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公開日 2021/05/18 12:25
エクセレントカンパニーへの飛躍を目指す
JVCケンウッド、モビリティ&テレマティクスサービス事業に注力する新中期経営計画「VISION2023」発表
PHILEWEBビジネス 徳田ゆかり
JVCケンウッドは、2021年度から実施される中期経営計画についての説明会を開催。同社代表取締役 社長執行役員 CEO 江口祥一郎氏が説明を行なった。
冒頭に江口氏は、2015年からの中長期経営計画「2020年ビジョン」について、「自己資本利益率を主たる指標とする経営を推進したが、市場環境は想定を上回る速さで変化し、 特に昨年は世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大があり、ROE10%は未達となった」と振り返った。
新中期経営計画は「VISION2023」とされた。激変する事業環境下で中長期的に企業価値を向上していくため、たくましさとしたたかさを併せもったエクセレントカンパニーへ飛躍することを目指していく。その内容は、収益基盤の確保と構造改革で安定した事業収益を稼げる体質へと変革、既存事業の収益基盤の強化、事業ポートフォリオの再定義により新たな成長分野を確立していくことを主眼に「変革と成長」をテーマに取り組む、としている。
また、新たな経営方針も策定された。「感動と安心を世界の人々へ」との従来からの企業ビジョンは変わらず、新経営方針は、ものづくりを通じた新たな価値の創造 、変化ある未来に立ち向かう企業風土の構築 、イノベーションを実現する人材の育成と組織能力の強化の3つが掲げられている。
重点テーマは、安定した事業収益を稼げる収益構造への転換、事業ポートフォリオの再定義による戦略の明確化と資源の配分、モビリティ&テレマティクスサービス事業の拡大とDXビジネスの更なる進化による新規事業の創出。それらのベースになるのは、「利益ある成長」と「グローバルでの社会的課題解決」を両輪とするサステナビリティ経営の推進とする。
事業ポートフォリオの再定義については、次世代新規事業、重点事業、収益基盤事業、課題事業の4つの定義で事業を捉え、「課題事業は今後戦略の見直しで構造改革、縮小・撤退を図る。収益基盤事業は、変革も図るが積極的な投資はせず、市場動向を見守りながら進める。次世代新規事業は、当社の強みやコアコンピタンスを生かした将来の成長分野として強化する」と説明。
これを受けての組織再編を7月1日に実施する。成長分野としているテレマティクスサービス事業を、従来のDXビジネスからオートモーティブ分野へ編入し、モビリティ&テレマティクスサービス分野とする。この分野での2023年度での売上構成比は全体の60%として 2000億円規模の売上を目指していく。
このような成長事業の拡大については、2023年度に全体で3200億円の売上収益を目指す中、新規・隣接領域を25%としていく。新規領域のテレマティクスサービスでは、中期成長シナリオをPhase1〜Phase3としているが「Phase1は現状すでに固めている。ドライブレコーダーの端末事業は前期300億円超の売上、高信頼性、高画質商品で国内市場業界トップクラスの位置。商品ラインナップの拡充を図る」とコメント。
Phase3までの成長を目指していく中、IoTプラットフォームサービスでは、同社の得意分野を生かしての、人と人をつなぐ多目的コミュニケーションプラットフォームサービスの提供なども挙げられ「映像、デザイン、コンテンツ、オーディオの強みを生かして、ファイルでの楽曲提供やストリーミングサービス、音楽で世界を繋げるサービスを考えたい」とした。
ポストコロナに向けた成長戦略では、抗菌・除菌、低濃度オゾン発生器の展開を紹介。「低濃度オゾン発生器は車載、ハンディタイプが4月から発売され好調。今後室内向けを展開する」。巣ごもり需要に対しては、「メディア事業でやってきたワイヤレス3Dシアター、コンパクトコンポーネントオーディオ、さらにAI検温ステーションもやっていく」。リモート需要に対しては、ポータブル電源 やウェブ会議用マイクスピーカー、スマートヘッドセットなどを展開する。
財務戦略では、「2023年度までの市場環境に対応できるよう、安定した事業収益を稼げる事業基盤の再構築」を掲げる。売上収益3200億円以上、コア営業利益120億円以上、当期利益率(ROE)10%以上の数値を掲げ、「変革と成長で戦略を着実に実行していく」とした。
事業分野別の戦略では、モビリティ&テレマティクスサービス分野で、モビリティの用品分野は堅調。国内の軽・小型自動車へのナビ、ドラレコ、新商材の提案を進める。前期300億円を達成したテレマティクスでは、今後損保向けの複数ビジネスの進化を図り、大きく成長を見込む。
メディアサービス分野では、ウェルビーイング事業をポストコロナの面でも新たな成長分野と捉え、ポータブル電源、空気清浄機、除菌脱臭機などのラインナップを強化。次世代光通信デバイス事業では、高精細プロジェクターの開発で培ったD-ILAデバイスを、高速光通信用途を含め他分野に応用展開する。
ものづくり改革としては、安定した収益を稼げるように、自動化推進、国内生産回帰、サプライやエコシステム構築などを軸に展開。「地政学的なリスクがあり、生産拠点を国内にもどす考え方。人件費問題があるので自動化を進めたい」とした。
さらに恒久的な事業体質の強化、「デザイン視点からも新たな価値提供を図る」とする技術開発戦略、社会課題の解決に向け7月1日にスタートさせる未来創造研究所の展開、ESG経営の推進などにも触れられた。
江口氏は「感動と安心を世界の人々への企業ビジョンのもと、新たな経営方針をもって、変わる、創る、つなぐ、かせぐの4つの行動指針で推進していく。新中長期経営計画でエクセレントカンパニーへの飛躍を目指す」と締め括った。
冒頭に江口氏は、2015年からの中長期経営計画「2020年ビジョン」について、「自己資本利益率を主たる指標とする経営を推進したが、市場環境は想定を上回る速さで変化し、 特に昨年は世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大があり、ROE10%は未達となった」と振り返った。
新中期経営計画は「VISION2023」とされた。激変する事業環境下で中長期的に企業価値を向上していくため、たくましさとしたたかさを併せもったエクセレントカンパニーへ飛躍することを目指していく。その内容は、収益基盤の確保と構造改革で安定した事業収益を稼げる体質へと変革、既存事業の収益基盤の強化、事業ポートフォリオの再定義により新たな成長分野を確立していくことを主眼に「変革と成長」をテーマに取り組む、としている。
また、新たな経営方針も策定された。「感動と安心を世界の人々へ」との従来からの企業ビジョンは変わらず、新経営方針は、ものづくりを通じた新たな価値の創造 、変化ある未来に立ち向かう企業風土の構築 、イノベーションを実現する人材の育成と組織能力の強化の3つが掲げられている。
重点テーマは、安定した事業収益を稼げる収益構造への転換、事業ポートフォリオの再定義による戦略の明確化と資源の配分、モビリティ&テレマティクスサービス事業の拡大とDXビジネスの更なる進化による新規事業の創出。それらのベースになるのは、「利益ある成長」と「グローバルでの社会的課題解決」を両輪とするサステナビリティ経営の推進とする。
事業ポートフォリオの再定義については、次世代新規事業、重点事業、収益基盤事業、課題事業の4つの定義で事業を捉え、「課題事業は今後戦略の見直しで構造改革、縮小・撤退を図る。収益基盤事業は、変革も図るが積極的な投資はせず、市場動向を見守りながら進める。次世代新規事業は、当社の強みやコアコンピタンスを生かした将来の成長分野として強化する」と説明。
これを受けての組織再編を7月1日に実施する。成長分野としているテレマティクスサービス事業を、従来のDXビジネスからオートモーティブ分野へ編入し、モビリティ&テレマティクスサービス分野とする。この分野での2023年度での売上構成比は全体の60%として 2000億円規模の売上を目指していく。
このような成長事業の拡大については、2023年度に全体で3200億円の売上収益を目指す中、新規・隣接領域を25%としていく。新規領域のテレマティクスサービスでは、中期成長シナリオをPhase1〜Phase3としているが「Phase1は現状すでに固めている。ドライブレコーダーの端末事業は前期300億円超の売上、高信頼性、高画質商品で国内市場業界トップクラスの位置。商品ラインナップの拡充を図る」とコメント。
Phase3までの成長を目指していく中、IoTプラットフォームサービスでは、同社の得意分野を生かしての、人と人をつなぐ多目的コミュニケーションプラットフォームサービスの提供なども挙げられ「映像、デザイン、コンテンツ、オーディオの強みを生かして、ファイルでの楽曲提供やストリーミングサービス、音楽で世界を繋げるサービスを考えたい」とした。
ポストコロナに向けた成長戦略では、抗菌・除菌、低濃度オゾン発生器の展開を紹介。「低濃度オゾン発生器は車載、ハンディタイプが4月から発売され好調。今後室内向けを展開する」。巣ごもり需要に対しては、「メディア事業でやってきたワイヤレス3Dシアター、コンパクトコンポーネントオーディオ、さらにAI検温ステーションもやっていく」。リモート需要に対しては、ポータブル電源 やウェブ会議用マイクスピーカー、スマートヘッドセットなどを展開する。
財務戦略では、「2023年度までの市場環境に対応できるよう、安定した事業収益を稼げる事業基盤の再構築」を掲げる。売上収益3200億円以上、コア営業利益120億円以上、当期利益率(ROE)10%以上の数値を掲げ、「変革と成長で戦略を着実に実行していく」とした。
事業分野別の戦略では、モビリティ&テレマティクスサービス分野で、モビリティの用品分野は堅調。国内の軽・小型自動車へのナビ、ドラレコ、新商材の提案を進める。前期300億円を達成したテレマティクスでは、今後損保向けの複数ビジネスの進化を図り、大きく成長を見込む。
メディアサービス分野では、ウェルビーイング事業をポストコロナの面でも新たな成長分野と捉え、ポータブル電源、空気清浄機、除菌脱臭機などのラインナップを強化。次世代光通信デバイス事業では、高精細プロジェクターの開発で培ったD-ILAデバイスを、高速光通信用途を含め他分野に応用展開する。
ものづくり改革としては、安定した収益を稼げるように、自動化推進、国内生産回帰、サプライやエコシステム構築などを軸に展開。「地政学的なリスクがあり、生産拠点を国内にもどす考え方。人件費問題があるので自動化を進めたい」とした。
さらに恒久的な事業体質の強化、「デザイン視点からも新たな価値提供を図る」とする技術開発戦略、社会課題の解決に向け7月1日にスタートさせる未来創造研究所の展開、ESG経営の推進などにも触れられた。
江口氏は「感動と安心を世界の人々への企業ビジョンのもと、新たな経営方針をもって、変わる、創る、つなぐ、かせぐの4つの行動指針で推進していく。新中長期経営計画でエクセレントカンパニーへの飛躍を目指す」と締め括った。
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