公開日 2022/06/16 06:30
Elements Gardenチューニングイヤホンはアニソンを聴くための“正解”だった
「Co-Donguri 雫 EG」
「Elements Gardenがチューニングした」という、バツグンの売り文句がついたイヤホンが登場した。その実機を聴くことができたのでレポートしたい。
e☆イヤホン×Elements Garden×茶楽音人のコラボで誕生したチューニングモデルの名前は「Co-Donguri 雫 EG 【Elements Garden Earphone No.01】」。ベースとなっているのは茶楽音人のイヤホン「Co-Donguri 雫」で、筐体に真鍮を用いた「Co-Donguri Brass」、軽量金属を採用した「Co-Donguri 雫 s2」などシリーズ展開も豊富だ。手頃な価格もシリーズの魅力であり、手に入りやすく質の良いモデルとして人気が高い。
色々なサウンドキャラクターのモデルを手掛けているだけに、業界屈指のサウンドチームElements Gardenの求めるチューニングにも応えられたということだろう。
それにしても、チューニングのベンチマーク曲として使用されたのが、アニメ『戦姫絶唱シンフォギア』の第1期オープニングテーマ、水樹奈々「Synchrogazer」だというから過酷ではないか。情報量の極めて多い、Elements Garden自らが鳴らしにくいと言っている楽曲を、エントリークラスのイヤホンで鳴らすというのは、イヤホンメーカーにとっても試練だったはずだ。
しかし、製品化に至ったということは、関係各位の納得の行くモデルができたということ。ここまで試聴前から良いことがわかっているモデルも珍しい。さっそく、通常のCo-Donguri 雫と聴き比べてみた。
「Synchrogazer」はイントロがキャッチーなため、イヤホンを変えたときには、まずここでどんな違いを見つけられるかにワクワクする。そして違うことがわかれば、「前のも好きだったけど、これもいいな」と新しいイヤホンを手にした嬉しさが改めて実感できる。あんまり変わらないな、と残念な思いをすることもあるが、このモデルは、その喜びがハッキリと体感できる音だった。
聴いた瞬間は、「少し寂しくなった?」というのが第一印象。音の響きのようなものが薄まったように思えて、音で満たされていた空間に、鳴っていない場所を見つけてしまったような気分になった。
しかし、コーラスが終わったあたりで気づいた。これは音数が減ったわけではなく、一音一音が引き締まったようにシャープになり、結果として隙間が感じられるようになった、というイメージだ。音がぼやけず、すべてが結晶のように粒立ち、ハッキリと聴き取れる。
またサウンドへの応答が速く、まるで楽曲スピードが数%ほど加速したように思えるような疾走感が生まれている。つい身体を揺らしてしまうようなノれる楽曲なだけに、この感覚はかなり楽しい。なお「Vitalization」でも、この傾向はしっかり感じ取れた。
ボーカルは、通常モデルが水樹奈々と楽器隊が一直線の位置で歌っているとしたら、コラボモデルでは水樹奈々がそこから半歩ほど前に出て歌っている、というように、声と楽器音の一体感を崩さない範囲で声が飛び込んでくる。わずか半歩なようで、これが効く。楽曲としての素晴らしいバランスを楽しみながら、ボーカルに集中することができる。
2回めのサビの後、エレクトロサウンドが跳ね回っている箇所は、価格レンジを遥かに超えた解像感の高さを思いっきり感じられるところだ。一方で、音の感触は通常モデルが「ポン」だとすれば、こちらは「コン」というような少し硬めな質感に思える。好きずきではあるだろうが、個人的に相性としてはチューニングモデルの方がマッチしていると感じる。
続くCメロは水樹奈々が歌い上げる声の抑揚が、先程のように半歩前に出た分だけ、より伝わってくる印象だ。大げさに言えば、ラスサビに向けて盛り上がるバックミュージックが声に負けじと迫ってきて追いつく通常モデルと、迫ってくるも結果そのバックミュージックに水樹奈々が勝ってしまうチューニングモデル。これも好みはあるだろうが、どちらにも聴いていて楽しさがある。
ベースモデルの持つ優れた解像度と分離感を土台に、筋肉質な低音、厚みある中域、輝く高域が、絶妙なバランスで鳴っている。鳴らしにくい楽曲をここまで鳴らすことに成功した、この再現性はとてつもないコストパフォーマンスだろう。
どの楽曲を聴いても、こうした特徴はしっかり感じられる。特に水樹奈々×T.M.Revolution「革命デュアリズム」や、ST☆RISH「マジLOVE1000%」といった複数ボーカル曲では特に聴き分けがしやすく、それぞれの個性が驚くほど伝わってくるうえで、ユニゾンやハモリが一段ときれいになったように思えた。キャラソンの “声優ではなくキャラクターが歌っている” ということを描き分ける表現も掴みやすいはずだ。
アニソンやゲーソンといったジャンルには、極めて多彩な音楽性が含まれる。それゆえに再生機器にはオールマイティな性能が求めるが、普通に聴いては “らしさ” が足りない。声にスポットを当てながら、しかし声にバックミュージックを埋もれさせない。そんなアニソンを楽しむために最適なチューニング、その正解例が生まれたようだ。
チューニングでここまで変わるのか、これで5,000円を切っていいのか、と思わざるを得ない完成度だ。惜しいのは、これが数量限定品であるということ。この記事を書いているときに、e☆イヤホンでの予約上限に達したという情報が入ってしまったが、少しでも求める意見が増えれば第二弾が生まれるかもしれない(あくまで願望)。それにVISUAL PRISONコラボなのに6,000円で購入できるセットはまだ予約可能ということだったので、気になる方はすぐに検討するのをオススメしたい。
e☆イヤホン×Elements Garden×茶楽音人のコラボで誕生したチューニングモデルの名前は「Co-Donguri 雫 EG 【Elements Garden Earphone No.01】」。ベースとなっているのは茶楽音人のイヤホン「Co-Donguri 雫」で、筐体に真鍮を用いた「Co-Donguri Brass」、軽量金属を採用した「Co-Donguri 雫 s2」などシリーズ展開も豊富だ。手頃な価格もシリーズの魅力であり、手に入りやすく質の良いモデルとして人気が高い。
色々なサウンドキャラクターのモデルを手掛けているだけに、業界屈指のサウンドチームElements Gardenの求めるチューニングにも応えられたということだろう。
それにしても、チューニングのベンチマーク曲として使用されたのが、アニメ『戦姫絶唱シンフォギア』の第1期オープニングテーマ、水樹奈々「Synchrogazer」だというから過酷ではないか。情報量の極めて多い、Elements Garden自らが鳴らしにくいと言っている楽曲を、エントリークラスのイヤホンで鳴らすというのは、イヤホンメーカーにとっても試練だったはずだ。
しかし、製品化に至ったということは、関係各位の納得の行くモデルができたということ。ここまで試聴前から良いことがわかっているモデルも珍しい。さっそく、通常のCo-Donguri 雫と聴き比べてみた。
「Synchrogazer」はイントロがキャッチーなため、イヤホンを変えたときには、まずここでどんな違いを見つけられるかにワクワクする。そして違うことがわかれば、「前のも好きだったけど、これもいいな」と新しいイヤホンを手にした嬉しさが改めて実感できる。あんまり変わらないな、と残念な思いをすることもあるが、このモデルは、その喜びがハッキリと体感できる音だった。
聴いた瞬間は、「少し寂しくなった?」というのが第一印象。音の響きのようなものが薄まったように思えて、音で満たされていた空間に、鳴っていない場所を見つけてしまったような気分になった。
しかし、コーラスが終わったあたりで気づいた。これは音数が減ったわけではなく、一音一音が引き締まったようにシャープになり、結果として隙間が感じられるようになった、というイメージだ。音がぼやけず、すべてが結晶のように粒立ち、ハッキリと聴き取れる。
またサウンドへの応答が速く、まるで楽曲スピードが数%ほど加速したように思えるような疾走感が生まれている。つい身体を揺らしてしまうようなノれる楽曲なだけに、この感覚はかなり楽しい。なお「Vitalization」でも、この傾向はしっかり感じ取れた。
ボーカルは、通常モデルが水樹奈々と楽器隊が一直線の位置で歌っているとしたら、コラボモデルでは水樹奈々がそこから半歩ほど前に出て歌っている、というように、声と楽器音の一体感を崩さない範囲で声が飛び込んでくる。わずか半歩なようで、これが効く。楽曲としての素晴らしいバランスを楽しみながら、ボーカルに集中することができる。
2回めのサビの後、エレクトロサウンドが跳ね回っている箇所は、価格レンジを遥かに超えた解像感の高さを思いっきり感じられるところだ。一方で、音の感触は通常モデルが「ポン」だとすれば、こちらは「コン」というような少し硬めな質感に思える。好きずきではあるだろうが、個人的に相性としてはチューニングモデルの方がマッチしていると感じる。
続くCメロは水樹奈々が歌い上げる声の抑揚が、先程のように半歩前に出た分だけ、より伝わってくる印象だ。大げさに言えば、ラスサビに向けて盛り上がるバックミュージックが声に負けじと迫ってきて追いつく通常モデルと、迫ってくるも結果そのバックミュージックに水樹奈々が勝ってしまうチューニングモデル。これも好みはあるだろうが、どちらにも聴いていて楽しさがある。
ベースモデルの持つ優れた解像度と分離感を土台に、筋肉質な低音、厚みある中域、輝く高域が、絶妙なバランスで鳴っている。鳴らしにくい楽曲をここまで鳴らすことに成功した、この再現性はとてつもないコストパフォーマンスだろう。
どの楽曲を聴いても、こうした特徴はしっかり感じられる。特に水樹奈々×T.M.Revolution「革命デュアリズム」や、ST☆RISH「マジLOVE1000%」といった複数ボーカル曲では特に聴き分けがしやすく、それぞれの個性が驚くほど伝わってくるうえで、ユニゾンやハモリが一段ときれいになったように思えた。キャラソンの “声優ではなくキャラクターが歌っている” ということを描き分ける表現も掴みやすいはずだ。
アニソンやゲーソンといったジャンルには、極めて多彩な音楽性が含まれる。それゆえに再生機器にはオールマイティな性能が求めるが、普通に聴いては “らしさ” が足りない。声にスポットを当てながら、しかし声にバックミュージックを埋もれさせない。そんなアニソンを楽しむために最適なチューニング、その正解例が生まれたようだ。
チューニングでここまで変わるのか、これで5,000円を切っていいのか、と思わざるを得ない完成度だ。惜しいのは、これが数量限定品であるということ。この記事を書いているときに、e☆イヤホンでの予約上限に達したという情報が入ってしまったが、少しでも求める意見が増えれば第二弾が生まれるかもしれない(あくまで願望)。それにVISUAL PRISONコラボなのに6,000円で購入できるセットはまだ予約可能ということだったので、気になる方はすぐに検討するのをオススメしたい。