公開日 2023/10/24 06:40
家でエンターテインメントを楽しむ上で、もはやライフラインと言っても差し支えないほど普及したサブスクリブション型動画配信サービス。かつては、ビデオグラムを買い揃えたり、レンタルショップに足繁く通ったものだが、その経験も中々通じない世代も出てくるのでは、という程に市民権を得ている。
例えばアニメについても、最新作だけでなく、20〜30年前に放送された古い作品も各サービスで配信されている。そんななか、数あるサービスの中でも多くの作品を配信するのが「アニメ見放題作品数No.1」を標榜するU-NEXTだ。
ファイルウェブで以前実施したインタビューでは「レンタルビデオ店の最終進化系」こそ、U-NEXTのコンセプトと説明してくれた。配信アニメ作品のラインナップについても、まさにこの結果が表れているわけだが、過去作品だけではなく、オンタイムの配信作品も充実しているのがU-NEXTの強みだろう。
そこで今回、新旧様々な作品を取り揃えるU-NEXTにおけるアニメ配信の位置づけや、今後の取組などを、U-NEXTアニメ・ブック本部/アニメ部長の歌川 美沙さん、経営戦略室 ブランド戦略グループの佐野 裕美さんに話を伺った。
◇◇◇
───全ジャンルを総計した上で「見放題作品数No.1」を誇るU-NEXTですが、全タイトルの内アニメ作品が占める割合や、アニメジャンルのサービス内での位置づけや人気について教えてください。
佐野 U-NEXTの中でもアニメ作品は非常に多くて、作品数は主要ジャンルの15%、本数では39.8%(ともにGEM Partners調べ/2023年7月時点)を占めています。アニメ作品は非常に「話数もの」が多いので、エピソード数で換算すると主要ジャンル全体のほぼ4割を占めるという数字になります。こうやって数字に表すと改めて全体に占めるシェアの高さを認識しますね。
アニメの専門配信サービスも含めた上で「アニメ見放題数No.1」を謳っていますが、特にアニメの比率を増やしていこうという方針があるわけではなく、ジャンルごとにNo.1戦略を考えています。それぞれのジャンルで市場とお客様と向き合いながらラインナップを増やし続けているというところです。
───専門配信サービスなどを追い越し、アニメの配信ラインナップ数でNo.1になったタイミングはいつ頃ですか?
佐野 2019年末にアニメの見放題配信ラインナップ数がNo.1になったというプレスリリースをださせていただきました。
───2019年末から現在に至るまでアニメの見放題配信数でトップを堅持しているという形でしょうか?
歌川 実は2020年末くらいで、1回見放題配信数が他のサービスと入れ替わったタイミングがありますね。
佐野 我々がいつも公表している数字は、第三者機関であるGEM Partnersさん調べのものになりますが、その結果を拝見すると2021年から現在に至るまでは、アニメジャンル見放題配信作品数でトップになっています。
歌川 最近では見放題作品数を安定して伸ばしているので、引き続きNo.1を維持できると考えています。
───素朴な疑問ですが、アニメ専門のサービスが存在する中、U-NEXTがアニメジャンルの配信作品数でNo.1をキープできている理由を教えていただけますか?
歌川 私達の調達方針は基本的に「お客様が観たい時に必ず観たいものが探せる、常にある世界」をコンセプトに作品の調達を行っています。
以前のインタビューで佐野が答えていましたように、分かりやすいイメージでいうと“レンタルショップの最終形”を目指してラインナップ揃えています。この“カバレッジ戦略”が結果として「作品数No.1」に繋がっていると考えています。
───個人的な所感では2019年放送の『鬼滅の刃』以降、アニメの視聴がより一般化したという感じがありまして、U-NEXTでの「アニメ見放題No.1」とちょうど時期が被るな、と思いました。しかし、そういうムーブメントを受けて配信作を増やしていこうというわけではなく、コンスタントに積み重ねた結果という感じでしょうか?
歌川 そうですね。また、最近はライト層がアニメを楽しんでいるという感覚があります。最近の作品でいうと『推しの子』は青年マンガ誌原作の作品ですが、年代を問わず幅広い層に支持されたことで、U-NEXTでもランキング上位に食い込んでいました。本当にアニメを見る層が拡がったという印象ですね。
タイトル数を揃える上では、お客様から寄せられた「作品リクエスト」を元に、今まだ配信解禁になっていない作品を権利元と交渉してラインナップに加えるということもやっています。
近々では、矢吹健太朗先生原作の『BLACK CAT』が、長い間配信に出ていなかったのですが、先生の最新作『あやかしトライアングル』のアニメ放送タイミングと併せて配信もしたい……! という声がチーム内でもありました。そこで、権利元さんと交渉を行い、他サービスよりも先行してU-NEXTでの配信をスタートしたという一例があります。
───『BLACK CAT』!かなり懐かしいタイトルですね……。これまで配信にでていなかった作品をU-NEXTさんが単独で交渉することもあるのでしょうか?
歌川 過去のアーカイブ作品ですと、放送当時は配信を想定しておらず権利処理の調整が止まっているタイトルや、その解決に時間が掛かると言われている作品も、我々から働きかけることもあります。
佐野 リクエスト窓口には、もちろんアニメだけでなく全ジャンルの「見たい!」という声が寄せられるので、お客様がU-NEXTのサービスをよく見てくださっているという印象を受けますね。
歌川 お客様からのリクエストには、なるべくお応えしたいと思っていますが、例えば他社さんの独占タイトルなど、どうしてもお応えできない作品も含まれています。全てのリクエストを叶えるのは難しい場合もありますが、新しいタイトルだけでなく、年代などを問わずお客様のリクエストにはできる限り応えていきたいと思っています。
担当スタッフにオンラインインタビュー
最新アニメから超マニアックな懐かし作品まで。U-NEXTが「アニメ見放題作品数No.1」の理由とは?
編集部:松永達矢※本記事にはアフィリエイト広告が含まれます
家でエンターテインメントを楽しむ上で、もはやライフラインと言っても差し支えないほど普及したサブスクリブション型動画配信サービス。かつては、ビデオグラムを買い揃えたり、レンタルショップに足繁く通ったものだが、その経験も中々通じない世代も出てくるのでは、という程に市民権を得ている。
例えばアニメについても、最新作だけでなく、20〜30年前に放送された古い作品も各サービスで配信されている。そんななか、数あるサービスの中でも多くの作品を配信するのが「アニメ見放題作品数No.1」を標榜するU-NEXTだ。
ファイルウェブで以前実施したインタビューでは「レンタルビデオ店の最終進化系」こそ、U-NEXTのコンセプトと説明してくれた。配信アニメ作品のラインナップについても、まさにこの結果が表れているわけだが、過去作品だけではなく、オンタイムの配信作品も充実しているのがU-NEXTの強みだろう。
そこで今回、新旧様々な作品を取り揃えるU-NEXTにおけるアニメ配信の位置づけや、今後の取組などを、U-NEXTアニメ・ブック本部/アニメ部長の歌川 美沙さん、経営戦略室 ブランド戦略グループの佐野 裕美さんに話を伺った。
■専門サービスよりも多くの配信タイトル有するU-NEXT、その理由とは
───全ジャンルを総計した上で「見放題作品数No.1」を誇るU-NEXTですが、全タイトルの内アニメ作品が占める割合や、アニメジャンルのサービス内での位置づけや人気について教えてください。
佐野 U-NEXTの中でもアニメ作品は非常に多くて、作品数は主要ジャンルの15%、本数では39.8%(ともにGEM Partners調べ/2023年7月時点)を占めています。アニメ作品は非常に「話数もの」が多いので、エピソード数で換算すると主要ジャンル全体のほぼ4割を占めるという数字になります。こうやって数字に表すと改めて全体に占めるシェアの高さを認識しますね。
アニメの専門配信サービスも含めた上で「アニメ見放題数No.1」を謳っていますが、特にアニメの比率を増やしていこうという方針があるわけではなく、ジャンルごとにNo.1戦略を考えています。それぞれのジャンルで市場とお客様と向き合いながらラインナップを増やし続けているというところです。
───専門配信サービスなどを追い越し、アニメの配信ラインナップ数でNo.1になったタイミングはいつ頃ですか?
佐野 2019年末にアニメの見放題配信ラインナップ数がNo.1になったというプレスリリースをださせていただきました。
───2019年末から現在に至るまでアニメの見放題配信数でトップを堅持しているという形でしょうか?
歌川 実は2020年末くらいで、1回見放題配信数が他のサービスと入れ替わったタイミングがありますね。
佐野 我々がいつも公表している数字は、第三者機関であるGEM Partnersさん調べのものになりますが、その結果を拝見すると2021年から現在に至るまでは、アニメジャンル見放題配信作品数でトップになっています。
歌川 最近では見放題作品数を安定して伸ばしているので、引き続きNo.1を維持できると考えています。
───素朴な疑問ですが、アニメ専門のサービスが存在する中、U-NEXTがアニメジャンルの配信作品数でNo.1をキープできている理由を教えていただけますか?
歌川 私達の調達方針は基本的に「お客様が観たい時に必ず観たいものが探せる、常にある世界」をコンセプトに作品の調達を行っています。
以前のインタビューで佐野が答えていましたように、分かりやすいイメージでいうと“レンタルショップの最終形”を目指してラインナップ揃えています。この“カバレッジ戦略”が結果として「作品数No.1」に繋がっていると考えています。
───個人的な所感では2019年放送の『鬼滅の刃』以降、アニメの視聴がより一般化したという感じがありまして、U-NEXTでの「アニメ見放題No.1」とちょうど時期が被るな、と思いました。しかし、そういうムーブメントを受けて配信作を増やしていこうというわけではなく、コンスタントに積み重ねた結果という感じでしょうか?
歌川 そうですね。また、最近はライト層がアニメを楽しんでいるという感覚があります。最近の作品でいうと『推しの子』は青年マンガ誌原作の作品ですが、年代を問わず幅広い層に支持されたことで、U-NEXTでもランキング上位に食い込んでいました。本当にアニメを見る層が拡がったという印象ですね。
タイトル数を揃える上では、お客様から寄せられた「作品リクエスト」を元に、今まだ配信解禁になっていない作品を権利元と交渉してラインナップに加えるということもやっています。
近々では、矢吹健太朗先生原作の『BLACK CAT』が、長い間配信に出ていなかったのですが、先生の最新作『あやかしトライアングル』のアニメ放送タイミングと併せて配信もしたい……! という声がチーム内でもありました。そこで、権利元さんと交渉を行い、他サービスよりも先行してU-NEXTでの配信をスタートしたという一例があります。
───『BLACK CAT』!かなり懐かしいタイトルですね……。これまで配信にでていなかった作品をU-NEXTさんが単独で交渉することもあるのでしょうか?
歌川 過去のアーカイブ作品ですと、放送当時は配信を想定しておらず権利処理の調整が止まっているタイトルや、その解決に時間が掛かると言われている作品も、我々から働きかけることもあります。
佐野 リクエスト窓口には、もちろんアニメだけでなく全ジャンルの「見たい!」という声が寄せられるので、お客様がU-NEXTのサービスをよく見てくださっているという印象を受けますね。
歌川 お客様からのリクエストには、なるべくお応えしたいと思っていますが、例えば他社さんの独占タイトルなど、どうしてもお応えできない作品も含まれています。全てのリクエストを叶えるのは難しい場合もありますが、新しいタイトルだけでなく、年代などを問わずお客様のリクエストにはできる限り応えていきたいと思っています。