第一弾イヤホン「HA-FD7」(レビュー記事)のヘッドホン版といったところになるだろうか。「質感の高いソリッドなデザインと高解像かつキレのあるソリッドなサウンド」という「SOLIDEGE」コンセプトを提示する一翼を担うモデルと言えるだろう。

デザインのラインは特段に個性的というわけではなく、むしろオーソドックスにまとめてある。そのオーソドックスな形を上質に仕上げることで、ユーザーやシチュエーションを限定しすぎることはなく、それでいて他とは一味違う輝きを放つ、そんな存在感を与えられたヘッドホンという印象だ。

デザイン上のポイントとしては、細身のヘッドバンドワイヤーとスピン加工されたイヤーカップオーナメントのふたつが大きい。

ヘッドバンド調整スライダーであるステンレスワイヤーは、ステンレスの強度だからこそできるのであろう細身に仕上げられており、そのスリムさがこのヘッドホンのスマートさの演出に一役買っている。

イヤーカップオーナメントはアルミ製。スピン加工も含め、金属素材の良さは生かしつつも、ギラギラとはさせすぎず落ち着きもある質感に仕上げてる。

なおカラーバリエーションはブルー、ブラック、グレーが用意されており、ハウジング、ワイヤー、ヘッドパッド、イヤーパッドなどなど、ヘッドホンのおおよそ全体を同じ色調に統一。このモノトーンにも大人感がある。

全3色をラインナップ

ドライバーは40mm径で、伝搬速度に優れたチタンコート振動板を採用。タイトかつソリッドな低域、艶やかな中高域を狙ったサウンドとのことだ。

他、ソフトレザー素材のイヤーパッドは装着感と同時に音質にも配慮した設計。全体の重量も軽いので装着感としても軽やか。ケーブルは外皮に溝を入れて絡みにくくしたグルーヴケーブル。折りたたみ機構で収納性も確保。

サウンドは「高解像かつキレのあるソリッドなサウンド」というシリーズのコンセプトの中でも、特に「高解像かつキレのある」の面が際立つ印象だ。

ウイスパー感のある女性ボーカルとロックなバンドサウンドで構成される相対性理論「たまたまニュータウン (2DK session)」ではまず、ハイハットシンバルのシャープさ、そこをクローズアップで映し出すかのような明確さが耳に留まる。

ほぐれたとか細やかなとかいった前置きはなしで、ストレートにシャープでシャキッとキレキレな音色だ。ボーカルのブレス、息継ぎの緩急での表現も、そのシャープな描写のおかげでさらに綺麗に届いてくる。

空間の雰囲気としては、バスドラムやベースが重量感は控えめでタイトでスピーディなこともあり、スペースに余裕があって明るさも十分なので実にクリア。

ギターのディレイやコーラスといった音を重ねるエフェクトの効果の見え方も明瞭で、それらによる立体感も映える。ロック的な迫力よりも、アレンジや演奏の緻密さの方をより強く引き出す印象だ。

ではロックは苦手なのかというとそうでもなく、現代的で音数の多いハイスパートロックであるMay'n「Belief」との相性は良好だったりする。

バトルアニメのオープニングテーマらしくハイテンポでハイテンションでそして音の数がとにかく多い!曲なのだが、このヘッドホンはそのクリアな見晴らしや解像感でその音の数の多さをしっかり捌ききってくれる。

前述のように音のキレがよくスペースにも余裕があるので、音数が相当に詰め込まれている場面でもそれが音場を飽和させることがない。

低域側の暴力的なパワフルさは控えめになるが、代わりに動き回るベースのその動きが綺麗に届いてくるし、全体でのリズムのキメのそのビシッとした決まりっぷり、キレも見事だ。ギターのエッジの鋭さもこの曲に合う。ロックであっても「迫力よりも緻密さ」が合う場合もあるのだ。

というように、クリアな高解像度を好む方にはうってつけのヘッドホンだ。あとはどのカラーを選ぶか。むしろそちらが悩ましいかもしれない。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 「この価格でいいの?」 ベルキンのヘッドホン「SoundForm Isolate」が破格の高コスパ機だった
2 「TAD-ME1」の衝撃再び。TAD最新ブックシェルフ「TAD-ME1TX」を国産プリメイン3機種で徹底試聴!
3 【Qobuzを楽しむ100万円プラン】リン×ソナス・ファベール、憧れのハイエンドオーディオ
4 中国イヤホンブランドの重鎮、DUNU。製品のこだわりと高品質の源泉を探る
5 “推せる”高コスパなイヤーカフ型イヤホン!「QCY Crossky C30」は“初めてのながら聴き”に最適だ
6 シャープ、アオイ電子と三重事業所・第1工場の売買契約締結。第2工場の譲渡も検討
7 BS松竹東急、6月30日をもって放送終了へ
8 タッチ操作ができる32型・4Kタブレット「adget Alternative」を使いたおしてみた!
9 “ながら聴き”イヤホンの新定番! オーディオテクニカ「ATH-AC5TW」を家族みんなで使ってみた
10 REGZAが勢いを見せつけテレビ3部門の1位を独占<ビジュアル&関連製品売れ筋ランキング2月>
4/1 9:26 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー196号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.196
オーディオアクセサリー大全2025~2026
特別増刊
オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX