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公開日 2015/10/22 11:03

ビクタースタジオがセレクト!エンジニアが唸るこの1枚 −「CROSS THE STORIES / JiLL-Decoy association

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CROSS THE STORIES / JiLL-Decoy association
WAV/FLAC 192kHz/24bit
アルバム¥2,160(税込)/単曲¥540(税込)
http://hd-music.info/album.cgi/7626



ビクタースタジオでは、かねてより業界初のスタジオ主宰で音質にこだわったレーベル「VICTOR STUDIO HD-Sound.」を設立し、音楽制作の最先端現場だからこそ知り得る音質やクオリティに着目したカタログタイトルや作品をハイレゾで配信してきた。

このたび、それを更にパワーアップするべく、ビクタースタジオ自らが作品の企画・制作に主体的に関わりプロデュース参画する新シリーズ「Do・Live(ド・ライブ)」を発足し、音楽の根源的な魅力が詰まった「Live」感を最大限にフィーチャーした作品のリリースをスタートする。

前置きが長くなってしまったが、今回ご紹介するのはその第1弾として2015年11月1日に「VICTOR STUDIO HD-Music.」にて独占配信開始された「CROSS THE STORIES /JiLL-Decoy association」だ。手前味噌的で大変恐縮だが、紹介させていただききたい。

本作は、レコーディングからミックスダウン、そしてマスタリングまでの工程総てが192kHzのフォーマットで統一された非常にピュアなハイレゾ作品だ。「スペックは高い方が良いので、全部192kHzやDSDで録ればいいのに」と思われる方もいらっしゃるかもしれないが、実際のレコーディング環境はそうではない。トラック数やエディティングの制限、使用可能なプラグイン(ソフトウエアのエフェクター類)の種類、ハイスペックで膨大化したデータ量によるハード的な動作スピードや反応速度、付帯デジタル関連機材の対応可能フォーマット、スペックだけでなく音質的に信頼できる機材類の数……等々、192kHzやDSDのレコーディング環境はまだまだ未整備なのが現状なのだ。

今回、この編成や、192kHz/32bit録音実施という作業にもかかわらず192kHz/24bitで統一できたのは、アーティストとエンジニアやプロデューサーとの事前の詳細で細部にまで漏れのない打ち合せが行われていたからである。

レコーディングは、ビクタースタジオの302スタジオでほぼ一発録音にて収録。以前にもこのコーナーでご紹介したが、302スタジオはビクタースタジオの中でも響きが素直で、生楽器に最適と圧倒的な支持をいただいているスタジオ。本作では、そのメインエリアにアコースティックピアノを配置して豊かな音響空間をたっぷりと表現している。

まあ、前置きや解説はともかく、是非お聴きいただききたい、これぞビクタースタジオのお勧めの一作だ。




高桑 秋朝 氏

ビクタースタジオ所属レコーディングエンジニア。

新潟出身のB型。趣味は釣りと車と温泉。専門学校卒業後、1999年に入社。以来、ビクタースタジオ一筋の純粋な「ビクター」叩き上げ。生まれてから一度も怒ったことはないのでは、と思わせる程の超温和な性格。これまでにバンド系、JAZZ、クラシック、大編成劇版等、様々なセッションに参加し、その柔らかさが各所で大人気に。

2010年、第17回日本プロ音楽録音賞にて「アビッド賞」授賞、サウンドメイクでもお墨付きを獲得。現在は、群を抜いた生音取り扱いの匠さをベースに、ポップス、 Rock、アコースティック等、ジャンルを問わず幅広く活躍。マルチな方面でも突出したセンスを発揮する若きベテラン。

独身を満喫する、ビクタースタジオのミドルエンジニア。



<高桑氏からのコメント>
「CROSS THE STORIES / JiLL-Decoy association」は、レコーディングからトラックダウンまで192kHz/32bitで行っています。これまでの192kHzでのレコーディングというと、機材のスペック的に2ch同録、もしくはかなり少ないトラック数で録音したものが多かったように思います。今回は、ビクタースタジオのProToolsがバージョンアップした事もあり、以前よりもマシンスペックを気にせずに、通常に近いセッティングで録音する事ができました。チューブマイクやヴィンテージ機材も多数使用していますが、その豊かな倍音も感じられるリアルなサウンドで収録できたと思います。
トラックダウン作業も、ハイスペックが故の制約はあったものの、かなり緻密に作り込んであります。

192kHzは非常に表現力豊かなので、ミックスの自由度も高く、それぞれの楽曲の個性をより際立たせる事を意識して作業にあたりました。

各楽器、ボーカルの音のリアルさはもちろん、それぞれの楽曲の世界感もより感じて頂ける作品に仕上がったと思います。是非、お楽しみ頂ければと思います。


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