公開日 2023/09/01 06:30
『アステロイド・シティ』のウェス・アンダーソン監督が描く家族・兄弟の絆
【第78回】ミヤザキタケルの気軽にホームシネマ
サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2007年製作の『ダージリン急行』をご紹介します!
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『ダージリン急行』(2007年・アメリカ)
(配信:Disney+)
『グランド・ブダペスト・ホテル』『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』などで知られるウェス・アンダーソン監督作。父の死をきっかけに疎遠であったホイットマン3兄弟が再会する。長男のフランシス(オーウェン・ウィルソン)、次男のピーター(エイドリアン・ブロディ)、三男のジャック(ジェイソン・シュワルツマン)、それぞれに問題を抱える兄弟たちは、インド北西部を走るダージリン急行に乗り家族の絆を取り戻すための旅に出るのだが…。
その独創的で唯一無二の輝きを放つ作品の数々が、世界で高く評価されているウェス・アンダーソン。近年日本でもその人気は高まる一方で、「ウェス・アンダーソンすぎる風景展」という展覧会が開催されるほど。そんな彼の作品を象徴するシンメトリーな構図や独特な人間模様に魅了される人が多いと思うのだが、本作においてはそういった描写は少なく、注力して描いているのは純粋な人間ドラマ。
もちろん現在の彼の作品群に連なるエッセンスも感じられるが、現在の彼の作風とは異なる面白さが詰まっている。残念ながら現状未配信なのだが(DVDに収録)、ジャックが登場する本作のプロローグ的短編『ホテル・シュヴァリエ』が存在するので、本作が楽しめた方はこちらも是非!
(C)2023 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.
※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。
『ダージリン急行』(2007年・アメリカ)
(配信:Disney+)
『グランド・ブダペスト・ホテル』『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』などで知られるウェス・アンダーソン監督作。父の死をきっかけに疎遠であったホイットマン3兄弟が再会する。長男のフランシス(オーウェン・ウィルソン)、次男のピーター(エイドリアン・ブロディ)、三男のジャック(ジェイソン・シュワルツマン)、それぞれに問題を抱える兄弟たちは、インド北西部を走るダージリン急行に乗り家族の絆を取り戻すための旅に出るのだが…。
その独創的で唯一無二の輝きを放つ作品の数々が、世界で高く評価されているウェス・アンダーソン。近年日本でもその人気は高まる一方で、「ウェス・アンダーソンすぎる風景展」という展覧会が開催されるほど。そんな彼の作品を象徴するシンメトリーな構図や独特な人間模様に魅了される人が多いと思うのだが、本作においてはそういった描写は少なく、注力して描いているのは純粋な人間ドラマ。
もちろん現在の彼の作品群に連なるエッセンスも感じられるが、現在の彼の作風とは異なる面白さが詰まっている。残念ながら現状未配信なのだが(DVDに収録)、ジャックが登場する本作のプロローグ的短編『ホテル・シュヴァリエ』が存在するので、本作が楽しめた方はこちらも是非!
(C)2023 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.
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ミヤザキタケル 1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 WOWOW・宝島社sweet・DOKUSOマガジンでの連載のほか、ラジオ・配信番組・雑誌などで映画を紹介。イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジュ」など幅広く活動中。 |