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公開日 2018/11/14 21:54
4K8Kの視聴/制作環境普及に取り組む
<Inter BEE>NHK、“厚み約1mmのシート型88型8K有機EL” など4K8K技術デモ。各社も制作環境をぞくぞく提案
編集部:成藤 正宣
本日11月14日、Inter BEE 2018(2018年国際放送機器展)が幕張メッセにて開幕した。本稿ではNHK/JEITAを始め、アストロデザイン、キヤノン、東芝、NTTグループが各ブースにて展開する、4K8Kを控えた取り組みについて紹介する。
NHK/JEITAのブースは、いよいよ今年12月1日より開始する新4K8K衛星放送に向けて関連製品を展示。受信や試聴の方法について最終的な周知を図る一方、将来的な4K8Kコンテンツの発展を見据えた参考出展も豊富に用意されていた。
まずこれまでに発表された各社の4Kテレビ、4Kチューナーを展示し、接続に必要なケーブルや実際の接続例など基礎から解説を行っているほか、録画に必要な記憶媒体の容量や録画可能時間など、放送開始後に問い合わせが予想される事項に関しても紹介している。
また、大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』を題材に、同一コンテンツを4K/2Kの2種類のフォーマットで一体制作/中継する流れについて、実際に使用する機材などのポイントを解説。さらに4K中継車も実際にブース内に配置し、その内部を公開した。14日の正午時点で長い待機列が作られるなど人気を集めていた。
今後の4K8Kの取組みに関する参考出展として、ブースの一角で「シート型8K有機ELディスプレイ」と、8K放送の音声フォーマットとして採用されている22.2chサラウンドを組み合わせたデモンストレーションを実施した。
シート型8K有機ELディスプレイは、LGディスプレイ/アストロデザインと共同開発を進めているもので、会場に展示されたものは88インチで解像度7,680×4,320という大画面でありながら、発光部そのものの厚みはわずか約1mm、制御用のガラス基板等を含めても約3mmという薄型/軽量設計を実現している。
また集合住宅向けの新4K8K放送視聴ソリューションとして、日本アンテナ(株)と共同開発を進めているという周波数変換装置も参考出展している。
集合住宅で4K8K対応設備を導入する場合に想定される、分配器など交換が必要な設備が所在不明だったり、入居世帯のスケジュールが合わずなかなか設置作業に入れない、といったケースに対応するもの。新4K8K衛星放送波の周波数を未使用の周波数帯に変換し、既存の住宅設備でも伝送可能とする。
伝送の際、ダウンコンバーター/アップコンバーターを介するため、画質にやや影響があるとのことだが、4K8K放送の普及率を高める製品として注目が集まっていた。
アストロデザインはデルタ電子との共同ブースで、4K8K映像制作ソリューションの出展を行っている。多くの展示で、開発中のワークステーション「Tamazone Workstation」を採用。CPUは2ユニット/56コア、メインメモリーは768GB、大型グラフィックボードは4枚まで搭載可能で、用途に応じて構成をカスタマイズすることで、8K映像編集から機械学習まで幅広い制作環境に対応できるとしている。
8K/60p映像のリアルタイムカラーグレーディングのデモコーナーでは、CPU計40コア、メモリー192GB、NvidiaのGPU「GP100」を搭載したTamazone Workstationが用いられ、高い処理能力を必要とする処理を、遅延なく滑らかに行っていた。
アストロデザインとの共同ブースでInter BEE初出展を行っているデルタ電子は、関連会社の英Digital Projectionと共同開発した高解像プロジェクターを展示している。
先月より発売を開始した、DLP方式では世界初という8Kレーザープロジェクター「INSIGHT LASER 8K」も公開。25,000ルーメンの高輝度、20,000:1のダイナミックコントラストなどの特徴を体感できた。その他、4K-UHDモデル「TITAN Laser 33000」、4K-UHDまたはWUXGAモデル「M-visionシリーズ」など従来製品も目にすることができる。
同社では、解像度の高さやレーザー光源によるメンテナンス性の高さなどを活かし、医療分野やテーマパーク/イベント等エンターテイメント分野で日本への導入を検討しているという。
キヤノンは、4Kコンテンツ制作ソリューションを中心にブース出展を行っている。「EOS C700」「EOS C200」など同社シネマカメラのラインナップや、いわゆる“お天気カメラ” や監視カメラなどに採用されている、遠隔操作可能な屋外カメラといった製品を展示。コンテンツ制作者向けにHDRや機器の使いこなしセミナーも開催するなど、4K8K制作普及の取り組みも欠かさない。
またInterBEEに先立ち発表していた、世界最小/最軽量を謳う4,096×2,160のネイティブ4K対応LCOSプロジェクター「4K6020Z」も披露。視聴室を作ってデモしていた(関連ニュース)。
さらに参考展示として、同社が開発中の8Kカメラ/8Kレンズ/8KHDRディスプレイを組み合わせた、8K映像制作ソリューションも公開している。8KHDRディスプレイでは、実際に8Kカメラで撮影したスポーツや日本舞踊を再生。さらにヤマハと共同で特設ルームを設置しており、、8Kカメラで撮影したJリーグの試合映像を、ヤマハの音響システムと組み合わせて体験することができる(関連ニュース)。
東芝グループのブースでは、放送システム/照明/メモリー技術といった複数の分野で同グループが保有している技術について紹介を行っている。
放送システムでは、今後「地上4K8K放送」を実現するため必要な次世代伝送技術について解説。地上4K8K放送の実現には複数の課題が存在しているが、同社ブースではそのうち伝送容量を2倍に拡大する「超多値QAM」、伝送特性の劣化を補償する「不均一コンスタレーション」という技術について扱っている。
また、電波の発射源をモニターで表示し、電波干渉の原因を特定できる「電波発射源可視化装置」、新書き込んだデータをNFCによってロックし、情報漏えいを防ぐSDXC/micro SDXCカード「Mamolica」など、通信や放送に関わる周辺技術についても詳細に説明されていた。
NTTグループは、4K8Kコンテンツのネットワーク伝送に関わる製品/技術を多数出展。4K/120pのエンコーダーとデコーダーをそれぞれ4台並列接続することで、リアルタイムで8K/120p HEVCの伝送処理を行う技術や、8K HDRファイルからAVIなど古い形式のファイルまで、豊富なファイルフォーマットを相互変換できる映像配信サービス向けの変換ソフトウェア「RealFeel FileConvert 4K」など、グループが保有するさまざまな技術のデモンストレーションを行っていた。
NHK/JEITAのブースは、いよいよ今年12月1日より開始する新4K8K衛星放送に向けて関連製品を展示。受信や試聴の方法について最終的な周知を図る一方、将来的な4K8Kコンテンツの発展を見据えた参考出展も豊富に用意されていた。
まずこれまでに発表された各社の4Kテレビ、4Kチューナーを展示し、接続に必要なケーブルや実際の接続例など基礎から解説を行っているほか、録画に必要な記憶媒体の容量や録画可能時間など、放送開始後に問い合わせが予想される事項に関しても紹介している。
また、大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』を題材に、同一コンテンツを4K/2Kの2種類のフォーマットで一体制作/中継する流れについて、実際に使用する機材などのポイントを解説。さらに4K中継車も実際にブース内に配置し、その内部を公開した。14日の正午時点で長い待機列が作られるなど人気を集めていた。
今後の4K8Kの取組みに関する参考出展として、ブースの一角で「シート型8K有機ELディスプレイ」と、8K放送の音声フォーマットとして採用されている22.2chサラウンドを組み合わせたデモンストレーションを実施した。
シート型8K有機ELディスプレイは、LGディスプレイ/アストロデザインと共同開発を進めているもので、会場に展示されたものは88インチで解像度7,680×4,320という大画面でありながら、発光部そのものの厚みはわずか約1mm、制御用のガラス基板等を含めても約3mmという薄型/軽量設計を実現している。
また集合住宅向けの新4K8K放送視聴ソリューションとして、日本アンテナ(株)と共同開発を進めているという周波数変換装置も参考出展している。
集合住宅で4K8K対応設備を導入する場合に想定される、分配器など交換が必要な設備が所在不明だったり、入居世帯のスケジュールが合わずなかなか設置作業に入れない、といったケースに対応するもの。新4K8K衛星放送波の周波数を未使用の周波数帯に変換し、既存の住宅設備でも伝送可能とする。
伝送の際、ダウンコンバーター/アップコンバーターを介するため、画質にやや影響があるとのことだが、4K8K放送の普及率を高める製品として注目が集まっていた。
アストロデザインはデルタ電子との共同ブースで、4K8K映像制作ソリューションの出展を行っている。多くの展示で、開発中のワークステーション「Tamazone Workstation」を採用。CPUは2ユニット/56コア、メインメモリーは768GB、大型グラフィックボードは4枚まで搭載可能で、用途に応じて構成をカスタマイズすることで、8K映像編集から機械学習まで幅広い制作環境に対応できるとしている。
8K/60p映像のリアルタイムカラーグレーディングのデモコーナーでは、CPU計40コア、メモリー192GB、NvidiaのGPU「GP100」を搭載したTamazone Workstationが用いられ、高い処理能力を必要とする処理を、遅延なく滑らかに行っていた。
アストロデザインとの共同ブースでInter BEE初出展を行っているデルタ電子は、関連会社の英Digital Projectionと共同開発した高解像プロジェクターを展示している。
先月より発売を開始した、DLP方式では世界初という8Kレーザープロジェクター「INSIGHT LASER 8K」も公開。25,000ルーメンの高輝度、20,000:1のダイナミックコントラストなどの特徴を体感できた。その他、4K-UHDモデル「TITAN Laser 33000」、4K-UHDまたはWUXGAモデル「M-visionシリーズ」など従来製品も目にすることができる。
同社では、解像度の高さやレーザー光源によるメンテナンス性の高さなどを活かし、医療分野やテーマパーク/イベント等エンターテイメント分野で日本への導入を検討しているという。
キヤノンは、4Kコンテンツ制作ソリューションを中心にブース出展を行っている。「EOS C700」「EOS C200」など同社シネマカメラのラインナップや、いわゆる“お天気カメラ” や監視カメラなどに採用されている、遠隔操作可能な屋外カメラといった製品を展示。コンテンツ制作者向けにHDRや機器の使いこなしセミナーも開催するなど、4K8K制作普及の取り組みも欠かさない。
またInterBEEに先立ち発表していた、世界最小/最軽量を謳う4,096×2,160のネイティブ4K対応LCOSプロジェクター「4K6020Z」も披露。視聴室を作ってデモしていた(関連ニュース)。
さらに参考展示として、同社が開発中の8Kカメラ/8Kレンズ/8KHDRディスプレイを組み合わせた、8K映像制作ソリューションも公開している。8KHDRディスプレイでは、実際に8Kカメラで撮影したスポーツや日本舞踊を再生。さらにヤマハと共同で特設ルームを設置しており、、8Kカメラで撮影したJリーグの試合映像を、ヤマハの音響システムと組み合わせて体験することができる(関連ニュース)。
東芝グループのブースでは、放送システム/照明/メモリー技術といった複数の分野で同グループが保有している技術について紹介を行っている。
放送システムでは、今後「地上4K8K放送」を実現するため必要な次世代伝送技術について解説。地上4K8K放送の実現には複数の課題が存在しているが、同社ブースではそのうち伝送容量を2倍に拡大する「超多値QAM」、伝送特性の劣化を補償する「不均一コンスタレーション」という技術について扱っている。
また、電波の発射源をモニターで表示し、電波干渉の原因を特定できる「電波発射源可視化装置」、新書き込んだデータをNFCによってロックし、情報漏えいを防ぐSDXC/micro SDXCカード「Mamolica」など、通信や放送に関わる周辺技術についても詳細に説明されていた。
NTTグループは、4K8Kコンテンツのネットワーク伝送に関わる製品/技術を多数出展。4K/120pのエンコーダーとデコーダーをそれぞれ4台並列接続することで、リアルタイムで8K/120p HEVCの伝送処理を行う技術や、8K HDRファイルからAVIなど古い形式のファイルまで、豊富なファイルフォーマットを相互変換できる映像配信サービス向けの変換ソフトウェア「RealFeel FileConvert 4K」など、グループが保有するさまざまな技術のデモンストレーションを行っていた。
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