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公開日 2017/10/27 11:00
Hi-Fiとシアターを両立できるクオリティを追求
マランツ、最上位AVアンプ「SR8012」。独立基板11chアンプ搭載、Auro-3D対応
編集部:小澤貴信
マランツは、ドルビーアトモスやDTS:Xに加えてAuro-3Dにも対応した同社AVアンプの最上位モデル「SR8012」を12月中旬より発売する。価格は370,000円(税抜)。
マランツの一体型AVアンプのトップエンドモデル。同ブランドの上位モデルとしては、2015年登場のSR7010(関連ニュース)以来の国内投入となる。
11.2chプロセッシングに対応し、11chアンプを内蔵。11ch独立基板によるフルディスクリート・パワーアンプ、HDAMによる電流帰還型プリアンプ回路を搭載した。定格出力は140W/ch、実用最大出力は250W/chとなる。
イマーシブオーディオについては、ドルビーアトモス、DTS:Xに加えて、Auro-3Dにも対応。アトモス/DTS:Xでは最大で7.1.4ch、Auro-3Dでは最大10.1chのデコードが可能となっている。
HDMI端子は8入力/3出力を搭載し、いずれもHDCP 2.2対応。映像入力は4K/60p HDR信号のパススルーに対応。HDRはHDR10/Dolby Vision/HLGに対応する。
マランツブランドを手がけるディーアンドエムは、発表に先立って製品発表会を開催した。以下に詳細を説明する。
■11ch独立基板のパワーアンプ、電流帰還型プリアンプを搭載
発表会の冒頭では、マランツのAVアンプが米国市場において、700ドル以上の価格帯でシェアNo.1であることが紹介された。このシェアについてマランツの高山健一氏は「北米ではAVプリ/パワーのセパレート機を複数ラインナップしていて、ハイクラスのレンジでマランツは存在感を持っている」と紹介。今回のSR8012のような上級クラスのAVアンプにおける実績と自信を改めて示していた。
AVアンプにおいて、Hi-Fiクオリティをマルチチャンネルでも実現することを一貫して目指してきたマランツ。「AV8802」をはじめハイエンドのAVプリアンプをラインナップしてきたこともその表れと言える。そして、一つのシステムでHi-Fiとホームシアターを両立させたいという要望に応えるべく、今回のSR8012では一体型AVアンプでHi-Fiクオリティのマルチチャンネル再生を実現することを狙ったという。
マランツサウンドマネージャーの尾形氏は「具体的にはAVアンプにおいて重要なポイントであるS/N感、さらには音場感(サラウンド音場という意味ではなく、音の見通しやセパレーション)の向上を特に重視した」とコメント。純粋なアンプとしてスピーカーを駆動して、ホログラフィックな音像が再現できることを目指したとする。
SR8012は11chのパワーアンプすべてを1chごとに独立した基板として、それぞれをフルディスクリート回路で構成。大型トロイダルコアトランスを中心として左右対称にレイアウトして、チャンネルセパレーションやS/Nも追求。全チャンネル同一クオリティとすることでチャンネル間の音のつながりや空間再現性も高めている。
また各アンプがディスクリート構成のため、回路設計およびパーツ選定の自由度を高めて、Hi-Fiアンプと同様の徹底した音質チューニングを行ったという。
定格出力は140W+140W(8Ω、20Hz-20kHz、THD0.05%、2ch駆動)、実用最大出力は250W(6Ω、1kHz、THD10%、1ch駆動)。4Ωまでのスピーカーの接続に対応。
内蔵する11chアンプのうち10chを用いて、5ch分のスピーカーをすべてバイアンプで駆動する(各chごとに2ch分のアンプを用いる)“フルバイアンプドライブ”にも対応する。
11chを同時使用した大音量再生時でも余裕のある電源供給ができるよう、強力な電源回路を搭載。シャーシ中央にレイアウトされたシールド付きのトロイダルコアトランスとカスタムメイドの大容量ブロックコンデンサー(22,000μF×2)により、優れた瞬時電流供給能力を実現する。
プリアンプ部には、マランツの代名詞といえるハイスピード・アンプモジュール「HDAM」を用いた電流帰還型回路を採用。マランツがHi-Fiコンポーネントで培ってきた回路設計のノウハウを投入すると共に、プリアンプの心臓部には「HDAM-SA2」を用いることで、オペアンプを使用した場合に比べて約10倍のスルーレートを実現。上位Hi-Fiコンポーネントに匹敵する情報量や低歪を実現したとする。
D/Aコンバーターには、旭化成エレクトロニクス製32bit 8ch DAC「AK4458VN」を採用。また、D/A変換回路を映像回路やネットワーク回路から独立した専用基板にマウントすることで、相互干渉も排除している。
■Hi-FiクオリティのS/Nを実現するために高周波ノイズ対策を徹底
Hi-Fiコンポーネントを凌駕するS/Nを実現するべく、高周波ノイズのコントロールも徹底された。尾形氏は「デジタルとアナログが筐体内で混在する中で、ノイズや干渉を極力避けるべく、各部のグラウンドや電源など十分なコストをかけて徹底的に低ノイズ化、低インピーダンス化を行った」と説明していた。
具体的な対策としては、後述するようにDAC基板を独立して搭載。また、8層デジタル基板や3端子コンデンサーを用いることで基板のローノイズ化を徹底。トロイダルトランスは非磁性体のアルミベースでシャーシにアイソレート・マウントするなどの対策が行われている。なおトロイダルコアトランスはEIコアトランスよりレギュレーションが良いため、多チャンネルになるほど優位に働くという。
DSPやネットワーク系などのデジタル回路への電源供給には専用のローノイズ・スイッチング電源(SMPS)を使用。動作周波数を通常の約3倍に高速化してスイッチングノイズを再生音に影響の及ばない可聴帯域外へシフトさせ、アナログ回路との相互干渉を排除している。
DAC回路を専用基板よって独立させ、シールドにより回路間のノイズの飛び込みを抑制。電源ラインに流入するノイズはデカップリングコンデンサーを用いて除去している。こららのコンデンサーの種類や定数は、試聴を繰り返して最適なものを選定。結果として導電性ポリマーコンデンサーや薄膜高分子積層コンデンサーなどが実装されている。
他にも音質パーツの贅沢な投入や各種音質対策などHi-Fiコンポーネントのノウハウをフル活用。HDMIレシーバーのクロックにはテフロン処理を実施。インシュレーターは独自の高密度タイプとして、底面側には特殊形状フェルトを採用。1mm厚のシャーシには銅メッキを施し、基板やシャーシを固定するビスやワッシャーの種類を使用する箇所に応じて変更するなどして、音質チューニングを追い込んでいる。
■3Dサラウンド規格「Auro-3D」にも対応
7.1chのグランドレベルに天井方向のスピーカーも加え、臨場感のある3Dサラウンドを再生するイマーシブオーディオは、ドルビーアトモス、DTS:Xに加えて、Auro-3D(関連ニュース)にも対応する。
なお、同じディーアンドエムのブランドであるデノンは、先行してAVR-X6400H(関連ニュース)とAVR-X4400HでAuro-3Dに対応。本機はそれに続く、マランツとして初のAuro-3D対応機となる。
Auro-3Dでは、5.1chスピーカーにフロントハイト(FHL+FHR)、サラウンドハイト(SHL+SHR)およびトップサラウンド(TS)スピーカーを組み合わせた10.1chシステムを構築可能。自然で臨場感豊かな3Dサウンドを再生できる。また、Auro-3Dのアップミックス技術「Auro-Matic」によって、モノラル、2ch、サラウンドの各コンテンツを3Dサウンドにアップミックスできる。
なお、Auro-3Dを再生するには、最低で1組のハイトスピーカーの設置が必要。また、Auro-3Dの再生にはフロントハイトスピーカーおよびサラウンドハイトスピーカーを用いることが推奨されている。サラウンドハイトスピーカーの代わりにリアハイトスピーカーを設置すれば、Auro-3Dおよびアトモス/DTS:Xの両方が楽しめるという。
ドルビーアトモス/DTS:Xについては、パワーアンプの追加なしに最大で7.1.4chシステムを構築可能。DolbySurroundおよびNeural:Xによるアップミックス機能にも対応する。
アトモスをはじめとするサラウンド音声信号のレンダリングやデコーディング、11.2ch分の音場補正など負荷の大きな処理を同時に行うために、SR8012はアナログデバイセス社製の32bitフローティングポイントDSP、第4世代「SHARC」プロセッサーを4基搭載する。
また、11.2chのプリアウト端子を装備。パワーアンプ追加によるグレードアップも行える。
すべてのチャンネルに、スピーカーケーブルを確実に締め付けられるスクリュー式スピーカー端子を採用。バナナプラグにも対応する。スピーカー端子には金メッキ処理を施し、高品位な信号の伝送を実現するとともに、経年劣化を防止している。
自動音場補正機能は「Audyssey MultEQ XT32」を搭載。最大8ポイントでの測定結果をもとに、スピーカーの距離、レベル、およびサブウーファーのクロスオーバー周波数を最適な状態に自動設定。さらに接続されたスピーカーとリスニングルームの音響特性を測定し、時間軸と周波数特性の両方を補正することで、ルームアコースティックを最適化する。2台のサブウーファーを個別に測定して補正する「SubEQHT」にも対応する。
ドルビーイネーブルドスピーカーについては、AudysseyMultEQによる自動補正に加え、天井までの高さを入力することで補正の精度高めることができる。Audyssey MultEQ XT32を詳細設定できる「Audyssey MultEQ Editor」アプリにも対応している。
低音の位相補正機能も搭載。BDなどマルチチャンネルで収録されているコンテンツでは、低音(LFE)が遅れて収録されている場合、本機能を使用すると、LFEの遅れを0ms-16msの範囲で補正することができる。
映像入力については、HDMI端子の8入力/3出力がいずれもHDCP2.2対応。4K/60p HDR信号のパススルーに対応しており、HDRはHDR10/Dolby Vision/HLGに対応する。
また4Kアップスケーリングについては、アナログ信号を4Kアップスケーリングすることができる。
なおファームウェアアップデートにて、ドルビーアトモスを含むドルビーTrueHD、DTS:Xを含むDTS-HDマスターオーディオの伝送にも対応した「eARC」にも対応予定。テレビ側で再生した映像ストリーミングなどの音声についても、より幅広いフォーマットをHDMI経由で本機から再生することができる。
■HEOSテクノロジーによるネットワーク再生機能を搭載
ディーアンドエムのワイヤレス・オーディオシステム「HEOS」のテクノロジーによるネットワーク再生機能を搭載。192kHz/24bitのWAV、FLAC、ALACや5.6MHz DSDの再生に対応。ギャップレス再生にも対応する。同様のフォーマットをUSBメモリーから再生することも可能、HEOS対応システムへの配信やマルチルーム再生も行える。そのほか、AirPlay再生も可能だ。
Bluetooth、および2.4GHz/5GHz対応のデュアルバンドWi-Fiも内蔵。スマートフォン内の音楽再生からネットワーク再生までをワイヤレスで行える。
消費電力は780W(待機時最小0.2W)、外形寸法は440W×185H×460Dmm(アンテナを寝かせた場合)、質量は17.4kg。
マランツの一体型AVアンプのトップエンドモデル。同ブランドの上位モデルとしては、2015年登場のSR7010(関連ニュース)以来の国内投入となる。
11.2chプロセッシングに対応し、11chアンプを内蔵。11ch独立基板によるフルディスクリート・パワーアンプ、HDAMによる電流帰還型プリアンプ回路を搭載した。定格出力は140W/ch、実用最大出力は250W/chとなる。
イマーシブオーディオについては、ドルビーアトモス、DTS:Xに加えて、Auro-3Dにも対応。アトモス/DTS:Xでは最大で7.1.4ch、Auro-3Dでは最大10.1chのデコードが可能となっている。
HDMI端子は8入力/3出力を搭載し、いずれもHDCP 2.2対応。映像入力は4K/60p HDR信号のパススルーに対応。HDRはHDR10/Dolby Vision/HLGに対応する。
マランツブランドを手がけるディーアンドエムは、発表に先立って製品発表会を開催した。以下に詳細を説明する。
■11ch独立基板のパワーアンプ、電流帰還型プリアンプを搭載
発表会の冒頭では、マランツのAVアンプが米国市場において、700ドル以上の価格帯でシェアNo.1であることが紹介された。このシェアについてマランツの高山健一氏は「北米ではAVプリ/パワーのセパレート機を複数ラインナップしていて、ハイクラスのレンジでマランツは存在感を持っている」と紹介。今回のSR8012のような上級クラスのAVアンプにおける実績と自信を改めて示していた。
AVアンプにおいて、Hi-Fiクオリティをマルチチャンネルでも実現することを一貫して目指してきたマランツ。「AV8802」をはじめハイエンドのAVプリアンプをラインナップしてきたこともその表れと言える。そして、一つのシステムでHi-Fiとホームシアターを両立させたいという要望に応えるべく、今回のSR8012では一体型AVアンプでHi-Fiクオリティのマルチチャンネル再生を実現することを狙ったという。
マランツサウンドマネージャーの尾形氏は「具体的にはAVアンプにおいて重要なポイントであるS/N感、さらには音場感(サラウンド音場という意味ではなく、音の見通しやセパレーション)の向上を特に重視した」とコメント。純粋なアンプとしてスピーカーを駆動して、ホログラフィックな音像が再現できることを目指したとする。
SR8012は11chのパワーアンプすべてを1chごとに独立した基板として、それぞれをフルディスクリート回路で構成。大型トロイダルコアトランスを中心として左右対称にレイアウトして、チャンネルセパレーションやS/Nも追求。全チャンネル同一クオリティとすることでチャンネル間の音のつながりや空間再現性も高めている。
また各アンプがディスクリート構成のため、回路設計およびパーツ選定の自由度を高めて、Hi-Fiアンプと同様の徹底した音質チューニングを行ったという。
定格出力は140W+140W(8Ω、20Hz-20kHz、THD0.05%、2ch駆動)、実用最大出力は250W(6Ω、1kHz、THD10%、1ch駆動)。4Ωまでのスピーカーの接続に対応。
内蔵する11chアンプのうち10chを用いて、5ch分のスピーカーをすべてバイアンプで駆動する(各chごとに2ch分のアンプを用いる)“フルバイアンプドライブ”にも対応する。
11chを同時使用した大音量再生時でも余裕のある電源供給ができるよう、強力な電源回路を搭載。シャーシ中央にレイアウトされたシールド付きのトロイダルコアトランスとカスタムメイドの大容量ブロックコンデンサー(22,000μF×2)により、優れた瞬時電流供給能力を実現する。
プリアンプ部には、マランツの代名詞といえるハイスピード・アンプモジュール「HDAM」を用いた電流帰還型回路を採用。マランツがHi-Fiコンポーネントで培ってきた回路設計のノウハウを投入すると共に、プリアンプの心臓部には「HDAM-SA2」を用いることで、オペアンプを使用した場合に比べて約10倍のスルーレートを実現。上位Hi-Fiコンポーネントに匹敵する情報量や低歪を実現したとする。
D/Aコンバーターには、旭化成エレクトロニクス製32bit 8ch DAC「AK4458VN」を採用。また、D/A変換回路を映像回路やネットワーク回路から独立した専用基板にマウントすることで、相互干渉も排除している。
■Hi-FiクオリティのS/Nを実現するために高周波ノイズ対策を徹底
Hi-Fiコンポーネントを凌駕するS/Nを実現するべく、高周波ノイズのコントロールも徹底された。尾形氏は「デジタルとアナログが筐体内で混在する中で、ノイズや干渉を極力避けるべく、各部のグラウンドや電源など十分なコストをかけて徹底的に低ノイズ化、低インピーダンス化を行った」と説明していた。
具体的な対策としては、後述するようにDAC基板を独立して搭載。また、8層デジタル基板や3端子コンデンサーを用いることで基板のローノイズ化を徹底。トロイダルトランスは非磁性体のアルミベースでシャーシにアイソレート・マウントするなどの対策が行われている。なおトロイダルコアトランスはEIコアトランスよりレギュレーションが良いため、多チャンネルになるほど優位に働くという。
DSPやネットワーク系などのデジタル回路への電源供給には専用のローノイズ・スイッチング電源(SMPS)を使用。動作周波数を通常の約3倍に高速化してスイッチングノイズを再生音に影響の及ばない可聴帯域外へシフトさせ、アナログ回路との相互干渉を排除している。
DAC回路を専用基板よって独立させ、シールドにより回路間のノイズの飛び込みを抑制。電源ラインに流入するノイズはデカップリングコンデンサーを用いて除去している。こららのコンデンサーの種類や定数は、試聴を繰り返して最適なものを選定。結果として導電性ポリマーコンデンサーや薄膜高分子積層コンデンサーなどが実装されている。
他にも音質パーツの贅沢な投入や各種音質対策などHi-Fiコンポーネントのノウハウをフル活用。HDMIレシーバーのクロックにはテフロン処理を実施。インシュレーターは独自の高密度タイプとして、底面側には特殊形状フェルトを採用。1mm厚のシャーシには銅メッキを施し、基板やシャーシを固定するビスやワッシャーの種類を使用する箇所に応じて変更するなどして、音質チューニングを追い込んでいる。
■3Dサラウンド規格「Auro-3D」にも対応
7.1chのグランドレベルに天井方向のスピーカーも加え、臨場感のある3Dサラウンドを再生するイマーシブオーディオは、ドルビーアトモス、DTS:Xに加えて、Auro-3D(関連ニュース)にも対応する。
なお、同じディーアンドエムのブランドであるデノンは、先行してAVR-X6400H(関連ニュース)とAVR-X4400HでAuro-3Dに対応。本機はそれに続く、マランツとして初のAuro-3D対応機となる。
Auro-3Dでは、5.1chスピーカーにフロントハイト(FHL+FHR)、サラウンドハイト(SHL+SHR)およびトップサラウンド(TS)スピーカーを組み合わせた10.1chシステムを構築可能。自然で臨場感豊かな3Dサウンドを再生できる。また、Auro-3Dのアップミックス技術「Auro-Matic」によって、モノラル、2ch、サラウンドの各コンテンツを3Dサウンドにアップミックスできる。
なお、Auro-3Dを再生するには、最低で1組のハイトスピーカーの設置が必要。また、Auro-3Dの再生にはフロントハイトスピーカーおよびサラウンドハイトスピーカーを用いることが推奨されている。サラウンドハイトスピーカーの代わりにリアハイトスピーカーを設置すれば、Auro-3Dおよびアトモス/DTS:Xの両方が楽しめるという。
ドルビーアトモス/DTS:Xについては、パワーアンプの追加なしに最大で7.1.4chシステムを構築可能。DolbySurroundおよびNeural:Xによるアップミックス機能にも対応する。
アトモスをはじめとするサラウンド音声信号のレンダリングやデコーディング、11.2ch分の音場補正など負荷の大きな処理を同時に行うために、SR8012はアナログデバイセス社製の32bitフローティングポイントDSP、第4世代「SHARC」プロセッサーを4基搭載する。
また、11.2chのプリアウト端子を装備。パワーアンプ追加によるグレードアップも行える。
すべてのチャンネルに、スピーカーケーブルを確実に締め付けられるスクリュー式スピーカー端子を採用。バナナプラグにも対応する。スピーカー端子には金メッキ処理を施し、高品位な信号の伝送を実現するとともに、経年劣化を防止している。
自動音場補正機能は「Audyssey MultEQ XT32」を搭載。最大8ポイントでの測定結果をもとに、スピーカーの距離、レベル、およびサブウーファーのクロスオーバー周波数を最適な状態に自動設定。さらに接続されたスピーカーとリスニングルームの音響特性を測定し、時間軸と周波数特性の両方を補正することで、ルームアコースティックを最適化する。2台のサブウーファーを個別に測定して補正する「SubEQHT」にも対応する。
ドルビーイネーブルドスピーカーについては、AudysseyMultEQによる自動補正に加え、天井までの高さを入力することで補正の精度高めることができる。Audyssey MultEQ XT32を詳細設定できる「Audyssey MultEQ Editor」アプリにも対応している。
低音の位相補正機能も搭載。BDなどマルチチャンネルで収録されているコンテンツでは、低音(LFE)が遅れて収録されている場合、本機能を使用すると、LFEの遅れを0ms-16msの範囲で補正することができる。
映像入力については、HDMI端子の8入力/3出力がいずれもHDCP2.2対応。4K/60p HDR信号のパススルーに対応しており、HDRはHDR10/Dolby Vision/HLGに対応する。
また4Kアップスケーリングについては、アナログ信号を4Kアップスケーリングすることができる。
なおファームウェアアップデートにて、ドルビーアトモスを含むドルビーTrueHD、DTS:Xを含むDTS-HDマスターオーディオの伝送にも対応した「eARC」にも対応予定。テレビ側で再生した映像ストリーミングなどの音声についても、より幅広いフォーマットをHDMI経由で本機から再生することができる。
■HEOSテクノロジーによるネットワーク再生機能を搭載
ディーアンドエムのワイヤレス・オーディオシステム「HEOS」のテクノロジーによるネットワーク再生機能を搭載。192kHz/24bitのWAV、FLAC、ALACや5.6MHz DSDの再生に対応。ギャップレス再生にも対応する。同様のフォーマットをUSBメモリーから再生することも可能、HEOS対応システムへの配信やマルチルーム再生も行える。そのほか、AirPlay再生も可能だ。
Bluetooth、および2.4GHz/5GHz対応のデュアルバンドWi-Fiも内蔵。スマートフォン内の音楽再生からネットワーク再生までをワイヤレスで行える。
消費電力は780W(待機時最小0.2W)、外形寸法は440W×185H×460Dmm(アンテナを寝かせた場合)、質量は17.4kg。
関連リンク
- ジャンルAVアンプ
- ブランドMARANTZ
- 型番SR8012
- 発売日2017年12月中旬
- 価格370000
【SPEC】●搭載パワーアンプ数:11ch ●定格出力:140W+140W(8 Ω、20 Hz〜20 kHz、THD 0.05 %2ch駆動) ●実用最大出力:210W(6Ω、1kHz、THD 10%、2 ch駆動、JEITA)、250 W(6 Ω、1 kHz、THD 10%、1 ch駆動、JEITA) ●対応インピーダンス:4〜16Ω ●S/N比:102 dB(IHF-A、ダイレクトモード時) ●周波数特性:10 Hz〜100 kHz (+1、-3 dB、ダイレクトモード時) ●歪率:0.005%(20〜20 kHz、ダイレクトモード時) ●HDMI端子:入力×8(フロント×1を含む)、出力×3 ●映像入力端子:コンポーネント×3、コンポジット×5(フロント×1を含む) ●映像出力端子:コンポーネント×1、コンポジット×2(Zone2×1を含む) ●音声入力端子:アナログ×8(フロント×1を含む)、Phono×1、7.1ch入力×1、光デジタル×2、同軸デジタル×2 ●音声出力端子:11.2chプリアウト×1、ゾーンプリアウト×2、ヘッドホン×1 ●その他の端子:ネットワーク×1、USB(フロント)×1、セットアップマイク入力×1、Bluetooth/Wi-Fiアンテナ入力×2、RS-232C×1、DCトリガー出力×2、フラッシャー入力×1、マランツリモートバス(RC-5)入出力×1 ●消費電力:780W(待機電力 0.2W 通常スタンバイ/ 0.5W CECスタンバイ) ●最大外形寸法:440W×248H×460Dmm (ロッドアンテナを立てた場合) ●質量:17.4 kg