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PR 公開日 2024/09/14 07:00

「オーディオケーブル」って本当に音が変わるの? 特徴や選び方を紹介

改めて知りたいオーディオ基礎知識解説 Powered by オーディオランド
炭山アキラ
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オーディオは実に奥深く、様々な要素が音に影響してくる。だからこそ楽しい趣味なのだが、初心者のうちは分からないことも多く、また熟練したファンであっても、詳しいことは意外と知らないなんてことがあるのではないだろうか。

そこで、オーディオ買取専門店「オーディオランド」のご協力のもと、オーディオにまつわる改めて知りたい基礎知識を炭山アキラ氏が解説する。本項では、改めて知りたい「オーディオケーブル」について紹介しよう。


■「オーディオケーブル」で音は変わる? 主な特徴や選び方とは



オーディオの世界では、ケーブルで音が変わるということがすっかり常識となっている。いわゆるスピーカーを用いたホームオーディオの世界には深入りしていない方でも、ヘッドホン/イヤホンで音楽を楽しんでいるのであれば、リケーブルで劇的に音が変わることを体験しているという方は少なくないのではないか。


ところが今から半世紀ほども前は、ケーブルで音が変わるなどということはまったく認知されていなかった。サラリーマンの年収を超えるような価格の高級アンプでも、扇風機や調理家電などと大差ない電源ケーブルが生えていたし、1人では持ち運べないような大型の高級スピーカーにも、糸のように細くてグニャグニャと柔らかいケーブルが付属していたものである。

そんな業界に大きな楔を打ち込まれたのは、実験派オーディオ評論の大家、故・江川三郎氏だった。江川氏はいろいろな実験を繰り広げられる中で、業務用モーターの巻き線をたまたま配線材として用いたらその音の良さに仰天し、「音の良いテーブルタップを作ってくれ」と、当時はまだ街の電材屋だった頃のオヤイデ電気へ依頼し、それで完成したのがオヤイデ・コンセント・ボックス1の頭文字を取った「OCB-1」である。

OCB-1は、モデルチェンジとバリエーションの追加をたびたび受けながら驚異的なモデルライフを保ち、何と未だ同社の主力製品の一角に収まっている。あまり良いテーブルタップを使っていないという方は、騙されたと思って一度導入してみることをおすすめする。

「OCB-1 EXsII」

一体なぜ、モーターの巻き線は江川氏の目を覚まさせるくらいに音が良かったのか。色々な事情が重なったものと推測されるが、その大きな要因の一つが、その線が無酸素銅(OFC)製だったということが大きかったのであろう。このことをきっかけに、オーディオケーブルという新たな市場が爆発的に形成されていくのだが、OFCは何と半世紀近くたった今も、高品位ケーブルの素材を支える大きなメンバーとなっているのだから、江川氏の発見がどれほど大きなものであったかが伺える。

ケーブル市場の拡大につれ、OFC以外にも新たな素材が開発されてきた。その中には、残念ながら時代の波に押されて消えていったものも多いが、現在のケーブルを支える大きな素材は「PC Triple C」と「102SSC」というオーディオ専用に開発された線材と、銅の純度を高めた「6N(純度99.9999%)」や「7N(同99.99999%)D.U.C.C.線」、そしてよりプレミアムな存在としての「銀線」が挙げられる。

それぞれの特徴を一言で表すのは難しいが、明るく積極的な音のPC Triple C、やや暗色だがよく伸びて雰囲気を巧みに表現する102SSC、極めて素直で情報量が多く肌合いの良い6N、ストイックに頂点を極める7ND.U.C.C.、そして色彩感はやや淡めだが情報量が極めて多く、特に高域方向への伸びが素晴らしい銀、という印象だ。

PC-Triple C導体採用したサエクの電源ケーブル「PL-7500」

他にもさまざまな導体の素材をハイブリッドとして、独自の音質傾向を探求する会社はいくつか存在する。ケーブルの音を決定するのは、導体の断面積や被覆の素材、構造、トータルの堅さなどが挙げられる。それらに関して解説し始めるとキリがないが、一例として被覆の素材をいうと、太くどっしりした傾向のPVC、やや明るめでぎっしり身の詰まった感じのPE、がっしり締まって微小域が美しいPTFE、などといった印象となる。あくまで私の主観だが、本当に驚くほど音が違うものである。

また、インターコネクトでもスピーカーでも電源ケーブルでも、両端のプラグでまた大きく音が違ってくる。一般に物量を投じた高級なプラグほど音質も向上するのが当然といってよいが、時にごく簡単な構造のプラグが意外な魅力を発揮することもあり、あまり一概に言うことが難しいジャンルである。さらにケーブルは短い方が音が良いとされる。私もそれは一面の真理をついていると思うが、それでも物には限度があり、弛みがまったくないギリギリの長さで接続すると、むしろ糸電話の原理で不要な振動を機器同士へ伝達させかねない。少しの余裕は大切だ。

そのほかケーブルで気を付けたいのが、高価なものを組み合わせたら自動的に金額の分だけ音が良くなるとは限らないこと。それでも、特に普及〜中級製品を機器の付録ケーブルでつないでいるなら、インコネでもスピーカーでも電源でも、1万円くらいのものを1品購入して試してみることをおすすめする。相性問題の大きいジャンルとはいえ、明らかかつ絶対的な音質向上を味わうことができるはずだ。

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(提供:オーディオランド)

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