公開日 2021/10/30 07:00
[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域【第264回】
フェイスプレート交換でサウンド調整!画期的イヤホンNF Audio「NE4 Evolution」の出来栄えは?
高橋 敦
■フェイスプレート交換でドライバー割り当てを変更!
イヤホンのチューニングをユーザーが変更できる機構は、いわゆる「高級イヤホン」が流行し始めた当初から採用されることが多かった人気機能。音が耳に送り込まれる直前に通る「フィルター」など、アコースティックな部分での音響パーツを入れ替えることで、高域の減衰具合などを調整するといった手法が主流だ。
そして今回登場したNF Audio「NE4 Evolution」も、チューニング変更機構を搭載するのだが、その機構は前述のものとは完全に別物である。
フェイスプレートを交換できる構造として、そのフェイスプレートにネットワーク回路を内蔵。その交換によって「搭載されている複数基のドライバーをどの帯域にどのように割り当てるか?」を変更可能という仕組みだ。
具体的には、付属の3種類のフェイスプレートの交換で、搭載されている4基のBAドライバーの割り当てを、
●超低域×1/全域×1/高域×2
●低域×1/中域×1/高域×2
●全域×1/高域×3
に変更できる。
「ルックス的な話でフェイスプレートが交換可能なイヤホンってあるじゃん?そこにネットワークの電子回路を仕込んだらオーディオ的にも面白くね?」的な発想だろうか。とにかくこれは画期的だ!
■マルチドライバー構成のネットワーク回路って?
「フェイスプレートの交換による音質カスタマイズ機能」について、もう少し詳しく見ていこう。
前提として、複数基のドライバーを搭載したマルチドライバー構成のイヤホンでは一般的に、「ネットワーク回路」と呼ばれる電気回路によって「どのドライバーにどの帯域の音を再生させるか?」が設定されている。
例えば低域・中域・高域を各ドライバーに担当させる3ウェイ構成だったら、「〇〇Hz以下の低域の信号はこのドライバー、〇〇Hzから○○kHzの中域の信号はこのドライバー、〇〇kHz以上の高域の信号はこのドライバーに送り込む」というように、各帯域の音声信号を各ドライバーに送り込むネットワーク回路が必要。
また「〇〇Hz以下」で示しているように、低域・中域・高域をどの周波数で分割するのか、そして各帯域の音量バランスはどうするのかというのも、ネットワーク回路で設定される。
つまりネットワーク回路を丸ごと交換可能ということは、いま挙げたそれらすべての設定を変更可能ということだ。それはもう「ほぼ別物のサウンドにも変更可能なチューニングシステム」と言って過言ではない。
なお近いところでは、ハウジングのDIPスイッチ等でチューニング変更ができるシステムを搭載したイヤホンがある。あちらはおそらく、ネットワーク回路の一部、例えば抵抗やコンデンサーを、別の値のものに切り替えるといった仕組みだろう。あるいは二系統のネットワーク回路を搭載し、それを丸ごと切り替えている機種もあるかもしれない。
だがいずれにしても、このフェイスプレート交換システムによるチューニングの変更幅はそれらを上回るはずだ。変更幅の大きさとしては、
ネットワーク回路交換>ネットワーク回路の一部切替スイッチ>フィルター交換>イヤーピース交換
といった感じでイメージしてもらえればよいのではないだろうか。
イヤホンのチューニングをユーザーが変更できる機構は、いわゆる「高級イヤホン」が流行し始めた当初から採用されることが多かった人気機能。音が耳に送り込まれる直前に通る「フィルター」など、アコースティックな部分での音響パーツを入れ替えることで、高域の減衰具合などを調整するといった手法が主流だ。
そして今回登場したNF Audio「NE4 Evolution」も、チューニング変更機構を搭載するのだが、その機構は前述のものとは完全に別物である。
フェイスプレートを交換できる構造として、そのフェイスプレートにネットワーク回路を内蔵。その交換によって「搭載されている複数基のドライバーをどの帯域にどのように割り当てるか?」を変更可能という仕組みだ。
具体的には、付属の3種類のフェイスプレートの交換で、搭載されている4基のBAドライバーの割り当てを、
●超低域×1/全域×1/高域×2
●低域×1/中域×1/高域×2
●全域×1/高域×3
に変更できる。
「ルックス的な話でフェイスプレートが交換可能なイヤホンってあるじゃん?そこにネットワークの電子回路を仕込んだらオーディオ的にも面白くね?」的な発想だろうか。とにかくこれは画期的だ!
■マルチドライバー構成のネットワーク回路って?
「フェイスプレートの交換による音質カスタマイズ機能」について、もう少し詳しく見ていこう。
前提として、複数基のドライバーを搭載したマルチドライバー構成のイヤホンでは一般的に、「ネットワーク回路」と呼ばれる電気回路によって「どのドライバーにどの帯域の音を再生させるか?」が設定されている。
例えば低域・中域・高域を各ドライバーに担当させる3ウェイ構成だったら、「〇〇Hz以下の低域の信号はこのドライバー、〇〇Hzから○○kHzの中域の信号はこのドライバー、〇〇kHz以上の高域の信号はこのドライバーに送り込む」というように、各帯域の音声信号を各ドライバーに送り込むネットワーク回路が必要。
また「〇〇Hz以下」で示しているように、低域・中域・高域をどの周波数で分割するのか、そして各帯域の音量バランスはどうするのかというのも、ネットワーク回路で設定される。
つまりネットワーク回路を丸ごと交換可能ということは、いま挙げたそれらすべての設定を変更可能ということだ。それはもう「ほぼ別物のサウンドにも変更可能なチューニングシステム」と言って過言ではない。
なお近いところでは、ハウジングのDIPスイッチ等でチューニング変更ができるシステムを搭載したイヤホンがある。あちらはおそらく、ネットワーク回路の一部、例えば抵抗やコンデンサーを、別の値のものに切り替えるといった仕組みだろう。あるいは二系統のネットワーク回路を搭載し、それを丸ごと切り替えている機種もあるかもしれない。
だがいずれにしても、このフェイスプレート交換システムによるチューニングの変更幅はそれらを上回るはずだ。変更幅の大きさとしては、
ネットワーク回路交換>ネットワーク回路の一部切替スイッチ>フィルター交換>イヤーピース交換
といった感じでイメージしてもらえればよいのではないだろうか。
- トピック
- イヤホン
- 高橋敦のオーディオ絶対領域