• ブランド
    特設サイト
公開日 2019/09/20 06:20

「Amazon Music HD」レビュー、日本もハイレゾストリーミング時代へ。その音質とは?

ハイレゾ相当のクオリティをチェック
土方久明
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
Amazonによるハイレゾ/ロスレスストリーミングサービス「Amazon Music HD」がスタートした。私たち「日本のオーディオファン」にとって、国内で公式にハイレゾストリーミングサービスを聴けるようになったことは一大トピックである。

「Amazon Music HD」がサービスを開始

最初に記しておくと、Amazon Music HDのアドバンテージは3点ある。1点目はスペック的にオーディオファンが納得できるクオリティの音源をラインナップしていること。2点目は、日本語のウェブページが用意され、スムーズに契約ができること。3点目はハイレゾクオリティで聴取可能な楽曲数がなんと数百万曲(公式発表)もあり、そのなかにはJ-Popや歌謡曲などの邦楽も入っていることだ。

今回は速報レビューとして、このAmazon Music HDを聴取するための事前準備を紹介しながら、PCオーディオ環境下での音質と使い勝手の検証、さらに本サービス同様にFLACによるサービスを提供しているQobuzとの比較も行い、同サービスのクオリティチェックを行った。

ついに日本に登場したハイレゾ/ロスレスストリーミングサービス

まずは、本サービスが登場するまでの、日本で正式に始まっていたストリーミングサービスの現状を軽くおさらいしよう。

高音質を謳うストリーミングサービスとしては、海外ではMQA方式を採用したTIDAL、FLACフォーマットを採用したQobuzが存在していたが、いずれも日本でのサービスインは見送られており、国内からは公式利用することができなかった。

では日本で展開されているサービスというと、FLACによる44.1kHz/16bitのロスレスサービスを提供する「Deezer」を筆頭に、Spotify、Apple Music、AWA、Amazon Prime Music/ Amazon Music Unlimitedなどのサービスが名を連ねる。しかし、そのほとんどが配信音源は最大256kbps - 320kbpsの圧縮フォーマットを採用している(未確認だがフォーマットはAAC説が有力)。

ロスレスのDeezerはともかく、このスペックではピュアオーディオ環境としては不足していることは言わずもがな。なにしろ海外では、ハイレゾ配信は特別なことではなくなっているからだ。

それに対して今回のAmazon Music HDは、44.1kHz/16bitの「High Definition:HD音質」に加え、最大192kHz/24bitの「Ultra High Definition:Ultra HD音質」のロスレス配信を聴き放題で楽しむことが可能である。

さらに驚くべきは、ULTRA HD音質で聴取可能な楽曲数が数百万曲とアナウンスされていること。実はこの数値、国内外の多くのハイレゾ配信サイトのカタログ数を凌駕しており、本当にこの通りであればとんでもないことである。

HDおよびUltra HD音質のタイトル数は圧倒的

なお、TIDALが44.1kHz/16bit FLACによるロスレスサービスを開始した時に実感したのだが、オーディオファイルにとって配信クオリティがCDのフォーマット以上かそれ未満かは重要だと思う。なぜなら、せっかくお金をかけて良い音を求めるのに、聴き放題だからといってわざわざCDフォーマット未満の音を聴く気にはなれないからだ。だからこそ、日本におけるハイレゾストリーミングサービスのスタートを心から待ち望んでいた。

Amazon Music HDの使い方

続いては、Amazon Music HDのプランや再生できる機材について簡単に説明しよう。利用できるプランは個人で使う「個人プラン HD」と、家族で使える「ファミリープランHD」の2種類が提供される。現在Amazonのプライム会員であれば、個人プランは1,780円/円もしくは17,800円/年。ファミリープランHDは2,480円/月、24,800円/年となる。すでにAmazon Music Unlimitedに登録していれば、月1,000円の追加料金でアップグレードも可能だ。また、諸条件はあるものの90日間の無料お試し期間も用意されている。

対応デバイスは、専用アプリ「Amazon Music」をインストールしたWindows/Macパソコン、Amazon Music Unlimitedに対応するオーディオ製品、Alexa対応のAIスピーカーやAndroid/iOS搭載スマホ・タブレットなど。

ただし、iPhone単体では最大48kHz/24bitまでの対応となり、より高いスペックを再生するには外部DACを用いる必要がある。またAndroid端末も2014年にリリースされたAndroid Lollipopを搭載したモデル、もしくはそれ以降の端末でHD/Ultra HD再生をサポートするが、公式に「Android端末の品質と使用目的は大きく異なるため、HD/Ultra HDサポートについてはメーカーの仕様を確認すること」を推奨している。詳しくは公式サイトのQ&Aを参照してほしい。

本日時点でホームオーディオユーザーが本サービスを利用したい場合は、パソコンを用いたPCオーディオ環境かAmazon Music Unlimitedに対応するオーディオ機器が有力候補になる。そして、既に18日時点でマランツやデノンのHEOS対応機種の全てがファームウェアアップデートでAmazon Music HDに対応したことも発表された

ちなみに、Ultra HDのストリーミング再生には、5Mbps以上のインターネット回線速度が必要と公式発表されているので、回線速度には気を使いたい。

次ページアプリ画面や使い勝手は良い感じ

1 2 3 4 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 ソニー、第2世代フラグシップ・ミラーレス一眼「α1 II」。画質、操作性を着実に強化
2 オーディオファイル待望の物量投入型プリメインアンプ!デノン「PMA-3000NE」をクオリティチェック
3 目黒蓮を“もっとそばに”感じられる特別イベント。「レグザミュージアム〜The 6 STORIES〜」11/21から原宿で開催
4 ボーズ、McIntosh Groupを買収。マッキントッシュ、ソナス・ファベールが傘下に
5 ビックカメラ.com、「2025年新春福箱」の抽選申し込み開始。全66種類、iPadやPS5も登場
6 覚えておくと絶対便利!iPhoneの「計測」アプリでできる、あんなことこんなこと
7 ビクター「HA-A6T」レビュー!5000円切り完全ワイヤレスイヤホンは「価格を上回るクオリティ」
8 高音質と機能性を両立する新たなスタンダード機!AVIOTのANC完全ワイヤレス「TE-V1R」レビュー
9 Meze Audioが打ち出す待望の入門モデル。開放型ヘッドホン「105 AER」&イヤホン「ALBA」の音質に迫る
10 新開発ユニットを巧みに操る懐深いサウンド。ELAC「Debut 3.0」フロア型/ブックシェルフ型を聴く
11/21 10:37 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.194
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX