公開日 2017/10/02 08:30
【特別企画】XL-1/SP-10を試聴
気品を備えた、リファレンスサウンドの到達点 ー サエクの旗艦ケーブル「STRATOSPHERE」を聴く
鈴木 裕
サエクの旗艦ケーブル「STRATOSPHEREシリーズ」のスピーカーケーブル「SP-10」とラインケーブル「XR-1」を鈴木裕氏が試聴。各ケーブル単体の試聴から、システム全体をSTRATOSPHEREで統一するとどのような音世界が実現するのかまで、その音を堪能した。
■サエクのフラグシップ“STRATOSPHERE”
あるオーディオメーカーにおいて、フラッグシップのモデルはそのブランドの技術レベルや考え方、音の方向性を表明しているとも言える。
今回、まさにそのサエクのトップエンドの製品、“STRATOSPHERE”シリーズのスピーカーケーブル「SP-10」とインターコネクトケーブル「XR-1」を聴くことができた。しかもふだんの試聴では、たとえばプレーヤーとアンプの間に接続してその音を把握するのだが、今回はデジタルプレーヤー、プリアンプ、パワーアンプ、スピーカー。そのコンポーネント間にひとつずつSTRATOSPHEREを増やしていき、最後はスピーカーをバイワイヤリング駆動するところまで、すべてSTRATOSPHEREでまとめるという贅沢なテストを敢行することができた。
結論を短く書くと、サエクの目指している純度の高い音色感、ゆがみのない空間表現力、そしてそれらを厚い信頼感を持って聴かせてくれる完成度の高さを堪能することができた。そこはかとない品のいい匂いを持っていつつ、反応の良い、リファレンス的な音なのだ。以下、その素材と構造、そしてSTRATOSPHEREを増やしていったリポートを記していこう。
■カギとなるスーパーストラタム構造。XR-1はPC-Triple C/EX導体も採用
スピーカーケーブルとインターコネクトケーブルに共通して、STRATOSPHEREシリーズの特徴は明快だ。PC-Triple C導体(XR-1はPC-Triple C/EC導体も使用)を採用したスーパーストラタム構造である。どういうことなのか。
まずスーパーストラタム構造から説明してみよう。基本的には、中心部に直径の太い導体があり、その外周部に直径の細い、しかもきちんと絶縁された導体を、複数配置するという構造である。各導体の太さ自体や外周部の本数はスピーカーケーブルとインターコネクトで違うが、基本的な考え方は同一だ。
役割としては、まず外側にある直径細めの導体は「高周波の電気信号は導体の表面を通る」という表皮効果を前提にしている。その表皮の面積を増やすことによって高音の性能を獲得しようという設計思想。それに対して中心導体部は太めの直径にして中低域の帯域をしっかり伝送させている。
ちなみにサエクでは、中心部に直径の太い導体、その外周部に直径の細い導体を複数配置する“ストラタム構造”自体は従来からのサエクのモデルにも採用してきた。STRATOSPHEREにおける“スーパーストラタム構造”は、外周部の極細導体の1本1本をそれぞれ絶縁しているという点で、ストラタム構造を進化させている。
■5N銀のパイプにPC-Triple Cを通した「PC-Triple C/EX」
STRATOSPHEREシリーズのもうひとつ特徴はその導体の素材にある。SP-10とXR-1は、中心部の導体にはPC-Triple Cを採用。これはサエクによると”独自の連続移送鍛造伸延技術により、優れた導通性能を実現し、S/Nの良いクリアでワイドレンジな特性を持っている”という点からの採用だ。既にさまざまな製品に使われているのでその基本的な音を把握されている方も多いと思う。
■サエクのフラグシップ“STRATOSPHERE”
あるオーディオメーカーにおいて、フラッグシップのモデルはそのブランドの技術レベルや考え方、音の方向性を表明しているとも言える。
今回、まさにそのサエクのトップエンドの製品、“STRATOSPHERE”シリーズのスピーカーケーブル「SP-10」とインターコネクトケーブル「XR-1」を聴くことができた。しかもふだんの試聴では、たとえばプレーヤーとアンプの間に接続してその音を把握するのだが、今回はデジタルプレーヤー、プリアンプ、パワーアンプ、スピーカー。そのコンポーネント間にひとつずつSTRATOSPHEREを増やしていき、最後はスピーカーをバイワイヤリング駆動するところまで、すべてSTRATOSPHEREでまとめるという贅沢なテストを敢行することができた。
結論を短く書くと、サエクの目指している純度の高い音色感、ゆがみのない空間表現力、そしてそれらを厚い信頼感を持って聴かせてくれる完成度の高さを堪能することができた。そこはかとない品のいい匂いを持っていつつ、反応の良い、リファレンス的な音なのだ。以下、その素材と構造、そしてSTRATOSPHEREを増やしていったリポートを記していこう。
■カギとなるスーパーストラタム構造。XR-1はPC-Triple C/EX導体も採用
スピーカーケーブルとインターコネクトケーブルに共通して、STRATOSPHEREシリーズの特徴は明快だ。PC-Triple C導体(XR-1はPC-Triple C/EC導体も使用)を採用したスーパーストラタム構造である。どういうことなのか。
まずスーパーストラタム構造から説明してみよう。基本的には、中心部に直径の太い導体があり、その外周部に直径の細い、しかもきちんと絶縁された導体を、複数配置するという構造である。各導体の太さ自体や外周部の本数はスピーカーケーブルとインターコネクトで違うが、基本的な考え方は同一だ。
役割としては、まず外側にある直径細めの導体は「高周波の電気信号は導体の表面を通る」という表皮効果を前提にしている。その表皮の面積を増やすことによって高音の性能を獲得しようという設計思想。それに対して中心導体部は太めの直径にして中低域の帯域をしっかり伝送させている。
ちなみにサエクでは、中心部に直径の太い導体、その外周部に直径の細い導体を複数配置する“ストラタム構造”自体は従来からのサエクのモデルにも採用してきた。STRATOSPHEREにおける“スーパーストラタム構造”は、外周部の極細導体の1本1本をそれぞれ絶縁しているという点で、ストラタム構造を進化させている。
■5N銀のパイプにPC-Triple Cを通した「PC-Triple C/EX」
STRATOSPHEREシリーズのもうひとつ特徴はその導体の素材にある。SP-10とXR-1は、中心部の導体にはPC-Triple Cを採用。これはサエクによると”独自の連続移送鍛造伸延技術により、優れた導通性能を実現し、S/Nの良いクリアでワイドレンジな特性を持っている”という点からの採用だ。既にさまざまな製品に使われているのでその基本的な音を把握されている方も多いと思う。