• ブランド
    特設サイト
公開日 2017/09/21 10:07

【レビュー】ソニー“ウォークマン”「NW-ZX300」の音は上位機「WM1A」にどれだけ迫ったか?

<山本敦のAV進化論 第145回>
山本 敦
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
今回はソニーが発表した新しい“ウォークマン”のプレミアムモデル「NW-ZX300」の実力を、前機種の「NW-ZX100」と、開発に際して音質のベンチマークにしたという上位機種「NW-WM1A」と比べながら明らかにしよう。

ZXシリーズの最新モデルが登場。3つのウォークマンを聴き比べてみた

なおNW-ZX300が現行モデルのNW-ZX100から改善された点やスペックの詳細についてはニュースを、開発者のコメントについてはIFAで取材したインタビューを本稿と合わせてお読み頂きたい。

フラグシップのWM1シリーズを目指した音質改善

NW-ZX300(以下、ZX300)は高音質と多機能をコンパクトな筐体に詰め込み、コストパフォーマンスも高めたNW-ZX100(以下、ZX100)の後継機種だ。音質については言うまでもなく、機能面やデザイン、ポータビリティについては約2年前に発売されたZX100から大きく進化した。

新機種NW-ZX300(左)と現行モデルのNW-ZX100(右)のホーム画面。ユーザーインターフェースが昨年発表されたWM1シリーズ、A30シリーズと同じ世代のものにアップデートされ、タッチパネル液晶が復活した

音質面で最も大きく影響しているのは、フラグシップのWM1シリーズのために開発したフルデジタルアンプ「S-Master HX(CXD3778GF)」の半導体と基板をつなぐための「はんだボール」に、ソニー独自開発の高音質はんだを使ったことだろう。

コンパクトな筐体はほぼサイズやデザインを変えていないが、リアシャーシをステンレスからアルミニウムに変更してシャーシ自体の抵抗を下げて、歪みの少ないクリアなサウンドに磨きをかけた。ほかにもアンプの電源まわりを強化して、音色の豊かさと空気の透明感をとことん追求したという。その効果についてはこの後でじっくりと確かめたい。

音まわりで強化されたポイントは、4.4mm/5極端子によるバランス接続機能を加えたこと。ヘッドホン出力のパワーそのものも向上しているので、本格的なHiFiクラスのヘッドホンを組み合わせても良さそうだ。バランス接続時にはDSD 11.2MHzまでのネイティブ再生に対応する。

タッチパネル液晶が復活。操作性が大きく向上した

本体操作は3.1型のタッチパネル液晶で行える。「NW-ZX2」の頃に好評だったタッチインターフェースが復活したことが、筆者はとても嬉しい。スマホの操作に慣れてしまうと、いくら音楽専用のプレーヤーとはいえボタンオンリーの操作はもう不自然に感じられてしまうからだ。

マットガラスを採用して指滑りをよくしたZX300のタッチパネル液晶

メニューの配置や操作方法はWM1とほぼ同じ

しかもウォークマンの中で最新モデルのZX300は、表面がさらっとしたマットガラスをシリーズで初めて採用した。タッチパネルのレスポンスはもともと悪くないのだが、このマットガラスの効果によってZX100だけでなく、NW-WM1A(以下、WM1A)と比べても格段に操作感がアップしたことを実感する。

コントロールボタンは本体の右サイドに固めて配置。真横ではなく、カーブさせたサイドフレームのやや後ろ側にレイアウトしたことで、本体を正面から見たときにボタンの凹凸が目立たなくなるように気を配っている。

側面のボタンをややフレームのリア側にずらして配置したことで見栄えを良くした

リアパネルはボトム側が出っ張っていたZX100のデザインを改めて、まっすぐフラットなルックスになっている。側面のカーブが表裏側にシームレスにつながるループデザインだ。背面がフラットになった分、本体の厚みはZX100の“厚い方”のサイズに揃ってしまった格好だが、それでもやはり見た目にはシュッとした印象になる。ただ勝手なもので、いざ手に持ってみると出っ張りが指にいい感じで引っかかるZX100の方が持ちやすく感じたりもする。この辺は好みの問題だろう。

本体の背面。ZX100(右)のボトムの出っ張りがなくなって、ZX300(左)ではフラットなデザインになった

ボトムにはストラップホールとWMポートがある

ZX300のシルバーは、ZX100よりも明るく透明感の強い色合いになった。カラバリは他にもWM1Aに近いブラックが揃う。天面にはアンバランスとバランス、金色のヘッドホン端子がふたつ並んでいる。

本体の厚みはほぼ変わらないが、ZX100(右)は天面にかけてスリムになっていく

天面にバランス端子とアンバランス端子が並ぶ

ZXシリーズどうしの音質から比較

今回は新モデルのZX300の音を、現行モデルZX100と聴き比べたほか、「フラグシップのWM1シリーズと同等の高音質を追求した」という開発者のコメントを受けてWM1Aの音とも比較をした。

次ページ新旧ZXシリーズの音質対決

1 2 3 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 老舗デノンが打ち出す「新しいHi-Fiのカタチ」。HDMI搭載小型プリメイン「DENON HOME AMP」を聴く
2 「パリ2024オリンピック」の応援のお供に!地デジからBS 4K・8Kまで中継放送スケジュールを一挙公開
3 U-NEXT、プレミアリーグと7年契約。全試合独占配信、月2600円のサッカーパックも開始
4 【動画あり】A級 vs AB級アンプ徹底対決!エソテリックの最新プリメイン「Fシリーズ」の音質差と使いこなし
5 「多くの方にデノンの音を届けたい」、最上位アナログプレーヤー「DP-3000NE」開発者の声を聞く
6 ソナス・ファベール、“至高” のフラグシップスピーカー「Suprema」。1億5400万円から
7 ONIX、ブランド初のDAP「Overture XM5」。40年継承された “ブリティッシュチューニング” を採用
8 マランツ、4部屋分の2ch再生を一台で担うHEOS搭載・スリム型プリメインアンプ「MODEL M4」
9 オープンイヤー型に特化した音響設計。AVIOTの“ながら聴き”完全ワイヤレス「TE-H1」レビュー!
10 「音良すぎだろ…」。VGPコスパ大賞イヤホン、SOUNDPEATS「Capsule3 Pro+」レビュー【割引クーポン有】
7/25 10:23 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.193
オーディオアクセサリー大全2024~2025
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2024~2025
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.21 2023 WINTER
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.21
プレミアムヘッドホンガイド Vol.31 2024 SPRING
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.31(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2023受賞製品お買い物ガイド(2023年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2023年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX