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4モデルを安蔵靖志が徹底レポート

【レビュー】ウェアラブル/アクションカメラ主要4機種を全方位比較

公開日 2013/12/25 09:57 安蔵靖志
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<2>各モデルで「できること」はどう違うのか?

GoPro「HERO 3 ブラックエディション」
■4K撮影が可能! アクセサリーも充実する

前述の通り、テスト時期の都合で今回は最新モデル「HERO 3+」をお借りすることができなかった。「HERO 3+」の最上位モデル「HERO 3+ ブラックエディション」は「HERO 3 ブラックエディション」とカメラ本体のサイズや重さは同じだが、超広角撮影が可能な「スーパービューモード」と暗所撮影に向く「オートローライトモード」が搭載された。カメラとしての基本スペックに変更はないようだ。「HERO 3+」は「HERO 3」に比べてハウジングを約20%軽量化したが、その代わり防水性能は60mから40mに下げている。

「HERO 3」の本体は想像以上にコンパクト

付属のケースに入れたところ。ケース上からもボタン操作ができる

HEROシリーズの魅力としてまず紹介したいのが、4機種の中で唯一4K映像を撮影できる点だ。4Kテレビ解像度(3840×2160ドット)の映像を15フレーム/秒で撮影可能なだけでなく、4Kシネマ解像度(4096×2160ドット)の映像を12フレーム/秒で撮影できる。フルハイビジョン(1920×1080ドット)の60フレーム/秒に比べるとカクカクした感じは否めないが、ほかの機種ではできない高精細映像を撮れるのは大きな魅力だろう。

側面にUSB端子とHDMI出力を備える

バッテリーは背面に装着されている

さらに、アクセサリー類も充実している。HERO 3は液晶ディスプレイを搭載していないが、画角などを確認しながら撮影できる「LCDタッチ バックパック(リミテッドエディション)」を別売で用意。手首に固定する「リストハウジング」や、サーフボードに固定する「サーフボードマウント」、胸に固定する「チェストマウント」、頭部に固定する「ヘッドストラップ」などさまざまなアクセサリーを用意している。

「LCDタッチ バックパック(リミテッドエディション)」(別売)


「リストハウジング」(別売)

「チェストマウント」(別売)

価格はほかの機種に比べて高めだが、アクセサリーさえそろえればいろいろな撮影シーンに対応できるのが大きな強みだろう。

SONY「HDR-AS30V」
■GPS搭載でマッピングや移動軌跡の確認も可能

ソニーの“アクションカム”「HDR-AS30V」は、同社のビデオカメラ「ハンディカムシリーズ」にも似た縦長(奥行きが長い)スタイルのアクションカメラだ。

「HDR-AS30V」本体。手のひらに収まるサイズだ

ケースに収納したところ。GoPro同様、ケースに収めての使用が前提となる

「HDR-AS30V」の魅力の一つとして「GPS搭載」が挙げられる。パソコン向け無料アプリ「PlayMemories Home」を利用して動画を取り込むことで、動画ファイルに記録されたGPSの位置情報を地図上にマッピングすることが可能だ。移動の軌跡やスピードメーターを重ねた動画を作ったり、2つの動画を組み合わせて1つの動画ファイルを作る「マルチビュー」機能など、「撮影後の楽しさ」を提案しているのがユニークなところだろう。

画質的にはフルハイビジョン(1920×1080ドット/60p)が最高で4K撮影には対応しないが、実勢価格2万9800円とGoPro(同4万3050円)に比べて求めやすいのも魅力だ。

別売のオプションとして、リストバンド型の“ライブビューリモコン”「RM-LVR1」(実勢価格1万4100円)も用意。アクションカムは液晶ディスプレイ非搭載のため、画角や撮影した動画を確認するためにはスマートフォンやタブレットが必要になる。別売のディスプレイもあるが、機動性が低くなってしまうのが難点。

リストバンド型の“ライブビューリモコン”「RM-LVR1」(別売)

ライブビューリモコンなら、画角を確認しながら動画を撮影したり、撮影した動画をすぐさまチェックすることができる。スマートフォンでも同じことができるが、スマートフォンと違って落としてしまう心配もない。より安心して確実に狙った動画を撮影したいという人には要チェックのオプションだ。ちなみにライブビューリモコン同梱のキットも実勢価格3万9800円で用意されている。

アクセサリーはGoProのHEROシリーズに並ぶほどに充実している。同梱のハウジングは水深5mまでの防水性能となっているので、本格的な水中撮影のためには別途、“アンダーウォーターハウジング”「MPK-AS3」(実勢価格5280円)が必要になるので、マリンスポーツ用途の場合はその点だけ注意したい。

本格的な水中撮影を可能にする“アンダーウォーターハウジング”「MPK-AS3」(別売)

リストマウントストラップ「AKA-WM1」(別売)


こちらは人間用のハーネス「AKA-CMH1」(別売)

犬用のハーネス「AKA-DM1」も用意

JVC「GC-XA2」
■単体で防水を実現し、液晶も搭載するお手軽モデル

JVCの“ADIXXION”「GC-XA2」は、今回紹介する4機種の中で最も手軽に使えるモデルといえる。GoProの「HERO 3」とソニーの「アクションカム」は、ヘビーデューティー(防水・防塵・耐衝撃)撮影をするために同梱のハウジングが必要となる。しかしADIXXIONはハウジングなしで防水・防塵・耐衝撃撮影が可能となっている。

「GC-XA2」は本体自体がタフ仕様となっており、そのまま使えるのが特徴だ

ボディにディスプレイを備えている点も他の3モデルと異なる点だ

防水性能は水深5mで連続30分までと決して高性能ではないが、ソニーの「HDR-AS30V」と同等の防水性能をハウジングなしで実現しているのは心強い。ハウジングを利用する場合、ハウジング内の空気が水中で冷えて結露してしまうこともあるため、撮影前に細心の注意が必要になる。そういった心配なしに撮影できるというのは、ほかの機種にはない魅力だろう。

さらに液晶ディスプレイを搭載しているのも4機種中随一だ。撮影前に画角を確認したり、撮影後の動画を本体だけで確認できるのもほかの機種にはない魅力だ。

実勢価格はソニーのアクションカムとほぼ同等の2万8000円だが、液晶ディスプレイを搭載しているため割安感がある。アクセサリーはGoProのHEROシリーズやソニーのアクションカムシリーズに比べると物足りなさを感じるものの、手軽に撮影したい、買ってすぐに撮影を楽しみたいという人には便利なモデルといえる。

ボディに装着するためのハーネスも用意(別売)

本体自体が水深5mまでの防水性能を備えているが、本格的な水中撮影用のケースも用意している(別売)

PANASONIC「HX-A100」
■セパレートタイプの異色モデル

パナソニックの「ウェアラブルカメラ HX-A100」は、今回紹介する4機種の中で最も異色のモデルだ。ほかの3機種はすべて単体で動作するが、HX-A100はカメラ部と本体部がセパレートになっている。

「HX-A100」はセパレートタイプの異色モデル

カメラ部は30gと軽量だ

防水性能は水深1.5mまで(最大30分)と、4機種の中で最も低い。付属品以外のアクセサリーもないようなので、マリンスポーツなどでの利用を想定している人は注意したい。

HX-A100の魅力は「ウェアラブルカメラ」というネーミングにもあるように、そのスタイルにある。カメラ部と本体部がセパレートになっているだけあって、身体に装着するカメラ部の大きさは4機種中で随一の小ささだ。

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