PR 公開日 2024/07/29 06:30
サエクの電源ケーブル3兄弟が揃い踏み!PC-Triple Cの素性を生かした音質差を徹底検証
プラグやシースの違いでどう音質は変化する?
創業50周年を迎え、ますます精力的な製品開発を続ける老舗国産ブランド・SAEC(サエク)。同社はPC-Triple C導体を採用した電源ケーブルに力をいれており、導体は共通だがプラグや導体スケア等にグレード差を設けた「PL-5900」「PL-7500」「PL-9000」の3モデルをラインナップしている。それぞれどのような音質差を聴かせるのか、鈴木 裕氏が探った。
オーディオケーブルとして、PC-Triple Cの導体を世界で初めて採用したのはサエクである。2014年のことだ。
PC-Triple Cは独自の連続鍛造伸延技術により、信号の伝送を妨げる結晶粒界を極力減らし、結晶を長手方向に連続化させることにより、優れた導通性能を実現している。サエクはPC-Triple Cの開発メーカーとの強固なリレーションシップにより、開発段階から情報・素材提供を受け、この導体の持つ優れた特性がオーディオケーブル等に最適なケーブルであると確信し積極的に採用してきた。
ここで、PC-Triple Cに関しての個人的な体験談を書いておきたい。2019年の3月から筆者は電源ケーブルを自作してきた。その過程で各社から販売されている切り売りの電源ケ−ブルを購入しては、シンプルな構造の電源ケーブルを作り、どの導体の素性がいいか試していった。
私が目指している音は芳醇なエネルギー感、密度の高さ。音の立ち上がり、特に低域の立ち上がりが遅れるのはまったくダメで、瞬発力のある、トランジェントのいい電気が欲しかった。もっと言うと空間表現力の高さや音像が(特に前後方向に)分離するといった感じが出てくれるとうれしかった。
結局、そんな音に持っていけそうな切り売りケーブルとして、サエクの「AC-6000」が一番良かった。PC-Triple C導体を採用した3.5スケアのものだ。
音の素性という言葉を使えば、電気の通りがよく、音色感としては無色透明で、プラグ類のポテンシャルに鋭敏に反応する電源ケーブルと感じた。それがわかった段階で導体選びはもうやめて、AC-6000の30メートルのリールを購入。以降、細部の仕様をいろいろ変えては電源ケーブル7本を作っていった。そのうちの5本は現在でも拙宅のシステムに使っている。
サエクには、PC-Triple C導体を採用しつつも、購入しやすい価格帯に優れた完成品の電源ケ−ブルが3種類ラインナップされている。価格の安いものから、「PL-5900」「PL-7500」「PL-9000」の3機種である。いずれも絶縁体は半硬質のPVC、銅箔シールド構造を採用し、安定したシールド効果を持たせているという。仕上げはポリウレタン網組チューブ。これらを順番に試聴していこう。
アキュフェーズのSACDプレーヤー「DP-770」について、まず付属ケーブルで聴いて基準とした後、サエクのものに交換して、音の変化を把握していく。メインスピーカーBowers & Wilkinsの「802 D4」で、パワーアンプはアキュフェーズ「A-80」、プリアンプは「C-3900」を使用した。
最初はPL-5900だ。電源プラグはフルテック製の「Fl-11-N1(G)」で、端子には金メッキを施している。エリック・クラプトン『アンプラグド』の「ロンリー・ストレンジャー」から聴き出した。低音感が上がりつつ、全体的にスピーカーの鳴りが良くなっている。晴れやかで伸びやかな方向性。高域に若干の強調感を持っているが、鳴らしが進めば収まりそうなレベルだ。空間が広がり、天井が高くなったような感じもある。クラプトンの音像がしっかりして、アコースティックギターの音色感が太くなるのも美点だ。
続いて、PL-5900のかわりにPL-7500をセットする。プラグは外見からすると、フルテック製のFI-46のように見えるが、サエクの説明によるとプラスティックの部分はNCF素材で、振動や静電気対策を施してあるという。ブレードの部分のメッキは金だ。
同じくクラプトンの『アンプラグド』から聴いて行く。一聴して音の背景が静かになり、ライブをやっている空間の臨場感が上がっている。そして、各楽器のプレイの細やかなニュアンスが出て来るのも美点だ。
続いて、古澤巌の『ヴァイオリニストの部屋』からモンティの「チャールダーシュ」を聴いてみる。ヴァイオリンとピアノを中心としたアンサンブルで、ヴァイオリン演奏の多彩な音色感を楽しめる。高域の倍音成分がよく聴こえてくるが、音の重心としては低めだ。
次にワーグナーの『ニュルンベルクのマイスタージンガー』から「前奏曲」を聴いてみる。ファビオ・ルイージ指揮、フィルハーモニア・チューリッヒによる演奏。セッション録音だが、臨場感の高い再生音を聴かせてくれた。
そして、今回テストする中ではもっとも高額な電源ケーブルのPL-9000。プラグも高級なものを採用しているが、そもそも導体が太い。5.5スケアのPC-Triple C導体、そしてプラグはフルテック製のFI-50をベースにブレードのメッキを金にしたもの。ハウジングはステンレス合金からの削り出しで、ハウジング内部のケーブルクランプ部にも重厚で制振特性を持つ特殊金属を採用している。
クラプトンから聴き出したが、その音はぐっと音の重心を下げつつ背景の静かさが見事で、パワーアンプの駆動力が上がったかのように低音感が増えている。分解能を誇示するのではなく、それぞれの楽器のプレイを丹念に聴かせることにより、演奏全体のニュアンスを徹底的に楽しませてくれる。
正直、筆者の好みの音であり、この物量の投入と音からすると、ずいぶん良心的な値付けに感じる。自宅のオーディオが鳴りきっていないと感じている方には、是非パワーアンプに投入して聴いていただきたい。
(提供:サエクコマース)
無色透明で鋭敏な反応を聴かせるPC-Triple Cの素性の良さ
オーディオケーブルとして、PC-Triple Cの導体を世界で初めて採用したのはサエクである。2014年のことだ。
PC-Triple Cは独自の連続鍛造伸延技術により、信号の伝送を妨げる結晶粒界を極力減らし、結晶を長手方向に連続化させることにより、優れた導通性能を実現している。サエクはPC-Triple Cの開発メーカーとの強固なリレーションシップにより、開発段階から情報・素材提供を受け、この導体の持つ優れた特性がオーディオケーブル等に最適なケーブルであると確信し積極的に採用してきた。
ここで、PC-Triple Cに関しての個人的な体験談を書いておきたい。2019年の3月から筆者は電源ケーブルを自作してきた。その過程で各社から販売されている切り売りの電源ケ−ブルを購入しては、シンプルな構造の電源ケーブルを作り、どの導体の素性がいいか試していった。
私が目指している音は芳醇なエネルギー感、密度の高さ。音の立ち上がり、特に低域の立ち上がりが遅れるのはまったくダメで、瞬発力のある、トランジェントのいい電気が欲しかった。もっと言うと空間表現力の高さや音像が(特に前後方向に)分離するといった感じが出てくれるとうれしかった。
結局、そんな音に持っていけそうな切り売りケーブルとして、サエクの「AC-6000」が一番良かった。PC-Triple C導体を採用した3.5スケアのものだ。
音の素性という言葉を使えば、電気の通りがよく、音色感としては無色透明で、プラグ類のポテンシャルに鋭敏に反応する電源ケーブルと感じた。それがわかった段階で導体選びはもうやめて、AC-6000の30メートルのリールを購入。以降、細部の仕様をいろいろ変えては電源ケーブル7本を作っていった。そのうちの5本は現在でも拙宅のシステムに使っている。
晴れやかで伸びやかなPL-5900、空間の臨場感が高いPL-7500
サエクには、PC-Triple C導体を採用しつつも、購入しやすい価格帯に優れた完成品の電源ケ−ブルが3種類ラインナップされている。価格の安いものから、「PL-5900」「PL-7500」「PL-9000」の3機種である。いずれも絶縁体は半硬質のPVC、銅箔シールド構造を採用し、安定したシールド効果を持たせているという。仕上げはポリウレタン網組チューブ。これらを順番に試聴していこう。
アキュフェーズのSACDプレーヤー「DP-770」について、まず付属ケーブルで聴いて基準とした後、サエクのものに交換して、音の変化を把握していく。メインスピーカーBowers & Wilkinsの「802 D4」で、パワーアンプはアキュフェーズ「A-80」、プリアンプは「C-3900」を使用した。
最初はPL-5900だ。電源プラグはフルテック製の「Fl-11-N1(G)」で、端子には金メッキを施している。エリック・クラプトン『アンプラグド』の「ロンリー・ストレンジャー」から聴き出した。低音感が上がりつつ、全体的にスピーカーの鳴りが良くなっている。晴れやかで伸びやかな方向性。高域に若干の強調感を持っているが、鳴らしが進めば収まりそうなレベルだ。空間が広がり、天井が高くなったような感じもある。クラプトンの音像がしっかりして、アコースティックギターの音色感が太くなるのも美点だ。
続いて、PL-5900のかわりにPL-7500をセットする。プラグは外見からすると、フルテック製のFI-46のように見えるが、サエクの説明によるとプラスティックの部分はNCF素材で、振動や静電気対策を施してあるという。ブレードの部分のメッキは金だ。
同じくクラプトンの『アンプラグド』から聴いて行く。一聴して音の背景が静かになり、ライブをやっている空間の臨場感が上がっている。そして、各楽器のプレイの細やかなニュアンスが出て来るのも美点だ。
続いて、古澤巌の『ヴァイオリニストの部屋』からモンティの「チャールダーシュ」を聴いてみる。ヴァイオリンとピアノを中心としたアンサンブルで、ヴァイオリン演奏の多彩な音色感を楽しめる。高域の倍音成分がよく聴こえてくるが、音の重心としては低めだ。
次にワーグナーの『ニュルンベルクのマイスタージンガー』から「前奏曲」を聴いてみる。ファビオ・ルイージ指揮、フィルハーモニア・チューリッヒによる演奏。セッション録音だが、臨場感の高い再生音を聴かせてくれた。
PL-9000はぐっと音の重心を下げつつ背景の静かさが見事
そして、今回テストする中ではもっとも高額な電源ケーブルのPL-9000。プラグも高級なものを採用しているが、そもそも導体が太い。5.5スケアのPC-Triple C導体、そしてプラグはフルテック製のFI-50をベースにブレードのメッキを金にしたもの。ハウジングはステンレス合金からの削り出しで、ハウジング内部のケーブルクランプ部にも重厚で制振特性を持つ特殊金属を採用している。
クラプトンから聴き出したが、その音はぐっと音の重心を下げつつ背景の静かさが見事で、パワーアンプの駆動力が上がったかのように低音感が増えている。分解能を誇示するのではなく、それぞれの楽器のプレイを丹念に聴かせることにより、演奏全体のニュアンスを徹底的に楽しませてくれる。
正直、筆者の好みの音であり、この物量の投入と音からすると、ずいぶん良心的な値付けに感じる。自宅のオーディオが鳴りきっていないと感じている方には、是非パワーアンプに投入して聴いていただきたい。
(提供:サエクコマース)