トップページへ戻る

レビュー

HOME > レビュー > レビュー記事一覧

公開日 2017/06/16 10:00
“逆転の発想”で生まれた伸びやかなサウンド

オンキヨー「TX-RZ820」を聴く ー 余裕ある設計が実現した“音質ファースト”のAVアンプ

大橋伸太郎

前のページ 1 2 3 次のページ

オンキヨーのハイクラスAVアンプ「TX-RZ820」は、同社のオーディオ技術、そして物量を惜しみなく投入することで、何より“音”にこだわったモデルといえる。本機の実力を大橋伸太郎氏がチェックした。

「TX-RZ820」¥128,000(税抜)

AVアンプのトレンドを常にリードしてきたオンキヨー

2017年も春以降、AVアンプの新製品が賑わいをみせているが、なかでも注目を集める存在がオンキヨーの「TX-RZ820」だ。

オンキヨーは、ドルビーTrueHDやDTS-HDマスターオーディオといったHDオーディオ対応を先駆けて実現して以来、AVアンプのベストセラー機を多数生み出してきた。また、AVアンプの激戦区となった8万円台という価格帯のマーケットを生み出し、そのベンチマークとして君臨してきたのもオンキヨーだった。直近では、オブジェクトオーディオへの対応も他に先駆けた。

つねにAVアンプのトレンドを先駆けてきたオンキヨー最新の上位モデルとなるのが、今回取りあげる「TX-RZ820」だ。

はじめに音質ありきで設計されたAVアンプ

TX-RZ820の税抜128,000円という価格は、マーケットとしてはミドルレンジと言えるだろう。オンキヨーが本機をハイクラスモデルと位置付けているのは、そのサウンドへの自信の現れと言える。TX-RZ820の実機を目の前にすると筐体のボリューム感に驚かされる。とにかく「デカイ」という印象で、30万円台のアンプに見える。

幅はどの製品も435mmで同じだが、本機は高さが201.5mmもある。ちなみにパイオニアブランドの11ch内蔵の高級機「SC-LX901」は全高185mmだ(ただし奥行きは本機より長い)。

フロントパネルを開いたところ

それでは、7.1.4再生まで対応する台数のパワーアンプを詰め込んだかというとそうではなく、この価格帯の他社製品と横並びと言える7ch内蔵にとどまる。プロセッシングも7.1ch対応だ。

最初訝しく思ったが、実際にTX-RZ820を試聴して納得がいった。本機は単純に、音がいい。後述するが大型のEL型電源トランスはじめ、資材にコストをかけている。アナログ/デジタル、音響/映像基板の完全分離と多段階層化も徹底している。はじめに音質の余裕ありき、で作られているのだ。

背面端子部

アナログ入力のステレオ再生からハイレゾのネットワーク再生、オブジェクトオーディオを含む映像音響までを、TX-RZ820は外観どおり余裕たっぷりにのびのび奏でる。チャンネル数を欲張らず余裕ある設計でオールラウンドな高音質本位を目指した、逆転の発想から生まれたアンプと言ってもいいだろう。具体的な試聴レポートに入る前に、本機のプロフィールをさっと紹介しておこう。

TX-RZ820に投入された音/映像へのこだわりを紐解く

前のページ 1 2 3 次のページ

関連リンク

新着クローズアップ

クローズアップ

アクセスランキング RANKING
1 BSプレミアム4K、『ウルトラQ』『ウルトラマン』『ウルトラセブン』を一挙放送。4月改変にて
2 ティアック、独自の新世代アンプモジュールを搭載した小型パワーアンプ「AP-507」。バッファーアンプや筐体も進化
3 ソニー、『ディズニー ツイステッドワンダーランド』コラボの小型完全ワイヤレス&ウォークマン
4 アニメ『Panty & Stocking with Garterbelt』サントラが “世界初” アナログ化。初回盤はピンク×パープルのカラーヴァイナル
5 【Qobuzを楽しむシステムプラン】創業100年、尽きぬ進化。“ラックスマン・サウンド”でQobuzのハイレゾ・クオリティが活きる!
6 テクニクス「EAH-AZ100」を買ったら、AirPods Pro 2ユーザーの生活が変わった話
7 LIFEEAR、“グラスを傾けながら音楽に浸る” ためのハイブリッド型イヤホン「LIFEEAR ICE」
8 究極の「スタジオモニター」はHiFiオーディオたり得るか?ジェネレックのアクティブスピーカー「8381A」を聴く
9 コンパクトボディに多機能を凝縮!装着感&音質も“満足度の高い”AVIOT新スタンダードTWS「TE-A1」レビュー
10 GERMAN PHYSIKS、360度無指向性ドライバー搭載スピーカー「Borderland Mk4」を2/25に発売
2/14 10:10 更新

WEB